ローペン(未確認生物)

登録日:2016/03/07 (曜日) 1:01:15
更新日:2024/02/09 Fri 19:28:49
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概要

南太平洋に浮かぶニューギニア島、その東側・東南アジアとオセアニアの中間地帯に位置するパプアニューギニアで、
太古に絶滅したはずの翼竜としか思えない姿をした謎の未確認生物
それがローペンである。

主にニューブリテン島西部の小島、ウンボイ島で目撃が多発しており、棲息地もここと見られている。
「ローペン」 という名は、現地の言葉で 「空飛ぶ悪魔」 を意味する。
フライングデビルではない

形態

オオコウモリの皮膜に似た翼を持ち、その中央には3本の指が生えている。
体色は赤褐色、灰色、黒など個体によって様々。肌の質感はなめし革に似ていて、羽毛や体毛と思しきものは確認されていない。
口先は鳥のように鋭く細く、顎にはワニのような鋭い歯が生えている。
先端がひし形をした尻尾は、自身の体長に匹敵するほど長い。
腹部、もしくは全身に発光器官を持ち、夜間に飛行する姿は光の玉が浮かんでいるかのようだという。

食性は肉食性で主に魚や昆虫を食べるが、性格は至って狂暴で人間や動物にも積極的に襲い掛かる。
中には海辺で漁師が網を引き揚げていた時に突如として現れ、魚を奪い攫っていったという話もある。
伝承によればローペンの好物は腐肉で、時折墓地に飛来しては墓を荒らし、新鮮な遺体を喰い漁るという恐ろしい言い伝えが残されている。

小型飛行機よりも巨大な翼竜がブタを襲った

ウンボイ島における最初のローペン目撃事件は第二次世界大戦さ中の1944年まで遡る。
目撃者はアメリカ兵のドウェイン・ホジキソン。
彼は当時、陸軍装甲部隊の一員として、
ウンボイ島南部のジャングル地帯近くに布陣中の、オーストラリアの部隊に配属されていたのである。

8月のある日の午後、ホジキソンはオーストラリア人の兵士と共に、森の中の開墾地を歩いていた。
そして開墾地を抜けた先の小道を歩いていた時、野生のブタが2人の横を怯えるように走り去っていった。
次の瞬間、2人の目の前で信じがたい光景が展開した。
地面から巨大な鳥に似た怪物が飛び立ち、大きく旋回しながらブタを追っていったのだ。
怪物の翼開長は目測でも6m以上あり、皮膚の色は暗い灰色。
コウモリのようななめし革のような翼をはばたかせ、飛び去って行ったのである。

2014年に亡くなるまでアメリカのモンタナ州で静かに余生を送っていたホジキソンは、当時を回想してこう語る。

あの時目にした光景はいまだに忘れない。
翼を広げた時の長さは小型飛行機ほどもあったし、地面から飛び立った時はそいつの真横からの姿がよく見えた。
長いくちばしと鉤爪のような手足、長い尻尾があった。
その姿はまさしく太古の翼竜だった。
私は翼長7.8mのパイパーペイサーと言う小型飛行機を所有しているが、
その飛行機と改めて比較して考えてみると怪物の翼開長は9m近くあったかもしれない。尻尾の長さも5mはあったと思う。

研究家達の調査

アメリカ人兵士、ドウェイン・ホジキソンの報告は非常に精緻で驚くべきものであったが、
原住民たちの間では、ホジキソンが目撃した1944年以前から怪物の存在はよく知られていたようだ。

1972年、研究家のジェームズ・スゥーニーは自著「海の怪物の歴史」の中で興味深い資料を紹介している。
それは1595年の日付があるの航行図に、2匹の「海の怪物」に関する警告が記されているというものだった。
パプアニューギニアの海上に飛来する怪物は、
長いクチバシと、頭部後方にトサカを持ち、コウモリのような翼がある。
この怪物はたびたび人を襲うので用心するように。

