パネルクイズ アタック25

登録日:2018/05/05 Sat 13:25:56
更新日:2025/02/13 Thu 12:20:14
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大事な大事な、
アタックチャーンス!

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「パネルクイズ アタック25」とは、ABCテレビ制作のクイズ番組である。
本項では、BSJapanext(現:BS10)で放送されている「パネルクイズ アタック25 Next」についても解説する。


目次


概要

参加者がの回答席に座り、クイズに正解した回答者がパネルを獲得し、一番多くのパネルを得た人が優勝となる。
地上波時代はテレビ朝日系で毎週日曜日の13時25分から放送していた。

この番組の前身にあたるのは、毎日放送製作・NET(現: テレビ朝日)系で放送されていた「東リ クイズ・イエス・ノー」である。
番組は低視聴率および毎日放送の腸捻転解消*1に伴い打ち切られたものの、スポンサーである東リの要請もあって本番組がスタートした。

開始当初は当時のテレビでよく見られた視聴者参加型クイズ番組だったが、1980年代後半以降それらが徐々に終了していったこともあり、21世紀以降時期によっては日本で唯一レギュラー放送される視聴者参加型クイズ番組となっていた。

しかし、ABC側が視聴者層の若返りを図ることから終了が発表され、2021年9月26日をもって46年半の歴史に幕を下ろし、日本からレギュラー放送の視聴者参加型クイズ番組が姿を消した。

…しかし、その灯は消えていなかった。

2022年3月27日より、番組スポンサーでもあったジャパネットたかたが運営する新BS局「BSJapanext」にて『パネルクイズ アタック25 Next』のタイトルで復活した。
復活というよりは実質半年間休止したようなものである。
基本的な構成は一切変わっておらず、変わった個所と言えば放送時間(30分→60分)と収録スタジオ(大阪・ABC本社→東京・BSJapanextのスタジオ)ぐらい。

劇伴担当は山下毅雄。テーマ曲の「アタック!」のシャウトは山下本人によるもの。

2025年にはBSJapanextのBS10リニューアル開局を記念し、同年1月12日にゴールデンタイムでの特別版の放送が決定。
番組がゴールデン・プライム帯で放送されるのは開始50年目にして史上初。


出演者

◆司会◆

「勝負の アタックチャーンス!」
1975年から2011年まで出演。
前身である「イエス・ノー」に引き続いて司会を務めた。当初は「イエス・ノー」が低視聴率だった事から司会を引き受けようとしなかったが、スポンサーである東リの要請で引き受けた経緯がある。

紳士然とした雰囲気で進行するが、パネルの移り変わりが激しい時にはスポーツ実況のように興奮してしゃべりたてる。
正解したときの「その通り!」「お見事!」や、角を取れるのに角を取らなかったときの「なぜ角を取らない!?」が恒例。

後に博多華丸・大吉の博多華丸がモノマネしたことで認知度が再確認され、華大が出場した際には2人でアタックチャンスをしたこともある。

体調不良(後に癌と判明)で2011年に無期限休養となり、その1ヵ月後に逝去。番組でも追悼の映像が流れた。

  • 2代目: 浦川泰幸
「20代大会勝負のアタックチャンス!」
ABCアナウンサー。児玉氏の休養に伴う代理司会からそのまま司会に就任。2011年から2015年まで出演。

アナウンサーらしいスムーズかつ流れるような進行だが、児玉氏同様角を取らなかったときにはポロっと毒舌が出たこともしばしば。

  • 3代目: 谷原章介
「30代大会 勝負をかけた (パンッ)アタック チャンス!」
番組40周年を迎えたリニューアルにより、2015年から司会に就任。レギュラークイズ番組の司会は「カミングダウト」(日本テレビ)に続いて2度目。

歴代司会者よりも解答者に話しかけたり、最終問題前0枚の解答者に対しても「最後正解して1万円でも持って帰りましょう」と励ますなど優しい司会ぶり。
一方で自分がお気に入りの問題、特に自身も声優として出演の経験があるプリキュア関連の問題だと興奮することも。
アタックチャンスの前に手を叩くスタイル。

