SCP-990

登録日:2019/04/07 Sun 19:42:29
更新日:2023/10/30 Mon 16:58:16
所要時間:約 5 分で読めます





カサンドラの言葉に耳を傾けろ。

SCP-990はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスKeter
項目名は『Dream Man(ドリームマン)』。


概要

SCP-990は財団職員の夢の中に登場する冷戦時代のビジネススーツを着た一人の男性。
少なくとも現時点においては現実の基底財団世界では本人と財団職員が対面したことはない。
常に夢の中の人、故にドリームマン。

収容方法なんてものは当然なく、むしろ「考えついたら教えてくれ」と匙を投げられてしまっている。


たびたび財団職員の夢に現れては、なにかしら助言のようなものをして去っていく。
それだけなら収容不可とはいえKeterの中でも一見良心的に見える。…が。

事案-990-07

エージェント██████は勤務時間までに出勤しなかった。代わりに自身の部屋で寝ているところを発見された。何をしても起きることはなく約18時間眠り続けた。医療隔離室へと搬送された。

40時間の睡眠後、非常に動揺した状態でエージェントは起床した。報告によるとエージェントは「世界の終わりだ」と大声で叫び施設を走り回った。強い鎮静剤を打たれた後も、エージェントのすべての身体機能は危険なほど加速した状態にあった(心拍数の増加、高血圧など)。

エージェントはSCP-990の特徴と一致する男性を証言した。██████████博士の報告によると、エージェントは中央ヨーロッパと東アジアに戦術核ミサイルが打ち込まれ、最終的には人類の98%が死に絶え、人間社会が崩壊する様子を事細かに説明した。エージェントはこの情報は夢に捕らわれていた間にSCP-990が教えてくれたものだと主張した。

きっかけとなりうる脅威を根絶するために機動部隊██-█が派遣された。部隊██-█は対処に成功し危機は避けられた。しかし、エージェント██████は心労に耐え切れず、ショック死のような症状で死亡した。

よくよく考えれば財団の職務で日夜ハードモードでくったくたになっている財団職員がいきなり、
長い夢に取り込まれた挙げ句「○○してね、じゃないと世界滅亡だよ?」とか言われるのである。
客観的に見て、超弩級でブラックすぎる展開である。そりゃ心労でショック死もするわ。


これ以降、財団職員に脅威を度々『予言』するようになった。
最初の予言ほどの規模の災害は今のところないが、数名の博士の死亡や監視室の崩壊、そして[削除済み]を予知した。


文書990-02

ある博士とドリームマンの会話。
当然、夢の出来事だが博士の記憶の正確さから信憑性は高いと見られている。

とりあえず名前を尋ねてみる博士に対し、990は「トニーなんてのはどうだい?」と答える。

██████████博士:トニー?あなたの名前はトニーというのか?

    SCP-990: 人には自分が呼ばれたい名前を名乗る権利があると思うよ。

██████████博士: よくわかった、トニーと呼ぼう。

     SCP-990: うむ、気が変わった。リチャードはどうかな?

██████████博士: わたしは良いと思う。

……なかなか愉快な性格をしているようだ。

なぜ世界に脅威を与えるのか、という質問に「誰が脅威を与えているのか」と聞き返すトニーもといリチャード。
そんな990に博士は事案-990-07で犠牲になったエージェントのことを突きつける。

██████████博士: あなたはエージェント██████を殺している。

SCP-990: [長い沈黙後] 博士、君は私のことを誤解しているよ。

結局、このインタビューもその時点で存在していないアノマリーについての危機についてすごく大雑把に伝えられているだけで終わってしまっている。



元ネタ - This Man

SCP-990の元ネタと考えられるのが『This Man』である。

ニューヨークの精神科医が報告した、「複数の患者の見た夢に出た男性」のモンタージュをもとに、
世界各国に報告を求めた結果、全人類の見る夢に出てくるのではないかとされたという都市伝説。
とはいえ、その情報を集約しているサイトがイタリアからホストされていて、実際には社会実験の一環だったということが判明したりしている。

Taleでの活躍

「善意からなのか、財団が心労で崩壊するのを楽しんでいるのか」はともかく、SCP-990は話作りに便利なので、
Taleへの出演数が多い。

人型オブジェクトは天ぷらの夢を見せるか?

不慮の事故で亡くなった日本支部職員が江戸時代にタイムスリップした際に
SCP-990と語らうというTale。
エージェントの矜持が垣間見られる。

標準夢報告66-Y 990.1

Kalininの提言を構成するTale。
SCP-001に関する正体と、それに対する対応が正しいけど間違ってるという
わかりづらい示唆をしている。

ちいさな魔女の夢

SCP-990がまさかのSCP-239の夢に出現。
他のTaleで見せる冷静沈着ぶりはどこへやら、終始ビビりまくっている。

なお、シガーロスちゃんの夢の中でクソトカゲアベルは仲良く殺し合いをしていた。


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最終更新:2023年10月30日 16:58