驚天の超人

登録日:2014/11/14 Fri 17:07:39
更新日:2025/03/23 Sun 12:47:48
所要時間:約 6 分で読めます








伸ばした腕は国をも超え、遥か彼方の龍を撃つ!





概要

驚天の超人とは、デュエル・マスターズのクリーチャー。
DM-09「闘魂編 第4弾 覇道帝国の絆(インビンシブル・ブラッド)」にて収録。レアリティはこれでもスーパーレア。

名前の通り、このカードを見たデュエリストを『驚天』させるジャイアント。
ペトローバなどを期待してDM-09を開封し、このカードを手に入れた多くの者はカード買取店に向かった……かも知れない。

スペック

驚天の超人(アメージング・ジャイアント) SR 自然文明 (8)
クリーチャー:ジャイアント 13000
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手は自分自身の手札からクリーチャーを2体まで選び、バトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー

……8マナパワー13000のT・ブレイカーとだけ聞けば、悪くは無い。

むしろ非進化ジャイアントとしては、パワーは高い部類に入る。
インフレの影響で今でこそ圧倒的なパワーには見えないが、闘魂編時期のクリーチャーとしては十分。
しかし、そんなことはどうでもよくなるくらい恐ろしいテキストが記されている。


  • このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手は自分自身の手札からクリーチャーを2体まで選び、バトルゾーンに出してもよい。


そう、こいつは「相手にクリーチャーを二体踏み倒させる」効果を持つのだ。
同パックでは同じようなデメリット能力を持つクリーチャーとしては《緑神龍ガミラタール》が存在する。
ガミラタールですらキツイというのに、その効果を2倍にしたデメリットをもつ。

相手にクリーチャー2体をノーコストで場に出させるリスクは、当然ながら凄まじく高い。
まず挙げられることとしては、場に進化元がなくとも進化クリーチャーが出せるし、進化Vなどの進化元の下準備も容易にさせる。
G・リンクなどのゴッドに関しては、即座にG・リンクさせてしまうのである。
そうなったら敗北一直線となる事は間違いなし。今ほど環境が高速化していない当時でもこのデメリットは相当キツかった。

そして当然と言うべきか、現在ではこいつよりデメリットなしで性能が上のクリーチャーなどいくらでもいる。一例として……

  • このクリーチャーと比べ、パワーは1000下がり、W・ブレイカーになるが、能力がついた《不落の超人》。
  • 1マナ上がった代わりにパワーが10000上がり、Q・ブレイカーになった《緑神龍ディルガベジーダ》。
  • 多色だが、同コスト・同パワーでデメリットなしの《剛撃雷炎アムドゥル》。
  • 驚天の超人とは逆に自分のクリーチャーを踏み倒せる同コスト・同パワーの《仁義なき戦争 鬼流院 刃》。
  • ガードマンを補助でき、驚天の超人よりパワーが同コストなのに1000高い《完善武装 ルーパス》。

……少なくとも、こいつ単品で活躍できる環境ではもうないと言えるだろう。
では、他のカードと組み合わせたコンボではどうだろうか?

組み合わせたいカード

一応、踏み倒し対策カードなどと組み合わせればコンボが可能。「強制的に踏み倒させる→トリガー」といった流れが出来れば理想的。
しかし、こいつのテキストは「出してもよい」=相手はクリーチャーを出さないという判断もできるので上記のコンボは残念ながら不可能。
かと言って踏み倒させずに召還する成功したとしても、結局はただのファッティなので出す価値は極めて低い。
というか、そこまでしてコンボを行うならば、別のカードでもっと強力なコンボがいくらでもあるのが実情である。

百発人形マグナム R 闇文明 (4)
クリーチャー:デスパペット 4000
いずれかのプレイヤーが、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーまたはクロスギアをバトルゾーンに出した時または呪文を唱えた時、そのプレイヤーは自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。

