エクゾスカル零

登録日:2014/06/12 (木) 20:06:34
更新日:2023/04/27 Thu 18:07:45
所要時間:約 15 分で読めます





これは地獄を旅する少年と鎧の物語

覚悟と零の地獄篇





エクゾスカル零はチャンピオンREDで連載されていた山口貴由による漫画作品。



✝要☆概✝

同雑誌で連載していた『シグルイ・無明逆流れ編』完結後、
作者の代表作『覚悟のススメ』の再誕を謳い連載開始。
(元よりシグルイ完結から三カ月後には新連載を開始する約束だったが、
若先生がうっかりそれを失念していたために雑誌で開始予告を見て魂消たとのこと。むーざんむーざん。)

当初はあまりにも覚悟のススメとは印象の異なる人物の描写からパラレル作品新約作品の類と
解釈されていたが、掲載中のREDに載った作者インタビュー企画で、なんと覚悟のススメの直系の未来を描いているばかりか、
公式スピンオフ『開花のススメ』やヤングアニマルで連載されていた過去作『蛮勇引力』までも組み込まれた
大きな歴史の流れにつながっている作品であることが明かされた。
(若先生の中では今まで描いてきた作品は全てつながっており、『生涯をかけて1つの大きな物語を描く』と思っているとのことである)

…だとすると覚悟の世界の江戸時代には『シグルイ』があり、インタビューで挙げられていなかった『悟空道』
『エクゾスカル零』完結後の物語だったりするのだろうか……?謎は深まるばかりである。


物語の大筋は、それぞれ別々の時代で『正義を行う者』として人々を守ってきた主人公たちが、
文明が完全に崩壊した遠い未来世界で目覚め、
これまで信じてきた正義や守るべきものが一切存在しない絶望の世界で出会い闘う姿を描く、という構造を取っている。

世界観こそ荒廃してはいたものの、熱気に溢れ剛速球で勧善懲悪を謳った『覚悟のススメ』とは一変して
全ての命が死に絶えた世界を舞台に展開する陰鬱かつ先の見えない絶望的な展開は
若先生が前作シグルイを描き切ったことで精神的に強い喪失感を受けてしまった影響。
また、いわゆる『復活作品』によるかつての栄光の疑似体験ではなく、
文字通り零の地点から再出発するためにこのような内容になっている。

ただ、ヒロイン・初夜六花の登場を機に徐々に(シリアスな笑いを除く)コミカルな要素も再生の兆しを見せており、
シグルイ後からシグルイ以前に回帰しているかのようなリハビリめいた雰囲気も感じられる。

主要キャラクターである『エクゾスカル』所有者はいずれもそれぞれが生きていた時代で
架空の作品の主人公を務めていた正真正銘の正義のヒーローという設定(『覚悟のススメ』の主人公であったエクゾスカル零・葉隠覚悟を除く)で、
各自が主人公としての戦いの履歴を持っている。作中では彼らの回想シーンなどの際、各作品のタイトルとともに、
所属・敵対していた組織などの内容が(部分的にだが)明らかになっている。




✝台☆舞✝


どうやら

我々は

地獄に堕ちたらしい

文明の崩壊した世界。

昇り詰めた科学文明が地上に太陽を作り出し、それぞれの時代の『正義を行う者』たちが全ての悪の組織を滅ぼしたことで、
人類はついに恒久平和を得るに至った。しかし、完全に満ち足りた暮らしはいつしか人類を生命の環から逸脱させ、
世界規模で“自死”の感染爆発が起こった。世界中に蔓延する自死を食い止めるべく、
人類は幸福感を齎す薬物を絶えず摂取する必要に駆られ、やがて内分泌系の適応が体内で促され、
結果的に人類は自ずから幸福物質を作り出せるように進化した。

しかし、この幸福物質が過剰分泌されてしまう症状が発生し始めた。
この症状を発症すれば至福の高揚の果てに人間を人間たらしめる記憶や絆の一切を喪失してしまい、
最終的にはただ『飢え』だけを残して捕食対象を求め徘徊する『到達者』と呼ばれる状態に成り果ててしまう。

到達者が招いたエネルギー施設の事故を皮切りに文明はあっけなく崩壊し、
自我無き食屍鬼と、変わり果てた地上で生存するべく異形の進化を遂げた霊長類が徘徊する廃墟だけが残った。

