西宮硝子(聲の形)

登録日:2014/07/12 (土) 06:27:00
更新日:2025/03/21 Fri 22:45:43
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西宮硝子とは『聲の形』のもう1人の主人公でありヒロイン。



石田将也と共に物語の軸をなす人物だが、連載版では常に他人視点で描かれている。
主人公石田の同級の高校3年生。
6月7日生まれで現在は18歳。全登場人物で誕生日と年齢が明記されている唯一の登場人物(母の八重子は年齢だけしか判明してない)。
先天的に聴覚に障害を持つ聾唖の少女である。*1

小学生の頃の髪型はボブカット、現在は肩にかかるくらいに伸ばしている。
髪の色は茶だったりピンクだったり紫だったり、作者がカラー絵の色調に補正を掛けることもあってはっきりしないが、一応栗毛色である。

右耳の耳たぶの下には裂傷の痕があるが、これは小学校時代に将也が耳を無理に強く引っ張ったとき出来たもの。

聴力

スケッチブックで「私は耳が聞こえません」と書いた事から硝子は完全に何も聞こえていないと思われがちではあるが、実際には少し違う。

聴力の程度は不明であるが、補聴器を装着した状態で近くから大きめの声でゆっくりと喋ってもらえば、内容が分かる模様。
実際に以前の学校では煙たがられて孤立し、助けて貰うような相手はいない様子ながら5年生になるまで通えており、遊園地の時には筆談なしで植野と会話している。

突然大きな声で叫ばれたりすると難聴とは言えどさすがにびっくりしているし、文化祭の太鼓演奏では大音量で補聴器がハウリングするためさすがに耳を塞いでいる描写がある。
それでも正確な聞き取りは難しいらしく、周囲の人間が早口でガンガン喋ってたりすると完全について行けなくなる。

それでも聞こうと努力すれば、授業についていく程度は本来可能であり、西宮の世話をしていた植野たちはその事に気づいていた為「この子は聞く気がない」と心証を害した理由となっている。

生まれつき人の声が正しく聞き取れないため、人と同じように喋ることは出来ず、
発音が不明瞭で聞き取りが困難な言葉しか発することができない。 

小学生時代は両耳に、現在は何故か左耳だけに補聴器を装着している。
どうやら右耳の聴力が落ちて補聴器が意味をなさなくなったらしく西宮は「本当に聞こえなくなる前にもっと皆の声を聞くべきだった」と後悔している。

【性格】


酷い事をされても相手を全く恨まない、おとなしく心優しい真面目な性格の持ち主。
逆境でもめげる姿を見せようとはしない芯の強い所がある。
つらい事があっても人前で泣く事はほとんどない。
自分の弱さを他人に見せようとしない態度は母親に似たのかもしれない。

また、おとなしいとは言っても前述の通り決して気が弱いタイプではない。
石田と再会以後は怒りの表情も時々見せるようになっている。
小学生の頃に将也と喧嘩した際はムキになって不明瞭な発声で叫んでいたが、
高校生となった今では怒っても基本的に声は出さず、まず目で相手を威圧する。
イタズラについてキツく怒られた結絃は相当こたえたらしく家出し、喧嘩の仲裁で睨まれた将也は怯んだ。

いつもニコニコと笑みを絶やす事がほとんどない人物だがその笑いのほとんどが愛想笑いであり、自分の本当の気持ちを偽っている事が多い。
愛想笑いをするようになったのは何か問題が発生した時に何が起こったのか理解するまでに他の人よりも時間がかかるため、
人が怒らない様に愛想笑いをすることが合理的だと考えた結果である。

ただし高校生になって再会した将也の前では心からの笑顔を見せたり不安な気持ちを素直に顔に表すことも多い。
更に状況を把握できるときにはそこそこの行動力も見せる。
結絃が家出した際には元々殆ど耳が聞こえない上に悪天候で更に聞こえず夜で視界も悪いと言う超悪条件下で頑張って探しに出かけ、
将也のつれない態度が発端で永束との喧嘩に発展した際にはあわや掴み合いに発展と言う場面で、
下手すれば巻き添えを喰らいそうな状況にもかかわらず間に入り、2人を睨みつけて制止している。

