登録日:2025/05/20 (火) 12:51:11
更新日:2025/05/22 Thu 05:17:51NEW!
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『ミッション:インポッシブル デッドレコニング(Mission:Impossible - Dead Reckoning)』とは、2023年に公開された米映画。
パラマウント映画製作の、ドラマ『
スパイ大作戦』原作のスパイアクション映画シリーズ『
ミッション:インポッシブル』の第7作である。
公開当時のタイトルは『デッドレコニング PART ONE』であり、第8作の『PART TWO』と併せて連作であると強調していた。当初は2020年から前後編を同時に撮影し、2021年と2022年に連続公開する予定だったのだが、コロナ禍の影響で撮影が度々中断され、本作同様にトムが主演を務めた『
トップガン マーヴェリック』の公開延期との兼ね合いや彼のスケジュールなどの事情で次作との同時撮影が断念されるなど、当初の計画からの大幅な変更を余儀なくされた。更に本作の公開直後には全米俳優協会ストライキが始まった影響により第8作の撮影が中断し、続編の公開も延期される事になる。そして、続編のタイトルが『ファイナルレコニング』に変更された事に伴い映像ソフトの廉価版や配信版ではタイトルから『PART ONE』が削除された。
概要
本作は、『ミッション:インポッシブル』シリーズの最終章の序章として製作された。
イーサン・ハントのスパイとしてのルーツが明かされ、シリーズ最大の敵が彼に立ち塞がる。
シリーズとしては初の人工知能=AIが敵として採用されており、「スパイが情報戦でAIに圧倒されてしまう」という現代の社会問題も取り入れたある意味異色な作品となっている。
これに対抗し、イーサンは文字通り自分の体を張って野望を打ち砕こうとしており、AIに対するカウンターとしての役割が強い。
シリーズの集大成とだけあって、アクションもトップクラスの見せ場が用意されている。
トム・クルーズ自らが挑戦したバイクによる崖からのハイジャンプや、落下する列車での大立ち回りはその代表と言って良い。
ストーリー
ロシアのステルス潜水艦「セヴァストポリ号」が突然の事故により沈没した。
その原因は、潜水艦に搭載されていた人工知能の暴走であった。
人工知能はネットワーク上に逃亡し、瞬く間に自己増殖し、世界中のデジタル情報を掌握。
やがて人工知能は「実在物」を意味する「Entity(エンティティ)」の名で恐れられ、世界の情報機関の最大の脅威となった。
やがて、アメリカの秘密諜報機関・IMFのエージェントであるイーサン・ハントにもエンティティに関する任務が与えられる。
それは、エンティティのソースコードである「鍵」の奪取。
しかし、それはかつての仲間であるイルサ・ファウストを危機に陥れるためのものだった。
命令を無視し、ワシントンにて反乱を起こしたイーサンと仲間達は指名手配されてしまい、彼らは独自の判断でエンティティの破壊を果たそうとする。
だが、そんなイーサン達を嘲笑うかのように張り巡らされた罠。
陰謀に巻き込まれた女泥棒グレースと、イーサンの過去を知る謎の男ガブリエル。
そして、イーサンを待ち受けるあまりに大きな喪失。
仲間の犠牲を避けるためにも、イーサンは最強の敵が待ち受けるオリエント急行へと向かうのだが……。
登場人物
主人公と仲間達
演:トム・クルーズ/吹き替え:
森川智之
ご存知主人公。
IMFの任務としてエンティティを操る「鍵」の奪取を命令されるが、イルサが賞金首として狙われた事を知り、彼女を助けた上にワシントンに侵入して情報を無断で聞き出し、またしても国家の敵として追われる羽目になる。
今回もまた、現場の判断によるチームプレイで任務の遂行をしようとするが、敵により行動を悉く予想され、先手を打たれていく中で徐々に追い詰められていく。
そんな中で、彼がIMFに入ったきっかけとなった男、ガブリエルと再会し、我を忘れそうになる。
今作もまた数々の体当たりのアクションシーンをこなしている。
砂漠の中の馬術や砂嵐の格闘、ローマでのフィアットによるカーチェイス、そして崖からのバイクによるパラシュートダイブにオリエント急行の屋根上の格闘戦。
無論、トム・クルーズがスタントなしで行った。
演:ヘイリー・アトウェル/吹き替え:
園崎未恵
本作登場の新ヒロイン。
世界中を渡り歩く凄腕の泥棒で、スリの技術にかけてはその道のプロである。
自分の保身第一で金利主義の自己中心的な性格であり、厄介事からはすぐに逃げ出そうとする。
謎の人物のメールでの依頼を受けてアブダビの空港でバイヤーからエンティティの鍵の一つを盗み出し、イーサンにマークされる。
当初はイーサンを鬱陶しがり、逃亡に協力はするもののすぐに彼を嵌めて逃げようとしたが、ある人物の犠牲や自分の置かれた立場が危ういものと判明してからは、彼に協力するようになる。
演:レベッカ・ファーガソン/吹き替え:
甲斐田裕子
ご存知元MI6の女性スパイ。
かつてイーサンによりMI6の枷を外され、自由になるチャンスを得たが、結局裏社会での生き方に抗えず、フリーのスパイを続けていた。
依頼によりエンティティの鍵を盗んだが、その結果キトリッジにより賞金首にかけられてしまい、危うく殺されそうになったところをイーサンに救われる。
その後はイーサンの任務に協力し、彼と共にホワイト・ウィドウのパーティー会場に入り込む。
パーティー会場から逃亡した際、ガブリエルに殺されそうになったグレースを助けるために、単身で彼に戦いを挑む。
しかし、彼の圧倒的な戦闘力に打ち倒され、ナイフで刺されて死亡。
イーサンが駆けつけた時にはもう手遅れだった。
演:ヴィング・レイムス/吹き替え:手塚秀彰
ご存知イーサンのチームの最古株。
情報技術でイーサンをサポートするが、想像を遥かに超えたエンティティの策略により情報戦で完敗を喫してしまう。
最後のミッションではサポートから外れるが、その理由は……?
演:サイモン・ペッグ/吹き替え:根本泰彦
ご存知元事務員でイーサンに憧れるスパイ。
今作でもイーサンの活躍の裏で奔走し、色々と振り回される。
アブダビの空港ではガブリエルが仕掛けた爆弾の解除に手こずるが、それはただの囮だった。
ローマでは、エンティティが自分の声を真似てイーサンを罠に嵌めてしまう。
ルーサーが雲隠れした後は技術担当も兼任し、実質一人でイーサンをサポートした。
CIA(中央情報局)
演:ヘンリー・ツェニー/吹き替え:
江原正士
『
1』以来の登場となった元IMF長官。
現在はCIAの長官となっている。
その手段の狡猾さは相変わらずであり、エンティティをアメリカの手中に収めるためにイーサンとイルサを利用したため、イーサンの反逆を受ける結果となった。
ホワイト・ウィドウとも手を組んでおり、彼女とエンティティの鍵の売買契約を結んでいた。
演:シェー・ウィガム/吹き替え:石住昭彦
CIAのエージェント。
イーサンを国家の敵だと信じ切っており、彼を執拗に追跡する。
演:グレッグ・ターザン・デイヴィス/吹き替え:杉村憲司
ブリッグスの部下。
上司とは違い、イーサンが反逆者であるという上からの情報に疑問を持っている。
エンティティの手下
演:イーサイ・モラレス/吹き替え:
津田健次郎
エンティティに忠誠を誓っている兵士。
エンティティの力で世界の情報網からは抹消されており、「幽霊」みたいな存在となっている。
イーサンがかつてIMFに入ったきっかけとなった事件に関わっており、彼からは激しく恨まれている。
イーサンの弱点を徹底的に突き、彼を苦しめるための策略により追い詰め、鍵を奪おうとする。
演:ポム・クレメンティエフ
ガブリエルの部下。
好戦的で凶暴な女性兵士。常にフランス語で会話する。
ガブリエルとは異なり、エンティティに忠誠を誓っているわけではない。
エンティティに関する秘密を知ったために、ガブリエルからは切り捨てられてしまう。
その他
演:ヴァネッサ・カービー/吹き替え:広瀬アリス
『フォールアウト』に引き続き登場の女性武器商人。
相変わらずイーサンのことは「ジョン・ラーク」と呼んでいる。
キトリッジとは母のマックスを通じて顔馴染みであると判明。
今作においても敵組織と通じており、エンティティを利用して絶大な利益を手に入れようと画策する。
そのためにグレースに鍵の強奪を依頼し利用したが、今度はその彼女に気絶させられ、成り代わられてしまう。
演:フレデリック・シュミット/吹き替え:遠藤大智
アラナの兄兼用心棒。
グレースにこっそり鍵をポケットに入れられたり、偽の妹に気づかなかったりと迂闊な点が目立つ。
演:ケイリー・エルウェス/吹き替え:河本邦弘
アメリカの国家情報長官(DNI)。
