∞龍 ゲンムエンペラー

登録日:2020/09/26 Sat 14:07:26
更新日:2024/10/19 Sat 16:40:23
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DM S-MAX進化 ∞ドラゴン ∞ブレイカー ∞マスター・ドラゴン ∞・ドラゴン ∞大龍 ゲンムエンペラー ∞龍 ゲンムエンペラー キングマスターカード ゲンム-MAX ゲンムエンペラー ゲンムエンペラー <デスザ.Star> ゲンムエンペラー <バロム.Star> ゲンムエンペラー <ヘヴィ.Star> コスト∞ スキドレ スター進化 ゼーロJr.&ゲンムエンペラー チーム零 チーム零カラー デュエル・マスターズ ドラゴン パワー∞ マスター・ドラゴン ムゲンクライム 効果無効 十王篇 多色 夢幻にして極限の存在 夢幻の闇 幻龍 ゲンムエンペラー 所要時間30分以上の項目 水/闇文明 水文明 水文明のクリーチャー 水文明のドラゴン 無にして無限の龍 無限 無限力 無限大 無限皇帝 虚∞龍 ゲンムエンペラー 闇文明 闇文明のクリーチャー 闇文明のドラゴン 闇龍 ゲンムエンペラー 雨宮慶太 零番目の王




モモキングが敗北を覚悟したその時、世界は唐突に無限の闇に包まれた。

星も光もない、一面の漆黒。その漆黒がひび割れていき、まるで闇そのものと見紛うばかりに黒い翼が広げられた。

無限の闇から生まれしその龍の名は、


ゲンムエンペラー



∞龍 ゲンムエンペラー》とは、『デュエル・マスターズ』に登場するクリーチャー。
DMRP-15 「十王篇 第3弾 幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」にて登場したチーム零のキングマスターカード。




∞概要∞


まるでウミウシの如くぬるりとした姿を持つ異形の漆黒龍。
十王篇のキングマスターの中でも最後に現れた十番目…否、幻の零番目の王であり、宇宙が始まる前から存在していた無限の闇を統べる夢幻にして極限の存在
だが無限にして夢幻の存在であるためその実体を保つことは難しく、胸に刺さった二本の「ムゲンボルト」でその実体を現実に繋ぎ止めている。

その実力は他のキングマスターと比べても一線を画しており、背景ストーリーにおいては他のチームが苦戦を強いられる鬼札覇王連合のキングマスター達が放った全力の攻撃を何度も喰らいながら無傷を保っている
後の王来篇でもディスペクターの勢力を相手に無類の強さを発揮するなど、背景ストーリー屈指の強キャラとして描かれている。

そしてカードスペックの方も珍しくちゃんと強さが伴っており、その実力は…


∞スペック∞


∞龍 ゲンムエンペラー KGM 水/闇文明 ()
クリーチャー:∞マスター・ドラゴン/チーム零 
<ムゲンクライム>4(自分のクリーチャーを4体タップして、[水/闇(4)]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
∞ ブレイカー(「∞ブレイカー」を持つクリーチャーは、相手のシールドを好きな数ブレイクできる)
ブロッカー
コスト5以下のクリーチャーの能力とコスト5以下の呪文の効果を無視する。

という3つの無限を併せ持つ 規格外の クリーチャー。……あれっ?
コストが無限大であるためマナを支払っての召喚は不可能であり、召喚するにはチーム零の固有能力であるムゲンクライムを使う必要がある。
文字通り無限大のパワーを持つため相手が∞パワーアタッカーや「すべてのバトルに勝つ」能力を持っていない限りバトルで負けることはない。
∞ブレイカーは運用上はほぼワールドブレイカーと変わらないが、一枚だけシールドを残して相手のスーパーシールドトリガーをケアできるのはあちらにはない利点。
おまけにブロッカーも持っており、上記のパワーも相まっていざという時の守りも硬い。

そして何より特筆すべきはコスト5以下のクリーチャーの「能力」とコスト5以下の呪文の「効果」を無視する。という強烈な無効効果である。
「このクリーチャーは攻撃できない」などの特定の能力を無効にする効果や、《あたりポンの助》《めっちゃ! デンヂャラスG3/ケッシング・ゼロ》などの単体のクリーチャーの能力を無効化する効果を持ったカードは数は少なくともあったが、このカードはデュエマ史上初敵味方問わず、バトルゾーンに存在するクリーチャー、発動した呪文を問答無用で全て無効化するという先述した効果達とは比べ物にならないほど大規模な無効化能力を持つ
無効化できる範囲はコスト5以下のクリーチャーと呪文に限定されるが、デュエルの序盤中盤に使われるカードを軒並みバニラカードにするという驚異的な効果であり、デッキのタイプによっては冗談抜きでこのクリーチャー1体だけで完封が可能なほどの桁外れな制圧力を持つ
言ってしまえばデュエマ版《スキルドレイン》なのだが、その効果は似ているようで結構違う。
以下、解説していく。


∞無効化能力の詳細∞


コスト5以下のクリーチャーの能力を無効化する

これは最も分かりやすい効果であるが、その効果は絶大。
"全て"無効化するという効果は決して誇張ではなく《ゲンムエンペラー》が降臨したが最後、クリーチャーが持つ固有の能力はもちろん、スピードアタッカーやブロッカー、スレイヤーやウルトラセイバーと言ったキーワード能力「このクリーチャーは攻撃できない」などのデメリット能力、さらにはWブレイカーやTブレイカーと言ったブレイク数に関する能力まで根こそぎ白紙になる
冗談抜きでバトルゾーンにいる5コスト以下のクリーチャーのテキスト欄を白紙にする能力と言い切ってしまっていい。
この能力と∞ブレイカーを併せ持っているため、このクリーチャーの突破能力は他の大型クリーチャーと比較しても群を抜いており、相手の《光牙忍ハヤブサマル》などの低コストブロッカーや《終末の時計 ザ・クロック》などの軽量級S・トリガー獣を全て無視して突撃することができる。