早撃人形マグナム UC 火文明 (4)
クリーチャー:デスパペット/エイリアン 3000
スピードアタッカー
いずれかのプレイヤーが、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。

踏み倒し対策カードの代表的な存在であるマグナム。
驚天の超人のデメリットをメリットに近い効果に変えられる。
驚天の超人の効果は上記の通り実は任意なのだが、相手もマグナムが見えれば踏み倒そうと思わないだろう。
赤マグナムを使う場合は、疑似ハンデスに近い動きが可能である。
だからといって驚天の超人を使おうとは誰も思わないのだが

ウソと盗みのエンターテイナー P 火/闇文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド/ダークロード 4000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
バトルゾーンに自分の他のクリーチャーがあれば、このクリーチャーは攻撃されない。
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを破壊する。

2013年月刊コロコロ2月号付録として登場したヒューマノイド/ダークロード。
マグナムと同じく、驚天の超人のデメリットをメリットに変えられる。だからといって(ry

ロスト・ソウル UC(R) 闇文明 (7)
呪文
相手は自身の手札をすべて捨てる。

闇文明の代表的なハンデス呪文。ハンデスといったらコイツ無しには語れないレベル。
この呪文で相手の手札を消滅させれば、驚天の超人のデメリットを消せる。驚天の超人のコストが8のため、マナカーブ的にも綺麗に繋がる。これは当時も考えられていたコンボであり、実際驚天の超人を使う際はこれが最も実用的だと言われていた。
……驚天の超人自体が実用的ではないという当時時点で出されていた結論は別として。

結局、コンボを用いても現環境で彼に活躍の場を与えることはもう難しいだろう。

関連カード

緑神龍ガミラタール R 自然文明 (4)
クリーチャー:アース・ドラゴン 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手は自分自身の手札からクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに置いてもよい。
W・ブレイカー

DM-08で登場したアース・ドラゴン。
コストに対してパワーが大きいが、非常にクセの強いデメリットを持つ。

驚天の超人のようなデメリットを持つため、こちらも使える場面が限られる。
しかし、ガミラタールはコストパフォーマンスは悪くないので、驚天の超人よりマグナムなどとのコンボが生きやすい。

デュエル・マスターズ プレイス

驚天の超人 SR 自然文明 (3)
クリーチャー:ジャイアント 13000
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手は自分自身の手札から進化でないクリーチャーを、コストの大きい順に2枚バトルゾーンに出してもよい。(同じコストのカードが複数あるなら、その中からランダムに選ぶ。また、バトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する)
T・ブレイカー

DMPP-08EX「覇竜咆哮 -TRIBAL EXTREME-」に収録。基本的な性質はそのままに恐ろしい魔改造を受けて帰ってきた。
コスト設定が8だった本家から格段に落ち、何とコストがたったの3!しかもパワー設定はそのまま13000である。
相手の踏み倒しサポートのデメリットは抱えたままだが、「進化クリーチャーは踏み倒せなくなった」「コストの大きい順から出すように固定化された」「cipは無効化される(先に出た《緑神龍ガミラタール》も同様の効果となっている。また、前述した《マグナム》の効果も「バトルゾーンに出る事によって起こる効果」に付随する為、こちらとのコンボも不可能)」など、デメリットも弱くなった。
また、デュエプレのゴッドは仕様変更により手札ではゴッドカードとなっておりクリーチャー扱いではないため、ゴッドを出されることはないのも追い風。

コストが小さいために踏み倒しの対象になりやすく、《運命の選択》や《霊翼の宝アルバトロス》と組み合わせたデッキが開発されている。
これらのカードは踏む倒す際にスピードアタッカーを付与するため、いきなり13000のT・ブレイカーを叩き込める。
単純にTCG版でも一応戦法として考えられた「相手の手札をハンデスで切らしまくってから出す」という戦略を取るユーザーも見かけられるが、TCG版よりもコストが小さいのでその戦法に現実味が出てきた影響と言えるだろう。