キトリッジとは対照的に、エンティティを積極的にアメリカの繁栄に使おうと主張する。
最終的には独断でガブリエルと手を組み、クーデターを画策していたが、情報をペラペラ喋った後に殺されてしまった。
演:マリエラ・ガリガ
IMFに入る前のイーサンが大切にしていた女性。
ガブリエルに殺されてしまう。
演:チャールズ・パーネル/吹き替え:広瀬彰勇
演:マーク・ゲイティス/吹き替え:小形満
演:インディラ・ヴァルマ/吹き替え:松井茜
演:ロブ・ディレイニー/吹き替え:山岸治雄
本作の冒頭にて、デンリンガーにエンティティについて報告すべく集まった情報機関の代表達。
この会議に変装して参加していたイーサンが放ったガス爆弾で全員気絶してしまった。
キーワード
世界のネットワークに存在している人工知能の集合知。
かつてはセヴァストポリ号に搭載された防衛用AIに過ぎなかったが、何かしらの理由で自我を得て、暴走を開始し、セヴァストポリ号を沈めた後ネットワークに逃げ、あらゆる情報を吸収、掌握し、全デジタル情報を支配に置いた。
名前の「Entity」は「存在」「実在」「実在物」という意味であり、吹替版ではそのまま固有名詞として「エンティティ」、字幕版ではニュアンスが難しいため「“それ”」という抽象的表現となっている。
実はロシアのものではなく、アメリカがトロイの木馬として仕込んだAIプログラムだった。
防衛システムを混乱させるために仕込んだものだったが、AIが予想以上に成長したため、アメリカにも制御不可能な代物となった。
エンティティを操作するための鍵の形をしたUSBメモリ。
2本を合体させて初めて使用可能となるものであり、1本だけだと意味はない。
当初はエンティティのソースコードと言われていたが、実のところはセヴァストポリ号の人工知能を制御するための装置であり、エンティティを「殺せる」武器でもある。
ロシアのステルス潜水艦。
最新鋭の防衛システムとして人工知能を搭載している。
しかし、航行中にソナーの異常に混乱させられた挙句、自身で放った魚雷が命中して沈没してしまう。
存在は極秘とされ、各国の首脳陣にしか沈没場所はわからない。
ホワイト・ウィドウとCIAの取引に使用された、ヨーロッパを横断する歴史ある急行列車。
グレースが鍵を奪うために乗り込み、イーサンはパラシュートで飛び乗る羽目になったが、ガブリエルの乱入で決戦の場になる。
主な舞台
セヴァストポリ号が沈没した海峡。鍵を首にぶら下げていた乗組員の遺体が浮上し、春になって氷が解けた後に何者かに回収された。
イルサが賞金稼ぎに追い詰められていた場所。砂嵐の中で囲まれていたが、馬に乗って駆け付けたイーサンによって窮地を脱した。
米国の情報機関が集まって会議をしていたが、侵入したイーサンによりエンティティの情報を聞き出され、結果イーサンの指名手配が確定した。
イーサン達が鍵のバイヤーと接触する予定だった場所。グレースやCIAエージェント、そしてガブリエルの乱入により状況は混乱。
おまけに核爆弾も発見し、ベンジーが四苦八苦するも、結局それは囮で、鍵はグレースに盗まれてしまう。
物語中盤の舞台。
イーサンとグレースがフィアットに乗ってカーチェイスをし、スペイン広場を車で駆け下る大立ち回りを披露。
夜には、ホワイト・ウィドウ主催のパーティーが開催され、ガブリエル達と一触即発の雰囲気となり、最終的に逃走劇が始まる。
物語のクライマックスの舞台。
この崖からイーサンはバイクでジャンプし、パラシュートダイブした。
オリエント急行が疾走する中で、グレースの初めての任務、そしてイーサンとガブリエルの戦いの場となった。
追記・修正はローマをフィアットで激走し、バイクで崖からダイブした後パラシュートでオリエント急行に飛び乗り、列車上で格闘戦をしてからお願いします。
- よくあるクリフハンガーではなく敵にひとまず吠え面かかせて終わってくれたのが良い -- 名無しさん (2025-05-20 13:46:45)
- エンティティを「それ」に訳したせいで大分理解しにくくなってる -- 名無しさん (2025-05-21 00:09:10)
- 続編のタイトルにPART TWOってつかなくて疑問に思ってたが、いつの間にかタイトル変わってたのね -- 名無しさん (2025-05-22 05:17:51)
最終更新:2025年05月22日 05:17