ただし、無効化できるのはバトルゾーンにいるクリーチャーのみであり、手札や墓地で発動するクリーチャーに対しては何の制約もないことに注意。
それを逆手にとって《暗黒鎧 ザロスト》などの墓地から能力を発動するクリーチャーをデッキに採用することも可能。ただし、5コスト以下のクリーチャーであればバトルゾーンでの能力は全て無効化されてしまうことには注意。
因みに「能力」を無視するのであって「効果」を無視するわけではない。
この微妙な違いは後に解説するがゲーム上での挙動に大きく関わる。


逆に言えば、バトルゾーンで発動する能力であればどんな能力でも無効化できるということ。
例を挙げると

Qバトルゾーンに相手の《∞龍 ゲンムエンペラー》が1体いる状況で自分の《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》が破壊された場合、《スゴ腕プロジューサー》の「離れた時」の能力は使えますか?
Aいいえ、使えません。カードがバトルゾーンを離れたことでトリガーする能力は、そのカード自身について移動する直前のバトルゾーンにあった状況を参照します。
バトルゾーンで《スゴ腕プロジューサー》の能力は無視されていたので、「離れた時」の能力も無視され、使えなくなります。


Q.バトルゾーンに相手の《奇石 ミクセル》が1体います。自分は《∞龍 ゲンムエンペラー》を召喚しました。この場合、《∞龍 ゲンムエンペラー》は《奇石 ミクセル》の効果で山札の一番下に置かれてしまいますか?
A.いいえ、《∞龍 ゲンムエンペラー》がバトルゾーンに出た時点で能力が無視されますので、能力は誘発せず山札の一番下に置かれません。

要するに5コスト以下のクリーチャーの能力が発動した時に存在していた場所がバトルゾーンであったならば、どんな能力でも発動すらせず無効化されてしまうということ。先述したスキルドレインの効果を例にして挙げると、遊戯王の「破壊されて墓地に行った時」と違ってデュエマの能力は「離れた時」であるため効果自体は墓地ではなくバトルゾーンで発動している。故に《ゲンムエンペラー》の能力によってその能力を無効化されてしまうのである。
《奇石 ミクセル》の能力についてはこの能力が「場に出た時」の誘発効果であるため、《ゲンムエンペラー》が着地した時にはもう発動した能力ごと無効化されてしまっている、というわけである。

なお、《ツネキン☆ゲームス》のような「バトルゾーンに出す時、かわりにそのクリーチャーをマナゾーンに置く」と言った形の着地置換効果を受ける場合は、そもそも《ゲンムエンペラー》が場に出ないのでその能力を発動することができず、マナや墓地に送られてしまう。
かなりややこしいが、要するに「能力を発動するクリーチャーがどこにいたか」、「相手の能力が発動された時そもそも《ゲンムエンペラー》がバトルゾーンにいるか」、ということを意識すれば多少は理解しやすくなるはず。

……散々効果を無効化すると書いといてなんだが、前述の通り実際には効果を無効にするのではなく能力を無視するだけである。
このテキストだと例えば、前のターンで《ゲンムエンペラー》がいない状態でコスト5以下のクリーチャーがターンを跨いでも持続する効果を発動させていた場合、それらを無効化する事はできない。
何故ならばあくまで《ゲンムエンペラー》が無効にするのはコスト5以下のクリーチャーの能力であって効果を無効化するわけではないため。
ややこしいが《ゲンムエンペラー》は発動する効果は止められるが発動していた効果は止められないとでも覚えておこう。


そしてもう一つ無視できないことがあり、このカードはこれまで直接的な対策カードが乏しかった《零龍》に対してありとあらゆる意味で天敵となるクリーチャーであるということである。
《零龍》のコストは0であり、当然コスト5以下であるために《ゲンムエンペラー》の影響を受ける。
そしてパワーもまた0である為、《ゲンムエンペラー》によって能力を無効化された瞬間に自壊し、操作していたプレイヤーもまた即敗北する。
本来ならば《零龍》は「パワー0である限り場を離れない」と言う能力を持っており、それが「パワー0のクリーチャーは破壊される」と言うルールに勝っているため場を離れることはないのだが、《ゲンムエンペラー》の効果によってその能力が失われルールに負けて破壊されてしまう、と言うことである。
当然《ゲンムエンペラー》が既にいる状態で《零龍》が卍誕してパワーを0にする能力を叩き込もうとしても、既にいる《ゲンムエンペラー》の効果によってその能力を含めた全ての能力を無効化され、何もできずにプレイヤーもろとも自爆する

つまりこのカードは《零龍》に対してあらゆる状況、タイミングにおいて絶対的な有利を持つのである。

ただしムゲンクライムの特性上、《ゲンムエンペラー》がいない状態で《零龍》が卍誕してしまうと、ムゲンクライムのタネを根こそぎ破壊されて《ゲンムエンペラー》そのものが出せなくなる状況になってしまうことには注意。

このように超強力なカードである《零龍》に対して初めて現実的なメタ能力を持つ本カードであるが、その能力故にとある弊害が発生することに...。詳しくは後述。


コスト5以下の呪文の効果を無効化する

この能力に関しては能力ではなく効果を無効することに注意。後述するが、少々ややこしい裁定が発生する。

この効果もまた凄まじい制圧力を誇り、《フェアリー・ライフ》《フェアリー・ギフト》《メンデルスゾーン》といった序盤から終盤まで使えるマナ加速、《ブレイン・チャージャー》《ブレイン・タイフーン》などのドローソース、《オリオティス・ジャッジ》《ジャミング・チャフ》などの妨害札を軒並み機能停止に陥れることができる。

