どろろ(キャラクター)

登録日:2019/02/18 Mon 20:20:00
更新日:2024/11/04 Mon 09:27:02
所要時間:約 5 分で読めます




おれもどろろって名でとおってるチビッコどろぼうだぜ
いったん取ろうと思ったもんは戦争がおっぱじまろうがダンプが衝突しようが
取らなきゃどろろの名がすたるんだい



どろろとは『どろろ』に登場するもう1人の主人公である。

声優:松島みのり(旧アニメ版)、大谷育江(ゲーム版)、鈴木梨央(新アニメ版)
役者:柴咲コウ(実写映画版)、橋本くるみ(実写映画版幼少期)北原里英(舞台版)



以下、ネタバレにご注意ください。






【概要】


天下一の大泥棒を自称する少年。
幼い頃に両親を亡くして以来、泥棒を生業として戦国の過酷な世を生き抜いてきた天涯孤独の子ども。
戦と侍が嫌いだが、侍が持つ刀にある種の憧れを抱いており刀を欲しがっている*1
悪漢たちから暴行を加えられている最中に死霊に襲われ、偶然通りかかった百鬼丸に助けられて以来、
百鬼丸の手に付けられている刀を狙って彼の旅に強引にくっついていく。

粗暴で口が悪く、大人や妖怪相手でも切れのいい啖呵を切る。また、泥棒行為のみならず、嘘をつく、人を騙すなどの行為も平然と行うため、人々からはダニのように毛嫌いされている。
一方、優しい心根の持ち主で情に厚い一面もあり、見ず知らずの子どもが侍に殺された現場を目撃し危険を顧みず敵討ちをしようとする、亡くなった子どもを埋葬する、
両親を裏切ったイタチが危機に落ちた際に見捨てずに助ける、異形のものとして常に排斥される百鬼丸に涙を流して同情し手のひらを返して冷く当たる村人に激怒して食って掛かったりしている。
どんなに惨めな境遇に身を落としても人間としての誇りは捨て去っておらず、困難な境遇にも臆せず立ち向かうタフなメンタルも持ち合わせている。
風呂嫌いで4年も風呂に入っていないのでかなり臭い。
特技は大声と投石。前者は妖怪すらたじろがせるほどで、後者は抜き打ち0.5秒と嘯くほどの腕前。
また非常に丈夫で大人にリンチされても平気なくらい打たれ強い。


冒険王版に連載されたバージョンのみ、
どろろは魔神が百鬼丸から奪い取った身体の各部位を組み合わせて戯れに作った子供で、どろろを殺せば1度に全ての体を取り戻せる。という設定だった。
しかし、手塚治虫氏はそれだとあまりにも救われないと判断し単行本では該当するシーンは削除されている。



【戦で失った両親】

どろろの両親火袋お自夜は元々は農民だった。
しかし、戦で村も畑も失った彼らは横暴なお上の圧政に立ち向かうべく蜂起するものの、今では、義賊を旨としつつ盗みを働き続ける野盗に成り下がってしまっていた。

更にイタチの裏切りに遭い、火袋は足に重傷を負い盗賊稼業ができなくなりお自夜も1人だけでは盗みがこなせないため稼業を廃業する。

それ以来、どろろは両親と各地を放浪しながら大きくなるが、戦続きで飢饉に見舞われた各地で見た光景は地獄よりもひどい有様だった。
やがて火袋は自分たちを憐れんで食べ物を恵んでくれた貴族の婦人に反発して乱闘騒ぎを起こした末に討ち死にし、お自夜は飢えと寒さでどろろを抱いたまま亡くなってしまう。
こうしてどろろは天涯孤独の身となる。

こうした経緯から、侍を強く憎むようになると同時に、厳しい世相を生き抜くための力として、刀を欲しがるようになる。





【どろろの使命】


実は火袋は盗賊稼業で集めた金を密かにとある場所に隠していた。
いつかその金で人々が権力者に対抗できる力を手に入れる事ができるようにとの希望を込めて。
お自夜は亡くなる3日前にどろろの背に金の在り処を示した地図を施し
心から信頼できる相手以外に背中を見せるなと告げた。
どろろが長年風呂に入らなかったのは遺言となってしまった母の言葉を守る為だった。



