日暮熟睡男

登録日:2018/10/14 (日) 09:55:54
更新日:2024/10/17 Thu 13:13:17
所要時間:約 10 分で読めます




※以下のやりとりは、今年がオリンピックイヤーのつもりで読む事をお勧めします。




【夏季オリンピック観戦で盛り上がるある日の派出所】

両津(以下「両」)「ようし行け行けーっ おれがついてるぞ行け!」

テレビ「日本1位 金メダルです」

両「やったぜ!よーし!」


麗子(以下「麗」)「熱が入っているわね!」

両「わしが応援しないと負けるからな」

中川(以下「中」)「オリンピックの年って 何かありましたよね?」

両「えっ」


麗「そういえば何か……」

中「四年に一度…何か…」

両「うーむ」


両「閏年だよ!」

麗「あっ」

中「そうか 何だ!閏年か!」

両「そう! 大した事じゃないよ」


両「待てよ… 何か生き物であった気が… 四年に一度…目覚める…」


両「そうだ日暮だ!!」

麗「あ!」

中「日暮さんですよ すっかり忘れてましたね」

両「あいつがいたんだ…」


日暮熟睡男とは、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の登場人物である。
名前の読みは「ひぐらし ねるお」。

CV:牛山茂→今井敦(テレビアニメ)
演:宮藤官九郎(ドラマ)


プロフィール


生年月日:2月29日
年齢:推定30代(北京オリンピックの時に33歳と両津に決められた)
身長:165cm
体重:48kg
血液型:A型


人物


警視庁葛飾警察署に所属している警察官で階級は巡査。
当初は亀有公園前派出所勤務だったが、途中で本署の超能力課勤務となった。

無造作に伸ばした無精髭とパジャマがトレードマーク。
体は痩せこけており、目と眉毛も常に垂れ下がっている。
本来はとても肥満体型であり、卒配直後の写真でも太っていた。

一度寝ると4年間ずっと眠り続け、1日だけ起きたらまた4年間眠るというとんでもない生活を続けている。
卒配直後は16時間眠るだけでよかったが、段々と睡眠時間が長くなり遂には4年に一度しか起きなくなってしまった。
目を覚ますのが毎回夏季オリンピックが開催されている年なので「オリンピック男」と呼ばれている。
なぜこれでクビにならずに済んでいるのかというと、彼には超能力(後述)があり、それを使って難事件を幾つも解決しているため4年間眠り続けてもクビにならないのである。
実は本来の日暮は「丸々と太ったデブ」の姿であり、長い眠りに就く直前には丼各種10人前や寿司20人前を平らげて激太りし、髭を剃り坊主頭にしてサッパリとした顔になる。
だが4年間寝ている間に徐々に痩せていくので、起きる際には別人のように痩せ細っている。

ニコニコ寮の一室に住んでいるが、睡眠中は全く掃除されないので、4年間寝ている間に部屋は見るも無残に朽ち果てていく。
初登場時はまだ人が辛うじて住めるような荒れ方であったが、回を重ねる毎に荒れ方がグレードアップし、部屋が原始時代のジャングルと化し、見た事のない巨大化した植物が生え原始時代のトンボが飛び回っていた事もある。その時の日暮は巨大化した食虫植物のようなものに丸呑みにされ、消化されかかっていた。良く生きてたな…。
ちなみに100巻以降は改装された事もあり綺麗な部屋となった。

女子バレーファンで、起きた時に両津にオリンピック出場中の女子バレーがどうなっているかを聞いた事がある。
化学も好きであり、わけの分からない植物や薬品を部屋に持ち込み、ゴキブリと何かを交配させて気味の悪い虫を作った事もある。
部屋が毎回古代化してるのはそのせいだと両津は考えており、部屋の中で三葉虫を見た事もあるらしい。
三葉虫以外にも、巨大な蛾やトンボ、意思を持っているかのように動く食虫植物等、現代にはもういないはずの生き物が何匹も生息していた。
フィギュア作りが趣味で、ラジオのFM放送にもよくリクエストのハガキを送っているらしい(書いてる途中で眠る事が多いが)。
好物は3色パンで、チョコ入りが特に好き。