特にこれら軽量呪文を主体とする【カリヤドネループ】【青魔道具】などはこのカード一枚だけで完全に詰ませることすら可能。

そしてクリーチャーの能力を無効化する効果と決定的に違うところは、呪文の効果を無視するので、呪文を唱えている時だけでなく、唱え終わった呪文によって発生した継続効果も無効化するという点。

例を挙げると、相手が前のターンに《ジャミング・チャフ》によって発動した「自分は呪文を唱えられない」という効果が自分に及んだとする。しかし次のターン《ゲンムエンペラー》を召喚した場合、その「相手に呪文を唱えられなくする」効果は無視され、自分は呪文を唱えられるようになる。

いや前のターンに発動したんだから関係なくね!?と思うだろうが、《ゲンムエンペラー》が無効化するのは呪文が発動した時の「能力」ではなく呪文が両プレイヤーに及ぼす「効果」であるためである

いや余計わからんよ!?という人のためにイメージを用いて説明すると、例えば前述の《ジャミング・チャフ》を相手が「発動」したとする。するとその呪文の「能力」によって「相手に呪文を唱えられなくする」という「効果」が自分のフィールドにばらまかれるわけである。
この時点では「能力」自体は既に「発動」してしまっているため、フィールドにも墓地にもどこにも存在しないが、「能力」によってばらまかれた欺瞞紙(チャフ)は存在しており、まだ自分に「効果」を及ぼしている。
そして自分のターンに《ゲンムエンペラー》が召喚されると、その効果によって先のターンにばらまかれていた「効果(チャフ)」はその効果を失って吹き飛ばされてしまう、ということである。

と、まあ長々語ってきたが、要するに5コスト以下であれば前のターンに唱えられたものであれ自分のターンに唱えられたものであれどんな呪文もたちどころに無効化する効果であると考えて相違はない。

このように強力な効果を持つクリーチャーではあるが、もちろん弱点もある。


∞弱点∞


コスト5以下のカードにしか効果を及ぼせない

上述してきた通り凄まじい制圧力を持つが、それはあくまでコスト5以下のカードにしか効果を及ぼさないことに注意。
特に6コスト以上のカードにはムゲンクライムのタネを根こそぎ焼き払ってしまう《メガ・マグマ・ドラゴン》、タネとなる下級クリーチャーを洗い流されるだけでなく場合によっては《ゲンムエンペラー》自身も破壊されてしまう《テック団の波壊Go!》などが存在するので注意。
《ヘブンズ・ゲート》による高コストブロッカー展開も止められない。
また、破壊したクリーチャー以下のコストを持つクリーチャーを蘇生させる《地獄門デス・ゲート》も《ゲンムエンペラー》自身のコストが無限なので破壊されれば相手の墓地からあらゆる強力なクリーチャーを呼び出されてしまうため相性が悪い。


クリーチャーと呪文以外のカードは無効化できない。

無効化できるのはあくまでクリーチャーと呪文のみである為、フィールドやドラグハートウェポン、オレガ・オーラなどの効果は5コスト以下であっても無効化できないことに注意。
先ほど述べた【青魔道具】には確かに根幹を占める呪文を軒並み無効化して優位に立てるものの、発動を無効にするわけではないために魔道具呪文を空撃ちして《卍 新世壊 卍》の魔法陣を完成させて効果を発動させることはできる。
《ゲンムエンペラー》はスピードアタッカーを持たず出したそのターンに攻撃することはできないため、返しのターンに《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を唱えられて逆転されるということもありうる。特に《卍 ギ・ルーギリン 卍》はブロッカーを無視する効果を持つため、《ゲンムエンペラー》でも止められない。

オレガ・オーラは無効化できないことは逆手にとってこちらが使うことも可能。《無修羅デジルムカデ》などの強力な制圧力を持つオーラを並べられればコントロール力をさらに高めることができる。オーラを使う関係上GRクリーチャーの効果をそこまで考えなくていいのもポイント。


無効効果が自分自身にも及ぶ

ムゲンクライムのタネとなるクリーチャーは5コスト以下のものがほとんどであるため、それらの効果も軒並み無効化されてしまうことに注意。特に《堕魔 ザンバリー》《ねじれる者ボーン・スライム》に代表される低コストブロッカー、《終末の時計 ザ・クロック》の効果が無効化されてしまうのは相手を確実に詰められると同時に自分の防御力も落としてしまう諸刃の剣でもある。他にも《罪恐!零MAX》などの5コスト以下の強力なシールドトリガーが発動できなくなるのは地味に痛い。
ただし、《戯具 ザンボロン》《堕魔 ザンバリー》などの「攻撃できない」デメリットを持つクリーチャーが攻撃可能になるという恩恵もあるため、一概に弱点とは言い切れない。


零龍》とはバトルゾーンに共存できない

デメリットの中でも、特に注意すべきもの。
上述した通り、《ゲンムエンペラー》が存在している状態で《零龍》を出す、もしくは《零龍》がいる状態で《ゲンムエンペラー》を出すと《零龍》が自壊して自分はデュエルに敗北する。
故に、《ゲンムエンペラー》と《零龍》を同時に使う際には、この両者は絶対に共存できないことを頭に入れておくこと。