なお、間に割り込んできたときは珍しくふくれっ面をしており、かなり必死だったことがうかがえる。

成績は良好。意思の疎通は基本的に筆談か手話で行なわれ、声を発することは少ない。
場合によってはお辞儀をして「こんにちは」や「ありがとう」の意思表示を行うことも多い。
分かりやすいリアクションなので、手話が出来ない相手に対する意思表示の手段としても用いられる。
と言っても聞き取りづらい言葉しか話せないため喋らないだけで、本人としては喋ることも歌うことも嫌いではないらしい。
交友が再開した佐原にはカラオケに行きたいと言い、佐原、将也、永束と4人でカラオケを楽しんでいた。
これ以外にも声を出す以外の方法で即座に意思を伝えられない場面では頑張って喋っている。
だいたい単行本1巻あたり最低1回は声を発する場面がある。

手話を使わずに会話しようとしたときにはかなり積極的に喋ったため、
将也は突然喋り出したことに唖然とした顔を見せ、長い言葉に関しては聞き取れず苦労していた。

将也「結絃にパン買ってきてって言われたんだよ。コイのエサがないからって。」
硝子「もってうはじゅ… ゆじゅう たべたったおかあ… いちだくぅ かいぃいかなくておいいお」
(持ってるはず…結絃、食べちゃったのかなあ…。石田君、買いに行かなくても良いよ。)
将也の立場からすれば、硝子の言葉は聞いて一瞬何を言ってるか考えて意味を把握するものなので、長いと理解が追いつかない。

なお、筆談やメールでは全体的にですますだが、別に誰に対してもですます調を使うわけではなく、硝子は書き言葉で丁寧語を使う性格であると言うだけである。
将也を始めとする仲の良い相手と直接話すときはですます調を使わない。
手話に字幕が付いている場面や、先述のように頑張って喋ったときの様子を見ればよく分かるだろう。


【来歴】

元々は健常者の学校で5年生になるまで過ごせていたのだが、いじめを受けた事で「難聴者に理解のある学校」という事で石田たちの通う水門小学校に転校してくる。

因みに難聴者に理解がある学校というのは小説版にて喜多先生が所属してるきこえの教室という難聴者専用の特別支援学級の事をさしていたのだが、当時は誰も手話を習得しておらず、聴覚障がい者への知識も薄かった。

その為、西宮の世話は生徒たちの善意に丸投げの状態となっており、それでも当初は川井や植野を中心とした女子たちが甲斐甲斐しく世話をしており友好的に接していた。

しかし、次第に硝子の世話を負担に思うようになって行き、女子たちからは扱いに困って煙たがられるようになってしまう。
それでも佐原や喜多先生等、西宮に友好的な人達はいたのだが、喜多先生は生徒たちに手話を覚えさせる事を強制した事で批判され、佐原はタイミングの悪さもあって「点数稼ぎ」と陰口を叩かれ不登校になり西宮は孤立していく。

その後、西宮の参加した合唱コンクールが失敗に終わらせた事を期に将也によってひどいイジメを受けるようになる。

硝子の母親は「強くなって欲しい」という思いから当初は傍観していたが、石田によって補聴器を何度も壊され、耳を強く引っ張られて大怪我をしたことから遂に学校へと報告し、それがきっかけで石田はいじめられるようになる。

それでも西宮は石田に優しくしていたが、それが石田のプライドを傷つけた為に取っ組み合いの激しい喧嘩となった末に転校して結局そのまま別れる結果になってしまった。

石田はその後、西宮がずっと自身の机の落書きを消してくれて守ってくれてた事に気づき、深い罪悪感と贖罪の念を抱くようになる改心する事となる。

因みに西宮の代わりに石田がいじめられるようになったと勘違いされやすいが、石田のいじめと西宮へのいじめは同時進行でなされていた。

【再会とそれから】


5年後、高校生になった硝子は、同じく高校生になって自身を必死に探していた将也と再会。
びっくりして逃げ出したが、転んで動かなかった将也が気になり、結局話しかけることになる。
転んで動けない相手がかつて自分を虐めた相手でも放置出来ず近寄ってしまったのはファンブックによると石田の行動が意味不明過ぎて知りたくなったからとの事。

