ハスカップ

登録日:2020/1/25 (土) 13:39:00
更新日:2025/07/09 Wed 22:16:44
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ハスカップとは、スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木である。
和名はクロミノウグイスカグラで、英語名はハニーベリー


概要


主にロシアから北海道の寒い地域にかけて見られ、特に現地では数ある名物の一つとしても有名。
だが暑さに弱い植物で、北海道以南の本州では高山植物に相当し、日光戦場ヶ原や荒川岳生といった限られた環境にしか確認されておらず、またその数も少ない。

名前の由来はアイヌ語で「枝の上にたくさんなるもの」という意味の「ハシカプ」という言葉。
前述のように和名もあるが、「ハスカップ」という呼び名の方がメジャーになっている。

カルシウム、鉄分、ビタミンC、ポリフェノールといった健康にいい成分が豊富に含まれていて、アイヌの間では昔から不老長寿の秘薬として扱われていたという。

その成分の含有量は驚くなかれ、カルシウムはリンゴの13倍、鉄分はミカンの6倍、アントシアニンは似ていることからよく比較されるブルーベリー3倍、或いはなんと10倍ともいわれているので、前述のような謂われがあるのも納得がいくだろう。

実は本来は酸味と苦みがとても強く、おいしく食べるのは難しい果実。
だが栽培が盛んに行われた結果改良種ができ、これでもやや酸っぱいが改良のおかげで甘みも出たため、野生種に比べて食べやすくなっている。

花は白みがかった黄色で、ほぼ必ずと言っていいほど2ずつ咲き、この花の子房が一つになって実がなる、というほかの植物ではあまり見られない珍しい特徴を持つ。
実は青紫色をしており、ブルーベリーを細長くしたような見た目で水分が多く含まれていることから足が早く、すぐに腐ってしまうので、加工されていない実が北海道以外で出回ることはほとんどない。
しかもブルーベリーと違って非常にデリケートかつ暑さにも弱く、日本国内では北海道以外では栽培されていない。
そのため、もし木の実そのものを生で食べた草ければ北海道に出向くほかはないのだ。

その他、それほどメジャーではないが現在では日本だけでなく北米でも栽培されており、先述のようにハニーベリーという名前で様々な加工品が作られている。


栽培

難しい。日本においては、特に北海道以外ではまず無理。
理由としては生育の条件が、夏は30度を超えず、冬はマイナスに近づく程の寒冷な環境でなくてはならないから。とてもレアなのはそのせい。
また我が国で栽培され食されている多くの果実と違い、泥炭地でも生える……というかむしろそうした土壌が生育に適しているという珍しい特性も持つが、こうした土壌が本州ではあまり無いから、ということもある。
ちなみに同じハスカップでも土壌や水によって味が微妙に異なり、同じ場所に生えているものでも味が違うこともザラにあるという。


利用

産地ではそのまま食されるほか、ジャムやお菓子、お酒などに加工されて食される。
北海道に住んでいる人や旅行に行ったことがある人は、そうした加工品がお土産として売られているのを見たことがあるかもしれない。
先ほども述べたが保存が利かないので、生食をしたいのであれば北海道においでませ。あとはセイコーマートでハスカップを使ったアイスや(二十歳以上なら)お酒を買ってみてね。


花言葉


そんなハスカップの花言葉は「愛の契り」。何ともロマンチックではないか。
これは先述のように二つの花が一つになって実を結ぶことに由来している。





追記・修正はハスカップを使った何かを食べて愛の契りを交わしてからお願いします。

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最終更新:2025年07月09日 22:16