ARMORED CORE 3 SILENT LINE(AC3SL)

登録日:2017/05/03 Wed 19:25:02
更新日:2024/03/07 Thu 13:50:29
所要時間:約 6 分で読めます







それは、侵してはならない「領域-ライン-」


2003年1月13日発売。
ACシリーズ第7作目であり、タイトルからわかる通り前作アーマード・コア3の直接の続編。
3と同様に2009年11月19日に「アーマード・コア サイレントライン ポータブル」というタイトルでPSP版も発売している。

前作において絶対的な存在であった地下世界レイヤードの管理者が破壊されてから幾分の時が経った後の世界。
三大企業を始めとした各勢力が地上世界へ進出しながらハッスルしていた矢先、
発見された謎の巨大クレーターである「サイレントライン」を中心に争いの火種が激化していく中、
その力が益々重要視されるようになる独立した存在――レイヴンの戦いが描かれる。

前作から導入された左腕銃器が大幅に数を増し、本格的なダブルトリガー黄金期の時代が幕を開ける。
それに加えてパーツの数も大幅に増加し、大半のミッションに隠しパーツが存在していたりする。
とはいえ大半が既存パーツの色変え水増し、性能も極一部除いてビミョーと不満も大きかったりしたが。
しかも最後のご褒美である煩悩ハンドがあの体たらくじゃあねえ……

また、作中ストーリーにも関連する新要素としてAI育成システムの導入がある。
これは自身がアセンブリーした機体のコピーに独自のAIシステムを組み込み、アリーナでの戦闘を重ねる度に独自のAI機体を育成できるという画期的なシステム。
ただこちらも育成機能がかなり独特ということもあり、初心者にはとっつきづらい面が強かったが。

もう一つ、本作独自のシステムとして武器破壊というものがあり、武器パーツごとの耐久値を超えるダメージを受けると文字通り武器が破壊されて使えなくなる。
しかし、有利不利が顕著になりやすいという理由もありガチ対戦では敬遠されがちだった。

ミッション数は35前後、アリーナランカー数は補填含めて40人強と数字だけ見ると少なくなっているが、
前作からより洗練され且つ歯ごたえのある各種ミッションや、CPUながらも巧みなロジックを組まれたランカーたちとの熱い戦いは決してプレイヤーを飽きさせない。
特にランカーの戦術については強化人間補正によるゴリ押しが目立ちがちが後発作品以降と比較して、歴代最高峰と称されることも。

ただ、その分歴代シリーズの中でも難易度は比較的高めに設定されている面もあるので、
慣れないプレイヤーは初心者向けである前作のクリアデータをコンバートしてから挑んだ方がいいかも。

【オープニング】
衛生砲の発射から始まるフロムの技術力と変態性が更に進化したハイスピーディな仕上がり。
全体的に纏まっていた前作と比較すると、切り替わりが早すぎて何をしてるのかわかりにくいなんて言われることもあるが……


【ストーリー】


人類が地球規模の大災害を逃れ、「管理者」と呼ばれる、ただ一つの管理機構と
幾つかの企業によって均衡が保たれたレイヤードと呼ばれる地下世界。


全てが管理され予定された世界で生活を営むようになって数世紀。
企業の勢力均衡を保つために生み出された<レイヴン>と呼ばれる傭兵の手によって、
「管理者」が破壊された。


軛から解き放たれ、人類が地上に進出した時代。


この時、地上は数年前に企業によって提唱された「地上再開発計画」の最中であり、
新しい世界の発見を急ぐとともに、地上の開発計画も活発化していた。


数年後、地上の未踏査地区を調査中に、巨大なクレーターが発見された。


その直後、地上開発は急速な展開を見せる。


復興への道を歩むべく、行われた世界編成は企業による開発活動を加速させる一方で、
資源の所有化、各種利権紛争といった争いを生み出していく。


だが唯一つの存在だけは違っていた。
報酬によって依頼を遂行し何にもとらわれない傭兵達<レイヴン>


人々が企業の利権争いに翻弄されるのと対照的に、レイヴン達は戦場で中核をなすまでに戦力を高め、
いつ終わるともしれない戦いを、繰り返す存在となっていた……


……世界は混迷を深めつつあった。


(本編プロローグより引用)