そして(勢いのまま)「友達になろう」と手話で尋ねてきた彼に、手を握る形で応え、ようやく2人が「友達」としての始まりを迎えることになった。
彼女の立場からすれば、将也はかつて「友達になろう」と言うメッセージを投げかけた相手であり、
かつて届かなかった言葉を相手が自ら受け止めに来てくれた形となる。
小学生時点で硝子が伝えようとした時はコマの枠外に手話の解説文もなく、手話の知識のある読者以外はその意味を理解できなかったのだが、
この時将也の口頭と行動でようやくすべての読者がその意味を理解した。


将也と再会してからは小学生時代からのくせである愛想笑いだけでなく、さまざまな表情をみせるようになる。
というか将也が手話を使った瞬間から既に素が出ており、最初は目を丸くして将也の手話にびっくりしていた。
将也との関係を大切にし、自らの為に行動してくれる事に感謝する一方で過去の罪悪感に苛まれている将也を心配している。


【交友関係】


高校では楽しくやっていると言っており、結絃や母親の様子を見ても特に学校生活で問題が起きているようには見えない。
しかしながら、実際には「自分は健常者と長年過ごしてたから皆とは違う」という意識が働いてるため、聾学校では孤立気味らしい。

プライベートでも仲良くやっている様子が確認出来るのは将也を除けば小学校の同級生である佐原みよこのみ。
こうしてみると元いじめっ子の将也でも仲良くしてくれるのであれば受け入れたくなるのはある意味必然なのかもしれない。


【植野来襲】


突然現れたかつての同級生、植野直花が将也に馴れ馴れしく絡んでいたことに嫉妬し、焦る硝子。
植野がその場から去ってから「何 話してたの?」と手話で尋ねるが、将也はあいまいにはぐらかされて更に不安を覚える。
その一週間後、植野に負けてたまるかと言う思いから、意を決して突然の告白。

西宮「ぅ、うきぃ!!」
石田「月?あぁ、月が綺麗だね」

石田のどこに惚れたのかは謎であるが、自分の為に手話を覚え、自分の願いを一生懸命叶えようと奔走し、(結弦の入れ知恵もあり)常に自分を可愛い可愛いと褒めまくってくれる異性は石田しかいなかった事を考えると惚れたのも自然と言える。

ただ、敢えて「自分の声」で伝えようとしたことが災いして、結果的に伝わらなかった。
結絃が間を取り持っていなければこの先気まずかったことだろう。


【遊園地】


遊園地で植野と二人観覧車で対話した時は、植野は自分は当時は小学生で障がい者の介護がしんどかった事やお互いに未熟だったと語り「嫌いな者同士、それでも上手くやろう」と手を差し出すが、西宮はそれを拒否して「私は私が嫌いです」と呟き、植野を激昂させた。

植野が言うには「あなたは私から逃げているだけ。5年前から変わらず正面から話す気がない」とのこと。
しかし結絃は「将也との再会から硝子は変わってきている」と語っている。 

【映画撮影と過去の影】


永束主導で映画を撮影することになり、硝子は将也に参加するよう誘われる。
映画進行の過程でかつて通っていた小学校に撮影許可を取りに行くのだが、将也は小学校、当時の担任竹内にトラウマを抱えていたが、
対して硝子は「先生も学校も、昔より小さく見えた」と語る。
教務室を出るとき深々と頭を下げた硝子は、将也よりも一足先に過去を乗り越えていたと言っていいだろう。


【私のせいで】


石田が川井に「自分の過去をバラしたのではないか?」と詰め寄った事で喧嘩が発生してしまう。
その後、橋の上で話し合いが行われるが、映画メンバーたちが言い争う形となり自棄になった将也が西宮姉妹を除く全ての人間関係を破壊してしまう。

