セイコーマート

登録日:2020/07/13 Mon 17:51:21
更新日:2020/07/15 Wed 13:42:23
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おにぎりは温めますか?


セイコーマートとは、北海道を中心に展開するコンビニエンスストアっぽくないコンビニエンスストア
そして北海道のライフラインである。愛称は「セコマ(公称)」「セイコマ」
なぜ「コンビニエンスストアっぽくない」のかは後述。

北海道以外のところだと全然見たことがない人もいるだろうが、それもそのはず、
全店舗数の9割以上が北海道であり、残りの1割未満も埼玉と茨城にしかない。
北海道では店舗数1位を誇るセイコーマートではあるが、最近セブン・イレブンが数で追いつきつつある。
ただ、他のコンビニチェーンが都市部を中心に展開するのに対して、セイコーマートは179市町村中、175市町村と北海道を網羅するといわんばかりの展開を進めている。
「北海道のライフライン」という表現も比喩でも誇張ではなく、スーパーのない僻地にもセイコーマートを展開することから、地元住民にとってはとてもありがたい存在となっている。
「スーパーや他のコンビニはおろか個人商店もまとも無いけどセイコーマートならある」という市町村もある程である。
そういう経緯もあってか、コンビニチェーンの顧客満足度では、2016年から1位を取り続けている。
しかも2019年は2位のセブン・イレブンを大きく引き離している。

また、地味ながら現存するコンビニチェーンでは最古参であり、セブン・イレブン上陸より3年早い。
(日本初のコンビニはココストアだが、現在はファミリーマートに吸収されている。)

「コンビニエンスストアっぽくない」コンビニエンスストア

先にも書いた通り、セイコーマートは、一般の思うコンビニエンスストアとはかなり異なる商売をしている。
そもそもセイコーマートは元は酒屋であるので、コンビニと銘打ってはいるが、
その実はコンビニでありがちなものをやっていないのである。


  • 24時間営業していないのが基本
コンビニエンスストアと言えば24時間をやっているイメージの人が多いとは思うが、セイコーマートで24時間営業をしているところは少数派である。
大体が24時まで、長くて25時で閉まる。僻地だと23時で店じまいする店舗も少なくない。札幌ごく近郊レベル地域であっても24時間営業をしている店舗は非常に少ない。
なぜ24時間営業じゃないのが多いかというと、主にコストの問題である。
深夜労働は人員がさらに必要なうえ、深夜手当として22時から6時までは通常の賃金よりも25%以上上げる必要がある。
また、僻地にも出店していることで、地元の人からはスーパーの代わり扱いされているので、わざわざ深夜営業までするメリットが存在しないのだ。
最近は24時間営業主義が問題視される中、元々24時間営業がデフォではない、どころか元日でも休むようになったセイコーマートにとっては無縁の話である。


  • 直営が大多数、ロイヤリティもあまりとらない
セブン・イレブン、ローソン、ファミリーマートの直営率は3%にも満たないのだが、セイコーマートの直営率は80%と、フランチャイズの方が少ないのである。
元々はセイコーマートもフランチャイズが主流だったのだが、オーナーの高齢化を問題視し、現在ではむしろ直営化を進めている。
この直営化によって、フランチャイズではやりにくい、僻地への出店を比較的容易にしている。
そしてフランチャイズでも、ロイヤリティが他の大手だと60%くらいなのに対して、セイコーマートはたったの10%である。
これもまた、直営が多い故にできることだろう。

  • ドミナント(集中出店)を否定
セブン・イレブンのすぐ近くにセブン・イレブンが、ローソンのすぐ近くにローソンが…などと、
狭い範囲で同じ会社の店をいくつも出店する、これがドミナントである。
セイコーマートはこの戦略を真っ向から否定している。
「セイコーマートが置かれている場所から半径150m以内に別のセイコーマートは置かない」のである。

  • コンビニなのに折込チラシ
今では折込チラシを入れるコンビニも増えてはきたが、セイコーマートのチラシは最早スーパーマーケットのそれである。
様々な特売の情報やクーポンまであるので、北海道に滞在するなら、是非見てみるといいだろう。

  • おでんや肉まんなどが置いていない
大手コンビニチェーンではおでんだったり肉まんだったり置いてたりするのだが、
セイコーマートではまずその光景は見かけない。
これは「大手でできることはやらず、大手でできないことをやっていく」と語る代表取締役社長の意向である。
そしてその大手ではやらないことの代表というのが…

  • ホットシェフ
このホットシェフである。
セイコーマートのホットシェフは弁当や総菜などを店内で調理しているため、出来立ての味を楽しむことができる。
特に人気なのはカツ丼であり、あのフワフワした甘い卵とじとジューシーで柔らかい肉の食感は、北海道に来て食べた人を間違いなく虜にするだろう。
豚丼や回鍋肉丼、フライドチキン・ポテトやおにぎりなどもかなり人気がある。
そしてこのホットシェフ、なんとガス調理である。
このため、2018年で起きた北海道胆振東部地震による大規模停電(ブラックアウト)が発生した際も、ほとんど平常運転で営業出来た。当時勤務されていた店員の皆さま、大変な中本当に、本当にありがとうございました。
ただし、ホットシェフがない店舗もあるので、セイコーマートを見つけたときは「HOT CHEF」の表示もあるか確認しよう。

  • 豊富なプライベートブランド
惣菜や牛乳はもちろん即席麺、冷凍食品、果てはトイレットペーパーまでプライベートブランドを扱っている。
特に小皿に載せるような惣菜は、100円ちょっとという安価で販売されている。種類も多く、他のコンビニには無い明確な強みである。
物価の比較的安い北海道からしても、この値段はかなり安い。
なぜ安いかというと、セイコーマートで扱われるプライベートブランドが自社の工場で生産するのはもちろんのこと、
卵は農家との専属契約、野菜に至っては一部を自社で栽培するという、生産から販売までを徹底して管理しているため、あの値段が実現できている。

  • 豊富すぎる酒の取り扱い
元が酒屋なだけあり、さらに直営店の多さもあってか、酒を扱う店舗が非常に多い。
そして取り扱う酒の種類も滅茶苦茶多い。
値段もリーズナブルで味も良いので、北海道に来たらセイコーマートで酒を買うのも悪くない。



こんなに人気ならなぜ全国展開しないのかと思う人もいるだろう。
しかし、北海道以外では苦戦しているのが現状である。
実際、かつては兵庫にもあったのだが、既に撤退している。
この原因は、先ほども言ったようにサービスを自社で賄っている部分が多すぎるので、全国展開してしまうと、その質が確保しきれないという側面がある。
セイコーマートの人気は、地元に密着し、ライフラインとしての役割を担っているからこその人気なのである。


追記・修正はホットシェフのカツ丼を食べたことがある人にお願いします。

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最終更新:2020年07月15日 13:42