旅お兄さん

登録日:2018/09/01 (土) 18:22:59
更新日:2025/04/04 Fri 18:06:14
所要時間:約 4 分で読めます





『旅お兄さん』とはギャグマンガ日和に登場するキャラクターおよび彼を主役としたシリーズ物の1つ。

【概要】

28歳の無職の青年が様々な観光スポットをレポートする日本国内旅行の記録。

……の筈だったのだが、途中でトラブルに見舞われネガティブ思考が徐々に肥大化した末、キレて旅行を中止するというショートストーリーである。


【旅行先一覧】

◇伊勢神宮

記念すべき第一回。新幹線で名古屋まで来た所から始まり、近鉄特急で伊勢市駅で降りた所でお腹が痛くなってトイレに行く。
伊勢神宮へ行く直前で腹痛に見舞われるというアクシデントが起こるのだが、「神様に嫌われているのではないかと」思い込んでしまう。
というのも以前明治神宮に来た時に入り口でまつ毛が目に入って痛い思いをした為、神宮の神の嫌がらせと感じてしまったのである。
そこから
  • 28歳で定職に就けず、無職のまま。
  • 信号ですぐに赤に引っかかる。
  • 今まで彼女が出来たことがない。
と今までの不幸まで神様のせいにし始める。

彼女も出来ず些細な怪我や歯槽膿漏で治療費が飛ぶ、こうして口臭で更に彼女が出来なくなるというネガティブ思考の連鎖が続く。
最終的にキレて旅行を中止する。

旅お兄さんの不幸を神様のせいにするという滑稽さもそうだが、
些細なトラブルでネガティブ思考が肥大化し、楽しいはずの旅行が一気に楽しくなくなるというあるあるネタが描写される


◇江ノ島

湘南の江ノ島を訪れた旅お兄さん。
展望灯台を訪れる予定だが、途中でエスカーというエスカレーターに関してトラブル発生してしまう。
エスカーが有料だと知らずに運賃を払ってしまい灯台の入場料が無くなってしまう。
ところがエスカーに乗ってる最中に階段に変更しようと思い係の人にエスカー代の返金を要求してきた。
当然の事ながらエスカーに乗ったので不可能であるのだが……、

「だから! そしたら灯台に登るお金が無いって言ってんのに……わかんない人だな!」

次に一回階段で1番下のエスカー乗り場まで下りて返金するように要求する。
当然ながらそんな無意味な事をしても返金は認めてもらえないのだが……、

「だから! 下に下りたら乗ってないのと同じことだろ!」

支離滅裂な言い争いの末に、係の人から灯台は逃げませんから次の機会にまた起こし下さいと言われる。

「逃げるわ! また来たらその分電車賃がサイフから逃げるわ!」

今回はニート故の異常な金銭感覚が垣間見えるエピソードであった。
そもそもそうなる前に料金システム等を事前に調べておけば、このような事態にならなかったのでは?


◇郡上八幡

岐阜県郡上八幡を訪れた旅お兄さん。日本三大盆踊りの一つ郡上踊りの徹夜踊りのイベントを見に来たという。
これまであんなに嫌な思いをしてきたというのによく懲りないものである
しかし作中ではホテルをチェックアウトして今から帰る所だと言う。しかも昨日はひどい豪雨でイベントは中止になってしまった模様。
それでも旅お兄さんは大雨の中を歩き回り踊る人を探していたが……。

「踊っていないんだ! 誰一人!」

ヘトヘトで宿に戻り、そこの主人に豪雨でイベントは中止となったと笑いながら聞かされる。

「笑うな! 何一つ面白くないのに!」

次の日は快晴であり、通常通り郡上踊りが開催される予定だが、宿泊費も無く帰る電車の時間の都合で旅行は終了となってしまう。

「終われるか! 何で昨日来た僕が踊り見れなくて今日来た人は見れるんだよ! ザケんな!」
「雨でもおどればいいだけだろうが!」

悪天候の影響で楽しみにしていたイベントが中止になり、費用や時間の都合で振替えが出来ないという旅行あるあるを皮肉ったエピソードである。
そのような事態に備えて中止になった際のサブプランを考えておけば良かったのでは?


◇ニューヨーク

シリーズ初の国外旅行。パスポートの申請の為にパスポートセンターを訪れる所からスタート。
しかし総合的な費用が10万2千円しか用意しておらず、ビジネスクラスを想定した事に加えパスポートの申請の時点で予算オーバー*1してしまい「これだったら国内旅行に回した方が良い」と考え計画倒れとなってしまう。
そもそも定職にも就いてもないのに豪華な海外旅行をしようという考え自体甘過ぎる
そこからスーパーマーケットでのアルバイトの経験談が始まる。

スーパーの店長が「動きが遅い、声が小さい、覚えが悪い、愛想が悪い」等の小言が多いが、当の本人は商品の陳列に専念しているのに対し、

「自分でやれ!」

レジ打ちで2万円程のミスを出した時に「2万円の利益を出すのにどれだけ物を売らないといけないのか……」と説教されたが、
5時間立ちっぱなしでレジ打ちして疲れているのに当の店長は商品の陳列でしゃがむ機会が多いことに対し、

「オレは旅に比重を置いてんだ! レジ打ちが下手でもしょうがないだろ!」

バイト先は時給が安く、店長はクソ野朗で、同業者はおばさんばかりで、同い年ぐらいの女子が居ないという理由で10万稼いだ時点で辞めてしまう。
そこから彼女が出来ない事に苛立ちながら、帽子の天ボタンを引き千切る。

旅お兄さんの労働意欲のなさが改めてわかるエピソードとなった。
ブラック企業で働く社畜の怒りの伝わるエピソード……とも紹介したいところだが、お兄さんのレベルが低すぎるので判断は難しい。

最後は車に轢かれて跳ね飛ばされるシーンで終了。
皮肉にもこのエピソードが無印最後の登場であった。

◇江ノ島(二回目)

GBに入って再び江の島を訪れた旅お兄さん。
入口にある鳥居を通過した矢先に通例のトラブルが発生する。
お兄さんが週三日のアルバイトで購入した安物故にバッテリー持ちが悪いからなのか、それとも予備バッテリーを用意できなかったのかデジカメの充電が切れてしまった。
この先良い物を見ても写真撮影が出来ずカメラが使えない事を悔やみ、
その度に心のカメラに収めればいいと自分に言い聞かせるが・・・

「心にカメラなんか無いわ!」

また今日は気温が暑くなる事を想定して薄着で来たのだが、日陰に入ると涼しくなり夕方には更に冷え込むそうで・・・

「カゼひくわ!」

脱ぎ着しやすい上着を用意しておけばよいのでは
結局いつも通り今回のトラブルも神様の仕業だと思い込み、キレて旅行を中止してしまう。

今回は旅行の持ち物の準備不足が目立つ回であった。



追記・修正は旅行のプランをしっかり立てられる人がお願いします。

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最終更新:2025年04月04日 18:06

*1 最低でも5年間有効の物で11,000円は必要