ただ、相性が悪いのはあくまで両者の能力だけであり、《零龍》自体はムゲンクライムの弱点である全体除去の乏しさを補ってくれる頼もしいカードでもある。
特に《破壊の儀》か《墓地の儀》のどれかをあえて一つ残すことで、《ゲンムエンペラー》が除去された時にカウンター気味に《零龍》の効果と攻撃を相手にたたき込むというテクニックは強力。
後述する《幻龍》の方であれば普通に両立が可能なので、いっそ《∞龍》の方を採用しないという構築もありかもしてれない。
単純に勝ち筋を増やすという意味でも《零龍》を採用する意義は大きいので、《ゲンムエンペラー》と一緒に運用する際は尚更プレイングに気をつけたい。


無効効果が複雑である

上述の解説を見てもらえばわかると思うが、バトルゾーンの効果全てを無効化するというデュエマ史上類を見ないほど大規模な無効能力を持つため裁定及び効果処理が




非ッッッッッッッジョーに面倒臭い




なにせ良くも悪くも前例がない効果であるため、大会のジャッジでも混乱するような裁定が目白押しである。
正直、前の解説ですら解説しきれていない裁定が山のようにある。
前述した通り《ゲンムエンペラー》が無効化する能力は法則性があるためある程度は予測を立てることが出来るのだが、それでも相当複雑であるため完全なジャッジを下すことは現時点では難しい
せめてデュエルの際のトラブルを抑えるために汎用カードに対する《ゲンムエンペラー》の裁定は頭に入れておくように心がけるのがいいだろう。

なんでどのカードゲームでも無効化能力はこうややこしい裁定やら処理を生むんだか...

以上が大まかな弱点であるが、それらを差し引いても超強力な制圧力とパワーを持つ規格外クリーチャーであると言える。
ぜひデッキを組んでその夢幻にして極限のパワーに酔いしれてほしい。


∞環境において∞


滅茶苦茶なパワー、規格外のコスト、前代未聞の能力と凄まじいまでのインパクトを持った本カードではあったが発表されてからの評価は低かった。
青黒に4体もクリーチャーを並べられる展開力はないと思われていたことと、素出しが不可能なコストによって運用が難しいと考えられていたためである。
場のクリーチャーをタップする関係上殴り返しに弱いという点もあり、ムゲンクライム自体が過小評価されていたのも大きい。
発売前の評価は環境においてはムゲンクライムのデッキではなく【連ドラグナー】の方で踏み倒し先として活躍するだろうと推測されていた。

しかし、このカードの発売の一週間前に登場したスタートデッキの登場でその評価は一変する。
彼らの項目に書かれているため詳細は省くが、このデッキはムゲンクライムが予想以上に高いデッキパワーを持っていることを知らしめる結果となった。
それに伴って《ゲンムエンペラー》自体の評価も逆転し、新たなムゲンクライムクリーチャー達とともに活躍を期待されるようになった。
そしてこのパックの発売とともに新たな力を得た大方の予想通りに以前以上のデッキパワーを得て環境に凶襲していった。

ここまでの話ならデュエリスト特有の手のひら禁断解放であるが、幸か不幸か当たっている事前予想もあった。それは…


【連ドラグナー】の方で活躍するだろう

という予想である。
そしてその予想通り環境において《ゲンムエンペラー》が猛威を振るったのは運営が想定していたであろう【青黒ゲンムエンペラー】ではなく元々のトップメタであった【連ドラグナー】の方であった。

以下、主要カードを解説する。

爆龍覇 ヒビキ P 火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド爆/ドラグナー 2000
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにあるカードと同じ文明を持つ、コスト3以下のドラグハート・ウエポンを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出してもよい。(このクリーチャーに装備する)

爆熱剣 バトライ刃 VIC 火文明 (3)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せてもよい。それが進化でないドラゴンか進化でないヒューマノイドであれば、バトルゾーンに出す。それ以外なら山札の一番下に置く。
これを装備したクリーチャーは攻撃されない。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、ドラゴンをバトルゾーンに出していれば、このドラグハートをフォートレス側に裏返してもよい。

勇者の1号 ハムカツマン蒼 R 火/自然文明 (5)
クリーチャー:メガ・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団 4000
革命チェンジ:火または自然のクリーチャー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から多色クリーチャーを1体選んで相手に見せ、自分の山札の一番上に置いてもよい。残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。

ヘブンズ・フォース UC 光文明 (2)
呪文
S・トリガー
コストの合計が4以下になるように、好きな数の進化ではないクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出す。

DMBD-14 「クロニクル最終決戦(ファイナルウォーズ) デッキ龍魂(ドラグハート)紅蓮譚(ぐれんたん)」にて登場した《爆龍覇 ヒビキ》を中核としたカードたち。

回し方を解説すると

2ターン目に《ヘブンズ・フォース》を撃ち、《ヒビキ》を場に出し《バトライ刃》を装備。

そのまま《ヒビキ》で攻撃宣言時に《ハムカツマン蒼》に革命チェンジ。
《バトライ刃》の能力を待機しつつ《ハムカツマン》の能力発動。山札5枚を見て多色のドラゴンを山札上に。

待機していた《バトライ刃》の効果でトップのドラゴンを出す。

お分りいただけただろうか。
《ヒビキ》でアタックした際にチェンジした《ハムカツ》の効果で《ゲンムエンペラー》をデッキトップに置けば最速2ターンで《ゲンムエンペラー》が降臨する。

仮に先攻2ターン目でこれが成立したら次のターン相手が伝えるマナはたったの2マナ。しかも《ゲンムエンペラー》の効果で《フェアリー・ライフ》すら打てやしない。なんてこった。
さらにこっちのバトルゾーンにはシールドを全て消しとばす《ゲンムエンペラー》とダイレクトアタック用の《ハムカツマン》、そして手札には追撃を入れられるスピードアタッカーである《ヒビキ》*1が残る。
《ゲンムエンペラー》の攻撃が実質的に止められない以上、2マナとシールド、革命0トリガー等だけでこれらの三枚全てを対処することが強いられる。しかも《ゲンムエンペラー》の封殺能力がかかった上で。それなんて無理ゲー?

