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PERFECT BLUE(アニメ映画)

登録日:2014/11/15 Sat 13:51:12
更新日:2026/04/19 Sun 16:37:10
所要時間:約 6 分で読めます





あなた、誰なの?





PERFECT BLUE(パーフェクトブルー)』は、1998年に公開された長編アニメ映画。
「日本初の本格サイコサスペンスアニメ」と銘打たれて公開され、映倫によってR-15指定(15歳未満の視聴禁止)を受けた初のアニメ作品である。
日本公開に先駆けてカナダの1997年ファンタジア国際映画祭に出品され、ベストフィルム賞を受賞。以降も世界各地の映画祭で上映され高い評価を受けた。
実写と見紛うレベルで描き込まれた背景や、躍動感あふれる人物作画、虚実入り交じる独特のストーリー展開などが注目を集め、現在も国内外でカルト的な人気を誇る。

監督は漫画家出身で、大友克洋の下でアニメーターをしていた鬼才・今敏
日本を代表するクリエイターとして知られるきっかけになった、デビュー作にして出世作である。

原作は作家・コラムニスト竹内義和の『パーフェクトブルー 完全変態』*1
ただし映画版との共通点は「アイドルがストーカー被害に遭う」「真犯人の理想のアイドル(主人公)像への妄執が『もう一人のアイドル』として歪な形で実体化する」という大まかなストーリーのみで、それ以外はストーカーの素性も含めほぼ別物になっている。
映画化にあたって今監督が新たに取り入れた「現実と虚構が交錯し曖昧になっていく」というモチーフは、その後の監督作品にも受け継がれていくことになる。

前述のファンタジア国際映画祭での受賞をきっかけに、現在もなおアニメ映画の傑作として世界中の監督・批評家から絶賛されている。
特に、アメリカの映画監督ダーレン・アロノフスキーは本作の熱烈的ファンであり、リメイク権を取得しただけでなく、自身の映画にも本作から受けた影響が多数見受けられる。
例として、バスタブのシーンは『レクイエム・フォー・ドリーム』でほぼそのままのカットで用いられ、『ブラック・スワン』ではストーリーが似通っていると話題となった。

2002年に『Perfect Blue 夢なら醒めて…』という実写映画が公開されているが、これは竹内義和の別作品を映像化した物で、本作との関連性はない。


【ストーリー】

三人組のB級アイドルユニット「CHAM(チャム)」のメンバー・霧越未麻は、事務所の意向によって女優に転身することとなり、ユニットからの脱退を宣言する。
女優業として初めて得た仕事は連続サスペンスドラマのレギュラー。ほんのチョイ役に過ぎなかったはずが、レイプシーンを演じることになり、更にはヘアヌード写真集の撮影にまで取り組むことになってしまう。
また、アイドル業に固執し女優に猛反対するマネージャーと女優へのイメージチェンジを推す社長との板挟みや、アイドルを辞めたことに対するファンからの逆恨みストーカー被害、自分の名を騙り自分の行動を克明に記したホームページ「未麻の部屋」の存在といった数々の困難に直面し、鬱屈した日々を送っていた。

「アイドル」の自分と汚れ仕事とのギャップに次第に追い詰められ、心の行き場を失くしていく未麻。
追い打ちをかけるように、「アイドルの自分」の幻影が彼女を嘲笑う…。

やがてドラマの撮影はクランクアップ。未麻が演じた女性は精神異常の殺人鬼で、自らの悲惨な過去を封印するために解離性同一性障害(多重人格)を発症した…という結末を迎えた。
それと呼応するかのようにドラマの関係者が次々と何者かに殺害され、未麻は次第にドラマと妄想、現実と自分の境界を見失っていく…。


【登場人物】

◆霧越未麻
CV:岩男潤子
B級ユニット「CHAM」のメンバーとしてオタクに人気なアイドル。山口県出身。
歌が好きで芸能界入りしたが、アイドルとして全く花が咲かない現実と事務所の意向により、女優に転向するべくユニットを離脱する。
性格は現代っ子らしく明るく元気で、外では人から愛されるキャラだが、望まぬ汚れ仕事やストーカー被害により次第に追い詰められ、メンタルが衰弱し始める。
使用PCはMacintosh。だが機械には疎く、ルミの指導で操作方法を覚えた。