元々『覚悟のススメ』の時点で大規模な地殻変動の影響で文明は崩壊し、
瓦礫の街には無法者や肉食巨大ゴキブリや戦術鬼が闊歩していたのだが、
この世界を支配するのは熱の無い、圧 倒 的 な ま で の 虚 無 で あ る。
命を脅かす怪物はいるが、それは単なる悪意無き捕食者にすぎず、
世界の支配や破壊を目論む立ち向かうべき明確な『敵』はいない。
守るべき牙無き人や秩序も存在しない。目覚めた正義失格者たちに与えられたのは使い道の無い超兵器と心を蝕む孤独。
そして、ほどなく訪れる絶望だけである。



✝物☆人✝



≪正義失格者≫
その身に零式特殊武装『エクゾスカル』を纏い、それぞれの時代で人類の平和を守るべく選ばれし戦士だった者たち。
戦いが終わった後はその力を軍事利用されぬよう、その存在を厳重に秘匿された上で冷凍睡眠装置によって永き眠りに着く定めを負う。
絶対的なまでの力を有するゆえに数多の掟を課せられており、この物語開始時まで、相互の面識は無かった。
覚悟の覚醒した地下施設に安置されたカプセルは計6基であり、既に物語開始時にそこで眠っていた6名は全員目覚めている。

しかし、第1巻の序文には正義失格者は『7名』とあり、それぞれが七つの大罪(原罪)に由来する罪を背負うとされている。



『その言葉宣戦布告と判断する 当方に迎撃の用意あり』
エクゾスカル零/葉隠覚悟

参戦作品:『覚悟のススメ』
所有エクゾスカル -強化外骨格「零」-
罪業“傲慢”

はがくれ・かくご。
本作品の主人公。長きにわたる冷凍睡眠から覚醒した少年。
時代時代のエクゾスカル戦士にも受け継がれていく超人的戦技・『零式防衛術』創始者の末裔であり、
彼の一族は代々牙を持たぬ人を守るため、世界征服を企む超能力者や科学者、カルト教団と戦ってきた。

しかし、本作では戦闘に関する事柄以外のすべての過去の記憶を何者かに奪われており、
加えて孤独なサバイバル生活で精神が摩耗した結果、
『覚悟のススメ』の頃とは似ても似つかない非常に荒んだ戦闘マシンに成り果ててしまっている。
(旧作では使わなかった零式鉄球の鋭利化や螺旋、化学兵器や銃器を平然と使用する)
滅びに向かう世界の中でなお『正義を行う者』としての使命を頑なに実行し、
それを妨げる者には武力による粛清も辞さない恐怖のトリガーハッピーサイコパスメガネ。
神経ガスナパーム弾で怪人を殲滅し、意見の違う相手には青酸カリ弾を脳天に撃ち込んでバイクで遁走だ!
その寡黙ながら極めて剣呑な雰囲気は覚悟というより前作シグルイの主人公、藤木源之助に似ている。
ただし、若先生の言葉によると『人間を信じる』という心だけは覚悟のススメ時代から変わっていないとのこと。




『獅子の名に於いて 汝を淘汰する』
エクゾスカル霹/九十九猛

参戦作品:『大帝戦記レオクロス』
所有エクゾスカル -装甲電獅子「霹」-
罪業“暴食”

つくも・たける。
覚醒した覚悟が最初に遭遇した意思疎通可能な人間。かつて『正義を行う者』だった少年。
骨格を持たない『蛭子』のような畸形児として生まれ、
金属製の内骨格『メタルペイン』を肉体の成長に合わせて取り換えてきた
過去を持つ一種のサイボーグ。しもべとして二頭の豹を連れている。

人々の笑顔と声援を心の支えに戦ってきたが、それらが消滅した世界で自分を見失ってしまう。
死都を彷徨う中、遭遇した怪物の正体が生き残るために異形の進化を遂げた新人類であることに気付き、
『生きようとする命を護る』というエゴに取り憑かれる。
残された旧人類を守るために新人類を抹殺しようとする覚悟を悪魔と断じ、戦いを挑むが…

