天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~

登録日:2016/10/24 (月) 23:35:32
更新日:2024/04/21 Sun 12:13:34
所要時間:約 14 分で読めるのだ








観ないやつは死刑なのだ!!



『天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~』とは、ギャグ漫画の金字塔『天才バカボン』初の完全オリジナル長編映画であり、後の『おそ松さん』と同様、原作者の赤塚不二夫生誕80周年記念として制作された作品。
2015年5月23日公開。



概要なのだ!


赤塚作品のアニメ映画としては、1989年7月に「東映まんがまつり」枠で公開された『ひみつのアッコちゃん 海だ! おばけだ!! 夏祭り』以来26年ぶりの公開である。
日本アニメーション版『フランダースの犬』とのコラボレーションを行っており、バカボン一家とネロとパトラッシュが夢の競演を果たす。
制作はDLE、監督・脚本は『秘密結社鷹の爪』でお馴染みのFROGMANで、パパや神田をはじめとする数々のキャラの声も担当している。
タイトルが「バカボン」ではなく「バカヴォン」である理由は、作中にて明らかになる。
原作キャラは忠実に描かれているが、映画オリジナルキャラは他のFROGMAN作品を意識したキャラデザとなっている。
主題歌はチームしゃちほこの「天才バカボン(アニメ第1作主題歌のカヴァー版)」と、クレイジーケンバンドの「パパの子守歌」。


あらすじなのだ!


東京の町で楽しく平凡に暮らす、パパ、バカボン、ママ、ハジメのバカボン一家。
しかしその平和な日常の陰で、「インテリペリ」という悪の組織が暗躍していた。
インテリぺリを長年追っていた内閣情報局の神田輝夫は、敵が「神の頭脳」とも呼ばれる不可能を可能にする究極のコンピューター「オメガ」を起動させるためにパパの本名を聞きたがっている事を知る。
神田はバカボン一家に事の次第を伝え、パパの護衛を務める事になった。
一方インテリペリでは、部下20人近くがパパの本名を聞きに行き、何故かパ行でしか喋れなくなった事に、総帥のダンテが頭を悩ませていた。
そこで家族から聞き出せばいいと考えたダンテは、パパの息子であるバカボンに目を付け、自分も子供を使って聞き出そうとある行動に出る。
それは、人間に恨みを抱いて死んだ『フランダースの犬』の主人公・ネロと、その愛犬・パトラッシュを地獄の底から蘇らせるという恐るべき作戦だった。


登場人物なのだ!


バカボン一家

「無茶なのはフラッシュアニメで映画を作る事なのだ!」
CV:FROGMAN
言わずと知れた主人公。
本作ではバカボンとの約束で西から太陽を昇らせようと奔走する。
バカボンの学校に転校してきたネロ&パトラッシュと出会い、親睦を深める。
これまで本名を名乗った事がなく、役所の届けや銀行の通帳まで一貫して「バカボンのパパ」で通していた。
それにより、役所の窓口担当は、最後にはパ行でしか喋れなくなってしまった。

西から太陽を昇らせるために、「東の山を西の河原に持っていく」「杭を突き刺し、それを引っ張って地球を逆回転させる」といった方法を試すがどれも失敗。
「手を大きくして地球を地球儀のごとく逆回転させる」方法もあったが、未遂に終わった。
神田を「なめた君」、ネロを「オキロ君(一度だけ「ネロ君」)」と呼ぶ。
やがて、総理達に条件付きで本名を教えた後、バカボンからネロ&パトラッシュが悪魔態に覚醒した事を知り、彼らを助ける為にオメガ爆破用の爆弾(遠隔爆破用のスイッチ付き)を携えつつ、インテリペリのアジトの司令室へバカボンと共に潜入する。

アニメ第1作(初代)及び第2作(元祖)でパパを演じていた故・雨森雅司氏は、アニメ『フランダースの犬』において、木こりのミシェルを演じていた。

  • バカボン
「そりゃ悔しい時もあるよ。でもだからって、人を傷つける理由にはならないよ…!」
CV:犬山イヌコ
お馴染みパパの息子。ボケナス小学校に通っている小学生。
クラスメート達が自分達の父親の仕事を自慢する中、彼だけ父親が何の仕事もしていない事をクラスメートたちに笑われた上、西河内達に「単なるロクデナシ」とバカにされたのが切っ掛けで、パパが「どこのパパにも出来ない事」として「西から太陽を昇らせてみせる」と約束する事となった。
転校してきたネロ&パトラッシュと出会い、親睦を深めるが……。
神田を「なめたさん」、ネロを「ネロ君」と呼ぶ。

  • ママ
「股間に生えた、シメジですよね…?」
CV:上野アサ
お馴染みパパの奥さん。
アジトへ突入するパパ達をモニターで見守る。「これも日本の為」だとして爆弾の遠隔爆破用スイッチを押そうとする田辺総理に対し、「ウソおっしゃい!自分たちの為でしょ!」と非難していた。
アニメ全4作では赤塚の「ママの声優だけは変えないでほしい」との要望から声優が一人だけ変わらなかったが、本作では声優が増山江威子氏ではなくなった。

