エルドラージ(デュエル・マスターズ)

登録日:2020/02/02 Sun 20:08:44
更新日:2024/03/13 Wed 16:16:48
所要時間:約 7 分で読めます






I'mrakul,(わたしはエムラクール、)



He'rakul,(彼はエムラクール、)



She'rakul,(彼女はエムラクール、)



Duema'rakul!(デュエマはエムラクール!)



エルドラージはデュエル・マスターズの種族である。



概要――超獣世界と異界月

エルドラージとは、元はと言えばDMの兄貴分たるMtGにおけるクリーチャー・タイプであり、
ゼンディカー・ブロックで登場した存在。

ただしゼンディカーに彼らは「住んでいる」わけではない。
まず、3体の『エルドラージの巨人』 a.k.a 『伝説のエルドラージ』という存在が存在しているが、
彼らは多元宇宙/Multiverseが分かれる前、そして5色のマナが分かれる前から次元の狭間-久遠の闇に住んでいる存在であり、
色(文明)を持たず、プレインズウォーカー*1でないながらに次元を行き来し、そして襲来した次元を文字通り食い尽くす存在である。
そのため現れた次元にとっては災厄であるのだが、同時にその偉大すぎる存在は神格化されるに十分であり、各所で彼らを信仰する者たちがいる。
なお、彼らの姿はあくまで久遠の闇に住むエルドラージたちが、3次元空間上に投影した『影』であるにすぎないらしく、
一生懸命倒そうとして、多くの犠牲を出しながら滅ぼしたとしても、本体を倒したことにはならない。

エルドラージの巨人は10以上の重いマナ・コストを持っているため(DMですら重いが、MtGでの10はDMのそれとは比較にならない重さである)
踏み倒して場に出したくなるが、"唱えた時"、すなわち「マナ・コストを支払って場に出した時」限定のETB能力*2を持つ。
このため、基本的には踏み倒しではなく、マナ加速から叩き込んで、
唱えた時限定ETBを活かしてゲームセットに持ち込むランプデッキのフィニッシャーを務める。
要はDMにおけるゼニスの元ネタである。
ゼニスもまた、無色大型クリーチャーで、召喚時限定cipを持ち、背景ストーリーでオラクル教団に神格化されている。

さてその中でも、コジレックとウラモグはまだ、大きな体に何本か腕の生えた、まだ理解は出来なくはない姿かたちをしている。
しかしエルドラージのなかでも一番ストーリーに絡み、ゼンディカー・ブロックとイニストラードを覆う影ブロックでラスボスを務めた
エルドラージ、エムラクールは俗に宇宙しいたけと呼ばれる常識を冒涜した名状し難い姿をしている。
またエムラクールはイニストラードを覆う影ブロックでは次元侵略の傍ら、(夢の中とはいえ)ジェイスくんの前に女の子の姿で登場しメインヒロインともなった。
この姿はエムラクールが「空の女神エメリア」として神格化されていたことから俗にエメリアちゃん、エメリア嬢などと呼ばれる。

さて、超獣世界もまた、ジェイスくんやボーラス様が訪れることから、
MtG世界における多元宇宙の一つであろうことがうかがえる。多分シーザーさんのせい。
ということは、ジェイスくんと別れたエメリア嬢がやってくるのはある意味で必然とも言えた。

そしてDMEX-08『謎のブラックボックスパック』でついに、エメリア嬢が襲来したのである。


エメリア嬢のプロフィール

ここでは参考のために、MtGでのエメリア嬢も引用しつつ解説する。

【DM】
引き裂かれし永劫、エムラクール P 無色 (15)
クリーチャー:エルドラージ/ゼニス 15000
飛行(このクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーから攻撃もブロックもされない)
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、このターンの後もう1度自分のターンを行う。
このクリーチャーが攻撃する時、相手はバトルゾーン、シールドゾーン、マナゾーンにある自身の表向きのカードを合計6枚選び、墓地に置く。
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

【MtG】
Emrakul, the Aeons Torn / 引き裂かれし永劫、エムラクール (15)
伝説のクリーチャー — エルドラージ(Eldrazi)
この呪文は打ち消されない。
あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンに続いて追加の1ターンを行う。
飛行、プロテクション(有色の呪文)、滅殺6
引き裂かれし永劫、エムラクールがいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれたとき、オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
15/15

大きく変わった点については以下の通り。
  • 「打ち消されない」能力の削除。そもそもDMでのカウンターは呪文(MtGのソーサリーに相当)に対するものが少数存在する程度なので、事実上意味をなさない。
  • プロテクション(有色の呪文)の削除。DMでは無色除去の数が少なすぎる。また、子供向けも意識したDMにおいて、本家MTGでも複雑な性質を持つプロテクションは採用しづらいだろう。
  • 墓地に置かれた時の山札回復がエターナル・Ωに差し替え。《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》、《永遠の少女 ワカメチャ》、《緑知銀 グィムショウ》と前例は多いが、エメリア嬢が持っていたら強すぎると判断されたのだろうか。ただし、15マナ用意できるデッキであれば除去から即座に再召喚(+エクストラターン)が可能なので、一概に弱体化とは言い難い。
  • 「伝説の(同名カードを1枚しか出せない特性)」を喪失。つまり盤上にエメリア嬢を4体まで召喚できる。