山口作品では珍しく横文字を多用した珍妙な比喩表現を好んで使う本作のオアシスその1。




『無法なまねは許さない 六花が全員を助けるわ』
エクゾスカル雪/初夜六花

参戦作品『軍用乙女ユキ』,『鉄腕探偵リッカ』(彼女のみ2本の主役作品を持つ)
所有エクゾスカル -潜陸砕氷外殻「雪」-
罪業“姦淫”

はつや・りっか。
本作のヒロイン(?)。
流離いの旅の果てに精神に限界をきたし、拳銃自殺しようとした覚悟を制止した少女。
瑞々しい生命感に満ち溢れ、地獄に変わり果てた世界でも朗らかな笑顔を絶やさない。

当初はエクゾスカル戦士同士ということで丁寧な態度で接していたが、
実際は『いかなる状態でも自分自身を最も大切にする』というかなりいい性格をしており、
空腹で死にかけていた覚悟に自作のパン(二つに割ったうち小さいほう)を分け与えたのを
きっかけにどんどん図太く馴れ馴れしい態度になっていった。
正義失格者・エクゾスカル震電とは廃墟の街で出会った後婚約を交わしている。

血みどろな死闘のただ中でもわれ関せずとKYなリアクションを貫き通す本作のオアシスその2。




『有為転変を乗り越えよ 不壊不動の境地に至れ』
エクゾスカル震電/動地憐

参戦作品:『帝都戒厳令 衛府の剣』
所有エクゾスカル -神造歩兵「震電」-
罪業“強欲”

どうち・れん。
医療要塞ヴァールハイト精神城の城主にして
人類救済の最後の手段『メデューサ計画』を果たすべく
全ての『零式特殊武装』を手中に収めんと活動する男。肉体をアンドロイド化した実妹・澪を始め、
眠りにつく以前所属していた国防特務機関『衛府』の残党である震電挺身隊を部下として率いる。

ひたむきに己に課せられた『神命』を果たさんと欲する厳格な武人だが、本来は豪放磊落な熱血漢。
大学ではラグビー部に所属していた他、平凡なサラリーマンとして働いていた時期もあったり
見た目もでかいが過去回想のインパクトもでかい。
お礼参りは特攻服に金属バット。

なお、「震電」のデザインと名称の初出は『鉄拳6』の漫画家コラボレーション企画での若先生によるコスチュームデザイン。
実際に性能を再現されたら格闘ゲームどころじゃねえ……




『神の名を借りるしかない…その弱さこそ 人間の証だ』
エクゾスカル雷電/黒須京馬

参戦作品『覚悟のススメVOLTEX』,『開花のススメ』
所有エクゾスカル -靭機猟兵「雷電」-
罪業“?”

くろす・きょうま。
正義失格者。動地憐の時代にも覚醒して社会の影で戦っており、憐がエクゾスカル震電として生きることを決意するきっかけを与えた人物。
過去から連綿と受け継がれてきた『火』(人間の心・営み)を守ることを使命とするストイックな戦士。
医者としての顔を持ち、名乗るときも戦士でなく医師であると告げる。

目覚めて以来到達者の研究に明け暮れ、人類に希望が残されていないことを知ると共に
正義失格者を覚醒させたのは人間のまま眠らせて欲しいという残存人類の叫びであると結論付ける。
真っ向から対立する零と震電の闘いの果てに正義失格者たちの運命を占おうとするが…
穏やかで淡々とした雰囲気のおじさんだが、時折静かな狂気を見せる時があり彼もまた少なからず孤独に毒されている。

初登場は『覚悟のススメ』の後日談と思しき短編『覚悟のススメVOLTEX』
しかしこの時は雷電(名義は『覚醒式強化外骨格』)を纏ったままの状態であった。
続くスピンオフ作品『開花のススメ』では京馬は復興した新東京の医師だが、
序盤で殺害され雷電に宿る英霊となっており、実際に雷電を纏って戦うのは実妹の主人公・黒須 巴である。

そこからさらに時が経った『衛府の剣』の時代に現れたということは憐が会った雷電は巴ということになるのだが…?
正義失格者たちの中でも特に謎の多い存在である。

ちなみに雷電は零と霞以外のエクゾスカルの中で唯一立体化されている。




『汝らの罪障 深重にして もはや現世での償い能わざるなり 』
エクゾスカル霧/御菩薩木紡

参戦作品:『?』
所有エクゾスカル -武葬憲兵「霧」-
罪業“?”

