等々力凱亜(ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー)

登録日:2025/05/21 Wed 13:15:48
更新日:2025/05/23 Fri 00:14:25NEW!
所要時間:約 7 分で読めます






俺は等々力凱亜。さすらいの野獣遣いだ。

君、昔ここに来た事があるのか?

俺は町から町へ流れる風来坊…。探しものをしている。


等々力(とどろき)凱亜(がいあ)とは、スーパー戦隊シリーズ第49作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の登場人物である。

演:中村優一



◎概要◎

「風来坊」「さすらいの野獣遣い」「野獣遣いナンバーワン」を自称する男性。
黒革のテンガロンハットにこれまた黒革のチョッキ、ストールなどといったガンマンやカウボーイを思わせる西部劇風の衣装を身に纏っており、事あるごとにオカリナを吹いている。
また、大きな革袋を肩掛けしているが、中には後述する「一獣一奏」で使う楽器類が大量に入っている。
とある願いの為、巨神テガソードと契約して銀のテガソードとセンタイリングを授けられたユニバース戦士でもあり、ガオレッドに変身する。

世界各地を旅してきた旅人であり、「テガソードの里」の前身である「喫茶 半世紀」にも来た事があるらしい。
当時から頼んでいたハニーミルクのホット(ハチミツつゆだく)が好物で、現在はメニューにはないものの、「テガソード様に仕える身として全てに備える」スタンスの暴神竜儀はきちんと用意した。


◎人物像◎

一人称は「俺」
クールであまり感情を表に出さない、ハードボイルドを地で行く性格。
人と馴れ合う事は好まないらしく、必要とあればユニバース戦士としての固有能力で他者を操る事に躊躇いがない。
また、「俺は何事も負けるのが嫌いでね」とゴジュウジャー達に面と向かってセンタイリングを奪う事を宣言するなど、野生の動物のように孤高な振る舞いが目立つ。

それ以外では、基本的に人の名前はフルネームかつ外国語のように苗字と名前の順序を逆にする独特な呼び方(例:自分の名前なら「ガイア・トドロキ」百夜陸王なら「リクオ・ビャクヤ」)をする癖がある。


◎劇中での動向◎

■第11話「解き放て野生!野獣遣いが笛を吹く」


ここは『半世紀』って喫茶店だったはずだが…。変わっちまったな、この町も……


冒頭で陸王が「百夜陸王被害者の会」の川島と岩下が変身したバルイーグルとジュウオウイーグルを下した場面を目撃した後、彼らのたまり場であるテガソードの里に来店。
その場にいた陸王や遠野吠、竜儀、猛原禽次郎と出会い、「自分の一番大切なものを奪った一本角の野獣」を探していると明かす。

その後、鬼ごっこノーワンが現れ、4人と共に「鬼ごっこバトル」を展開する中、彼らが自分と同じ指輪の戦士だったとを知ると同時に自身もガオレッドに変身し、戦いに乱入。
氷鬼では自身の固有能力でゴジュウウルフを、高鬼では一人プライベート中だった一河角乃を呼び寄せ、操って勝利する。


あの公園でのバトル、そして今の鬼ごっこ。相手を巧みに操り、支配する……
リクオ・ビャクヤ、お前には野獣遣いの素質があるようだな。

褒め言葉として受け取るけど、君のお仲間にはならないよ。

フッ、まあいい。俺は何事も負けるのが嫌いでね。明日、ナンバーワンになった後、お前らの指輪を奪うとしよう。


後日。鬼ごっこバトルの最終戦では叩きつけられたルールを真っ向から破って暴れ回るゴジュウウルフを能力で押さえつけようとするも、散々好き放題に操られた怒りで突破されてしまい、その流れのままゴジュウレオンと交戦。
ジュウオウイーグル(ジュウオウゴリラ)やバルイーグルに姿を変える相手には「一獣一奏」も追いつかず苦戦を強いられた上、結局鬼ごっこノーワンがゴジュウウルフに倒された為、「鬼ごっこナンバーワンバトル」で勝つ事は叶わなかった。

だがその直後、鬼ごっこノーワンの体は崩れ落ち、中から新たなノーワン怪人……鬼ノーワンが出現した。
その姿を見た途端、ガオレッドの脳裏にはとある女性の姿がよぎった。


見つけた…! やっと見つけたぞ! 一本角の野獣!!