その事に硝子は深いショックを受け、自分のせいでこうなってしまったのだと自己嫌悪に苛まれるようになる。

その後も将也は何事も無かったかのように硝子をデートに誘うが彼女は悲痛な表情のまま。
「私といると不幸になる」そう彼女は告げ、将也を自分から突き放そうとする。

【傷ついて欲しくない】


突き放したにもかかわらず将也は硝子に会いに来る。硝子は諦めたのか、それを拒絶することはなかった。
しかし花火大会の夜、彼女は突然自宅マンションから飛び降り自殺を図る。
それまで表面上は満面の笑みを見せていたが、内心では自分との関係を引き金に将也が不幸を招いたことを深く嘆いていた。

しかし、偶然にもその場に居合わせた石田が飛び下りた硝子の腕を掴み、そのまま踏ん張って上がらせて彼女はどうにか救出されたが反動で将也が転落し、大好きな彼を病院送りにしてしまう。

なお、助かった後の硝子は右腕を吊っており、肩に肩鎖関節用の固定装具を装着している。
これについて劇中で具体的な説明はなかったが、引き揚げられる際に肩を脱臼したものと思われる。
飛び降りる瞬間に将也が右腕を掴んだため、右肩には瞬間的に全体重以上の負荷が掛かっている。
右腕を自由に使えないとはいえ、手先は無傷なので、手首を動かして手話を行うことは可能で、手話が出来ない相手との意思疎通でも右手で字を書くことがある。
ただし、さすがに肩を傷めた状態で文章を何度も書いていると手がキツいらしく、時々不慣れな左手でも字を書いている。

【苦しくても前を向く】


将也に意識不明の重傷を負わせた事でうまく歩けないほど落ち込んだり、激昂した植野から暴行を受けたり、家族を泣かせたり散々苦しい目に遭うものの、
事件から3日後の硝子は髪型をアップに変え、今まで見せた事も無い決意を決めた表情で歩きだした。
そして将也のために自分が出来ることは何かを考え、仲間に映画の再開を持ちかけて行った。

相変わらず将也へ惚れていることが行動のきっかけになっており、状況を把握したときの行動力も普段通りだが、
硝子は今までよりも真剣に、そして今までよりも大きく動くことを決意している。
時折暗い顔を見せることはあるものの、それでもめげずに努力しようとする様子がうかがえる。

また、優しく微笑みかけたり、社交辞令での笑顔を見せることはものの、
自殺の一件以降は誤魔化しの愛想笑いはやめ、自分の素直な気持ちを表現しようとしている。
ただし将也が目覚めないことは気がかりであるため、純粋に嬉しくて笑顔を見せることはなかった。


【夢に向かって】


事件から半月後に将也が目覚め、真夜中にいつもの橋の上で奇跡的な再会を果たす。
硝子は自殺の一件で迷惑をかけたことを詫び、将也は過去の清算を先延ばしにし続けたことを詫び

「生きるのを手伝って欲しい」

そう硝子に告げ、硝子は了承した。

この一件で恋人とは行かないまでも両者の距離は縮まることとなり、硝子も将也相手にしばしば積極的な態度を取るようになった。
完成した映画の上映会には硝子から誘いをかけているし、待ち合わせのときの振る舞いも親密さを感じさせる。
映画の選考会の打ち上げでは植野の悪ふざけがツボって笑いが止まらなくなるなど、それまで見せなかった表情も見せるようになっている。
曖昧な感情表現をやめたことは急激な変化に見えるかもしれないが、
元々硝子は思い切った行動を取れる性格なので、精神的に堪える出来事があれば大きく変わって行くことも別に不思議ではないだろう。

落ち着いて心境に変化があったためか髪を再び下ろすようになったが、これ以降は耳元にヘアピンを入れるようになり、耳を髪で隠さないようになった。

また、進路を選ぶに当たり、高校で専攻していた理容師関係の道を極めることを決意し、上京するという道を選ぶ。
最初は将也が驚いて反対したため上京を躊躇していたが、
その後頭を冷やした将也に後押しされたことがひとつのきっかけとなり、改めて上京することを決断した。