ただし要求される手札が3枚と比較的多く、下記の《ウェルキウス》と比べてもデッキの色がほぼ5色で固まってしまう。また《ハムカツマン蒼》の能力も確定で《ゲンムエンペラー》を引っ張ってこれるわけではないのは救いか...。
まあ代わりに《ボーラス様》やら《ギガンディダノス》やらが出るがな!!

一部からは《ゲンムエンペラー》にドラゴンをつけてしまったことを問題視する声もあるが、主犯は強力なドラゴンをデッキから引っ張り出せる《ヒビキ》と《バトライ刃》であり、背景ストーリー的にもドラゴンの種族を持つことは半ば必然的であるのでこのことで《ゲンムエンペラー》を責めるのは酷だろう。
どっちにせよ《ヒビキ》はギルティ? そうだね

こうして大規模な無効効果を持つ《ゲンムエンペラー》は己のチームだけでなく、元々最強格だった【連ドラグナー】に《クロック》による防御すら許さない頭二つ抜けた突破力を与えてしまった。
このコンボのせいでただでさえ濃厚だった《へブフォ》の殿堂入りが確定レベルになったとも...。
殿堂で済めばよかったのにね。

こうして閣ループと《へブフォ》を失い《バトライ刃》も殿堂入りした【連ドラグナー】は大きく勢いを落とし、トドメとばかりに根幹となる《バトライ刃》も温泉旅館に転身プレミアム殿堂入りして完全に消滅。ヒビキはコモンで再録されバラ売りコーナーの常連と化した
とはいえ《ゲンムエンペラー》自体が強力なカードであることには変わりなく、規格外のパワーとそれ相応の打点、十王篇当時に比べて大幅に充実した各種メタクリーチャーや強い方の絶望神等を無力化できる能力を併せ持つフィニッシャーとして、青黒が入る踏み倒し系デッキ(と【天門】)で活躍し続けている。


∞相性のいいカード∞


このカードをサポートするためのカード群であるチーム零については彼らの項目で解説しているため割愛する。
ここでは彼ら以外で相性のいいカードを紹介していく。

死神術士デスマーチ UC 闇文明 (1)
進化クリーチャー:デスパペット 1000
ブロッカー
墓地進化−闇のクリーチャーを1体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。
このクリーチャーがバトルする時、そのバトルの終わりまで、バトルしている相手クリーチャーのパワーを-4000する。

龍脈術 落城の計 C 水文明 (3)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにあるコスト6以下のカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。

古き良き墓地退化コンビ。《ゲンムエンペラー》とはマナの色もしっかり会う。
知らない人のために解説すると、墓地の《ゲンムエンペラー》を素材に墓地進化した《デスマーチ》を《落城の計》でバウンスして《ゲンムエンペラー》の降臨を狙うデッキである。*2
最速3ターン目に《ゲンムエンペラー》を着地させることができるデッキであり、もし成功すればほぼ勝ちが確定するだろう。
また先述した通り文明の色が青と黒である為、最速降臨を無理に狙わずともムゲンクライムを自然に絡めることができるのが利点。


闘門の精霊ウェルキウス SR 光文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 7500
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、または自分のクリーチャーがバトルに勝った時、カードを1枚引く。その後、「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。

場に出た時とバトルに勝った時にブロッカー(文明不問)を踏み倒せるブロッカー。
お馴染みヘブンズ・ゲートにこのカードを絡めることによって、色の合わない《ゲンムエンペラー》もムゲンクライム無しで踏み倒すことができる。
《ゲンムエンペラー》の封殺能力と、高コストブロッカー達の防御能力で手堅い守りを固めることができるだろう。
出てくるブロッカーを6コスト以上のもので固めることで自分だけ《ゲンムエンペラー》の能力を無視できるのもポイント。
ただし、光に加えて水と闇の色を加える必要があるため、デッキビルディングの難易度が上がる点には注意。
登場以降【ヘブンズ・ゲート】ではまず採用されるカードであるため、《ゲンムエンペラー》が踏み倒し先として採用される場合も少なくない。

禁呪と聖句の(パーフェクト・オラトリオクルス) VR 光/闇文明 (6)
呪文
このターン中に自分のクリーチャーが出ていれば、自分のシールドゾーンにあるこの呪文に「S・トリガー」を与える。
次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。
▶「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、自分の手札から出す。
▶自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚をシールド化し、もう1枚を墓地に置く。

同様に文明不問でブロッカーを投げられるカード。
呪文であるため、ウェルキウスの天敵であった《地封龍 ギャイア》のようなcipメタをくぐり抜けることが可能。
二回選べる効果のうち一つ分を破壊にすれば、後続の展開もしやすくなるだろう。
もちろん呪文メタは普通に効くので、ウェルキウスとは弱点を補いあう関係になる。


∞派生カード∞


幻龍 ゲンムエンペラー KGM 水/闇文明 (8)
クリーチャー:∞ドラゴン/チーム零 12000
<ムゲンクライム>4(自分のクリーチャーを4体タップして、[水/闇(4)]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを3体まで選び、持ち主の手札に戻す。
このクリーチャーが攻撃する時、相手の手札を3枚見ないで選び、捨てさせる。

DMSD-16 「キングマスタースタートデッキ ゼーロJr.のムゲンクライム」にて登場したもう一枚のキングマスターカード。
「∞」龍ではなく「幻」龍であり、種族も∞ドラゴンとマスター・ドラゴンではない。コストに関しては∞を90度回転させて8にしたと思われる。

