登録日:2017/08/05 Sat 02:00:45
更新日:2024/12/27 Fri 11:23:21
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あばよ、爺さん!あの世でハイクを詠むがいい!貴様の死因はショドー中の転倒死だ!
【登場エピソード】
【概要】
第一部の敵
「ソウカイヤ」の裏工作担当部門
「ソウカイ・シックスゲイツ」の暗殺ニンジャ。
プロフェッショナルとしての矜持とワザマエを持つ燻し銀のニンジャで、高い実力を持つことから幹部級の
“六人”の一人にも入っているだろうとヘッズからも確実視されていたニンジャ。
……これに関しては、後に原作者からも「その通り」とする解答を得られたが、ワザの性質上、フロストバイトは冬季限定の“六人”であったという、シビアな事情が明かされた。(後述)
ニンジャネームのフロストバイト(frostbite)は、直訳すると凍傷となる。
霜焼け(chilblain)に充てられる名詞でもあるが、より重度の症状=凍傷を指す名詞として使われることが多いようだ。
ニンジャ装束は地の文では灰色。
公式イラストでは防寒着めいた装束にテックを掛け合わせた秀逸なデザイン。
後に、クランのアーチ級ソウルである「トゥララ・ニンジャ」の憑依者「ホワイトドラゴン」が所属したことで、無意識下に呼び寄せられると共にアマクダリ・セクトに多数が所属したコリニンジャ・クランのソウル憑依者が登場。
彼等と似た装束とワザながら、空気中から氷スリケンやその他の氷を利用した武器を生み出せるコリニンジャ・クランのニンジャ達とのワザ(ジツ)の相違から、コリニンジャ・クランのソウル憑依者か否かということが議論されていたが、後にフロストバイトもまた、コリニンジャ・クランのソウル憑依者であると明言された。(後述)
【戦闘能力】
サンシタっぽい言動とその言動に違わぬ残忍で下種な性格もあり、一見只の噛ませの雑魚キャラのように見えて実力は第一部の中ではかなりの強者。
オムラ・インダストリ製の小型急速冷却機を背負っており、手元に発射される冷やされた空気をニンジャ握力で圧縮することにより鋭利な氷スリケンを投げることが出来る。
氷スリケンは敵を殺傷した後で溶けて消えてなくなるため、ニンジャがニンジャの追跡に使うニンジャソウルの痕跡も残さずに暗殺を成し遂げることが可能。
スリケン投擲のワザマエ自体も極めて高く、刹那的なイクサながら
ニンジャスレイヤーを実際追い詰めた強敵であった。
なお氷スリケンで暗殺した標的には、標的の口に豚足を突っ込む。
これは忍殺世界に於ける「テダシムヨウ」を暗示する裏社会における符牒であり、これを見た裏社会とつながりのある悪徳上級マッポが介入して有耶無耶にされ捜査は打ち切られる。
ワザ・ジツ
俺はこの技で、何人ものニンジャの手を破壊してきたのだ!
ニンジャスレイヤー=サン、貴様のようにスリケン受け流しに絶対の自信を持っているような、気取ったいけすかねえ野郎どもをなーッ!
背中に背負った、手首に液化窒素の発射口を回したオムラ・インダストリ製の小型急速冷却機を、奥歯に仕込んだスイッチを噛む(bite)ことで起動。
手元の冷却空気をニンジャ握力で圧縮することで精製するフロストバイトのメイン武器。
通常はスリケンなどにも残ってしまうことにより位置の特定にも使われるニンジャソウルを、武器そのものが溶けてしまう特性を活かして誤魔化す効果もある。
氷スリケンが真に恐ろしいのは、「暗殺の証拠や痕跡を残さず完全犯罪を成立させる」という特性以上に純粋な攻撃力。
普通のスリケンよりもギザギザが多く精製されるそれは、ニンジャスレイヤーが相殺の為に放ったスリケンをあっさりと両断し、減速することもなく標的に到達せしめる。
更に氷スリケンはその特性上、温度差により指先に張り付いてしまう為に受け止められた瞬間指と指の間で高速回転しチェーンソーの如くダメージを与え、ジュー・ジツを利用した二本の指によるスリケン掴み取りをも無効化するなど、投擲武器としてはトップレベルの性能を誇る。
更に、テックにより冷たい空気を好きなだけ生み出せる為か、秒間三~四発ものペースで氷スリケンを放つことが可能で、フロストバイトの精密投擲も加わり実際脅威。
防戦一方に追い込まれつつも決断的カラテにより後ろをとった
ニンジャスレイヤーに対しては液化窒素自体を発射して防御するなど、装備自体も危険な代物である。
あばよ、ニンジャスレイヤー=サン! 貴様の死因はバク転中の不運な転倒死だーッ!
