戦え!ウルトラマン(帰ってきたウルトラマン)

登録日:2018/02/01 Thu 01:15:36
更新日:2024/10/07 Mon 22:17:33
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「戦え!ウルトラマン」とは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『帰ってきたウルトラマン』の没主題歌である。

もう一度言うが、没主題歌である。

作詞:東京一
作曲:すぎやまこういち
歌:団次郎(現・団時朗)


【概要】

この歌はレコーディングまでされ、主題歌として最終選考まで残ったものの、次点で不採用となった不遇の楽曲なのである(ある意味この曲と似た感じ)。

作曲を手掛けたすぎやま氏は凝った構成のこの曲が好みであったが、子供番組ゆえ「分かりやすいメロディーの方がよい」と考え、「帰ってきたウルトラマン」が主題歌に採用されたとのこと。

その為に知名度は低いものの、イントロがかなりカッコよく燃える曲となっている。
また、1番以外の歌詞は本家主題歌と共通している箇所があるものの、一部は同様の情景の言い回しを変えたものとなっている。
例:
  • 帰ってきた→大地を飛んで流星パンチ
  • 戦え!→大地を飛んでキック一発
特に3番において
戦いがすんだ空にウルトラマンの故郷の星が輝く様
を歌っている事は共通するものの、コチラの歌詞では、
戦いをすませたウルトラマンが空を見上げ、そこに輝く故郷の星を「僕の星」と呼称する
といった、郷愁を感じさせるものとなっており、「遠く離れて地球に一人」のフレーズもここで出てくる。
しかし、1番の歌詞には「辺り一面焼け野原」だの「町が危ない 死が迫る」とかなり物騒なものであるため、これも不採用の要因と思われる。
ちなみに「死が迫る」の部分が「火が迫る」となっている歌詞カードも存在するが、団次郎氏が江戸っ子な発音をしたからなのか*1、物騒な表現を表向き避けたのかは不明。

なお、昭和ウルトラシリーズでお馴染みの作曲家である冬木透氏はこの曲と同じ歌詞で主題歌候補曲を作曲したが採用には至らず、メロディーはBGMとして使用されている(ジャックが登場して戦う時に流れる曲である)。
このメロディーによる歌は1992年に「帰ってきたぞウルトラマン!」の曲名で水木一郎アニキが歌っている。


【その後】

このように不採用となった当楽曲であるが、1983年、表舞台へ出る機会が来た。

かの庵野秀明監督も所属していたDAICON FILM制作の特撮自主制作映画作品『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』の主題歌として使われたのだ*2
ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンレオ』を彷彿とさせる戦闘メカの発進シーンのOPは、本楽曲も合わさってかなり凝ったものとなっている。

その後はサウンドトラックCDや主題歌集に収録されるなどして知名度を少しずつ上げ、『新ウルトラマン列伝』でもBGMとして使用されている他、
ファミリー劇場の『ウルトラ情報局』では放送分のオープニング映像に使用し、実現しなかった幻のオープニングとして放送された。
さらに2015年にはドワンゴとカラーの共同企画『日本アニメ(ーター)見本市』にて、
故・内山まもる氏の漫画『ザ・ウルトラマン』を原作としたショートアニメ『ザ・ウルトラマン/ジャッカル対ウルトラマン』のエンディングテーマとしても起用された。
なお、同作のエグゼクティブプロデューサーは庵野氏であり、上記の自主製作との関連性も高い。



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最終更新:2024年10月07日 22:17

*1 団氏は実際は京都出身で、かつアメリカ人とのハーフ。

*2 「庵野氏が顔出しで帰マンを演じている作品」と言えば思い出す人もいるだろうか