登録日:2011/10/03 Mon 17:30:48
更新日:2023/01/04 Wed 22:16:38
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スターシステムとは、映画、演劇などの興行分野において知名度と人気の高い花形的人物を主軸に据えることを前提として、作品制作や宣伝、集客などの方針を組み立てていく手法のこと。
転じて、漫画やアニメ等の視覚的作品において、作者がデザインしたキャラクターを、他の作品に『別のキャラクターとして』登場させることを指す。
ここで誤解しないで欲しいのは、悟空がネコマジンに登場する等といった、
同一キャラクターが設定を引き継いだ状態で別作品に登場するのは所謂コラボレーション・クロスオーバーであり、スターシステムとは別物である。
スターシステムの代表例としては『
BLACK CAT』のイヴを『
To LOVEる』の金色の闇という全く別のキャラクターとして使うといった、
見た目は同じだが中身は別人物として再利用するのがスターシステムである。
簡単に例えれば、俳優(キャラクター)が同じ監督(作者)の様々な作品にそれぞれ別の役で出演するという形であり、
概要で述べた通り映画業界におけるスターシステムから派生している。
この技法は主に手塚治虫先生のように様々な雑誌で連載を持っている人、
鳥山明先生のようにゲームやオリジナルアニメのキャラクターデザインもされる人が主に利用する。
またディズニーの短篇アニメや『トムとジェリー』、『クレヨンしんちゃん』や『天才バカボン』、『おそ松くん』といった赤塚作品などのコメディ系作品では童話や古典、映画をパロディした回が度々描かれるが、
こちらも本編のキャラクターたちを別の物語のキャラクターに当てはめて演じさせるというスターシステムを活用した事例としてイメージしやすいものの一つだろう。
またスピンオフ作品も(世界観が同じの場合でも)スターシステムとして認識される場合が多い(「リリカルなのは」や「岸部露伴は動かない」など)。
ファンサービスや作者のちょっとしたお遊びで利用される場合もあれば、
原典における人間関係やキャラクター設定が伏線として機能し、物語の重要な鍵となる事もある。
但しあまり多用しすぎると、手抜き行為と見なされ作品の評価が下がってしまう可能性もあるので注意が必要。特に絵柄がシンプルな方は尚更。
後、このシステムの中ではキャラクターを俳優として扱う為、
『自分の役に不満をこぼす』、『原典や前回登場した時のネタを引っ張る』等のメタ発言が飛び出す事もある。
遊戯王ARC-Vでスターシステムが用いられたことへのメタとして、同作含めた遊戯王各作品のキャラが登場するゲーム「
遊戯王デュエルリンクス」では、「ARC-Vオリジナルのキャラが原典のキャラ達に会う」というイベントを起こすことができる。
当然原典のキャラ側はARC-Vキャラのことを全く知らず、ARC-Vキャラが「どうみても彼らなのに別人なのか?」などと驚く様子が見られる。
【スターシステムを多く利用する作家】
手塚治虫
横山光輝
藤子・F・不二雄
赤塚不二夫
鳥山明
永井豪(ダイナミックプロ)
CLAMP
蔡志忠
飯野賢治
今川泰宏
西岸良平
樫本学ヴ
弐瓶勉
日高万里
井上淳哉
伊藤勢
真島ヒロ
山口貴由
武井宏之
ブーン小説
モナー・やる夫スレ作品
MMD
漫画にスターシステムを初めて組み込んだ手塚治虫先生の場合、多数のキャラクターをスターシステムに組み込んでおり、
作品によっては悪人のアトムやら着流しのドクターキリコやらそれぞれの原典からは考えられないカオスな配役もあったりする。
スターシステムを採用した漫画家の中でもここまではっきり割りきった人は珍しい。
もちろん、ブーン系小説に見られるような人間のクズ役なら伊藤m略のように、
キャラクター自身の個性やキャラクター性を重視し、常に決まった配役に配されるキャラクターも多い。
例えば主人公を助けるおっさんならヒゲオヤジ、悪人ならロックやアセチレン・ランプというように。
星の数ほどと言っていいほどの膨大なキャラクターと、変幻自在のキャラクター作りとドラマの作劇を旨とする先生だからこその使いこなしぶりと言えるだろう。
【スターシステムによって生まれたキャラ】
【スターシステムを用いた作品】
いっしょにとれーにんぐ(主人公がスターシステム上の女優という設定)
戦星のバルジ(最終巻の描き下ろしで登場人物たちが打ち上げをやってる)
追記修正よろしくお願いします。
- ソニックの物語シリーズもこれかな? -- 名無しさん (2019-03-26 10:26:45)
- マーベル映画のスタン・リー御大とかまさにこれだと思うけど、キャプテンマーベルで最後になっちゃうのかな。 -- 名無しさん (2019-03-27 21:11:05)
- ぬらりひょんの花開院竜二は「髪をゆいは髪をゆい」に出たけどこれか? -- ララ (2019-06-18 21:08:15)
- スターシステムの定義が何だかめちゃくちゃになってる気がする。 -- 名無しさん (2020-09-17 19:53:56)
- え……。それじゃ、他人の作品のキャラを、ちょっと名前と性格以外の設定を変えて自分の作品に登場させた場合はなんていうの? -- 名無しさん (2021-02-03 10:08:22)
- ↑それはパロディじゃねーの。 スターシステムって自分で使いまわすもんに言うもんだし。 -- 名無しさん (2021-02-03 10:38:39)