みぞろぎ・つむぐ。

荒廃した世界を相棒のサル型サポートメカ・ヒデヨシと共に旅する少年。外見は正義失格者たちの中でも最年少。
明るくバイタリティに溢れたヒーロー然とした性格。

到達者となることを免れた『原種』(オリジン)を自認する少数の避難民の集落を守ろうとするが、
エクゾスカル雷電の残したメッセージを解析したことで、
結局原種など存在せず全ての人類が遅かれ早かれ到達者と化してしまう真実を知る。
さらには原種たちの不信を買ってしまい…

彼の纏う鎧は死者の霊魂を取り込める強化外骨格とは異なり、
虐殺された者の遺した怨念を吸収して稼働するシステムであり、
それゆえ力を揮える時は常に手遅れ、弱者の報復のためにしか戦えないという
因果な宿命を背負っている。




『正義失格者 おまえは我が弟に似ているな』
現人鬼

参戦作品:『?』
所有エクゾスカル -装甲軍鬼「霞」-
罪業“憤怒”

あらひとおに。
人間が生存不可能な電磁嵐の彼方に位置するエリアで擱座した
巨大な仏像型の要塞を根城とする『超越者』の長。
千年の眠りから目覚めた正義失格者ではあるが
覚悟らエクゾスカル戦士とはまた違う場所で眠りについたらしい。

過剰にして無謬・猥褻にして純潔な両性具有の肉体を持ち
零式特殊武装を纏った同じ超越者の配下を従える。

自身もエクゾスカルの中で唯一殺された人間の霊魂を吸収する機能を持った
『怨念の鎧』の所有者で超絶的な戦闘力を垣間見せている。

到達者となった人類は滅ぶ定めと世界の行く末には傍観を決め込んでいるが、
人類の『火』を守るべくメデューサ計画の中核に怨念の鎧を求める憐の志を認め、
装甲軍鬼「霞」を譲り渡した。

見る限り明らかに『覚悟のススメ』の敵組織、『不退転戦鬼軍団』の頭領にして
覚悟の実兄 現人鬼・散(はらら)様なのだが、
作中では未だに明確に断言はされていない。



☆その他の人物☆

動地澪

どうち・みお。
震電挺身隊に所属する乙女でエクゾスカル震電・動地憐の妹。額に『一』の刻印がある。
その正体は専用の零式特殊武装とリンクした戦闘を行うよう造られた神造磁力線機「澪」。
オリジナルの澪といえるのはアンドロイドの機体内部に格納された脳髄だけで、パーツ交換により半永久的な寿命を持つ。
そのため、憐とは異なり世界の変貌を直接見届けている生き証人とも言うべき存在。
生身のころは脚が不自由で車椅子に乗っていた。


兵頭伊織

ひょうどう・いおり
葉隠一族に仕える支流・兵頭家の女戦士。陸・海・空の戦場でそれぞれ零を援護する三つの鎧のひとつ、
空挺尖兵「霄」の装着者。表向きは寡黙で無表情だが、到達者となるくらいなら
人(女)の心のままで死にたいと願っており、エクゾスカル震電のメデューサ計画に賛同、
憐の思想を理解しない覚悟に襲い掛かるが敗北した。
覚悟と敵対して命を取られなかった極めて珍しい人物。覚悟のことは『ご本家』と呼び
敬意を払って接するが、地では語尾に「ッス」を付けてしゃべるクールな漢女。


大衛兵 震

だいえいへい・しん
現人鬼に忠誠を誓い、主に謁見しようとするものを阻む屈強なる戦士。自身も超越者であり、
その身に纏った超鋼の鎧は、『覚悟のススメ』で不退転戦鬼軍団の 衛兵隊長・ボルトが装着していた
強化外骨格「震」に酷似している。大衛兵自身はボルトとは似つかぬ褐色の肌の巨漢で、
憐以上の巨体に加え、その身にはいくつもの零式鉄球を埋め込んでいる。

神命成就のため現人鬼の下に向かう憐に人類は最早滅ぶ以外の道はないと解き、
なお退かぬ彼を死の淵まで追い込んだが、エクゾスカル震電が乾坤一擲の秘技『荷電粒子閃獄剣』の前に斃れた。