とにかくコストもパワーも効果も規格外だった《ゲンムエンペラー》と比べると常識的な効果になっているが、それゆえに使い勝手のいい効果になっている。
効果は出た時にクリーチャーを3体バウンスし、アタックトリガーで相手の手札を3枚ハンデスするというもの。
二つの効果は噛み合っており、バウンスしたクリーチャーを次のターンハンデスすることで墓地送りにできる。
普通に使う上ではバウンスとハンデスに1ターンのラグが生じるが、《戒王の封》で相手ターン中に蘇生させれば相手のクリーチャーをバウンスする事実上の防御札として機能する他、次のターンに攻撃とハンデスが可能になるという一石三鳥の働きをしてくれる。

このように汎用性が高い効果を持つため、スタートダッシュデッキのカードとしてはかなり高値のシングル価格がついている(というかこのスタートデッキ自体《幻龍》以外のカードも強く、デッキとしての完成度が異様に高い)。一時期は癖の強すぎる《ゲンムエンペラー》よりこっちの方が強いんじゃないかと言われていたほど。のちにそっちも十分すぎるほど強いことが周知されたが...。


ゼーロJr.ゲンムエンペラー P 水/闇文明 (4)
クリーチャー:∞ドラゴン/チーム零 4000
<ムゲンクライム>2(自分のクリーチャーを2体タップし、[水/闇(2)]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、他のコスト5以下のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーの能力をすべて無視する。

月刊コロコロコミック2020年10月号に付属されたカード。
登場時に指定したコスト5以下のクリーチャーの能力を全て無効化するという《ケッシング・ゼロ》のような効果を持っている。
《ゲンムエンペラー》を小型化したような効果を持つ。元と違って刺さる場面はかなり限られてくるが、ムゲンクライム2とかなり軽いコストで出せるのでもとよりはかなり小回りがきく。
特に《零龍》相手だと取り回しの軽さから元よりも天敵であると言える。

ちなみにテキスト判明当初は『「自分のターンのはじめまで」のタイミングがアンタップの「後」に訪れるのでは?』という指摘から(現在の総合ルールではアンタップ専用のステップがなく、「ターン開始ステップのはじめ」にアンタップの処理を入れる)、「1マナでワールドブレイカーを持つがタップインで登場し、条件を満たさないとアンタップできない」界王類七動目 ジュランネル》を指定すれば「デメリットを無視してアンタップさせた後に、無視していた能力が復活しワールドブレイカーで殴りかかれる」というコンボが発見され話題となったが、その後公式関係者のTwitterで『「自分のターンのはじめまで」の能力が発揮されるのはアンタップ処理のという正式回答が発表され、このコンボは幻となった。


王来篇

虚∞龍 ゲンムエンペラー VR 闇文明 (3)
クリーチャー:∞ドラゴン/レクスターズ 3000
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から進化クリーチャーを1体、手札に加えてもよい。残りを墓地に置く。
シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、自分の墓地にあるカード1枚につき、そのクリーチャーのパワーを-1000する。

DMRP-17「王来篇 第1弾 王星伝説超動」に収録されたベリーレアカード。
レクスターズとして目覚めた《ゲンムエンペラー》の姿であり、《ゼーロJr.&ゲンムエンペラー》と同様の軽量級クリーチャーに新生した。
cip効果で山札の上から4枚をめくり、進化クリーチャーを手札に引き入れつつ3枚もの墓地肥やしが可能。
シンカパワーでこのクリーチャーを素材として進化できればもれなく相手クリーチャーのパワーの墓地にあるカードの数だけ削る事も出来る。cipの墓地肥やしとシナジーしており、最低でも3000は削れるだろう。
背景ストーリーで闇文明の代表者になったためか、このカードより水・闇レインボーだった《ゲンムエンペラー》は闇文明単体に切り替わっていく。


ゲンムエンペラー <デスザ.Star> SR 闇文明 (7)
スター進化クリーチャー:∞ドラゴン/デーモン・コマンド・ドラゴン/レクスターズ 12000
自分の墓地に4枚以上カードがあれば、このクリーチャーの召喚コストを3少なくする。
スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3つブレイクする)
このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体破壊する。

同じく王来篇第一弾に収録されたスーパーレアカード。
魔の革命 デス・ザ・ロスト》の力を継承し、《ゲンムエンペラー》としては初の進化クリーチャーになった。
コスト軽減効果に関しては、種類を問わず4枚以上のカードが墓地にあれば発動するので条件を満たしやすい。上記の《虚∞龍》による墓地肥やしからは特に繋げやすいのでデザイナーズコンボかと思われる。
効果自体は3打点と除去持ちでシンプルに強い。


ゲンムエンペラー <ヘヴィ.Star> VR 闇/火文明 (13)
スター進化クリーチャー:∞ドラゴン/ゴッド/レクスターズ 39000
G・ゼロ:バトルゾーンにリンクしているゴッドがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
スター進化:レクスターズ、闇のクリーチャーまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)

DMEX-17「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」に収録されたベリーレアカード。
ヘヴィ・デス・メタル》の力を継承し、パワーも無限とまでは行かないが39000と馬鹿デカい数値を記録している。
コストと打点数は本家の《世紀末ヘヴィ・デス・メタル》や《破壊龍神ヘヴィ・デス・メタル GS》と同じ性能をしているが、あちらと異なりG・ゼロで踏み倒す事が可能。
その条件も「場にいるリンクしているゴッド」と比較的満たしやすいので、G・リンクが早期に達成される「神帝」や「起源神」、《暗黒破壊神デス・フェニックス》軸のHDMデッキ等で活躍が見込める。


