登録日:2015/2/16 Mon 14:39:04
更新日:2024/08/30 Fri 17:05:44
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『アイドル天使ようこそようこ』は、1990年にテレビせとうち製作・
テレビ東京系で放送されたアイドルアニメ。アニメーション制作は葦プロダクション。
前番組の『アイドル伝説えり子』と同様、当時女性アイドルとして活動していた実在の人物である田中陽子さんをモデルとしている。
◆あらすじ
主人公・田中ようこは、ラジオ番組で聞いた音楽に感銘を受け、新幹線で山奥のふるさとから東京へと旅立つ。
なお、ようこは新幹線の中で女優を夢見るサキと意気投合し、お互いの夢について深く語り合っていた。
そして東京の渋谷へ降り立つ二人。
野宿をしながら機会をうかがい、そして怪しげなビデオのスカウトマンの原田を巻き込み、弱小事務所『アイスタープロダクション』への売り込みに成功。
結果、渋谷の街を舞台に、ようことサキの物語が始まった……。
◆登場キャラ
CV.
かないみか
本作の主人公。
ラジオ番組で聞いた音楽に感銘を受け、アイドルになる為に渋谷へ降り立つ。
ひたすら前向きな性格で、天使の様な歌声で日本中の皆を魅了していく。
実は
邪馬台国から続く四国の隠れ里の出身で、古代人(卑弥呼)の末裔……!
愛称はヨッキュン。
CV.
林原めぐみ
女優志望の15歳。
新幹線の中でようこと意気投合し、共に渋谷へ降り立つ。
ようことは正反対の性格だが、意外にも暗算が得意。
因みに女優を志望していたのは、自身の内気な性格を克服したい為。
CV.鈴木勝美
本作のマスコットキャラであるムササビ。
CV.水谷優子
通称:ほっきゅん。
大手事務所『マリンテラスプロダクション』に所属する、やや高飛車なアイドル。
ファンからの受け答えも寛容に見られがちだが、実際は素朴で純粋な性格の持ち主。
CV.
松本保典
特大寺コンツェルンの次男坊で御曹司。
いつも周りに美女を侍らせており、なんでも金で解決する性格の持ち主。
しかし、ようことサキを影から見守っているという意外な一面もある。
CV.大滝進矢
アイスタープロダクションのスカウトマンで、若い頃はバンドをやっていた。
◆主題歌
- 最終回にのみ使用されたED「陽のあたるステーション」
◆打ち切り
当初は52話で終了する予定だったが、視聴率や関連玩具の売上が振るわなかった上、主要キャラクターの1人である山杜サキの扱いを巡っての方針の違いから制作側とスポンサーとの間で溝が生まれ、43話で打ち切られてしまった。
打ち切りまでの流れは、以下の通りである。
主人公のようこのキャラクター像は実際の田中陽子とはかなり異なっており、肝心の田中陽子自身の人気もあまり芳しいものではなかった。
その一方で、容姿・性格・林原めぐみの声質が見事にマッチしたサキはいつしか予想外の名キャラクターへと成長してしまい、ようこの存在を脅かしかねないほどの人気が出てしまう。
「あくまで主人公はようこである」というスタンスを取っていたスポンサーはこの事態を快く思わず、関連グッズの売り上げにも影響が出始めていたことから、「サキを外せ」と要請するようになる(ようこには沢山のグッズが作られているが、サキにはそういったものは1つもない)。
それを受けて、スタッフ達は「サキを郷里に帰す」「女優デビューして海外へ渡る」等の展開も考えたが、既に物語を作るうえで欠かせないキャラクターとなっていたサキがいなくなれば、それはもう本作の製作に支障をきたしてしまうのは必至であった。
当時、本作の脚本を手掛けた
首藤剛志(以下、首藤氏)はこのこともあってか心労でストレスがマッハであり、しかも医師から即入院しても可笑しくないと告げられるほどのアルコール依存性であった。
八方塞がりの状況の中で、首藤氏はある事を思い付く。
「スポンサーの目の届かない所で製作すれば良いじゃないか……!」
首藤氏は敢えて大量のウィスキー(およそ1升)を飲み、母親に支えられる形で病院まで行き入院。