その名の通り氷スリケンの要領で生成されたクナイ・ダート。
動きを止めた
ニンジャスレイヤーにフロストバイトがヒサツ・ワザとして放った。
氷スリケン以上に大きく、その分だけ威力が高いのだと思われる。
【劇中での活躍】
ニュービーにもお薦めの『忍殺』の世界観と魅力が凝縮された名短編『メリー・クリスマス・ネオサイタマ』に登場。
世界全土を電子ネットワークが覆いつくし、サイバネ技術が普遍化した未来。……のフレーズや、ネコネコカワイイへの言及、ゲストやモブかと思いきや後々にまで登場してくる重要人物……等、短いページ数ながら見処しかない物語は実際必読。
後々のエピソードに繋がる伏線要素も含めて、ハードボイルド重点なドラマの中でも貫かれる『忍殺』要素で翻訳チームによる魅力爆発の『忍殺』的文学アトモスフィアに浸ってみるのもいいだろう。
……クリスマス・イブのネオサイタマ。
多数の市民とマッポが犠牲になった、一年前の
クリスマスに起きたマルノウチ・スゴイタカイビルでの抗争劇。
その犠牲者の為に行われる筈だったネオサイタマ市警による慰霊式典も数日前にキャンセルされてしまい、死者を悼む者の姿もないマルノウチ・スゴイタカイビルの屋上に、同じく犠牲市民となる筈だったのに、運命の悪戯からこの世に留まることになった幽鬼のような男が一人。
失った妻子の墓前に捧げるセンコ=憎むべきニンジャの首級を求めて飛び立ったニンジャスレイヤーは、口に豚足の詰められた奇妙な死体を発見する。
殺された男の名はホタカ・ナカナカ……ネオサイタマ市警の重鎮にして評議会役員の一人。
……ヨロシサンを筆頭とする暗黒メガコーポによるクローンマッポ導入計画に抵抗する三人の保守派の重鎮の一人だ。
しかし、追跡から逃れる為に雑踏の陰に逃げ込んでいたホタカはこうして殺され、同志の一人であるイノウエはホタカの前に既に自宅で……。
残るは最高齢ながら、今も市警に強い影響を持つノボセ老のみ。
此度のヨロシサン製薬の企みを黒幕として指導する、ネコソギ・ファンドCEO
ラオモト・カンの命を受けて暗黒支配の中でも正義を貫こうとした要人達を暗殺していたのは
ソウカイ・シンジケートの暗殺ニンジャ……フロストバイト。
深夜零時。
ノボセ老が孫娘のムギコを連れて息子夫婦を外にあそびに行かせたのと時を同じくして、ノボセ邸のある高層マンションの屋上に降り立ったフロストバイトに、遂に暗殺者の痕跡を捉えたニンジャスレイヤーが立ちはだかる。
それまでの戦闘記録の報告から射撃戦に弱いことを知っていたフロストバイトは、氷スリケンにより
ニンジャスレイヤーのスリケンを
無効化。
更には、超高速連射と氷スリケンの特性を利用したフーリンカザンにより
ニンジャスレイヤーを追い詰め、
ニンジャスレイヤーが形成逆転の為にとったバックフリップからの決断的チョップをも背中に背負われた液化窒素の噴出により凌ぎ、無防備となった
ニンジャスレイヤーに必殺の氷クナイを放つ!