闇龍 ゲンムエンペラー P 闇文明 (5)
クリーチャー:∞ドラゴン 7000
ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
スレイヤー(このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、相手クリーチャーを破壊する)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)

Gum-2「SPキングデッキ ゼーロJr.の闇文明」に収録されたカード。
食玩として付属されたカードなので性能はかなり抑えめだが、5コストでブロッカー・スレイヤーのキーワード能力を二種類持つ上に2打点持ち、更にはパワーも7000と5コストにしては比較的高い上にデメリット能力も特にないので、癖がなく使いやすい部類に入る。

ちなみに《ゲンムエンペラー》のイラストは基本的に風太郎/Futaro氏が担当しているが、食玩のカードという特殊な出自のためかこのカードのみ別の方が描いている。


ゲンムエンペラー <バロム.Star> SR 闇文明 (7)
スター進化クリーチャー:∞・ドラゴン/デーモン・コマンド/レクスターズ 11000
このクリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、このクリーチャーを破壊する。
スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
W・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の手札を好きな数捨ててもよい。その後、こうして捨てた手札の枚数に1を足した数、相手は自身のクリーチャーまたは手札を選び、墓地に置く。

DMRP-20「王来篇 第4弾 終末王龍大戦」に収録されたスーパーレアカード。
悪魔神ドルバロム》の力を継承した姿。
場に出たターン中の自壊と引き換えにコストを軽減する効果を備えており、スター進化でターン終了時には素材のクリーチャーを場に残せるため使いやすい。
《デスザ.Star》《ヘヴィ.Star》と比べると打点数は落ちるものの、自分の手札を任意の枚数捨てる事でその数だけ相手の手札とクリーチャーを選ばせ除去とセルフハンデスを強いれる。
地味にこのカードから種族名が「∞ドラゴン」から「∞・ドラゴン」に切り替わっている。


王来MAX

ゲンム-MAX SR 闇文明 (6)
S-MAX進化クリーチャー:∞・ドラゴン/レクスターズ 15000-
S-MAX進化:自分がゲームに負ける時、かわりにこのクリーチャーを破壊するか、自分の手札から《ゲンム-MAX》を1枚捨てる。(このクリーチャーは進化元を必要としない。自分のS-MAX進化クリーチャーが2体以上あれば、そのうち1体を残し、残りをすべて手札に戻す)
パワード・ブレイカー
スレイヤー
自分のシールド1つにつき、このクリーチャーのパワーを-2000する。
このクリーチャーが出た時または攻撃する時、自分のシールドを1つブレイクしてもよい。
自分のシールドが1つシールドゾーンを離れるたび、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。

DMRP-21「王来MAX第1弾 鬼ヤバ逆襲S-MAX!!」に収録されたスーパーレアカード。
新たなる進化によってS-MAX進化クリーチャーとなり、超獣世界の歴史を纏い五大龍神の一角である《黒龍神モルナルク》の意匠を受け継いでいる。
なお、《ゲンムエンペラー》のデザインとしては初めてムゲンボルトが外されており、従来ボルトが装着されていた部分からは新たに二本の首が生えて三頭龍となった。
実体を保つために必要なはずのムゲンボルトが無いにも関わらず姿を維持できている理由については、一部ファンから「S-MAX進化によってプレイヤーという実体を得た事で必要なくなったのでは?」と考察されている。

シールドの数だけパワーが低下し打点も下がっていくという癖のある性能をしていて、その能力を補助するためにcipまたはアタックトリガーで自身のシールドを削る効果が備わっており、更にシールドが離れる毎に相手クリーチャーのパワーをそのターン限定で4000下げる事も可能。
地味にスレイヤー持ちでもあるので、パワーが低い段階でも相打ちに持っていける。


∞大龍 ゲンムエンペラー VR 闇文明 (8)
クリーチャー:∞・ドラゴン/チーム零 8888
<ムゲンクライム>4(自分のクリーチャーを4体タップし、[闇(4)]支払って、このクリーチャーを自分の手札または墓地から召喚してもよい)
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から8枚を墓地に置いてもよい。
自分の墓地にあるクリーチャーすべてに「ムゲンクライム[闇(3)]」を与える。
自分のクリーチャーすべてに「セイバー:闇のドラゴン」を与える。(自分の闇のドラゴンが破壊される時、かわりに自分の「セイバー:闇のドラゴン」を持つクリーチャーを1体破壊してもよい)

DMEX-19「マスター・ファイナル・メモリアル・パック」に収録されたベリーレアカード。
胸のムゲンボルトが噛み砕かれて《ゲンム-MAX》と同様の三つ首になっており、恐らくはこの形態こそが《ゲンムエンペラー》本来の姿だと思われる。

∞を縦に回転させた8に肖ってか、8コストのパワー8888と8づくし。
久々にムゲンクライムが導入されており、8コスト払わずともそちらで召喚可能。
効果としては場に出た際に山札の上から8枚というかなりの枚数を墓地に送り、そうして肥やした墓地のクリーチャー達全員にムゲンクライム[闇(3)]、フィールドのクリーチャーには「セイバー:闇のドラゴン」を与えるというもの。
高コストクリーチャーをアンタップクリーチャー3体と3マナのみで召喚できるようになるのは非常に心強く、セイバーの効果で《∞大龍》の身代わりにしても次ターンにはムゲンクライムによって墓地から舞い戻れるのも優秀。
しかしムゲンクライムの発動には種となる小型クリーチャーが複数いる一方、ムゲンクライムで呼び出す大型クリーチャーの枠が狭まってしまうため、小型:大型クリーチャーの比率をよく考えなければならずデッキ構築の難易度は結構高めである。