- まじっく快斗の巻末で子役がコナン役ってやつは楽屋ネタだから違うか。 -- 名無しさん (2021-02-03 10:51:30)
- 実写作品でスターシステムを語るのは本末転倒で逆に難しいな…w ライダーにおける弘、なんかは本郷猛役じゃなくても意味が出過ぎちゃうから、赤楚くんとか武田さん、神尾さんみたいな「前の役と全く関係ないキャスティングだけど、同じ人にオファーを出すだけあってキャラの傾向がちょっと似てる」ってのがスターシステムっぽい -- 名無しさん (2021-02-03 11:20:23)
- ↑必殺シリーズでいうところの山田五十鈴とか正八と正十(正八と正十は同一人物説があるが) 的な? -- 名無しさん (2021-03-19 09:25:52)
- ディズニーの公式設定だとミッキーマウスの職業は「俳優」なんだよね。結構色んな作品に出てくるが、ミッキーがやってるような事もスターシステムの範疇に含まれるんだろうか? -- 名無しさん (2021-05-29 14:12:19)
- そもそも「漫画のキャラを実写作品の俳優に当てはめる」のがスターシステムだから、まず実写作品は除外されるものだと思うが。実写の俳優さんが演じ分けるように、漫画のキャラも「同じ顔だけど別のキャラ」を演じるのがスターシステム -- 名無しさん (2021-05-29 14:27:16)
- ドラゴンボールのトランクスとドラクエ6のテリーはスターシステムとして成立していないという事ですか? -- 名無しさん (2021-10-04 20:42:20)
- UNDERTALEとDELTARUNEも? -- 名無しさん (2021-10-16 13:31:56)
- スターシステムか否かなんて外部が勝手に認定していいもんじゃないだろ。どうなのか知りたいんなら作者にでも聞いてこいよ -- 名無しさん (2021-12-19 19:47:44)
- サイゲームズで一時期よく使われてたシステム。モニカが典型例で、名前は同じで容姿も似てるけど、神バハとグラブルとプリコネでは年齢や立場が全く違う。 -- 名無しさん (2021-12-19 20:51:03)
- デジモンもある意味スターシステムみたいなものだと思う。同じデジモンが、作品によって役柄を大きく変えて出てくるし。 -- 名無しさん (2021-12-19 21:11:28)
- ↑確かに悪玉だったデジモンが善玉として出て来る事もあるな。ペタルドラモンとか。デジモンフロンティアでは悪玉だったが、アドベンチャーのリブート版では善玉として登場している。ヒカリちゃんと仲良くなったあのペタルドラモンは『人の心を持った怪物』と言って言いかも。 -- 名無しさん (2022-01-15 21:29:54)
- 原典のスタッフ監修してない時点て駄作しかない。下手したら原典のキャラ作品の評価が下がる -- 名無しさん (2022-01-15 23:32:01)
- ヒロアカでは逢魔ヶ刻動物園のキャラがプロヒーローとして出て来るのが面白い。モブとしても出ているよな。蒼井華ちゃんと菊地悠くんが1話に出てた事あるし。 -- 名無しさん (2022-01-19 23:05:31)
- 和田慎二先生の「信楽」「野田」「八雲」はスターシステムと言えるのか微妙なところだな…あと「医者」は大体頬がこけてて花京院みたいな前髪の冴えないおっさん。 -- 名無しさん (2022-02-26 10:09:13)
- 『忍たま乱太郎』のハニワくんもこれだな。元々は『はむこ参る!』のキャラだし。↑2×菊地〇菊池 -- 名無しさん (2022-03-03 17:36:56)
- コロッケ!のアニメにマスカットという学級王ヤマザキのおじじ様に似たキャラが登場したな。 -- 名無しさん (2022-04-29 19:54:42)
- 『金色のガッシュ!!』のウマゴンも昔の漫画だけど、『どうぶつの国』に出てたな。 -- 名無しさん (2022-05-05 13:42:22)
- 作品舞台の数だけ同名キャラが存在するプリティーシリーズのめが姉やゼノブレイドシリーズのヴァンダムさん -- 名無しさん (2022-08-30 00:57:50)
- 『阿鬼羅』と言う漫画に『マリンハンター』のキャラが出てたらしいとか。 -- 名無しさん (2022-09-10 22:28:38)
- コメントのログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-09-10 22:57:49)
- ヒロアカの外伝漫画『チームアップミッション』に本薬寺言葉さんと言う女性がいたけど、あれどう見ても『逢魔ヶ刻動物園』の蒼井華ちゃんだよな。しかも飼育員と言う職業を持ってたり、首に巻いていたマフラーも椎名園長のマフラーでした。ありがとうございます。 -- 名無しさん (2023-01-01 22:20:37)
- ログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-01-04 22:12:52
- 庵野さんの映画の赤坂さんとかはスターシステム感ある -- (名無しさん) 2023-07-17 01:10:37
- 作者の技量が低いとキラメキシュートみたいな事になってしまう。 -- (名無しさん) 2023-09-25 22:30:25
最終更新:2023年01月04日 22:16