放課後のプレアデス

登録日:2016/08/25 (木) 03:09:00
更新日:2021/01/29 Fri 15:26:50
所要時間:約 8 分で読めます



こんな夜は、星空を見上げて、肩を寄せあって、囁くような星たちの輝きに、そっと耳を傾けてみませんか。













「放課後のプレアデス」とは、ガイナックス制作の魔法少女ものアニメーション作品である。
ガイナックスと富士重工業(スバル)のコラボレーションアニメであり、2011年にwebアニメ版がYou Tubeで配信され、2015年にはテレビアニメ版が新規に制作されて放送された。
通常のノベライズ版の他、児童文学レーベルからもノベライズが出ており、web版・テレビ版・ノベライズ版・児童文学版と4通りの物語が存在する。



ストーリーは、平凡な女子中学生・すばるがある日突然魔法少女にスカウトされ、
仲間たちと共に「エンジンのかけら」なるものを探すという、一見王道というかテンプレっぽい設定。
自動車メーカーとタイアップしている関係上、ヒロインたちの使う魔法ステッキ「シャフト」は自動車のドライブシャフトをモデルにしており、発信音は車のエンジン音を模している。
だが、


  • 何かと百合が優先されがちな昨今の魔法少女ものではかえって珍しいボーイ・ミーツ・ガールもの
  • 派手なバトルをすることがむしろデフォルトとなった昨今の魔法少女ものにおいては珍しく、バトルが本筋ではない
  • 主人公がそこまで特殊な才能を持っているわけでは無く、主人公加入のメリットも「魔法陣が安定する」という程度

など、昨今のアニメの流行とは違う道を行くストーリーが特徴である。


そして、最大の特色がガチすぎるSF考証である。
タイトルからもわかるようにそもそも天文をテーマとしているアニメなのだが、
単に舞台背景やキャラクターの性格付けの一部で使うというようなレベルではなく、スタッフのSF考証に対する凄まじいこだわりようが垣間見える

五話における木星の渦巻き模様や(木星表面の模様を世界で初めて正確にシミュレーションした映像作品と言われる)、
ジーンダイバー以来とも言える最終話の先カンブリア紀の海岸の再現率などは、この分野に興味がある人なら誰もが感嘆の声を上げるであろう。
もちろんストーリーもSF的な魅力が満載である。
ちなみに水着回の舞台は深海底

他にも最終話のタイトルが「渚にて」であったり、随所にSFファンへのサービスが織り込まれている。
そしてノベライズの執筆者は菅浩江
もうSFファンへの愛に溢れまくっていた作品と言っていい。

あまりにマニアック過ぎた上に上記のように昨今のアニメの流行とは違う作風だった故か、知名度はやや低めだが、最終回まで見続けた視聴者の間での評価は極めて高い。
また、2016年度の星雲賞映像作品部門にも公式サイトでリストアップ(事実上のノミネート)された。
惜しくも受賞は逃したものの、知名度を考えればノミネートだけでも快挙と言えるだろう。

本当にハマる人はとことんハマるアニメであり、万人受けするとは言い難いが、SF・宇宙・天文などに興味がある人なら絶対に見て損はない作品と言えるだろう。

なおその性質故か、知名度の割にはファン活動が極めて盛んな作品である。
また公式の活動も、テレビ版終了後も定期的にイベントなどを行っており、
このクラスの知名度の深夜アニメとしては非常に恵まれていると言えるかもしれない。



登場人物


webアニメ版・テレビアニメ版・ノベライズ版・児童文学版で異なっている部分も多いが、以下は主にテレビ版を中心に記述する。
以下ネタバレ注意




なお、主要人物のほとんどには、幼少期に流星雨を見たという共通の記憶がある。


主人公。髪は外はねピンク。
天文が大好きな中学生の少女。
それが高じて、中学では1人で天文部を維持しているほど。
幼馴染のあおいから「どんくさい」と評される通り、どこか抜けている面が否めないが、自分でこうと決めたことには突き進む強さを持っており、
そのことがみなとや他の登場人物の運命を変えていく。

テレビ版では、それぞれ別の世界線からやってきた後述の4人と知り合い、会長のエンジンのかけら集めに協力することになる。
なお、この5人はエンジン集めの隠れ蓑として「コスプレ研究会」を設立している。

