グンタイアリ

登録日:2014/05/31 (土) 23:32:46
更新日:2024/12/11 Wed 07:52:31
所要時間:約 4 分で読めます





「わたしが訓練教官のグンタイアリ先任軍曹である。」
「話しかけられたとき以外は口を開くな! 口でクソたれる前と後に“Sir”と言え!分かったか、ウジ虫ども!」

「Sir, yes, sir!」

「貴様ら幼虫どもが成虫まで生き残れたら 各人が兵器となる。狩りに祈りを捧げる死の司祭だ。」
「その日まではウジ虫だ!地球上で最下等の生命体だ!貴様らは昆虫ではない!分かったか、ウジ虫ども!」

「Sir, yes, sir!」




【概要】


グンタイアリとは、ハチ目アリ科のうち、グンタイアリ属など7属の総称である。
種類は非常に多いが、大きく分けて、南北アメリカに住むグンタイアリ、アフリカにすむサスライアリ、アジアに住むヒメサスライアリの3つに分けることができ、いずれも熱帯雨林に生息している。
ちなみに日本にも沖縄本島と西表島で2種類が住んでいると思われていたが、調査の結果同種だと判明したため現在は1種類しか存在が確認されていない。

【生態】

グンタイアリ亜科の働きアリは大体1.5㎝ほど、女王アリは産卵のため異様に肥大化した腹を持ち2cmほどにもなる。
中央アフリカ熱帯雨林に生息するサスライアリ亜科はグンタイアリ亜科よりも一回り大型なものが多く、女王アリのなかには5㎝に達するものもある。
一方東洋を中心に生息しているヒメサスライアリ亜科は、グンタイアリ亜科やサスライアリ亜科と比べるとはるかに小柄であることが多い。
また、体に対して牙が大きく、肉を食いちぎるのに適した形状をしており、力も強い。
その牙の大きさと鋭さから、グンタイアリの牙を使って傷の止血を行うこともあったらしい。

女王アリ、雄アリ、働きアリと3つの階級がある。
働きアリはさらに隊列を守るメジャー、獲物を運ぶサブメジャー、狩りを行うメディア、行軍の際に橋になったりするマイナーの4つの種類に分けられる。



一般のアリとは違い巣を作らない。休む時は働きアリたちが絡み合うことで即席の巣となる。
とにかく獰猛で、軍隊のように隊列を組んでひたすら行進し、遭遇した獲物を片っ端から捕食していく。
昆虫やサソリなどの節足動物はもちろん、蛇やトカゲなどの爬虫類や鳥、ネズミなどの小型の哺乳類まで襲い、捕食する。
人間もかみつかれると非常に痛いし腫れる。
群れの規模も非常に大きく、総勢100万匹、最大20メートルにも広がって進軍する。
また、種類によっては他の種類のアリの巣に攻め込み、巣を丸ごとひとつ食糧にしてしまうこともある。

「目についた者は片端から喰らえ。存分に喰い存分に飲め。この熱帯雨林の生物たちは今宵我らの晩飯と成り果てるのだ」

その獰猛さからジャガーも避けて通るといわれており、中南米最強の生物はグンタイアリ達ではないかとも言われている。



特に幼虫の育成期の狩りは非常に激しく、周辺がアリで埋め尽くされるほどの数の隊列を組む。そのさまはまるで洪水。

「来るぞ 河が来る 死の河が!!」

周りの獲物をたちまち全滅させてしまうため、次なる獲物を求めて常に移動し続け、定住はしない。
ただし、幼虫が育ち終わると狩りの規模を縮小し、定住生活も行うようになる。



移動の際には隊列の周りを警備兵が固める。そのさまはまるで銃をささげる兵士の間を行軍しているかのようである。さすが軍隊。
当然ながら女王の周りは特に厳重で、自らの体で隠匿するかのように上空に至るまで警備を固めている。

また、そのままでは進めないような場所でも大量の軍隊アリが集まって抱きつきあうことで即席の橋を作って強引に渡ってしまうし、川に出くわしても働きアリが女王アリや幼虫を背負った状態で抱きつきあい、強引に渡ってしまう。
当然何匹かは犠牲になるが、群れが進軍を続けられればそれで良いのだ。
ただし、どのようにしてここまで見事な連携を行っているのかについてはまだはっきりしたことは分かっていない。

狩りの際にも「包囲」を徹底する。彼らは獲物を見つけると、散開し取り囲むように動くのだ。
そのため獲物が逃げようとしても、どこに行ってもグンタイアリの群れに遭遇してしまうようになってしまうのである。
そのまま包囲を縮められ、数の暴力で食いちぎられてジ・エンドというわけである。

なお、グンタイアリの群れにはハネカクシという昆虫の仲間やシミという昆虫の仲間など、他の虫も結構たくさん混じっている。
彼らは主にグンタイアリたちが捕まえてきた獲物を盗んだり、弱ったグンタイアリを捕食したりしながら生活している。
女王アリに至ってはダニがくっついてしまっており、移動の時にはハネカクシもくっついたりする。
意外と警備がザルだな、軍隊。


しばしば映画などでグンタイアリが人間を襲うシーンがあるが、基本的に大型の動物を襲うことは無い。
仮に襲ったとしても襲われた動物が暴れればほぼ振り払われてしまう。

ただし、病気などで衰弱している場合は話が別。
弱った家畜が襲われたり、人間でも親からネグレクトを受けて、栄養不足になっていた幼児や木の下で寝ていた酔っぱらいがグンタイアリに襲われて死亡したという例がある。(身体の一部も喰われていたらしい。)

ちなみに害虫を完全に駆逐してしまうので益虫としての面もある。
実際に南米の一部にはシロアリの巣を割ってグンタイアリを放つというシロアリ駆除法があるほか、家屋に侵入された場合でも無駄に抵抗せずその場を明け渡せば家中の害虫(他のアリ、ハエ、G等)を食い尽くして撤収していくのだとか。

ただ、シロアリも巣の通路を狭く作り、タイマンに持ち込むという対策を持っていたりする。


【天敵】

そんなグンタイアリだが天敵もいる。
テキサスホソメクラヘビという蛇は身体からグンタイアリに襲われないフェロモンを出しており、群れに紛れ込みアリを補食してしまう。
もっとも、それくらいでは基本的に進軍は止まらないが。


【創作のグンタイアリ】

ドラゴンクエストシリーズの一部作品にも、「ぐんたいアリ」というモンスターが登場する。
本物ほどの大群で出現したりはしないが、仲間を呼ぶ

ビーストウォーズに登場するデストロン兵士・インフェルノはグンタイアリのビーストモードを持つ。
外観はヒアリをモチーフにしているが、当時の日本では非常にマイナーなアリであった為、メジャーかつ凶暴・凶悪なイメージのあるグンタイアリが選ばれた。
だが、本人の性格や能力などから、グンタイアリモチーフでも間違ってはいない。

仮面ライダーアギト劇場版に登場するアントロードは、グンタイアリがモチーフである。




「本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する。本日から貴様らは働きアリである。」
「だが肝に銘じておけ。働きアリは死ぬ。死ぬために我々は存在する。だが働きアリは永遠である。つまり―――貴様らも永遠である!」
























「Sir、報告があります! sir!」

「なんだ?言ってみろ!」

「Sir、前方に大量の寄生バエ&ウスバカゲロウの幼虫とオオアリクイの姿を確認しました! Sir!」

「回れ右!全軍、撤退!ひいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!」



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最終更新:2024年12月11日 07:52