  • ハジメ
「悪用すれば簡単に世界制服できちゃいますね…」
CV:澪乃せいら
お馴染みバカボンの弟である天才幼児。
バカボン家の面々では唯一神田を「神田さん」と呼んだ。
序盤は影が薄かったが(神田曰く「全然存在感無かった」)、終盤ではインテリペリのコンピューターをハッキングし、アジトへの潜入作戦を指揮する活躍を見せる。
オメガ爆破用の爆弾の遠隔爆破用スイッチを持っていたが、大沢局長に唆された田辺総理に奪われてしまう。


内閣情報局

  • 神田輝夫
「初対面にそんな話するって、私は変態ですか!?」
CV:FROGMAN
内閣情報局に勤める生真面目な公務員で、物語の語り部も務める。一人称は主に「僕」か「私」を用いる。
インテリぺリがパパの本名を知りたがっている事を(後述するレスターのドジで)知り、パパを護衛するためバカボン家を訪れる。
護衛の範囲は、交番から川、幼稚園の運動会、火渡り、ライブ会場、手術室、犯罪現場まで幅広い。
パパやバカボン、ネロ達からは「なめた(君)(さん)」と呼ばれ、その度に訂正をしている。何かとマイペースなパパや、頼りない上司達に振り回される苦労人だが、ネロ&パトラッシュが悪魔態に覚醒した際、『フランダースの犬』を見た事がなかったバカボンに『フランダースの犬』の終盤の話を聞かせ、そこで村人たちがネロに謝ろうとしていた事を教えたり、レスターを陽動作戦で引っかけ、その隙にパパとバカボンをインテリペリのアジトへと侵入させたりなどそれなりに活躍はしている。

  • 課長
「あー神田君、もうそういうきな臭い事には頭突っ込まないでくれるかなー…」
CV:FROGMAN
大沢の部下で神田の上司だが、非常に気弱でネガティブな性格。
インテリペリに対しても弱腰で、対策を神田任せにするなど全く頼りにならないダメ上司。
妻と6人の子供を抱えており、経理担当の「由美子」という女性と浮気しているらしい。
上司である大沢からは薄ら笑いをされるほど見下されている。

  • 大沢局長
「バカボンのパパもろともダンテを葬り去り、オメガを手に入れるのです…」
CV:FROGMAN
神田の上司にして内閣情報局の局長。田辺総理の補佐的な役割を担う。
パパがダンテに捕まった時は、彼とバカボンを見捨ててインテリペリのアジトの司令室を爆破するよう総理に促したりなど、目的のためなら手段を選ばない卑劣漢。

  • 田辺総理
「チーズで国民の生命・財産が守れるというのか!?」
CV:FROGMAN
日本の総理大臣だが、「官僚の言いなり」らしい。
国民の生命・財産の事を気にしている。
化繊アレルギーで、パンツを穿くと尻が膨れ上がる。
神田にウールのパンツを穿くよう勧められるが、今度は尻が4倍に膨れ上がった。
コンピューターに弱く、先週やっとWindows95の起動に成功したほど(神田曰く「一昨日来やがれですね」)。
リッツには海苔の佃煮しか乗せない派。
パパの本名と引き換えにオメガのコピーを手に入れる為に、直々にパパの本名を聞きに行くが、名前を聞く代価として、ヒヨコの恰好で鼻毛を蝶々結びにし、「メスシリンダー」と3回叫ぶよう要求され、部下たちの前で恥をかかされる。
しかし今度はインテリペリを止める条件として、パパから前述の格好で今度は「こまごめピペット」と3回叫ぶよう要求される。
パパとバカボンが捕まった際、大沢局長に言われるがままに爆弾の遠隔爆破用スイッチを押そうとした。


ボケナス小学校

  • 鈴木明子、下村てつお
「先生、また何かあったんですか?」
「やっぱり何かあったんだ!」
CV:鈴木あきえ(明子)、出雲阿国(下村)
バカボンのクラスメート達。
バカボンと仲が良く、パパの行動を面白がったり、転校生のネロに対して気さくに話しかけたりとフレンドリーな性格。明子の父はサラリーマン、下村の父は消防士をやっている。

  • 西河内好平
「これはいいネタだ…!」
CV:濱田岳
バカボンのクラスメート。
所謂いじめっ子であり、「クラスのリーダー」を自称する。取り巻きの少年(CV:FROGMAN)を二人連れている。
傲慢な性格で、パパとバカボンを侮辱したり、教室に犬を持ち込むネロを快く思わず、卵を投げつけたりスケッチブックを奪ったりと傍若無人に振る舞う。
そんな中、自宅で祖母から貰った『フランダースの犬』のDVDを発見。

  • 沼袋先生
「上司だってそうです!許せなかったら、立場を超えて言う事は言うべきなんです!」
CV:バイク川崎バイク
バカボンの担任の先生。
朝礼や終礼の時に、生徒たちの前で恨み節や愚痴を零しており、生徒達から「何かあったのか」と心配されている。