【登場人物 / 登場勢力】

●エマ・シアーズ(CV:折笠富美子)
本作におけるプレイヤー専属のオペレーター。レインに劣らずの優秀さを持ちサイレントラインやAI研究所に対しても自身の疑問を主人公に投げかけてくる。
……ただ、プレイヤーには終盤のあるミッションにおける物凄い冷血っぷりが印象に残りがちだろう。

●セレ・クロワール(CV:勝生真沙子)
戦闘用AI技術開発の最先端を行くAI研究所の女性研究員。あるミッションで救出されてからは度々主人公とメールのやり取りをする仲になるのだが、
サイレントラインを巡る争いを激化させていく現在の世界情勢と企業群の在り方に、一種独特の厳しい持論をぶつけていくようになり……

サイプレス / テン・コマンドメンツ
前作にも登場していたレイヴン。今回はアリーナには参戦しておらず、あるミッションで敵として登場する。
管理者の熱心な信奉者であった彼が現れる場所は…
なおミッション用にステータスが調整されているのと地形の都合で、前作ほどの強さはない。前作並みに強かったら詰むレイヴンが続出しかねない
本作には彼のような、アリーナ不参戦でミッションにのみ登場するレイヴンが複数登場する。

●グローバルコーテックス
前作に引き続き登場するミッション仲介組織、でもやっぱり影が薄い。

●ミラージュ
三大企業の一角であり実質トップ企業。サイレントラインに眠るだろう未知の力も含めて地上開発にも積極的。
仲介人は佐々木優子

●クレスト
三大企業の一角にしてミラージュと激しく対立するナンバー2。地上進出よりも管理者亡き後の地下世界の保全を優先する前作と変わらずの保守的姿勢を貫く。
仲介人は家弓家正
声が声なだけに、クレストが保有しており一部ミッションの舞台にもなる「バルガス空港」はしばしばパラガス空港」とネタにされたり…

●キサラギ
三大企業の一角にして小狡く動き回る第三勢力。前作の争いで弱体化した所為で自社勢力の回復に必死な他、この頃から生物兵器フェチの一面も覗かせるように……
仲介人は津久井教生

●AI研究所
地上進出後に現れた新興勢力でAI技術の開発における最先端。
ACやMT、武装要塞の無人制御に多大な貢献を果たしているが、各勢力とのやり取りはネット通信のみでその実態は謎だらけときな臭い部分も多い。


【愛すべきランカー】

フォグシャドウ / シルエット
みんな大好き霧影兄貴にして最強の真人間と称されるナンバー3。ミッションでもメールでのやり取りでも頼れる兄貴ぶりを見せてくれる。

シルバーフォックス / ラストバーニング
霧影兄貴に並び証される最強候補の真人間たる銀狐先生…だが強化人間でないだけでオプションスロットを大幅に違反している詐欺師。兄貴とは真逆の重装甲高火力のゴリ押し。
アリーナの最終手段「駐車場呼び出し」を使ってもKARASAWAの連射までは封じられない。

カロンブライブ / ファイアーバード
こちらもみんな大好き不死鳥兄貴。機体と腕前は凡庸だがその不死身っぷりとメール文面のギャップで何かと印象に残りやすい。

●エクレール / ラファール
元MTパイロットの女剣豪レイヴン。あるミッションでは一緒に広大な無人要塞の暴走を止めるために協力することに。

●スネイクチャーマー / コブラワインド
残虐行為大好きな火遊び野郎、通称スネちゃま。両手火炎放射と一見ネタ臭いのだが意外と侮れない奴だったりする。

●シューティングスター / キングフィッシャー
高慢ちきな下位ランカー。あるミッションではヒーローみたく登場するが現実は非情である。

●ゴールドブリット / クローバーナイト
上述のサイプレスの増援として登場するレイヴン。登場の仕方がやたらと格好良い…のだがあまり強くはない。
国内版ではダミ声のオッサンなのだが、海外版では若い女性に。性転換はACではよくある事