瑠菜を……俺の瑠菜を! 返せぇえええええッ!!


凱亜が探していた一本角の野獣の正体は、この鬼ノーワンの事だった。
直後、怒りを露わにしたガオレッドは、そのまま鬼ノーワンに挑みかかる……!


■第12話「邪鬼、吼える!」

鬼ノーワンに戦いを挑むガオレッドだが、強力な一撃の前に変身解除させられてしまう。
そして鬼ノーワンの胸から女性の顔が現れ、「憎い…。憎い…! お前が憎い!」と凱亜に対して恐ろしい形相で恨み言を発すると、鬼ノーワンは強烈な一撃を放って姿を消した*1

その後、テガソードの里に戻った凱亜はゴジュウジャー達に自身の過去を明かす。
元々凱亜は動物保護官であり、獣医の瑠菜という女性と共に、希少動物を保護する為の活動をしていた。
本人曰く「俺の相棒であり、婚約者だった……」とのことで、仕事だけでなく私生活でも親密な仲だったらしい。
ある日、彼らは絶滅したはずのニホンオオカミの情報を元にとある山奥に足を運んだが、その先で瑠菜は崖で足を滑らせた凱亜を庇って転落してしまう。
急いで救助に向かう凱亜だったが、彼が目撃したのは彼女が身に付けていた聴診器から出現し、瑠菜を取り込んでいく鬼ノーワンだった。
しかもこの時、瑠菜は転落の衝撃で既に死亡していた。
結果、鬼ノーワンは瑠菜の不安定な欲望に影響されて制御不能になり、それを抑え込むべくブーケが似た性質を持つ鬼ごっこノーワンをさらに取り込ませた……というのが事の真相だった。

大切な恋人を喪った凱亜は、その後にユニバース戦士となり、「一獣一奏」を使いこなすべく世界中を旅しながらあらゆる知識を得ていき、瑠菜を取り戻す為の準備を進めていた。
既に亡き者となっていても必ず取り戻す……表向きは気丈に振る舞っていたが、実際は愛する人を亡くし、長い時間を一人で過ごしてきた事……
何より自分のせいで瑠菜が死ぬ羽目になり、彼女に恨まれていると思い込み続けた事で心身ともに疲弊しきった結果、本心では鬼ノーワンを倒すと同時に自分も死ぬつもりでいた。


死人が蘇るはずはない。あいつは俺を恨んでいる。瑠菜を殺したのは、俺なんだ。

俺が瑠菜を殺したんだ……!
俺は───瑠菜と一緒にいたかった……。いつまでも、一緒に……

あいつのいない世界は……1人で生きるには、広過ぎる……


その後、鬼ノーワンが町中で暴れていると知るや自ら姿を現し、因縁に決着をつけるべく最後の戦いに挑む。
ゴジュウジャーにアーイーやガリュードの相手を任せ、猛攻に晒されながらも必死に食らいつき、「俺の命をお前にやる! だから鎮まれぇッ!!」と瑠菜の魂を抱き締めるが、憎しみに囚われている彼女の魂には通じることなく振り払われてしまう。
そして、鬼ノーワンは恨みのパワーで自ら巨大化
恨みを鎮めるべく、その攻撃を受けて自ら命を捧げようとするも、テガソードブルーに止められる。
そして陸王はなんと生身でテガソードブルーの手に乗ったまま外に出ると、周囲が唖然とする中、突如として歌を歌い出した。
それは陸王が知るはずのない、かつて瑠菜が口ずさんでいた歌だった。
テガソードブルーに襲い掛かろうとするも、歌を聴いて動きを止めた鬼ノーワンを見て驚愕する凱亜に対し、陸王は鬼ノーワンの胸から現れた瑠菜の魂は、実は小さな声でその歌を口ずさんでいた事を伝える。
そして、彼から「彼女は君を恨んでなんかいない。ただ、自分の中の鬼に呑まれ、暴走しているだけだ」と知らされると、本当の意味で彼女を救うべく、いつも吹いている思い出の歌をオカリナで奏で始めた。


光と未来を奪われて、突き落とされし奈落の闇!

あなたが憎い…。鬼ノーワン!

添い遂げたかったお前の恨み、それが犯した罪ならば!

