首藤剛志

登録日:2021/04/02 Fri 17:30:00
更新日:2025/02/14 Fri 13:22:50
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首藤 剛志(しゅどう たけし)とは、日本の脚本家・小説家。
主にアニメ作品の脚本を手掛けていた。


目次


―[略歴]―

1949年、国家公務員だった首藤(たかし)の長男として、福岡県で生まれる。
子供の頃から「文章を書くことが上手い子」として知られており、多くのコンクールで賞を獲得していた。だが、首藤氏本人は文章を書くのがあまり好きではなかったようで、後年には「小学校の作文は適当に書いていた」と語っている。
大学受験に失敗しフリーターもどきの生活を送っていたところ、妹が買ってきた雑誌「シナリオ」を読んだことをきっかけに脚本家を志し、シナリオスクールに通うようになる。

19歳の時、「大江戸捜査網」の第45話にて脚本家としてデビュー。
しかし番組製作スタッフと意見が合わず、この一話だけ書いて降板。その後は脚本の仕事を依頼する人も少なかったため、再びフリーターもどきに逆戻りしてしまう。
26歳の頃に知人の紹介で「まんがはじめて物語」の脚本に参加。
レギュラー脚本の座を射止めた本作が転機となり、それ以降、首藤氏はアニメ脚本家として脚本業が軌道に乗ることとなる。
その後、タツノコプロ作品や葦プロ作品にも参加するようになっていき、葦プロ作品の「戦国魔神ゴーショーグン」においてはシリーズ構成を務める。

1982年、魔法少女アニメ「魔法のプリンセス ミンキーモモ」のシリーズ構成を担当した。
同作は、それまでの魔法少女アニメとは一風変わったカオスな作品であり、この作品を担当した頃には首藤氏の脚本家としての知名度もかなり上がっていた。
また、この作品の総監督を担当したのは湯山邦彦であり、首藤氏と湯山氏が本格的に知り合ったのもこの頃だった。

1997年、湯山氏の誘いでアニメ「ポケットモンスター」(旧無印編)のシリーズ構成を担当。
当作品は爆発的なヒットを記録し、一般的には首藤氏は「アニポケの脚本家」として認知されるようになる。
また、劇場版ポケットモンスターの脚本も第3作まで担当しており、特に第1作の「ミュウツーの逆襲」は、ポケモンにシリアスなテーマを持ち込んだ作品として有名になった。
2002年にポケモンの脚本を降板して以降は、渋谷に移住して「ダンクーガノヴァ」などの脚本を手掛けていた。だが、2009年ごろから徐々に体調を崩し始め、2010年、出先の奈良県にてクモ膜下出血を発症し逝去する。享年62歳。


【作風】

カオス脚本に定評があり、作品に登場するキャラクターのセリフ回しもテンポが良く言葉遊びを駆使した独特のものである。
魔法少女アニメに巨大ロボを登場させたり、ポケモンたちがおでん屋で酒盛りしたり、タイヤたちが自殺しようとしたり、そのカオスさは留まるところを知らない。

一方で、シリアス脚本や感動的な作品も多数執筆しており、「杜子春」や「ミュウツーの逆襲」はその代表格といえる。カオス作品であるミンキーモモも、終盤は暗めのストーリーになっている。
「戦国魔神ゴーショーグン」や「機動戦艦ナデシコ」では、「無機物と人間が意思の疎通をする」姿を描いたり、「ミュウツーの逆襲」では「自己存在とは何なのか」という問題を視聴者に問いかけたように、哲学的な要素・内容が入ったがシナリオも執筆している。

参加した「宇宙戦士バルディオス」が打ち切りになり展開が中途半端なまま終わって以降、「自分が関わっている作品がいつ打ち切りになっても、みっともなく終わることのないような準備をしておく」事を心掛けていたという。
何でも「番組が始まる5本目ぐらいまでに、早めにいつでも終われる伏線を入れておく」そうで「打ち切りが決まって3本余裕をくれれば、きれいに、結構感動的に終わらせられる自信がある」「その伏線が生きているかぎりは、その番組が、10年続こうが20年続こうが……きれいに終わることができるはずである」なのだとか。

作品の展開自体は割と王道であることも多く、また、海外映画などのパロディも作中に組み込んでいる。
人によって好みが分かれる作風ではあるが、カオス脚本もシリアス脚本も書けるという稀有な人物であるため、現在もカルト的な人気を誇る脚本家である。



―[主な参加作品]―

テレビアニメ

葦プロダクション

ダックス・インターナショナル
  • まんが世界昔ばなし
  • 巴里のイザベル(シリーズ構成)
  • まんがはじめて物語(シリーズ構成)
  • まんがどうして物語(シリーズ構成)
  • まんがなるほど物語(シリーズ構成)
  • 新まんがなるほど物語(シリーズ構成)
  • まんがはじめて面白塾

タツノコプロ

その他

  • 超くせになりそう(シリーズ構成)
  • さすがの猿飛(シリーズ構成)
  • 機動戦艦ナデシコ
  • チックンタックン
  • ストップ!! ひばりくん!
  • タオタオ絵本館世界動物ばなし
  • ビデオ戦士レザリオン
  • 魔境伝説アクロバンチ
  • まんが猿飛佐助
  • 杜子春
  • 科学救助隊テクノボイジャー(一部原案)

劇場版アニメ

OVA
  • 街角のメルヘン
  • 戦国魔人ゴーショーグン 時の異邦人
  • 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞
  • MINKY MOMO IN 夢にかける橋(面出明美との共同脚本)
  • MINKY MOMO IN 旅立ちの駅
  • 永遠のフィレーナ
  • 銀河英雄伝説
  • コスモス・ピンクショック

テレビドラマ
  • 月曜ドラマランド 新・翔んだカップル
  • GOGO! チアガール
  • 愛 Love ナッキー

小説
  • 永遠のフィレーナ
  • 戦国魔神ゴーショーグン
  • その後の戦国魔神ゴーショーグン
  • またまた戦国魔神ゴーショーグン 狂気の檻
  • 4度戦国魔神ゴーショーグン 覚醒する密林
  • 戦国魔神ゴーショーグン 時の異邦人
  • はるか海原の源へ
  • 戦国魔神ゴーショーグン 番外編 幕末豪将軍
  • 戦国魔神ゴーショーグン 番外編2 美しき黄昏のパバーヌ
  • 都立高校独立国
  • バース または子どもの遊び
  • 魔法のプリンセス ミンキーモモ
  • 魔法のプリンセス ミンキーモモ それからのモモ
  • 魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞
  • ポケットモンスター The Animation

ドラマCD
  • 「平安魔都からくり綺談綺譚」シリーズ
  • 「LIPs リップス・ザ・エージェント」シリーズ
  • 「黄龍の耳」シリーズ
  • マクロス7
  • サウンドピクチャーボックス ミュウツーの誕生

作詞
  • モモとモモ
  • ええだば音頭
  • ロケット団よ永遠に


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最終更新:2025年02月14日 13:22

*1 首藤氏が担当した一部エピソードのリメイクがあるため。