40年間の連載の中で、オリンピックイヤーの10回、無理やり起こされた1回、眠っている状態での顔出し出演、特別編を含めての13回しか出番はないが、「4年に一度だけ起きる」という特徴が強烈だったためかこち亀キャラの中でもかなりの知名度を誇る。
またオリンピックイヤーになる度に作者の元に読者から「日暮はいつ出ますか?」とハガキが来るらしい。
そのため最終回で「4年ごとに出るので有名になった」と説明され、「4年間寝ないといけないキャラになってしまったから普段は使えない」とちょっと悲しい裏話?まで明かされた。

アニメでは(騙されてはいたものの)2003年の「世界ナンバーワンポリス選手権」で助っ人出場するなど原作よりも出番が増えている。またアニメが放送開始された1996年がオリンピックイヤーだったためか、初登場が第7話とかなり早い段階での登場となった。


性格


非常にマイペースで物臭な性格。
初登場時には風呂、洗濯、食器洗いが一度に出来るという理由で、服を着たまま洗濯機に入り、食器と一緒に洗われていた。
枕元には、食べ物と飲み物、ラジオ、趣味で作っているフィギュア、こち亀全巻を置いてある。
畳と一緒に堆肥になりかけたり、巨大な食虫植物に食われかけたりなど凄い状態で発見される事が多いが、そんな状態で目を覚ましても動じる事はほとんどない。
むしろ4年の間に時代がどのように変化したのかを聞いた際にもの凄く驚く。
久々にプールに泳ぎに行った時も自分で歩かずに両津に押してもらっていた。
新人の頃も月に数える程しか出勤しておらず、それがエスカレートした事で現在のような形になった。

寝起きが大変悪く、4年経っていないうちに起きると激怒し、超能力を使って暴れまわる*1
さながら大魔神ゴジラのような迫力で暴れまくる上、物理的な暴力とは全く違う力なため、両津ですら手に負えない。
こち亀世界で「本気で戦ったら強いのは誰だ?」という質問があったなら、間違いなく最強レベルの男の一人である。

騙されやすい性格で、寝ている間に東京都知事が青島幸男で大阪府知事が横山ノックになっているという話題になった時に、総理大臣が植木等で副総理が加藤茶だという両津の嘘も簡単に信じてしまった。

美女に弱く、麗子に会うと途端に眠気が覚めシャキッとしていた。
また激怒している時も美女に注意されるとすぐに怒りを鎮める。

忘れっぽいところがあり、車の運転を完全に忘れていた事で、所有していた新品同様の名車で事故しスクラップ同然のようにしてしまった事がある。


能力・特技


24時間以内に起きる出来事を100%予知する超能力を操る。
その光景をポラロイドカメラで念写する事も出来、そのおかげで凶悪事件を未然に防ぐ事が出来る。
また指名手配犯や行方不明者の居場所を言い当てる事も出来るため、難事件の解決に大活躍している。
但し起きていられるのは24時間(1日)だけであり、時間が過ぎると力を蓄えるために4年間の眠りについてしまう。
また起きた直後は調子が悪く、自分が眠っている間に起きた出来事を「未来予知」と言って並べ立て両津に呆れられた事がある。
逆に超能力が活性化しすぎた際には、30日以上眠る事無く働き続けていた。

眠っている間に能力が成長しているらしく、念力やテレポーテーション、透視を使えるようになっている。
念力を見につけてからは眠りを妨げられて機嫌を悪くした際にそれを使うようになり、彼が激怒して暴走したせいで街が壊滅状態となってしまった事がある。
テレポーテーションは最初は5m程しかテレポート出来なかったが、最終話直前には太陽系の惑星を巡れる程の距離をテレポート出来るようになっていた。