このほか、児玉の入院時に板東英二が、谷原の舞台出演時にフリーアナウンサーの石井亮次が代理司会を担当したことがある。

◆出題◆

  • 初代: あかはゆき
  • 2代: 中村京子
  • 3代: 相沢純子
  • 4代: 豊島美雪
  • 5代: 相馬宏美
  • 6・10代: 沢木美佳子
  • 7・9代: 加藤明子
  • 8代: 角野友紀
フリーだったり朝日放送の社員だったり、基本的にアナウンサーが務めている。
7・9代目の加藤アナは、児玉時代末期〜浦川時代前期に出演した後、40周年のリニューアルで谷原が司会就任したのに伴って再登板しており、唯一全歴代司会者の下で出題担当者を務めている。

Nextでは地上波時代の6代目出題者である沢木美佳子が再登板している。


◆ルール

  • 回答者は4人。赤・緑・白・青の順に座る。
  • オープニングクイズに正解すると最初は中央に位置する13番のパネル*2を獲得できる。以後は4色オセロの要領でパネルを獲得する。
    • 挟めるようにパネルを取れない場合は、既に獲得しているパネルに隣接する箇所を獲れる。この場合、次の問題も正解すれば他のパネルを挟む事が可能な配置なら、それが可能となる箇所のみ獲得対象となる。また、パネルが特定箇所に集中していたり、現状自分の色以外のパネルが無かったりする等でパネルを挟みようが無い場合には点灯中のパネルに隣接する位置のパネルが獲得できる。
  • オープニングクイズ以外で不正解を出すと2問解答権を失う*3。解答権はNextで新設された「全部答えましょう」を除いて1問につき全員で1回しかない。
  • シンキングタイムは7.5秒間用意されているが、映像問題や音楽問題などは出題中そのものがシンキングタイムとなるため、シンキングタイムがない。
  • 人名を答える問題の場合、日本人・中国人・韓国人についてはフルネームを答えないと正解にならない。ただしそれ以外の外国人はフルネームでなくてもその人だと判断できればOK。
  • 未獲得のパネルが5枚になるとアタックチャンスが発動する。アタックチャンスは誰かが正解するまで続く。
  • 全てのパネルが埋まるか制限時間を迎えると終了。制限時間を迎えた時にはウェストミンスターの鐘(学校のチャイム)が鳴る。
    • その時点で最も多くのパネルを獲得した人が優勝となり、旅行のかかったVTRクイズへチャレンジできる。


◆アタックチャンス

未獲得の残りのパネルが5枚となったときに発動するチャンスタイム。
アタックチャンスのときに正解を出すと自分のパネルを含めた獲得済みのパネルを1枚選び、未獲得状態に戻すことができる(画面上は黄色く縁取られる)。
ここで塗り替えたパネルは未獲得のパネルとなり、埋めれば再びオセロの色変えも発生するという一発逆転のチャンス。
ただしこのアタックチャンスのパネル塗り替えは強制であり、塗り替えによって不利になる展開しか残されていない場合でもパネルを1枚選んで消す必要がある。大抵は他人が獲得したパネルを選択する場合があるが、展開や戦略によっては自分自身のパネルを選択する場合もある。
優勝のかかった回答者はもちろん、既に優勝の目がない回答者もパネル数が賞金に影響するためやはり気が抜けない時間となる。

なおアタックチャンスは誰かが正解を出すまで続くが、導入当初は発動後最初の問題で正解しないとそこで終了となった。


◆出題形式

  • オープニングクイズ
第1問は必ずこれ。間違えてもペナルティはない。
基本的にパネルを使った隠し絵問題が出題されるが、正解は人物・場所の名前・スポーツなど一定しない。

  • 読み上げ問題
アナウンサーが読み上げた問題の答えを当てる。問題文の読み上げが終わった後にシンキングタイムがある。

  • 3択問題
問題文読み上げ時に「三択の問題です」とアナウンサーが一言入れる。選択肢はアナウンサーの読み上げ。
映像を使った3択問題も存在する。

  • ビジュアルクイズ
VTRやCGアニメーションを利用した映像を使って出題されるクイズ。
映画の一部を流してそれに関連する問題に答える映画問題、映像を使った三択クイズ、上段と下段でペアになるもののうち、指定された組み合わせを答えるペアクイズ、ゲストが出題するゲストクイズ、5つの画像を数秒間流し、出題された問題の答えを当てる記憶クイズ、全国各地に関連する映像を見てそれに関連する問題に答えるふるさとクイズなどが出題される。
地上波時代は様々な視点で映されるCGで描かれた漢字を答える立体文字、隠し絵クイズ、間違い探しなどがあった。