驚天のハズレアだった本家から一転、癖こそあるが工夫すれば強くなる高レアになってしまったのだった。
もうフレーバーテキストに偽りなくドラゴン(中心のデッキ)に完全に対抗可能である。

しかし…



調整

先述した《運命の選択》や《アルバトロス》とのコンボがランクマッチで猛威を振るった結果、2021/6/10付でナーフされる事が決定した。
内容は以下の通り。

驚天の超人 SR 自然文明 (6)
クリーチャー:ジャイアント 13000
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、相手は自分自身の手札から進化でないクリーチャーを、コストの大きい順に2枚バトルゾーンに出してもよい。(同じコストのカードが複数あるなら、その中からランダムに選ぶ。また、バトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する)
T・ブレイカー

( ゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚Д゚) …!?

まさかのコスト6にリバウンド。
恐らく《アルバトロス》で登場しないようにする為の措置だろうが、このコストでは環境での活躍は絶望的だろう。

一応、ナーフされたカードもナーフ前の効果で使う事ができるイベント「レジェンダリー・ディビジョン」あたりでは地雷として活用できるか。


補足

  • フレーバーテキストは、このクリーチャーの強さを上手く言い表した文章となっている。
    どうやら、驚天の超人は他の土地にいるドラゴンですらも腕を伸ばせば撃退できるらしい。察するにこのクリーチャーも背景世界では相当強いのかもしれない。
    …その割には現実のスペックがそれに対してまったく応えていないが、一応パワーだけ見ればドラゴンと渡り合えるので、このお方よりはマシかも。

  • このカードが登場した背景ストーリーの前後の時期には自然もドラゴンを抱えているはずなのだが、このクリーチャーはフレーバーテキストから分かるようにドラゴンと戦っている。
    単純に闇やその同盟先である火のドラゴンとの戦いを示唆している可能性も高いが、同弾の自然のクリーチャーには他に神龍全体への敵対心を示している《怪力の化身》などの存在もいる。
    案外、このクリーチャーは自然内でのドラゴンの扱いや複雑な内部事情を描いた存在でもあるのかもしれない。

  • 不死鳥編の超獣世界を描いたワールドマップでは、このクリーチャーがフィオナの森の残骸と呼べる「フィオナの涙」でのんびりと昼寝している姿が確認できる。
    設定的に転生編終盤の世界滅亡を乗り越えて生き残った可能性が高く、生存能力の高さと寿命の長さが読み取れる。
    身体の大きさもフェニックスにこそ及ばないが、付近にいる《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》と比較すると勝っており、正に「龍を討てる巨人」の設定に偽りや誇張がないことを感じさせる。まあ背景ストーリーだけの話だろと言われればそれまでだが

  • 英語版の名前は《Stratosphere Giant》と書くが、これは和訳すると《成層圏の超人》という名前になる。能力をネタにしたような名前の本家日本版と比較すると、こちらは純粋にジャイアントとしての大きさを示唆する名前と言える。
    また、英語版のフレーバーテキストも内容が変わっており、それによると「フィオナの森の痛みから生まれ、《悪魔神バロム》を足を用いて撃破してその支配に終止符を打った」とのことで、背景ストーリーでは相当な活躍をしていることが分かる。
    英語版のフレーバーテキストの内容は日本版の背景ストーリーの設定とは矛盾する点があるのであくまで英語版の独自設定だと思われるが、不死鳥編のワールドマップでは《悪魔神ドルバロム》より大きい身体に描かれていたため、案外日本版の設定でもバロムは倒せる可能性があるかもしれない。

  • デュエプレ版では梶川翔平氏がボイスを担当しているのだが、何故か英語で喋るというキャラに設定された模様。除去される際には「Oh my god!」とか言い出す。
    性能的にはハズレアではなくなったが、やはりネタカードとしての色はまだ残しているようだ…。





追記・修正は項目をも超え、遥か彼方の荒らしを撃つ!

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最終更新:2025年03月23日 12:47