水泳が得意で、50mプールを潜水水泳法で泳いで日本未公認新記録を打ちたて、高飛び込みも木の葉のような飛び込み方が凄いと絶賛されていた。


日暮家



  • 日暮起男
日暮の双子の弟。
日暮家三男(恐らく末弟)であり、熟睡男は次男にあたる。
日暮と顔が全く同じだが、兄とは反対に4年間に1度しか眠らない
一流企業の課長で、起きている間は世界中を駆け巡り何千億円もの契約をまとめるため、不眠の超企業戦士として有名。72時間働くという中川の父より凄いかもしれない。だがその割には役職が低すぎる気がする…
兄と同じく超能力者で、(4年寝ていなければ)彼の方が兄よりもほんの少しだけパワーが上らしい。
読者が構想したキャラクターであり、特別編にしか登場しなかった。
後に両津が彼の事を思い出しても「あの時だけの設定です」と中川達にメタ発言丸出しのツッコミをされた。ヒデェ。
ただ、熟睡男が起きる時は起男が寝るというややこし過ぎる周期なので、どの道呼んでも来れなかった可能性もある。*2
なお、アニメ版にはちゃんと登場する。

  • 日暮の兄
フルネーム不明。日暮家長男。
日暮に買った土地がバブルで高騰したという電話をしていた途中で眠ってしまう。

  • 日暮の両親
共にフルネーム不明。
日暮が電話をかけた時には眠っていた。


主な活躍(オリンピックイヤーの出番のみ掲載)



  • 1980年(モスクワオリンピック)
初登場。
この頃から優れた予知能力を発揮し、両津がトラックにぶつかる(実際は止まっていたトラックに両津が自らぶつかる)事も予知した。

  • 1984年(ロサンゼルスオリンピック)
4年もの間に部屋が魔境と化し、朽ち果てた畳の中から発見される。
寝ぼけていたため予知や念写の能力の調子が悪かった。

  • 1988年(ソウルオリンピック)
またも部屋が魔境と化し、巨大な食虫植物の中から発見される。
今回で眠る前に4年分の食い溜めをして激太りする事が判明。だが超能力を酷使したせいで頭がさえてしまい、眠るまで30日以上も働き続けた。

  • 1992年(バルセロナオリンピック)
三度部屋が魔境と化すが、両津達が迎えに来る前に部屋を抜け出し、寝ている間に導入された消費税を請求された事で腹を立て暴れまわっていた。
我に返った後はいつもどおり超能力で仕事をしていくが、彼が寝ている間に両津は彼の貯金を着服していたので、彼がそれを思い出す前に眠らせようとする。

  • 1996年(アトランタオリンピック)
前回のラストで着服の事実を知ってブチギレた日暮をなんとか宥めてニコニコ寮建て替えの際に外のカプセルホテルに寝かされる。
その後色々あってカプセルホテルごと臨海副都心の地中に埋められてしまうが、中川グループの力で掘り起こされ発見された。
眠気を覚ますために水泳をするが、その際に驚異的な記録を叩き出す。
それが関係者の目に止まった事でオリンピックの強化選手にされそうになった。

  • 2000年(シドニーオリンピック)
ニコニコ寮に部屋がなくなったので、両津のアイディアで人間カプセルの中で眠る事に。
だが4年のうちに管理会社が潰れてしまい、彼の入っていたカプセルはオホーツク海に投棄されてしまった。
中川グループの力で彼の入ったカプセルは発見されるが…

なお前回の登場と今回の間で起男が登場しているため、起男を呼べばいいじゃんと両津が提案しているが、そもそも起男が登場したエピソードではニコニコ寮に日暮の部屋が存在していた。

  • 2004年(アテネオリンピック)
両津が起こしに行く前に起きて派出所に来るという前代未聞の登場をする(それが当たり前なのだが)。
すぐにオリンピック聖火強奪事件の捜査に借り出され、目覚めたばかりのテレポーテーションで犯人の立て篭るスカイラウンジへ潜入するが…

  • 2008年(北京オリンピック)
彼の能力を胡散臭く思った警視庁上層部により解雇されてしまう。
しかも超能力のキレがなくなってしまい、失業保険も4年前に失効していたため完全に人生を詰んでしまう。
見かねた両津にホストの仕事を紹介してもらい、そこで働くようになる。
後に毎回4年分の給料は無しという条件で警察へ復職した。

  • 2012年(ロンドンオリンピック)
いつものように目覚めるかと思ったが4年の間に行方不明になっていた。
彼がどこに行ったのか両津達が思い出していた時に、ロンドンオリンピックを見るために旅立った事を思い出す。
ロンドンで発見された時には眠っていたので、目を覚まさせるために両津達は偽のオリンピックを開催。
だが中川と麗子がうっかり演技だと言った事で騙されたと勘違いし、超能力で大暴れする。
その後はスコットランド・ヤードに逮捕されてしまった。
なお、この回では日暮は「4年に一度の周期で 数日間 起きる」と説明されており、実際この時の活動時間は少々長めであった。
僅かながら燃費が向上したのだろうか?