◆日高ルミ
CV:松本梨香
未麻の専属マネージャー。
面倒見がよく姉御肌な頼れる性格で、公私共に未麻を支える。
未麻の女優業転向に反対し、彼女はアイドルで在り続けるべきだと、社長の田所に抗議する。
実は時代の波に抗えず業界から消えた元アイドルで、アイドルに固執するのもその過去があると思われるが、彼女自身、今は見る影もなくぽっちゃりおばさんに成り果てている。

◆田所
CV:辻親八
未麻の事務所の社長。
未麻の女優転身をゴリ押しし、彼女の大胆なイメチェン戦略を進める。
彼女への愛情は本物だが、そのためにどんな汚れ役も構わない、ある意味一番の職業プロとして振る舞う。

◆レイ
CV:新山志保
◆雪子
CV:古川恵美子
CHAMのメンバー。
未麻が抜けた後は二人で活動を続けるが、彼女が抜けた途端にユニットがブレイクするようになる。
汚れ仕事をするかつての仲間を心配はするものの、さほど気にしていない模様。

◆内田*2
CV:大倉正章
コンサート会場で警備のアルバイトをしている男。
爬虫類のような嫌悪感を掻き立てる容姿をしている。終盤までほとんど喋らないこともあって不気味。
未麻の熱狂的ファンで、卒業コンサートの邪魔をした土居に掴みかかったほど。
未麻が女優に転向したことで彼女に失望と逆恨みを抱き、ヌード写真が載った雑誌を買い占めたり、脅迫FAXを送りつけたりと、悪質なストーカーと化す。
ヴァーチャル未麻が運営しているHP「未麻の部屋」に入り浸り、ヴァーチャル未麻とメールでのやり取りを通じて籠絡される。遂には現実の未麻を偽者と断じ、彼女を殺そうとするが…。

◆手嶋
CV:秋元羊介
ドラマ放送局の社長。
田所に、当初はチョイ役だった未麻の大きな役どころを打診される。

◆渋谷貴雄
CV:塩谷翼
ドラマ『ダブルバインド』の脚本家。
田所に懇願され、未麻の役に重要な役どころ(という名の汚れ役)を作り出すも、完成後に何者かにメッタ刺しにされ殺害される。

◆村野
CV:江原正士
ヌード写真専門のカメラマン。
未麻のヘアヌード写真をいやらしい顔つきで撮影するが、出前のピザ屋のふりをした何者かに惨殺される。

◆土居正
CV:陶山章央
冒頭で未麻の卒業ライブを妨害し、止めようとした内田を殴った不良。
トラックに轢かれて重傷を負う。

◆落合恵理
CV:篠原恵美
中堅の実力派女優。
ドラマ『ダブルバインド』の主人公の精神科医の役を務める。

◆タク
CV:三木眞一郎
冒頭からたびたび登場する「CHAM」のファン三人組の一人(一番背の高い青年)。
卒業した未麻の動向も追い続け、行く末を案じている。
『ダブルバインド』への評価はかなり辛辣。「つまんね~」

◆ヴァーチャル未麻
CV:岩男潤子
汚れ仕事で追い詰められた未麻の前に現れた、アイドル時代の彼女の幻影。
当時の衣装を身につけて「アイドルの未麻」として振る舞い、「綺麗だったアイドルの自分」を誇らしげに見せつける一方、現実の未麻を「汚れた女優の偽者」として嘲笑う。
やがて自分を「本物の未麻」と主張し、邪魔な現実の未麻を内田を利用して殺害しようとする。
それが失敗に終わるや否や、幻影ではない「実体としてのヴァーチャル未麻」が姿を現す。その正体は…。












「でも、あの項目が本当の私らしいのかも」

「心のどこかにしまったはずのもう一つの項目、もしもそれが勝手に追記・修正を始めたとしたら…」


「大丈夫、幻想が追記・修正するなんてありえないもの」
「え?」


「はいカット!」

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最終更新:2026年04月19日 16:37

*1 本作の制作段階では絶版状態だったが、公開後に『パーフェクトブルー 1998』のタイトルで再版された。2026年現在はこちらも絶版状態にある

*2 劇中では名前が出ず、エンドクレジットでのみ確認できる