●カラミティメイカー / ダイナミックトラップ
チャージングでミッション放棄するんじゃねえ。
もっとも、ミッション中に機体の不調を訴えつつ戦っていたのでジェネレータがイカレてしまったのかも知れない。

●カラードネイル / グラッジ
上位ランカー「ゼロ」に家族を皆殺しにされ、復讐のためにレイヴンになったとか。
しかし2vs2で戦うEXアリーナではそのゼロとタッグを組んでいる。どういう心境の変化があったのだろうか。

●メビウスリング / ムゲン
本作におけるトップランカーでエースと同じく孤高の求道者タイプ。
動き自体は本作他高ランカーと同じで優秀なはずなのだが、機体のパンチ力不足の所為でどうにも弱く見えがちな不遇の男。

●ネームレス / ミステリー
こちらもエグザイルから引き続きの裏トップランカー。
機体の火力自体は驚異的だが燃費が劣悪で動きも悪く、これまた裏トップランカーの中では影が薄いと不遇。


【登場兵器】

●衛星砲
本作を象徴する兵器。ACが侵入して内部探査をできるほど巨大な人工衛星であり、高威力のレーザー砲を雨のように撃ち下ろす。
この衛星砲の索敵・攻撃範囲こそがタイトルの「サイレントライン」である。

●I-C003-IN
サイレントラインから侵攻してくる無人兵器。過去作のカスタムAC「ヴィクセン」をマッシブにしたようなフレームで、ユーザーからは「デブヴィクセン」などと呼ばれる。
両手持ちの巨大プラズマライフルやグレネードなど非常に重装備。特にプラズマライフルはデザインと構えの格好良さからACへの実装を希望するレイヴンが多くいたとかいなかったとか。

●B1037f C-type
シリーズお馴染みの生体兵器。製造元はキサラギ。
モチーフは不明で、ミジンコともアンモナイトとも取れる形状をしている。少なくとも今までの生体兵器よりは生理的嫌悪感は少ないかも。

●B1037f M-type
↑の親玉。こちらもモチーフは不明で、芋虫やナメクジのように見えなくもない。
正面の砲口からプラズマキャノンを連射し、近付けば周囲の気温を急上昇させて熱暴走を誘発するという変わった攻撃方法を持つ。
非常に硬い外皮に覆われているが、キャノンを発射する時だけ砲口部分が受けるダメージが19倍にもなるという弱点がある。

リトルラプター
小型ガードメカの形をしたナニカ。そうとしか言いようのない性能を有している。
たかがガードメカと侮ったレイヴンは漏れなくこいつに蜂の巣にされるであろう。

●MG-AOxx/131α
デヴァステイター、グレイクラウドなど「大型兵器」の系譜であり、AC3の巨大クモに続く「あんなもの」2代目である。
でっかいグレネードランチャーを背負っているが大きく旋回飛行をしているため攻撃頻度は低く、図体がデカいので爆雷ミサイルがよく効いてしまう。
しかもよりにもよってACのジェネレータ性能を強化する実験中に乱入してきたため、機動力が強化されたACに頭上に乗られてしまう事もしばしば。
見かけ倒しな強さはまさに「あんなもの」である。

●(ネタバレ注意)I-CFFF-SERRE
本作のラスボス。プレイヤーにコンタクトを取ってきたセレ・クロワールの正体はサイレントライン内にかつて存在した「もう一つのレイヤード」の管理者「IBIS」で、
本機はIBISが制御するもう一つのレイヤードにおける管理者実働部隊といったところだろう。
外観は黒いナインボール=セラフといった雰囲気で、コイツと戦う最終ミッション自体もACMoAのセルフオマージュである。
拡散レーザー、レーザーライフル、ブレードなどを使用。火力はさほど高くないが機動力に優れ、一定ダメージを受けると背部パーツをパージしてさらに機動力が増す。
しかもコアのミサイル迎撃性能が尋常ではなく高く、ミサイルは全く効かないと思っていい…が、これでもナインボールやラスジナに比べれば楽な相手。










追記・修正はサイレントラインに侵入してからお願いします。

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最終更新:2024年03月07日 13:50