愛を歌おう、ガオレッド! お前の全て、受け止める!


すると、その気持ちに呼応するかのようにガオキングがロボの墓場から一時的に復活。
凱亜はそれに乗り込むと、テガソードブルーデカクロウと共に鬼ノーワンと激突。
ウルフデカリバー50(ゴー)の次元を切り開く力でその体内に入り込むと、中で遂に瑠菜と再会する。
その中にいた瑠菜は、鬼ノーワンが時折開いた胸の中から現れた時のような恐ろしい形相ではなく、生前のような優しい笑顔を浮かべていた。


瑠菜!

……凱亜?

……瑠菜。俺は、お前と一緒に───

凱亜、生きて。
私、生まれ変わっても凱亜に会うよ。だから生きて……

……俺も、何度生まれ変わったって、お前を探す。そして……共に歌おう、あの歌を……

うん。だから、ちょっとの間……バイバイ、凱亜。


彼女の真意を改めて知った凱亜はガオキングに再び乗り込み、テガソードブルーデカクロウと共に鬼ノーワンを撃破した。


……ありがとう。さようなら、瑠菜。


戦いの後、瑠菜の歌を歌った陸王を「野獣遣いナンバーワンに相応しい」と認め、自らセンタイリング ガオレンジャーを陸王に託して指輪争奪戦から脱落した。
そして彼女の分まで生きていく事を誓い、自身は夕日の向こうへと消えていくのだった。


彼女、笑っていたね。

俺にはもう、その指輪は必要ない。それに……瑠菜の歌を歌える君こそ、野獣遣いナンバーワンに相応しい。
だから、君に使ってほしいんだ。リクオ・ビャクヤ。

どこへ行くんだい? 野獣遣い。

俺はさすらいの野獣遣い。またさすらって、生きてみるさ。
……瑠菜の分までな。


◎ガオレッド(ユニバース戦士)◎



あの店にいた全員、指輪持ちだったとはな。

だ、誰だ貴様!?

誰だと聞く前に、名乗るのが礼儀だろう?
俺はガイア・トドロキ、野獣遣いナンバーワンだ。鬼ごっこナンバーツーさん。

ユニバース指輪(リング)! では、あなたも…!?

野獣遣いの戦い方を見せてやろう。エンゲージ!


センタイリング!

♪♪♪(ヘイ! ヘイ!) ♪♪♪(ヘイ! ヘイ!)


ガオレンジャー!!


牙吠


鬼ごっこナンバーワンは、この俺さ!


指輪:センタイリング ガオレンジャー
契約者:等々力凱亜
職業:さすらいの野獣遣い(元動物保護官)
願い:一本角の野獣を見つけ出し、恋人の瑠菜を解放したい
固有能力:一獣(いちじゅう)一奏(いっそう)

等々力凱亜が銀のテガソードと「センタイリング ガオレンジャー」で変身した姿。
全体的な姿は原典『百獣戦隊ガオレンジャー』における本来の変身者である獅子走が変身したものとほぼ同じだが、右手には原典にない銀のテガソードが装着されている他、腰に巻かれたベルトはユニバース戦士共通の「ツメガバックル」になっている。
また、変身シークエンスをよく見ると、本家の変身アイテムであるGフォンを操作する際の、右手を頭の横に添えて左手のひらを前に突き出すポージングが織り交ぜられている。

固有能力は一獣(いちじゅう)一奏(いっそう)
特定の楽器を演奏する事により、それぞれに対応した動物、またはその力を持つ存在から体の自由を奪い、操る事ができる。
「この世の野獣には、対となる楽器と音色がある」「奏でる音色が天空を超え、野獣を支配し操る事ができる」とは本人の談。

おお、なるほど! 味噌汁におかずが一品。
それは「一汁一菜」です!
わっ! サゲサゲ……

ただし、その支配力も絶対ではなく、強い意志や感情によって破られる可能性がある他、相手に対応する楽器を把握した上で実際に楽器を取り出して演奏する必要があるという欠点があり、
劇中ではゴリラに対応する楽器を慌てて探し出す中、ゴジュウレオンが変身したジュウオウゴリラ相手に隙を晒す一幕もあった。
以下、楽器と対応する動物達。
動物 楽器
オオカミ カリンバ
ウマ?*2 キハーダ
ライオン マラカス
ワシ ケーナ
……楽器がマイナー少々かつ、民族用で固まっているのは気のせいだろうか。

彼本人の戦闘スタイルは原典と同じく野獣を彷彿とさせる荒々しくアグレッシブな近接戦闘がメインで、本家も使っていたライオンファングやガオメインバスター、ファルコンサモナー・アローモードを使用可能*3


◎ガ(ユニバースロボ)◎



精霊王 ガオキング


俺に力を貸してくれるのか!?