【旅で出会った人々】


CV:野沢那智(旧アニメ版)、杉田智和(ゲーム版)、鈴木拡樹(新アニメ版・舞台版)
身体の至る所を魔神に奪われ、自分の身体を取り戻す為に旅をする少年。
大人達に殺されたかけていたところを百鬼丸が止めに入ったのが出会い。
その後死霊を腕にはめた刀で退治したのを見て、その刀を盗むために百鬼丸の旅に同行することに。
初めは刀目当てだったが次第に百鬼丸の事を兄貴と慕うようになり、
離れ離れになるくらいなら切り捨ててくれと言い切るまでに懐く
百鬼丸もまたどろろの事をかけがえのない存在として見るようになる。

ぬえとの戦いの後、どろろに農民と共に生き権力と戦えと言い選別に腰に差していた刀を贈り1人旅立つ。

  • ノタ
旧アニメオリジナルキャラクター。単行本ではカットされているが実は原作にも登場した。
元は百鬼丸の初恋の女性みおの愛犬だったが、最終的にどろろの愛犬として共に生きていく。

  • 琵琶法師(琵琶丸)
CV:滝口順平(旧アニメ版)、佐々木陸(新アニメ版)
盲目だが凄腕の剣術を持つ法師。
原作や旧アニメ版ではどろろとあまり関わりはなかったが
新アニメの方では度々どろろと会話をするシーンがあり、コミュニケーションが取れない百鬼丸に代わり様々な事をどろろに教える。




【旧アニメ版】


容姿や性格は原作とほぼ同じ。
原作でははっきりとした年齢は明かされなかったが
旧アニメ版では5歳という設定になっている。




【PS2ゲーム版】


原作同様百鬼丸の刀目当てで旅に付いてくる。
原作でも活躍した投石や大声だけでなく肉弾戦にも長け、百鬼丸の戦いをサポートする。
というか本作のどろろは妖怪や魔神を投石や肉弾戦だけで倒せてしまうのでお前刀いらんやろというくらい強い。多分序盤の百鬼丸より強い。

冒険王版の設定が採用され、どろろの正体は魔神が百鬼丸の右手を元に作った存在という事になっている。
どろろを殺さなければ身体を全て取り戻すことはできない。そう魔神に告げられた百鬼丸は……。



【実写映画版】


本作では子供ではなく成人女性になっている。ただしノベライズ版によると中身は10歳の悪ガキ。
当初は名前がなかったが、百鬼丸が呼ばれていた「どろろ」という呼び名を気に入りその名前を名乗る事に。ちなみにどろろの意味は「怪物小僧」
父親を醍醐景光に殺されて以来、醍醐の一族への復讐心を抱いている。



【新アニメ版】


侍を嫌っているのは原作と一緒だが、新アニメでは刀を欲しがらない。
その為百鬼丸と同行する理由が刀ではなく百鬼丸の強さで金儲けしたいからとなっている。
百鬼丸が見た目少年中身幼児時々獣なので、原作と違いどろろが百鬼丸の面倒を見ている状態になっている。その姿はまさに親。
また盗みを働くシーンが1話を除いて全くなく、みお達が暮らす廃寺に世話になった際は一宿一飯の恩と自ら進んで雑用をこなすなど
悪ガキだった原作よりもはるかに良い子として描かれている。



【余談】


PS2版とは別にPCソフトとしてもゲーム化されており、
作中でふしぎなメルモに登場したキャンディでどろろが大人の姿になるイベントがある。その姿は中々エロい。

スターシステムとして『ドン・ドラキュラ』『ブラック・ジャック』などの他の手塚作品に出演しているが、
他作品では少年キャラクターとして出演している。

アニメの主題歌の歌詞にある「ほげたら。*2」は実は原作では一度も使っていない。





追記修正は父が遺した財宝を見つけてからお願いします。


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最終更新:2024年11月04日 09:27

*1 四八の魔物の化身である怪刀「似蛭」を手にして操られてしまった際には、「人を切れ!」という命令に対して「人を切るなんてごめんだ!おいらはただ……」と返答しているあたり、武器として使うために欲しがっていたわけではないようだ。

*2 意味は馬鹿