  • 音楽問題
流される3曲を聞き、タイトルに共通して入る文字、タイトルの頭文字を組み合わせて出来る単語、歌っているグループの人数を全て足した数を答えるなど様々な形式がある。

  • 筆記問題
Nextより登場。数字を答える問題で、一番正解に近い数字を書いた回答者がパネルを獲得できる。
当初はペナルティがなかったが、後に正解から最も遠い数字を書いた人は不正解と扱われるようになった。

  • 全部答えましょう
Nextより登場。複数の答えがある問題*4が出題され、その全てを答えないとパネルを獲得できない。
誤答してもペナルティはなく、正解が出るまで何度も回答できる。

  • ふるさとクイズ
Nextより登場。全国各地の自治体の映像に関連する問題に答える。
誤答してもペナルティはない。正解者にはパネル獲得の他に出題元の自治体から賞品がプレゼントされる。

  • 旅行チャレンジクイズ
その日に最も多くパネルを獲得した優勝者のみが答えられる、旅行を賭けた最終問題。自身が獲得したパネルが消え、その部分から見える映像の一部をヒントに問題に答える。

例題として「ある人物」を例にとると、
  1. 趣味や特技に関する品物
  2. 生誕地と生年
  3. 卒業した大学などの学歴
  4. 名を上げた作品や出来事など
  5. その人が書いた著書(作家)やそれに纏わる書物
  6. その人に関する最近の出来事(映画などの映像化)
  7. 顔写真
…といった内容・順番で表示される。

人物は歴史上の人物・作家・学者・スポーツ選手・架空の人物など多岐にわたるほか、出題ジャンルに関しても「ある作品・曲」「ある国・都道府県・都市・島・半島・山・川・湖・公園・建造物(国内外問わず)」「ある歴史上の出来事・条約」「ある西暦(特定の1年)・元号」「ある植物」など多岐にわたり、どれが出るかはわからず、広い知識と運が試される。

当然のことだがパネルの獲得枚数が多ければ多いほどヒントがよく見えるものの、前述の通り広い知識が求められるため、20枚以上やパーフェクトを達成しても正解できないときもあれば、取り方次第ではひと桁枚数程度のヒントでも正解したケースもある。
不正解・時間切れの場合、旅行は獲得できないもののそれ以外の賞品・賞金は獲得できる。


◆賞金・景品

終了時に解答者が保持しているパネルの枚数分賞金*5として支給される。パーフェクトを取るとパーフェクト賞として100万円*6が支給される。
Nextではパネル1枚につき1万円が支給される。パーフェクト賞は100万円。

賞品は長らくエールフランスによるパリ旅行がメインであったが、1995年頃にフランスの核実験に対する抗議の一環として行先が変更されたこともある。
その後はフロリダ・ディズニーワールドや地中海などを経て、2021年から地上波最終回までは宮古島2泊3日ペア旅行となっていた。
Nextでは日本一周クルーズ10日間の旅*7が授与される。


◆予選

番組出演をかけた予選会は、原則として各地のテレビ朝日系列局で行われていた。
ただし関東および山梨在住の人は、朝日放送東京支社で予選を受ける。
徳島県は朝日放送が実質的に放送エリアとなっているため、大阪の朝日放送で受ける。
宮崎県では宮崎放送(TBS系)で*8佐賀県では福岡県の九州朝日放送で予選を受ける。
番組が放送されていない福井、富山、高知、鳥取、島根、佐賀の各県では、隣接地域のテレビ朝日系列局で実施される予選を受ける。
このため、番組エンディングのスタッフロールには協力扱いで各地のテレビ朝日系列局の名前がクレジットされていた。

予選への出場はハガキかインターネットで応募し、専用の用紙に氏名などの他に自己アピールを記入する。
問題は全30問の筆記式で制限時間は8分。制限時間終了後すぐに採点され、合格した参加者のみ面接へ進める。
筆記試験の出題内容は、クイズ番組でよく出される問題と時事問題がバランスよくミックスされている。

仮に面接に合格し、本選への出場権を得ても1年間「オファーを受けられる権利を持っている」という状態に過ぎないので、1年以内にオファーがなければ出場資格は消滅してしまう。
ただしオファーを待っている間も予選試験を受ける事は出来るので、合格を重ねればオファーを受けられる期間を伸ばせる。