✝語☆用✝

零式防衛術
『正義を行う者』たちが習得した超人的な戦技。『覚悟のススメ』に登場した最終格闘技と同一のものと思われる。
その時代ごとに異なる発展を遂げているが、基礎となったのは最も古いエクゾスカル戦士である覚悟の使うもの。
一触必殺を可能とする恐るべき殺傷力を秘めるが、『覚悟のススメ』時代に比べると演出的にはリアリティ重視で
過剰な破壊描写は控えめになり、寝技や関節技の攻防が多くなっている。
これは『鎧の弱点は関節にある』という若先生の判断によるもので、
総合格闘技の道場に入門し、自らの肉体を痛めつけながら、この戦闘スタイルを編み出したという。



零式特殊武装
『正義を行う者』たちがその身に纏う鎧の総称。
いかなる攻撃もはね返す“盾”と、いかなる防御も突破する“矛”が同時に存在する奇跡の解答。
装着者は非戦闘時には膝から下のパーツだけを分離し、ブーツのようにして履いている。
装着していなくても、ある程度の距離からなら内蔵兵器を遠隔で操作することも可能。
装甲の輝きによってレーダー波を反射し、隠行(ステルス)化して目標に侵入する。
その戦力は、敵を目視可能な距離まで接近した場合、いかなる防御手段をも攻略して任務を遂行することが可能である。
その中でもエクゾスカルの称号を得ている鎧(戦士)は震電雷電の七つのみ。


輝かしき時代
『正義を行う者』たちが戦ったそれぞれの時代。悪の組織が平和を脅かしてはいたが、
その満ち足りぬ環境そのものが人類存続には不可欠であったというのが皮肉である。
ちなみに秩序の崩壊した『覚悟のススメ』の時代から『開花のススメ』の時代にかけて一度目の復興が始まり、
動地憐の活躍した『衛府の剣』の時代に新エネルギー(神機力)で完全に文明は復活したが、
その後訪れた『蛮勇引力』(劇中の表記では西暦2051年)の時代に再び崩壊したという流れになっているらしい
(六花・猛が活躍した時代はその後)。
……なお、二度目の文明を破壊した張本人こそ、『蛮勇引力』の主人公、魔人・由比正雪である。


到達者
荒野や廃墟を徘徊する食屍鬼の正体。恒久平和の齎す倦怠から脱するための幸福物質が
体内で過剰分泌された結果、一切の理性を失い『飢え』に従うだけの存在になった未来人。
発症せず残存している人類もいずれは例外なく到達者になるとされ、
防ぐことも治療することもできず、至れば最期・命を奪う以外の救いは無い。
平和を浴する以前の時代に生まれ、己の齎した平和を見届けることなく眠りについた
『正義失格者』が到達者になるのかは未だ明かされていない。


甲殻霊長類
過酷な環境で生存すべく進化した人類の一形態。
コンクリートや鉄すら捕食し、全身を岩石のような外殻で覆った異形の巨人。
仲間の屍を求めて共食いすら行うところを見ると、彼らもまた到達者となっている可能性が高い。
人類滅亡の真実を知る以前のエクゾスカル霹・九十九猛は彼らを守るべき新人類と信じていた。


吸血霊長類
過酷な環境で生存すべく進化した人類の一形態。
廃墟の街を彷徨う覚悟が出会った新人類で、人間の血液を養分に命を長らえることができる。
普段は女性でも少年のような小柄な体躯をしているが、養分を得ると肉体が本来の体格サイズに戻る。
覚悟が接触した個体は理性も残っており、相互の同意があれば共生も可能だったが…


メデューサ計画
滅びゆく人間の『火』を守らんと動地憐が立てた計画。全人類を安楽死させ、
現人鬼から譲り受けた「霞」の死者の霊魂を吸収する機能を、「零」を中心とした全零式特殊武装の共鳴によって増幅、
コアに「霞」を組み込んだ『録魂球メデューサ』内部に収容することで現状を永遠に維持させるというもの。
例え到達者となる未来が待ち受けていようと人は人のまま一生を全うすべしと考える覚悟の手でメデューサが破壊され、
計画は頓挫した。









生☆七
全消し死に至る病なら  追記・修正もまたなのだ
ただし
生を喚起することは間違いない
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最終更新:2023年04月27日 18:07