トゲイラ(星のカービィ)

登録日:2018/11/25 (日) 10:33:45
更新日:2023/12/31 Sun 08:19:01
所要時間:約 5 分で読めます








良いぞい、許すぞい……



「トゲイラ」とは、テレビアニメ『星のカービィ』第55話「ある愛のデデデ」に登場した魔獣のことである。


概要

デデデ大王がダウンロードした魔獣で、「愛の魔獣」という変わった肩書を持つ。
見た目は丸いボールに顔がついたような姿をし、目の間にはメーターにも見える部位が確認可能。

「愛」の名に違わず、こいつはなんと寄生した相手を何されても決して怒らない、愛と寛容に満ちた優しい性格に変貌させる。
その怒らなさは寛容を通り越して鈍感なほど。掃除などのめんどくさい行為も自ら進んで行う。
ふとしたミスで自分にとばっちりが向かおうが、何の理由もなく殴られようが、果てはブレーキを細工されて車ごと池に落ちようが、全てを快く許す。
あまりに怒りを発露しなさ過ぎて恐怖すら感じるレベル。

だが怒らないのは事実であるため、とても短気な者を性格改変するにはもってこいの魔獣である。
周りに迷惑をかけるレベルの問題人物であれば尚更。
その人はたちまち聖人に生まれ変わり、平和をもたらすのだ。学校にも職場にも是非欲しくてたまらない魔獣と言えよう。


劇中での活躍

冒頭、デデデがダウンロードするや否や真っ先に寄生。
取りつかれたデデデは完全に人が変わり、エスカルゴンの悪口めいた歌や、花瓶を割ってしまうミスにも「良いぞい、許すぞい」と許すようになった。

日常的に短気な暴君っぷりを見てきたエスカルゴンとしては到底信じられなかったが、村人達はデデデが怒るような行為を好き放題に試しても怒らなかったことから「心を入れ替えた」と喜び始める。
祝うべきめでたい出来事にはチャンネルDDDで特別番組も放送され、デデデも愛と寛容の精神がいかに大事であるかを説き、記念の祝賀会が開かれることとなった。




追記・修正は愛と寛容の精神をもってお願いします。

















   *   *
 *   + うそではないです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *




このトゲイラについて、確かにウソは言ってない。
寄生されたら何をされても怒らなくなるが、しかし一つだけ問題がある。



許 す ぞ い … …



それは永遠に怒らないのではなく、怒りを吸収して自分のパワーに変換していることである……。




概要(真)

愛と寛容は見せかけでしかなく、その正体は宿主の怒りを自分の力に変える魔獣。
鳴き声は「トゲ」。

「何をされても怒らない」とは言ったが、それは本当に怒ってないという意味ではない。
おそらく本来は発露するはずだった怒りの瞬間、その流れをねじ曲げて自分に注ぎ込ませているのだと考えられる。

しかも無限に続くなんて都合のいいことがある訳もなく、トゲイラのゲージがそのまま怒りの許容量になっている。
体内で赤い液体が煮えたぎりながらゲージが少しずつ上昇する様子は見るからに不穏。
ゲージが限界を迎えた瞬間、宿主は怒りが爆発するのだ。
爆発した宿主は全身を真っ赤にしていつも以上に凶暴化。攻撃性を剥き出しにし、自分を怒らせた相手に対して怒り任せに復讐する。


しかしこれも前段階に過ぎず、宿主から抜け出した時がトゲイラの本領。
莫大な怒りを貯め込んだトゲイラは全身トゲに覆われたウニのような外見となり、発射したトゲミサイルで敵を爆破する。
このトゲミサイルの爆発たるや凄まじく、トゲイラの意思ひとつでホーミング性能付与、連射も可能と、まさに空飛ぶ火薬庫といっても差し支えない破壊力。
ただの体当たりでも噴水を粉々に砕くパワーを秘めており、まともに受け止めればただでは済まない。

攻撃力を高めるまでのプロセスが少々回りくどい気もするが、魔獣を商品として売りつけながら宇宙侵略を進めるホーリーナイトメア社のことなので、
デデデのケースは極端なれども、似たような流れで人々が油断しきった頃に宿主の怒りが爆発、鎮圧してもトゲイラ覚醒で跡形もなく周囲一帯を殲滅する……という算段なのだと思われる。


劇中での活躍(真)

祝賀会の最中、カスタマーサービスからトゲイラの存在を知ったエスカルゴンが性質を曲解し*1、調子に乗りまくってデデデを痛めつけてしまう。
このせいで元々限界が近かったゲージは一気に満タン。
当然の事ながらデデデを激怒させ、トゲイラ自身も体から飛び出すとカービィを標的に破壊活動を開始する。

凄まじい爆発を起こすトゲミサイルから逃げ惑ったカービィはそのトゲミサイルを吸い込み、ニードル能力を得ると同時にワープスターで反撃に出る。
空中戦のトゲの撃ち合いではここもトゲイラが優勢であり、大量のホーミングトゲミサイルでニードルカービィを追跡。
しかし、逃げ続けるカービィの真の狙いは、ギリギリまで引きつけたそれらをトゲイラに当てること。
間近に迫ってきたカービィの思惑通り、トゲミサイルは全弾命中。トゲイラ自身もまた無念に怒り狂うかのように体内を煮えたぎらせた末、汚い花火となって大爆発を繰り返すのだった*2


余談

  • トゲイラが取りつかれておかしくなり散々酷い目に遭ったデデデだが、そもそも彼がいつも通り危険な魔獣を注文したのが事の発端であり完全に自業自得である。何を目的としてダウンロードしたのかは不明なものの、もう少し取り扱いには慎重になるべきだった。
    怒らないのを良いことに好き放題デデデをいじめた住民達も大概だが、これまでのデデデの悪行や評判を考えれば無理もない。
    • 今回はデデデが魔獣に取り憑かれたが、下手すれば第39話みたいに無関係なキャラが餌食になっていただろう。
    • また、トゲイラ撃破後は直近で暴力を働いていたエスカルゴンがしっぺ返しを食らったが、そもそも他のキャラクター達もデデデを酷い目に遭わせていたのに彼らには来ないのか?という意見が多い様子(実際エスカルゴンが1番酷い目に遭わせたのは事実ではある)。
      まあそんな事になったら数倍返しにされる人が続出するので滅茶苦茶な事になりそうな気がしてデデデが持たないかもしれないが…

  • この話でもコックカワサキは通常運転であり、わざと不味く作った料理をデデデに食わせてみるという料理人にあるまじき愚行を犯した。まぁ元々不味いが

  • トゲイラがもたらした効果については、さくま版漫画カービィでも似たような話が存在する。
    しかしその話ではデデデが毒キノコを食べて怒らなくなるというもので、それを見たカービィは「こんな変な大王嫌い」と発言していた。

  • おかしくなったデデデが連呼していた「良いぞい、許すぞい」のセリフは、実は93話でも使っていたりする。




追記・修正は怒るべき時にはちゃんと怒った上でお願いします。
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最終更新:2023年12月31日 08:19

*1 マニュアルを最初の部分しか読まなかったため、「デデデがこの先永遠に怒ることはない」と思い込んだことが原因。

*2 後に綺麗な花火へと変化した。トゲイラの爆発が次第に変化したのか、途中から打ち上げられた花火なのかは不明。