インテリペリ

  • ダンテ
「ネロよ…怒れる少年の魂よ…地獄からその身を解き放ち、我が下僕として生まれ変わるのだ…!」
CV:村井國夫
悪の組織・インテリぺリの総帥。IQ500の頭脳を持つ。かつて時空調整員だったかは不明。
映画オリジナルキャラでは唯一、ポスターイラストにも描かれている。
自身が長年開発してきたコンピューター「オメガ」の起動に失敗した理由が「バカボンのパパの本名の入れ忘れ」である事に気付き、ネロを使ってバカボンからパパの本名を聞き出そうとする。
後にある理由で悪魔態へと覚醒したネロ&パトラッシュを見た事で予定を変更し、テレビのニュースで、パパの本名を明日の朝までに教えるよう犯行声明を出す。

  • レスター
「噛んだんですかね?舐めたんですかね?フンッ!」
CV:金田朋子
ダンテの腹心の部下である小柄の男。鼻息が荒く、しょっちゅう「フンフン!」と鳴らしている。意外と涙もろい一面も。
『フランダースの犬』を子供の頃にテレビで見ていた。
ツイッターをやっており、「お昼ごはんの写真だけじゃつまらない」というフォロワーの要望で組織の機密情報をツイートしてしまった事も(ダンテに叱られ削除したが)。
神田の作戦に引っかかり、パパとバカボンのアジトへの潜入を許してしまう。

  • ネロ
「人から嫌われるのは、慣れてますから…」
CV:瀧本美織
『フランダースの犬』の主人公。心無い村人から誤解され全てを奪われたのちに、吹雪の中駆け込んだ町の教会にあったルーベンスの2枚の絵を見て、パトラッシュと共に凍死し、迎えに来た天使達に連れられて天国へ向かったと思われていたが、実は天使の救いの手を振り払って地獄に堕ち、人間達への復讐のチャンスを窺っていた。
ダンテの装置で現世に復活し、ボケナス小学校へ転校生として潜入。バカボンと接触し、彼からパパの本名を聞き出そうとするが上手くいかない。
普段は本来の穏やかな性格のままだが、憎しみや怒りに支配されると目の色が青から赤に変わる
悪魔として蘇った故か、「どーもすみまっしぇ~ん」とすごい顔芸で謝ったりと、原作ファンならまず激怒してもおかしくない言動を行う。
バカボン同様、神田を「なめたさん」と呼ぶ。

  • パトラッシュ
「ワン!」
CV:桃(FROGMANの飼い犬)
『フランダースの犬』のネロの愛犬。飼い主共々人間に恨みを抱いて地獄に堕ちた。
ネロと行動を共にし、彼もまたボケナス小学校へ転校生として潜入する。
ネロ曰く「取説なしでWi-fiの設定もできる」らしい(ウソつけ!by西河内)。
ネロと同様、原作ファン激怒間違いなしの顔芸を披露する。


その他の人物

  • ウナギイヌ
「ゥワンッ!」
CV:秋本帆華(チームしゃちほこ)
お馴染みウナギと犬の合いの子。神田の話などそっちのけのパパに、包丁で捌かれかけた。
本作ではほぼワンシーンのみの出番。

  • 本官さん
「本官のラーメンが~!!」
CV:岩田光央
お馴染み「目玉のおまわりさん」。
本作でもラーメンを食べ損ねており、さらにパパ達が引っ張った杭がぶつかった事によるビルの崩壊を詰問。パパが「インテリペリの仕業だ」と嘘をつくと、ピストルを撃ちながら何処かへと走って行った。
DEATHウィンク」は使わない。

「レレレ~♪」
CV:上島竜兵(ダチョウ倶楽部)
お馴染み「お出かけですか?」のおじさん。本作でもやっぱり掃除している。
余談だが、演じた上島は、上の一人と一匹とレレレのおじさんの出番が少なかった事について、舞台挨拶やインタビューなどで不満を述べた様子。

  • 夜の犬
「ワオーン!」
CV:坂本頼光
バカボン家のカレンダーや、ネロがアジトへ帰るシーンで登場している。

  • 大島さん
「失礼しちゃう!」
CV:上野アサ
公園にいた女性。6年付き合っていた彼氏がいた。
結婚を考えており、彼氏を驚かせようと、彼に内緒で自分の両親を説得し実家と畑を売らせ、その金で都内に7千万円のマンションを購入したが、彼氏は喜ぶどころかドン引きし、「重すぎるよ…お前…」と言って振ってしまった。
パパはその重さで地球を傾け、西から太陽を昇らせようと画策していたが、「パパが自分を幸せにしてくれる」と思っていた彼女は騙された事を知り絶望。仏像でパパを殴り、怒って帰ってしまった。

  • 隣人
「朝っぱらから迷惑だよ!こっちゃまだ寝てんだ!!」
CV:坂本頼光
冒頭にて、朝から太陽に向かって大声を出すパパに怒り、怒鳴りつけた。







追記・修正は、バカボンのパパに本名を尋ねてからお願いし…パッパッパピプペポ~!

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最終更新:2024年04月21日 12:13