……よし。


凱亜の「瑠菜を救い出したい」という思いに呼応し、どこかにあるロボの墓場から一時的に復活した。
かつてガオレンジャーと共に戦った精霊王という巨神であり、姿形はその時のものと全く同じだが、コックピットはテガソードのものとよく似た一人用になっており、まだ完全に復活したわけではない事がうかがえる。
恐らく、以前往歳巡が固有能力「復元(リゲイン)」で復活させた大獣神と同じく不完全な状態と思われるが、今回はこのガオキング自身の意志も少なからず宿っているような描写があり、詳しい事は不明。

劇中では最初からフィンブレードを所持した状態で登場しており、本家でフィンブレード装備時にガオキングの顔が荒ぶる描写は、後述の「天地轟鳴アニマルハート」発動時に行われた。
また、テガソードブルーデカクロウの協力で、凱亜が鬼ノーワンの精神世界に突撃する際にはガオライオンの口が開き、そこから飛び出している。
復活時には、『ガオレンジャー』本編で使われたものを思わせるテロップが表示され、故・水木一郎氏が歌うテーマソング「百獣合体!ガオキング」のインストがBGMとして流れた。


■必殺技

  • アニマルハート

邪気、退散!

原典同様、全身に備わった5体のパワーアニマルの頭部から一斉にガオソウルの光線を放つ。
なお、コックピットはテガソードとほぼ同一の仕様になっているが、本家同様「天地轟鳴!」で凱亜が腕をクロスさせる動作を行っている。
また、この時ガオキングの背後に「天地轟鳴アニマルハート」のカットインが入る演出がある。
劇中ではテガソードブルーデカクロウの「テガソード・☆STAR☆ライオンデュエット」との合体技として放ち、鬼ノーワンを倒した。


◎余談◎


  • 劇中で瑠菜と共にオカリナで奏でていた曲は、本家『ガオレンジャー』でも使われていた「響の調べ」
    本放送後、瑠菜を演じる星波氏が歌うカバーバージョンが配信された他、東映特撮YouTube Officialでは特別PVも配信された(PVの演出は『ゴジュウジャー』第11話・第12話の演出を手掛けた坂本浩一監督)。

  • 獣医として動物を愛するのみならず彼らと心を通わせる事ができ、チーム内ではリーダーとして周囲を引っ張ってきた戦士である上、自身のパワーアニマルであるガオライオン・ガオゴリラ・ガオファルコンとは明確に対等な協力関係(=「ガオレッドたる自身が親分」という話ではなく、あくまでも彼らの意思により力を貸してもらっている関係)として接する走に対し、自分の力で自由を奪って動物を強引に従え、自らを「野獣遣い」=動物に対して目上である者と定義し、たった1人になって世界をさまよってきた凱亜の姿は、ユニバース戦士特有の対照的なキャラクター造形と言えるかもしれない。
    ちなみに本当に猛獣使いをモチーフとしたユニバース戦士は、第11話で登場したジュウオウイーグルの方だったりする(世間知らずが過ぎるジューマン達との対比や「社会経験から彼らを制止するメンバー」という理由がある)他、『ガオレンジャー』本編にはガオレンジャー達はおろか、パワーアニマル達をも従えた猛獣使いオルグが登場していたりする。



俺はさすらいのWiki篭り。またさすらって、追記・修正してみるさ。

……瑠菜の分までな。


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最終更新:2025年05月23日 00:14

*1 この時、攻撃の余波を受けて「一獣一奏」に必要な楽器類が全て焼失してしまっている。

*2 ゴジュウユニコーンを操った際の楽器。ユニコーンは架空の存在(幻獣)だが、一応生物学的には「ウマ」に分類されるのだろうか?

*3 初期メンバー共通の武器である獣皇剣は使用されなかったが、使おうと思えば使えるものと思われる。