不登校だった妹も学校へ通うようになり、将也が面倒を見てくれたおかげで成績も向上したため、心残りなく東京へ行けるようになった。
更に奇しくも将也が同じ理容師の道を選ぶ結果となり、二人の関係は一層深まっていく結果となる。
その後どうなったか具体的なことは語られていないが、「友達になれるか?」というお互いの当初の目的は果たせたことがうかがえる。

それどころかお互いの親も2人の仲を知っているため、将来は安心して結婚できる。
ついでに言うと、原作のラストシーンはどう考えても[[結婚式]]のメタファーである。

因みにファンブックによると2人は付き合っている訳ではないが恋愛感情が無い訳ではないらしい。
今後に期待である。


【恋する硝子】


耳が聞こえない意外は普通の美少女と言って差し支えなく、動作もいちいちかわいい。
空振り覚悟で佐原探しについて行く、電車の中で自分からメールを送って話題を振ろうとする、
カラオケで自分の声に唖然とする将也を見て声が小さくなるなど、将也が好きゆえ必死になっている場面も見受けられる。健気。
結弦から「発声上手くなったら告白に困らないだろ?」と振られたときは顔を赤くして結弦の頬を押さえつけていた。

また、結絃が祖母や将也に語ったことをまとめると、以前はボーっとするか本を読むくらいしかやることがなかった硝子が、
将也と再会してから1人でウキウキしたりニヤニヤしたり面白いリアクションを取るようになったらしい。
告白に失敗して家に逃げ帰ったときは気まずさや恥ずかしさでベッドにダイブして足をバタバタさせ、
その後将也から遊びに誘われたときには嬉しさのあまりベッドの上で足をバタバタさせている。とてもかわいい。
明らかに恋する乙女の姿である。

また結絃曰く硝子はチョロいらしい。
遊園地事件の後日「西宮には西宮のことを好きになってもらいたい」と言う将也に対し「なんでもいいからお前が褒めてやれ!奴ぁチョロいぜ!」と豪語した。
翌日硝子と会った時将也は早速「めっちゃかわいい」「髪もさらさら」「この前のポニーテールも良かった」など、
思いつく限りの(唐突でかなり不自然な)褒め殺しを行うのだが、かなり効いていた。
つまり「姉ちゃんはお前(将也)に惚れてるからお前なら何を言っても喜ぶぜ!」ってことである。

将也の映画制作に対して協力を申し出たときも、将也が感謝の意思表示として無意識的に両肩へ触れたことに最初はびっくりしていたが、
その後去って行く将也を見送る際には顔を赤らめてニコニコしており、とても嬉しそうな顔であった。

作中では将也という理解者を得て変わっていく姿が描かれているが、終盤になって野良眠彦という理解者がいたという事実が明らかになる。
野良眠彦は硝子が理容師を目指す上で重要な鍵を握る人物ではあるものの、将也と硝子の物語に関わる人物でなく、
硝子のプライベートにもあまり関係がないため、名前がチラッと出てきた以外に多くを語られることはなかった。


【余談】


外出時は殆どの場面でリュックを背負っており、通学にも同じリュックを使っている。
これは手話を使う聾唖者特有のもので、両手をなるべく塞がないようにするため。
リュックを背負っていなかったのは、右腕を固定していた時期を除けばショルダーバッグを持って近所を歩いていた14話や、浴衣姿で花火を見物した41-42話くらい。

彼女のメールアドレス「nichinichisou~」は日々草という花を指しており、好きな花であると思われる。
昏睡状態が続く将也のお見舞いの際、持って行った花籠にはニチニチソウが入っており、成人式の際にはニチニチソウの花飾りをつけていた。
花言葉は主に「楽しい思い出」「楽しい追憶」。