Nextでは「つながるジャパネット」アプリからの応募となる。

一度番組へ出場すると、たとえ優勝できなくても向こう5年間は出場権を失う。


◆パーフェクト

25枚のパネル全てを獲得することをパーフェクトと呼び、パーフェクトを獲得した解答者は地上波放送終了までに全部で14組現れている。
パーフェクトを獲得するには4隅のパネルを必ず獲得することが必要となり、それ以外のパネルの取り方もよく考えて行う必要がある。


◆優勝できる最低枚数

同点決勝や時間切れがない場合、優勝するには最低7枚のパネルを獲得する必要がある。
ただし不正解が続出して時間切れとなり、パネルが全て埋まらなかった場合にはもっと少ない枚数で優勝することもある。


◆年間チャンピオン大会

地上波時代

前年の12月からその年の11月までに通常回で優勝した回答者から獲得枚数の多かった上位回答者が出場できた。
2003年度までと2015年度からは年間の獲得枚数上位4名が出場していたが、2004年から14年度までは予選を勝ち抜いた4人に出場権が与えられた。

Next

勝ち抜き方式へとリニューアル。放送5回単位でブロック分けし、1~4回目を通常回、5回目を年間チャンピオン大会ファーストラウンドに位置づけ。ファーストラウンドに出場できるのは通常回のトップ賞獲得者。
ファーストラウンドの勝者が、年末に予定されるファイナルラウンドへの進出権を獲得することができる。


◆ゲーム化

過去にPS1・2、PCでゲーム化されている。

富士通パソコンシステムズ開発。1995年発売。
オープニングからエンディングまで当時の番組の流れを忠実に再現し、1度出題された問題は次回プレイ以降出題率が下がるという独自の仕様が組み込まれていた。

上記富士通パソコンシステムズ開発のPS版の移植バージョン。こちらは応募ハガキを記入する段階から始まる。
予選の筆記試験・面接を受け、合格すれば出場できるという、テレビでは見えない部分の流れまで再現されている。

デジキューブ開発。PC版同様応募ハガキを記入するところからスタートする。
応募ハガキを記入し応募に出しても、低確率で予選会の通知ではないものが届き、その時点でゲームオーバーになることも。


◆余談

2023年3月、深夜に放送されたABCの関西ローカル番組『VSウエストランド』で、アタック25改悪パロディとして『パネルクイズ ポイズン25』という企画が放送された。司会にとろサーモンの久保田かずのぶ、解答者としてウエストランド、みなみかわ、キュウ、ダイヤモンドが出演。
本家からは問題読みで沢木美佳子も出演し、収録スタジオもABC製作番組なのにBSJapanextのスタジオで実施した。

AAにもなっているコロンビアはこの番組が発祥。
2006年10月放送のある回に出場した男性が、最終問題で「コロンビア」と答えて正解した時の見事なドヤ顔とガッツポーズがAAの元ネタ。





追記・修正はアタックチャンスを獲得してからお願いします。

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最終更新:2025年02月13日 12:20

*1 資本系列に対して捻れていたネットワーク体系の解消を目的として、1975年3月31日から毎日放送がTBS系列、朝日放送がNET系列に切り替わったもの。

*2 1985年の一時期だけ、ランダムに光るパネルを早押しボタンで止める方式が採用されたことがある。数回でこのスタイルは廃止されたものの、この際に流れるBGMやパネルがランダムに光るシステム自体は、人物の顔をパネル上でランダムに光らせて誰なのかを当てる『フラッシュオンクイズ』としてオープニングクイズに流用されていた。

*3 この間該当の回答者は席を立たされる為、司会者はこの状態を「お立ち」と表現する。

*4 一例として、太陽系の惑星で地球より赤道半径が大きい惑星を全て挙げる。

*5 2019年10月頃まではホームページ上で1枚×1万円と明記されていたが、2019年11月以降金額の表記が無くなっている。

*6 2019年10月頃までは50万円。

*7 こちらはジャパネットが一般発売している旅行商品でもある。

*8 ただし宮崎放送は2017年9月に放送を打ち切ったため、九州朝日放送、大分朝日放送、熊本朝日放送、鹿児島放送の何れかで予選を実施していた。