……しかし、ウシミツ・アワーを告げる鐘の響く中、辛うじて直撃を逃れた液化窒素の煙の中でむせるニンジャスレイヤーの右の瞳がセンコの如く光り輝き……。
……赴き重点のラストシーンは自分の眼で確かめるがよかろう。
【余談】
- 第三部から多く登場するようになったコリニンジャ・クランのソウル憑依者とワザやジツが似ている一方、テックを利用して氷スリケンを生み出している様子から、彼らとクランを同じくするのか否かについて議論がされてきた。
……解答は、前述のように「コリニンジャ・クランのソウル憑依者である」とのこと。
テックを利用して氷スリケンを生み出すことについては、自分の能力を強化する為か、欠けている能力を埋め合わせる為のものと思われる。
強力でも妙にサンシタめいたアトモスフィアを纏うコリニンジャ・クランのニンジャとは違い、フロストバイト=サンは大物感があるとヘッズからは評価されている。
- 項目冒頭の決め台詞は、フロストバイト=サン自身が劇中でバリエーションを披露していることもあってか、人気の改変台詞として実際用途が広い。
名前とワザはフロストでも、妙に熱血な。
- まさかの冬季限定シックスゲイツ(六人)であることが、最近になって明かされた。
ワザやジツの特性上、実力が完璧に発揮出来る冬季以外のレギュラー入りは、まだ未熟だった頃とはいえ、後に射撃特化のスナイパーニンジャを、逆にスリケンカウンターで殺しめた
ニンジャスレイヤーを射撃で圧倒したフロストバイト程の実力者をしても難しいらしい。
あばよ、wiki籠り!貴様の死因は追記修正中の不運な転倒死だ!
- アイスジャベリンというニンジャも豚足を使うが、この時点じゃ符丁だということが説明されてないうえ、アイスジャベリンの殺し方は槍で心臓をぶち抜くというものだったのでヘッズが混乱に叩き込まれた -- 名無しさん (2017-08-05 02:23:22)
- 冬季限定、ということはシックスゲイツはフジキドがスレイしまくってメンツがころころ変わる以前は、ジツやカラテを測るセンタ試験めいたシステムでもあったんだろうか -- 名無しさん (2017-08-05 09:37:57)
- ニンジャスレイヤーは射撃戦が苦手という貴重な情報をヘッズに授けてくれたニンジャ -- 名無しさん (2017-08-05 11:30:49)
- 案外シックスゲイツの人員が割ところころ入れ替わっても組織が維持できてたのは元々コイツの代わりに夏の間務める候補者が後ろにずらっと控えてたからなんじゃ…… -- 名無しさん (2017-08-06 10:21:33)
- ↑ ソウカイヤも、人の質量はザイバツより劣るとしても、ちょっとした勲功でも取り上げてガンガン頑張らせるってスタイルっぽいしね -- 名無しさん (2017-08-06 20:42:37)
- ↑育成しないけど、実力ある奴は本当に強くなるのがソウカイヤだと読み返して思った。テックやバイオ技術にも寛容だし、才能ある奴はそれだけでも上に行けるんだよね。 -- 名無しさん (2017-08-07 04:14:43)
- 春になったら本当に「六人」を降りる予定だったんだろうか。クリスマスにサヨナラしてしまったから結果的に冬季限定とかじゃなくて。 -- 名無しさん (2017-08-14 12:17:12)
- 冷却空気を握力で固めて鉄製(多分)のスリケンを一方的に切断できる硬度か、ぜひとも空想科学読本でネタにしてほしい -- 名無しさん (2017-08-14 12:31:18)
- ↑2 物理書籍版の質問コーナーによると「以前にもシックスゲイツになってた時がある」との事なので、やっぱり暖かくなると外れてた模様。 -- 名無しさん (2017-08-14 14:48:28)
- 冬季限定といっても、シックスゲイツを外れたらドサンコとか北の任務に赴いてると予想 -- 名無しさん (2018-05-03 14:09:19)
- ↑渡り鳥めいておるなw -- 名無しさん (2018-06-28 10:42:31)
- ↑↑まさかの正解。そしてダークニンジャ級の信任を得た凄腕エージェントであったという衝撃の設定 -- 名無しさん (2019-03-04 00:05:06)
- 今の印象だと射撃戦にニンスレが弱いというより、こいつが射撃戦に強すぎたって感じがする -- 名無しさん (2024-09-29 04:08:44)
- フロストバイト=サンの逆に「ジツやニンジャとしての体質の都合上冬季に弱い」夏季限定シックスゲイツ(フロストバイト代理枠?)もいたかもしれないんだろうか……? -- 名無しさん (2024-09-29 04:59:11)
- 今考えると冬季限定とはいえ異様に強い。あの時期で考えてもなんか異様に強い -- 名無しさん (2024-12-27 11:23:21)
最終更新:2024年12月27日 11:23