また、小学校の時は花係であった事と、石田へガーデンピックと言う園芸用品をプレゼントした事からガーデニングが趣味だと思われる。
また“髪を結う”事が特技のようであり、結絃の短い髪も短時間で複雑な髪形に仕立てる事ができる。
硝子自身も時折してくる複雑な髪形も彼女自身の手によるものだと思われる。
片腕を固定していた時期も髪を無造作なアップにしていたが、これをどこまで自力でまとめたのかは不明。
ちなみに盲目の人に鍼灸師が多い様に、聾唖の人には美容師になる人が多い。
この他、母親の帰りが遅い日に料理をする場面や、レシピを見ずにケーキを作る場面もあり、料理系全般も慣れているらしい。

フェミニン系のふんわりした格好が多いため、ぱっと見では分からないが、実は妹や植野と違って胸がかなり大きい。
佐原が胸も結構大きくなったねと言っており、プールで撮った佐原との水着姿ツーショットでは実に豊かな胸も確認できる。
佐原から将也に送信されたことを硝子が知っているかどうかは不明だが、そのお宝画像を将也が即保存したことなど硝子には想像もつかないことだろう。
アニメ化の際には若干太めのキャラデザになり、巨乳とのバランスが取れたプロポーションになった。

また、アニメ映画関連で公開された一枚絵の中に、将也と硝子が2人で映画を見る姿の描かれたものがあるのだが、
将也がLサイズのドリンクとMサイズぐらいのポップコーンを手元に置いていたのに対し、硝子はMサイズのドリンクと将也の倍を超す特大のポップコーンを手元に置いていた。
妹に負けず劣らずの食欲旺盛なのだろうか。

【硝子の髪型バリエーション】


理容師志望と言うだけのことはあり、髪をまとめるのは得意らしく、髪型のバリエーションも登場人物の中で最も多い。
作者の解説によると耳が出ているときは聾唖者なりに人の声を聞こうとしている様子の現れとのこと。

1.下ろす
ヘアアクセの類を使わずそのまま。基本はこれで、この状態だと耳が隠れている。
飛び降り事件で昏睡状態だった将也が目覚めて以降、耳の上あたりにヘアピンを入れるようになり、耳を見せるようになった。

2.ポニーテール
告白のエピソード以外ではたった1コマしか登場しなかったが、
この回の硝子が特に可愛かったせいもあってか、非常に人気が高い。

3.アップ
将也が昏睡状態だった頃のみ。長い髪を後ろで無造作にまとめて巻いて複数のヘアゴムで留めている模様。
右肩脱臼で腕を固定していた頃、この髪型だった。
長い髪の毛が肩に掛かってきたとき払いにくいためだろうか?
ちょっと複雑な上、この頃の硝子は暗い表情が多かったので、ファンからの人気はイマイチ。

4.浴衣のとき
髪を左側にまとめている。

5.振袖のとき
最終回のみ。髪を左側の上のほうでまとめて、ニチニチソウの花の髪飾りをつけている。
アニメ映画では成人式のシーンが削られたため、ニチニチソウの髪飾りは浴衣のシーンに回された。


【劇場版アニメでの硝子】


キャラクター設定もほぼ原作と同じで、キャラデザも原作を踏襲している。
原作とわずかに違うのは、若干ふっくらとした体形になっていることのみ。
とはいえ、硝子は元々グラマラスなこともあり、違和感はない。

そして肝心の声だが、早見沙織女史が本物の聾唖者の発声法を見事なまでに真似て声を当てている。
中の人を知らなければホンモノの聾唖者に喋らせているのかと思うレベル。

抑揚のある明瞭な声で感情を表現する声優が、健常者の感覚で言えば極めて不明瞭かつ抑揚も普段とは異なる声を発しつつ、硝子というキャラクターの喜怒哀楽を演じたのである。
本作は聾唖をひとつの大きな要因とするディスコミュニケーションがテーマなので、聾唖の表現がチープになれば一気に駄作と化す。
このため、中の人が果たした功績は大きいと言えるだろう。
常識で考えれば斜め上の芸当をやってのけた早見女史に拍手。



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最終更新:2025年03月21日 22:45

*1 作中の両親の会話から推測するとおそらく先天性風疹症候群と思われる。高度難聴発症率が非常に高い。