エクストラターン能力は《界王類絶対目 ワルド・ブラッキオ》で消されるのが痛い。
ただ、「プレイしたらもれなくエクストラターン」かつ「エクストラターン中に発動した場合の制限もない」ため、
うまく召喚ループを組めればソリティアも夢ではない。

滅殺6も一見強いようでいて、実はDMではあまり強くない。
ゲーム開始時に《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜》《滅亡の起源 零無》を採用していれば、
「5枚のカードで構成され、両方が表向きとして扱われ、かつバトルゾーンを離れない」この1パーマネント(MTGにおける「場に出るカード」を数える単位)を選択するだけで被害を1枚に抑えられる。
しかもシールドは通例裏向きのため、直接ダイレクトアタック、とまでは行かない。
一方、上述のカードたちを採用していない相手ならばマナ滅殺はそれなりに効くだろう。クリーチャーを間引いておくなど、できるだけ有効に活用したいところ。

種族はエルドラージ単体ではエメリア嬢しかいないためフレーバーでしかないが、
エルドラージに着想を得たゼニスも持っているため、ゼニスサポートを受けることが可能。
また当然の権利のようにMTGから引っ提げてきた「飛行」だが、DMで飛行を所持しているのはMTGとのコラボカード(DMEX-08時点ではエメリア嬢と《セラの天使》嬢)のみの為、
事実上「攻撃されない*3」「ブロックされない」となる。MTGでいう馬術枠である。

全体的に見て、召喚扱いになるコスト踏み倒し手段もそれなりにあるDMではこれ1枚で勝ちに行けるスペックになるのはまずかったのだろう。
基本的には【ターボゼニス】あたりに入れることになる。
ただ、召喚時限定cipが異様に強いため、《天運ゼニスクラッチ》では候補の1択になるか。


相性のいいカード

天運ゼニスクラッチ R 無色 (7)
呪文
S・トリガー
自分の山札をシャッフルし、その後、一番上のカードを表向きにする。そのカードがゼニスであれば、コストを支払わずに召喚してもよい。ゼニスでなければ、そのカードを手札に加える。
ゼニス限定踏み倒し。見ての通り、狙ってエメリア嬢を出せるわけではないが、
召喚扱いになるため、ゼニス踏み倒しならこいつであろう。

「俺」の頂 ライオネル VIC  無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 13000
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。その後、自分のシールドを1つ、相手に選ばせる。そのシールドを自分の手札に加えてもよい。
自分の手札に加えるシールドカードはすべてに「S・トリガー」を与える。
エターナル・Ω
同じゼニスにして、STを与えるカード。STは召喚であるため、エメリア嬢の能力を使うことが出来る。

イッツ・ショータイム R 水文明 (8)
呪文
相手は進化ではないクリーチャーを好きな数、自身の手札からバトルゾーンに出してもよい。その後、自分は、その中でコストが一番大きいクリーチャー以上のコストを持つクリーチャーを1体、手札からコストを支払わずに召喚してもよい。(相手がこのようにしてクリーチャーをバトルゾーンに出さなかった場合、自分の好きなクリーチャーを手札からコストを支払わずに召喚してもよい)
相手が15コスト以上のクリーチャーを出さなければエメリア嬢を召喚できる呪文。
マナ・コストが∞の《超法無敵宇宙合金武闘鼓笛魔槍絶頂百仙閻魔神拳銃極太陽友情暴剣R・M・G チーム・エグザイル~カツドンと仲間たち~》や《∞龍 ゲンムエンペラー》を出されたら泣こう。
これを使って「このデッキは【エムラ・ショー】です*4」と強弁するのもありか。



追記・修正は、エメリア嬢に勝利したかどうかわからないなか、それでも龍神討伐に向かい、記憶を失ってかつての仇敵とラブロマンスしたラヴニカ在住の精神魔道士の方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年03月13日 16:16

*1 MtGの世界は次元/Plainsと呼ばれる全く違う世界同士が幾つも隣り合って形成されており、普通の住人は一生次元から出ることは無い。特殊な能力を持つ魔術師だけが次元同士を行き来することができ、それこそが次元を歩むもの、プレインズウォーカーである。そして、プレイヤーとして幾つもの次元を訪れる我々もまた、プレインズウォーカーだ。

*2 Enter The Battlefieldの略で、「場に出た時」の能力。DMではcip能力(Comes Into Play)と呼ばれることが多い

*3 DMには「タップクリーチャーを指定してアタック」というルールが存在するために能力が拡張されている

*4 MtGに存在する、《実物提示教育/Show and Tell》を使ってエムラクールなどを直接戦場に出すデッキ