  • 2016年(リオオリンピック)
「連載以来ずっと眠っているから寝るのに飽きた」という理由により、元々宇宙が好きだった事もあり4年かけてイギリスの大学で勉強し、宇宙飛行士の資格を取ってNASAの宇宙センターで活躍していた。
4年間眠らなかった事により、アウトドア派の軽い性格に変貌している。
超能力は健在で、テレポートの能力が格段に向上したらしい。
試しに両津を連れて地球へテレポートしようとするが、方向をよく間違えるうえにテレポートする度に疲れるため、火星→金星→土星とテレポートしてようやく地球へと戻ってきた。

ちなみに同じ年に掲載された最終話では眠ったまま登場していた。

19年3月14日NHKの昼番組に作者が登場した際に東京オリンピックの際どうなるかという質問に対し「楽しみにしていてください」と返事がされて、こち亀ファンも楽しみに待っていた…のだが…。

  • 2020年(東京オリンピック…の予定だった)
2020年は新型コロナウイルスが世界中で流行するというまさかの異常事態に見舞われてしまい、東京オリンピックは翌年に延期されてしまう。
この影響で日暮の動向を心配するこち亀ファンも少なくなかったが、ファンのひとりが日暮出してとジャンプに手紙を送ったようで同年7月20日発売のジャンプ33・34合併号にて5ページの特別編が掲載された。

コロナの影響で両津達も終始マスクを着用しており、日暮の説得を部長と署長に頼まれた両津は不安だからと中川と麗子も連れて一緒に日暮の部屋を訪れる。
日暮が目覚めていた事で一瞬慌てるも幸い彼はネット動画を見ていたのでまだ状況は把握してなかった。
両津は翌年に合わせて今は2019年と日暮に思い込ませようとするが日暮はなぜみんなマスクをしてるかを聞いたりオリンピック延期の夢を見たりと危うい展開が続いたがどうにかバレずに日暮を再び眠らせる事に成功した。
その後、両津は日暮の部屋を情報の遮断やドアを溶接、ささやかに食べ物を用意して作者の代弁も兼ねて手紙を送ったファンに報告した。

果たして2021年は東京オリンピック、そして日暮はどうなるのか…。新型コロナウイルスが一日でも早く収束する事を願うばかりである…。そして…

  • 2021年(本当に東京オリンピック)
コロナ流行が収まらない中、ジャンプの2021年33・34合併号にて、ついに訪れたオリンピックの時、日暮が覚醒!
…が、何とこの一年でタイムワープ能力に目覚め、同じ東京オリンピックでも1964年の東京へとタイムスリップ。
やむなくこれまた久しぶりに登場した絵崎教授謹製のタイムマシンで、両津と前の東京五輪リアタイ世代な絵崎教授が過去へと日暮探しに向かう事に。

  • 2024年(パリオリンピック)
コロナ禍も収まり、いつも通り登場…と思いきや
前回起きたのが2021年で周期がずれたため起きることができず、
わずか数ページの登場となった。


なお2016・2020・2021年版は本編終了後の新作短編を収めた「201巻」に収録されている。



それではみなさん 今度は2028年の追記・修正でお会いしましょう
お元気で


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  • こいつおまわりさんです
  • 2月29日生まれ
最終更新:2024年10月17日 13:13

*1 アニメ版やドラマ版ではすぐには怒らず、4年経っていないことを何らかの形で知ってから激怒している。

*2 起男が前回寝たのは1996年秋と熟睡男が通常目覚めるタイミングとは微妙にズレているので、もしかしたら大丈夫だったかもしれない。