ドライブシャフトはスバル・レガシィ(web版:5代目 BM/BR系 テレビ版:代目 BN系)。
名前の由来は「スバル自動車」から。


ボーイッシュだが可愛いモノ好き。髪は青髪短髪。
すばるとは幼馴染で、彼女のことを気にかけている。というか溺愛してる。
「謎の少年」の正体を知った時には「すばるの心を弄びやがって~!!」と激怒していた。
主要登場人物では唯一家族の詳細が不明。
ドライブシャフトはweb版ではスバル・インプレッサ(3代目 GE/GH系)、テレビ版ではスバル・WRX VA。
名前の由来はインプレッサのスバルブルーから。

  • いつき(声:立野香菜子)

胸担当その1。髪は黒髪ロング。
良家のお嬢様といった風貌で、内面もその通り。
幼少期に自分が怪我をしたことで兄を傷つけた経験から、自己主張を控えるようになった。
だが、吹っ切れてみると意外と武闘派
おでこアッタクにはノックアウトされた人も多々。
ドライブシャフトはスバル・フォレスター(web版:3代目 SH系 テレビ版:4代目 SJ系)。
名前の由来はフェレスター→フォレスト→樹
……フォレストと樹の間に森とか林とかある気はする。

  • ひかる(声:牧野由依)

ツインテール・貧乳担当。髪はオレンジツインテール。
風貌の割にはそこまでツンデレではない。
絶対音感の持ち主で、音楽の天才的な才能を持って生まれたが、そのことで心にひっかかりを抱えていた。
天才肌故にやや周囲から浮きがち。
彼女の両親は娘のよき理解者であり、実に立派な親である。
ドライブシャフトはスバル・トレジア。
名前の由来はトレジア→トレジャー→ひかりもの。


乳担当その2。髪型は紫ロングウェーブで、常に左目が髪で隠れている。
よく魔法使いのような格好で校内を徘徊している。
実質的にコスプレ研究会の会長。
中学生離れした謎めいた雰囲気に相応しくやたら博識。
そして会長の唯一の通訳。
両親の別居に伴い、父親と二人暮らし。
この経験から厭世的な考え方が身についてしまった。
土星まで生身で往復して帰ってきたことがある。
ドライブシャフトはweb版:スバル・エクシーガ テレビ版:エクシーガ クロスオーバー7。
名前の由来はエクシーガが7人乗りであることから。




  • 会長(プレアデス星人)(声:藤田咲)

7年前に自分たちの宇宙船が大破してしまい、その時失ったエンジンのかけらを集めるためにすばるたちに魔法少女の力を与えた、本作のマスコット的存在。
緑色のクラゲというかタコというかみたいな風貌をしている。
実は相手の心に合わせて姿を変えることが出来、この姿なのはななこが「宇宙人とはこういうものだ」という先入観を持っていたため。
ちなみに姿が見えるのは上の5人だけ。

立場的によくこいつと比較される。

以下更に重大なネタバレ

彼らの種族はその昔、「莫大なエネルギーと引き換えに任意の可能性を一つ選び取る」、つまり原理的に「少しでも可能性があるなら、どんなことでも成しえる」技術を手に入れる。
そして生き延びるために母星を捨て、宇宙空間に旅立った。……が、上記の技術をもってしても、彼らが生き延びる可能性は残っていなかった。
そこで七年前、滅びないために「何も選ばない」ことを決める。
すばるたちが「これから何者にでもなれる」可能性を秘めているのと対照的に、「何者になることも放棄した」存在でもあった。

なお、幼少期のみなととも出会っており、その時はショタ形態であった。




すばるが校内で偶然迷い込んだ温室で出会った不思議な少年。
姿を消したと思ったら転校生として現れたり、「君はいつも○○だな」と見透かしたようなことを言ったりと、ただものでは無い雰囲気を漂わせる。
女子のような長髪の美少年だが、ジャージに麦わら帽子がよく似合う園芸少年。

事実上、この物語のもう一人の主人公……というかヒロイン
ノベライズ版では正式な主人公。

以下更に重大なネタバレ

幼少期から重病を患っており、ずっと病院暮らしだった。この頃にすばると一度出会っている他、会長とも出会っている。
すばるが出会った彼の正体は「謎の少年」の別人格としてのみなと


  • 謎の少年(声:桑島法子)

すばるたちが行く先々に現われては、エンジンのかけら集めを妨害するライバル。

以下更に重大なネタバレ

大体の人は察しがつくだろうが、みなとの別人格である




追記・修正は星空を見上げて、肩を寄せあって、囁くような星たちの輝きに、そっと耳を傾けてからお願いします。



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最終更新:2021年01月29日 15:26