その後、病室にワープロを持ち込み、スポンサーのチェックの猶予がないギリギリの日数で脚本を書き上げ、完成した脚本は即時郵送し、打ち合わせは病院の電話で監督のアミノテツローとのみ行なうという作戦に打って出る。
ちなみに当時の病院にはまだ患者が個人利用できるテレビはなく、テレビ室でしかテレビを視聴出来なかったのだが、男性病棟では本作のチャンネル権を握るのが困難であった為、医師の許可を貰ったうえで女性病棟のテレビ室で本作を視聴し、無事に放送できたかどうかのチェックを行なっていた。
この手段により、製作陣は無事に最後までサキを続投させることに成功する。
しかし、この首藤氏の
捨て身の戦法は、裏を返せば「スポンサーを騙し討ちにしてまでその方針に逆らい、番組の人気回復のための対処を怠った」ということでもあったため、いよいよ本気で怒ったスポンサーは本作の打ち切りを決定。
後釜として放送される予定だった
ゲッターロボ號は、前倒しという形で放送がスタートすることになる……。
追記・修正は、渋谷に降り立ってから。
- サキを首にしようとしたり監督が偽装入院したりと本編よりも現実のほうがカオス -- 名無しさん (2015-02-16 19:21:12)
- 現実の田中陽子も喫煙か何かで消えたんだっけ。それはともかく、懐かしいな -- 名無しさん (2015-02-17 00:56:57)
- ↑ちゃんと調べたら自主引退でした。失礼しました。 -- 名無しさん (2015-02-17 09:45:14)
- 制作者側の身勝手な振る舞い→スポンサーの玩具メーカーがよっきゅんグッズを売りたいが為、主役を食う勢いで人気が高まっていたサキを「なるべく出すな」「留学したことにして外せ」と迫った(サキグッズは生産していなかった)。しかしサキはテーマやストーリー進行上重要なキャラクターで外したくなかった制作側が、スポンサーのチェックの猶予を与えない為、脚本の入稿をギリギリにすると言う作戦に出た。それに激怒したスポンサーが降りると言い出し、打ち切りが決定した。 -- 名無しさん (2015-02-17 09:53:40)
- この項目を見てアリスギアのイベントタイトル元ネタを知った -- 名無しさん (2020-01-24 22:55:25)
- 打ち切りの件、別に荒らしでも何でもないのに、コメント欄にて何の相談もせずに一方的に削除されていたので復元しておきました。 -- 名無しさん (2020-03-22 22:15:59)
- ↑Wikipediaと記述が全く同じなのだけどいいのかな? -- 名無しさん (2020-03-23 16:45:37)
- 今Wikipediaの記事を確認したけど、全く同じという程の物ではない。この程度なら問題ないと思うのですが、どうなんでしょうか。 -- 名無しさん (2020-03-30 23:16:02)
- ↑ソースとなった記事自体が同じ訳だし、違ってても多少に通って見えるのは不可抗力だと思う。むしろそれを理解しないで一方的に全消しする方がよっぽど迷惑 -- 名無しさん (2020-03-31 06:58:45)
- しかしスポンサーアホなん?サキ外したからってようこの人気が上がる訳じゃないだろ。…そもそもこのアニメ、「田中陽子の態度が悪かった」事ばっかり話題になってアニメ本編は全く語られない時期が長かったしな。 -- 名無しさん (2022-05-20 17:12:27)
- 「玩具を売りたいスポンサーと揉める」みたいな裏話は色んなアニメであるけど、本作は実在の人物をモデルとしているわけだから、それこそ芸能事務所とか更なる上位存在が控えていて、絡み合う思惑は普通のアニメより更に多かったと思う。それなのにモデルになったアイドルもアニメ製作会社も尖りすぎてて全く言うことを聞くようなタイプじゃなかったとあれば、スポンサーもスポンサーで葦プロと同じくらいの精神的ダメージを喰らっていたと思うwしばらくトラウマだっただろうな…。 -- 名無しさん (2024-05-25 01:09:04)
最終更新:2024年08月30日 17:05