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スターシステム

登録日:2011/10/03 Mon 17:30:48
更新日:2026/08/09 Sun 23:48:56
所要時間:約 7 分で読めます




『スターシステム』とは、映画、演劇などの興行分野において知名度と人気の高い花形(スター)的人物を主軸に据えることを前提として、作品制作や宣伝、集客などの方針を組み立てていく手法のこと。
転じて、漫画やアニメ等の視覚的作品において、あるキャラクターを、同じ作者の他の作品に 別のキャラクターとして登場させることを指す。
本項目では、後者に関して説明するものとする。

【概要】

概ねは、上記で述べた通り。
元来の意味で例えれば、キャラクター(俳優)が同じ作者(監督)の様々な作品に、別の役で出演する形になること。
世界観の異なる作品で全く別のキャラクターとして使う=見た目は同じだが中身は別人物として再利用するようなことを指す。
 例:『BLACK CAT』のイヴ ⇒ 『To LOVEる』の金色の闇

誤解しないで欲しいのは、同一キャラクターが設定を引き継いだ状態で別作品に登場するのは、スターシステムとは別物である。
これは、所謂コラボレーション・クロスオーバーなどと呼ばれる手法である。
 例:『ネコマジン』に孫悟空が登場

ただ、スピンオフ作品は(世界観が同じの場合でも)スターシステムとして認識されることもある(「リリカルなのは」や「岸辺露伴は動かない」など)。
ただし、その辺りの尺度は人によってまちまちなので注意しよう。

この技法は主に手塚治虫先生のように様々な雑誌で連載を持っている人、
鳥山明先生のようにゲームやオリジナルアニメのキャラクターデザインもされる人が主に利用する。

またディズニーの短篇アニメや『トムとジェリー』、『クレヨンしんちゃん』や『天才バカボン』、『おそ松くん』といった赤塚作品などのコメディ系作品では童話や古典、映画をパロディした回が度々描かれる。
こちらも本編のキャラクターたちを別の物語のキャラクターに当てはめて演じさせるというスターシステムを活用した事例としてイメージしやすいものの一つだろう。

ファンサービスや作者のちょっとしたお遊びで利用される場合もあれば、
原典における人間関係やキャラクター設定が伏線として機能し、物語の重要な鍵となる事もある。

但しあまり多用しすぎると、手抜き行為と見なされ作品の評価が下がってしまう可能性もあるので注意が必要。
特に絵柄がシンプルな方は尚更。
また使い回したキャラが作中で犯罪行為等をして、元となったキャラが犯罪行為をしたという誤解を招き風評被害を生み出してしまう恐れもあるので注意。

その他、このシステムの中ではキャラクターを俳優として扱う為、
『自分の役に不満をこぼす』、『原典や前回登場した時のネタを引っ張る』等のメタ発言が飛び出す事もある。

遊戯王ARC-Vでスターシステムが用いられたことへのメタとして、同作含めた遊戯王各作品のキャラが登場するゲーム「遊戯王デュエルリンクス」では、「ARC-Vオリジナルのキャラが原典のキャラ達に会う」というイベントを起こすことができる。
当然原典のキャラ側はARC-Vキャラのことを全く知らず、ARC-Vキャラが「どうみても彼らなのに別人なのか?」などと驚く様子が見られる。

【並行同位体】

平行同位体とも。スターシステムの中でも特に設定面での同一人物性を強く意識させる場合に用いられる。

元々はウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀で登場した用語。
ざっくり説明すると「正史と異なるifの歴史を歩んだ同一人物」という意味。
そこから拡大解釈で「並行世界の同一人物」や「並行世界で同じ役割を持つ人物」なども「並行同位体」と呼称するようになった。

【ストックキャラクター】

スターシステムとは似て非なる概念。
スターシステムが『演者』としてキャラクターの外面・外見を使い回すのであれば、ストックキャラクターは設定や性格、行動理念といった内面としてのキャラクターの使い回し。
映像作品ではないが、落語において「弥太郎」ならちょっと抜けた若者、「ご隠居さん」なら博識だが知ったかぶりしがちな老人…といった次第。
とはいえ、後述の手塚治虫先生が採用したスターシステムにおいて、キャラクター自身の個性や独自性が強いため、決まった役柄に配されるキャラクターもいる。
例えば、「主人公を助けるおっさん」ヒゲオヤジ、「悪人」なロックやアセチレン・ランプといった感じ。
そのため、彼らはストックキャラクターとしての側面も持っていると言えよう。
その他、ブーン系小説などで多く見られる「人間のクズ(役)」伊藤m略などもその例であろうか。


【スターシステムの実例】

《スターシステムを多く利用する作家》

漫画にスターシステムを初めて組み込んだ手塚治虫先生の場合、多数のキャラクターをスターシステムに組み込んでいた。
作品によっては悪人のアトムやら着流しのドクター・キリコやらそれぞれの原典からは考えられないカオスな配役もあったりする。
スターシステムを採用した漫画家の中でもここまではっきり割りきった人は珍しい。
上述したように、一部のキャラクターはストックキャラクターとしての一面も持つ。 

星の数ほどと言っていいほどの膨大なキャラクターと、変幻自在のキャラクター作りとドラマの作劇を旨とする先生だからこその使いこなしぶりと言えるだろう。

《スターシステムによって生まれたキャラ》


《スターシステムを用いた作品》


《スターシステムをネタにしている作品》

  • いっしょにとれーにんぐ(主人公がスターシステム上の女優という設定)
  • 昭和冒険編(オールスター編では楽屋ネタのような展開になっている)
  • 戦星のバルジ(最終巻の描き下ろしで登場人物たちが打ち上げをやってる)



追記修正は別世界の自分自身にお願いしてください。

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最終更新:2026年08月09日 23:48

*1 ただし、藤子Fの場合小池さんや神成さんは同名同外見同ポジなのでいいが、「顔は同じだが名前が違う」と「顔が違って名前が同じ」がかなり複雑に入り乱れているのでスターシステムか微妙な場合がある。一例が「みよ子(みよちゃん)」「ユミ子(ユミちゃん)」で「『ウメ星デンカ』のみよちゃんと『バケルくん』のユミちゃん」・「『キテレツ大百科』のみよちゃんと『T・Pぼん』のユミ子」でそれぞれ顔が同じ(ややこしいw)。