2004年、アメリカのジャーナリストのジョナサン・ウィットコムがウンボイ島でローペンに関する調査を行った。
ジョナサンは、ローペンを見たという島民17人にインタビューを伺ったが、
その証言内容はホジキソンのそれと殆ど変わらなかった。
取材を行った島民のひとり、ギデオン・コロは子供時代から幾度となくローペンを目撃したと語り、
「ローペンの尾は7mにも達し、その先はダイヤモンドのような形をしていた。」
と地面にスケッチを描いたという。
そのスケッチは太古の翼竜そのものといってもおかしくなかったのである。
なお、オオコウモリの誤認ではないかと聞いたところ目撃者たちは一様に否定し、
翼竜のイラストを提示すると「これだ、ローペンだ!」と異口同音に指摘したという。

目撃の歴史

  • 1989年
ウンボイ島から北に300キロほど離れた所にあるランバットヨ島東部の海で、
仲間と夜釣りに訪れていた男性がローペンに襲撃されるという事件が発生。
身の危険を感じた男性が水中に飛び込むとローペンは船を執拗に攻撃しはじめ、周囲に水飛沫が飛び散った。


  • 1995年
ウンボイ島のグマロング村で、ベル山の方角から海へ飛び立つローペンが目撃される。

  • 1998年
パプアニューギニア本土に訪れた宣教師が、湖の方角へ飛び去る謎の怪鳥を目撃。

  • 2001年4月
グマロング村で、真新しい墓をクチバシで掘り起こし、遺体を貪るローペンの姿が目撃される。

  • 2005年9月
ウンボイ島のマルラモ村に住む男性が屋外で用を足していた時、ジャングルの方から飛来してきたローペンと遭遇。
最初は明滅を繰り返す発光体という正体不明の見た目をしていたが、
木の梢に止まってから程なくして男性の方へと接近し、その時月明かりに照らされた姿は翼竜そのものだったという。
翼開長は少なく見積もっても3m以上、鋭く尖ったクチバシ、ひし形の先端を持つ細長い尻尾を持っていた。

正体の考察について

ウンボイ島の住民達が示した通り、ローペンの姿は太古の地球に生きていた翼竜そのものである。
この手の翼竜系UMAの正体となると毎回のように候補に挙げられるのが オオコウモリの誤認説 だが、
ウンボイ島に棲息しているオオコウモリの翼開長は最大でも2m弱。
長い尾を持った鳥のような怪物とは見た目も大きさもまるで違っているためまずありえない。
よってローペンの正体はやはり翼竜の生き残り説である可能性が高い。

だがここで問題になるのはローペンの形態と大きさ。
翼開長9mにも達し、更に5mにも及ぶ長い尻尾を持つという冒頭のホジキソンの目撃報告だが、
現在化石で発見されている翼竜の中で、 そのような姿に合致する種はいないのである。
翼竜の中でも長い尻尾を持つ種類はランフォリンクスに代表される 嘴口竜亜目 に分類されるのだが、
ここに属している翼竜はいずれも 翼開長が小さく 最大でも2mあったかどうかとされている。
一方で白亜紀に姿を現したお馴染みのプテラノドンに代表される 翼指竜亜目 は、
翼開長こそ7mクラスがザラ、最大のケツァルコアトルスに至っては12mと、ローペンの巨大さを十分裏付けるサイズである。
しかし、ここに分類される翼竜は 尻尾が著しく退化 しており、わずかに残っているだけor殆ど無くなりかけている。

従ってローペンは何らかの要因で白亜紀末の大絶滅を乗り越えた翼竜が独自の進化を遂げ、
それが今なおパプアニューギニアで生態を築いているものだと考えられる。
ローペンの分類が「巨大化したランフォリンクス」なのか、「尻尾が長くなったプテラノドン」なのかは定かではない。
今後、その正体判明に貢献するようなハッキリした物的証拠が見つかることを祈るばかりである。


追記・修正はローペンに魚釣りを邪魔されてからお願いします。

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最終更新:2024年02月09日 19:28