∞背景ストーリー∞



「正 義 帝」VS魔王と天使、マニフェストVSメテヲシャワァ、ダイナボルトVSゴリオ・ブゴリ。
ゲンムエンペラーは3つの戦いへと順番に凶襲していった。


背景ストーリーにおいては、鬼札覇王連合とそれに対抗するチーム達とのキングマスター対決に凶襲する形でその姿を現した。
最初に乱入したのは《「正義帝」(アイアム・ジャスティス・イフユーウォント)《月と破壊と魔王(サタン)天使(エンジェル)との戦い。
「正義帝」》率いるチーム銀河は《魔王と天使》が率いる月光王国の侵攻に苦戦していた。
影を用いてこちらの攻撃を避け、さらには《魔王と天使》の攻撃によって主力であった十二神騎が半壊したことを受けて、ついに《「正義帝」》自身が戦いに加わり、勝負はキングマスター同士の一騎討ちと相成った。
「正義帝」》は《魔王と天使》との戦いの中で彼の悲しみの波動を感じ、本当はこんなことをしたくはないんじゃないかと彼に語りかけるも、《ジャオウガ》に愛する心を奪われている彼には届かなかった。
迷いながらも必殺の拳を放ったことで《魔王と天使》はダメージを受けるが、それが引き金となって月光王国の必殺技、「オシオキ・ムーン」が発動してしまう。
《「正義帝」》が放った拳は彼自身に跳ね返り、あわやその胸に突き刺さろうとした瞬間     


ぬるり


突如として広がった闇がその拳を丸ごと飲み込んだ。《魔王と天使》はその闇に向かって砲撃を仕掛けるも、闇に飲まれるばかりだった。
そしてその闇からぬるりと漆黒のドラゴンが姿を現した。彼こそチーム零のキングマスター、 ゲンムエンペラーであった。
無限の龍は影すら飲み込む「夢幻の無」で月光王国の影を丸ごと飲み込もうとする。
《魔王と天使》はひときわ大きい影に徹底し、脅威が去ったことを感じた《ゲンムエンペラー》は用無しとばかりに次の戦場に凶襲した。




次なる戦場はチームウェイブの本拠地Instant wave
そこの書き込みに「祝え、この物語の終幕を!」という謎の書き込みがされる。
それは美孔麗王国のキングマスター《メテヲシャワァ・ヲヲロラシアタァ》がInstant waveを消滅させるという犯行予告であり、最高最後のショーの招待状でもあった。
このままではあと600秒でInstant waveは跡形もなく消滅してしまう。
チームウェイブのキングマスター、《キング・マニフェスト》はその目論見を止めるべくASAP(ナル早)で現場に急行しようとするが、そこに 《混沌紳士 トリックスタァ》が立ちはだかる。
このままではお前たちも消滅(リジェクト)してしまうぞ、と問いかける《マニフェスト》だったが、「それこそ本望、我ら一瞬の輝きに命をかけるゆえ」と聞く耳を持たなかった。データの貯蔵を是とするチームウェイブと、一瞬のトキメキや儚さを美徳とし、映像や記録のような後に残るものを嫌悪する美孔麗王国の越えられない壁がそこにはあった。
加勢に現れた《モモダチ・ ケンナトーク》《ゴールド・キンタックス》にその場を任せ、《マニフェスト》は現場に急行する。
しかし途中で《絶対悪役 ヴィランヒヰル》の妨害《驚言廻し コミックリリヰフ》のすべらない話と《応援者 オシヤバミ》の誘い笑いを受けてしまう。
なんとか《ヴィランヒヰル》を下した《マニフェスト》だったが、《メテヲシャワァ》の着弾まで残りわずかとなってしまう。
「祝え、この物語の終幕を!」というカーテンコールのセリフが鳴り響く刹那、タキオン回線の速度で着弾地点にたどり着いた《マニフェスト》はありったけのバズを使って彼の炸裂を受け止めようとする。
しかし度重なる妨害によってバズを消耗していたため、勢いを殺しきる事が出来ずに着弾まであと一秒というところまで追い詰められてしまう。
しかし《メテヲシャワァ》が着弾し炸裂するその刹那、無限の闇があたり一面に広がった。
それを展開した張本人である《ゲンムエンペラー》は《メテヲシャワァ》を難なく受け止め、それを跳ね返した。
《メテヲシャワァ》は巨大なオーロラとなって世界を覆い、「本日の公演は以上になります。足元に気をつけておかえりください。」という劇場アナウンスを残して消滅した。
突然現れた漆黒の龍に状況を呑み込め(コミット)ない《マニフェスト》。そんな彼を《ゲンムエンペラー》は一瞥することすらなく、次なる戦場へと飛び去っていった。

その後、《キング・ マニフェスト》が投稿したオーロラの写真は2兆バズを獲得してInstant waveの最高バズ記録を塗り替えた。




次なる戦場は爆龍皇(ばくりゅうおう)ダイナボルト》率いるチームボンバー暴挙(ぼうけん)王国との戦い。
暴挙王国は常に強さの競い合いが行われていたが、その中で5万年間チャンピオンの座に君臨し続けた猛者中の猛者こそ《剛力羅王ゴリオ・ブゴリ》であった。
両軍の戦いはすぐさまキングマスター同士の闘いに発展し、互いの死力を尽くした激闘が幕を開けた。
《ダイナボルト》の超速攻撃に対し、《ゴリオ・ブゴリ》は必殺のアバレチェーンを叩きつける。
それを超高速機動で避けた   かに見えた《ダイナボルト》だったが、一度に二度襲い来るアバレチェーンの二撃目をかわせず、ダメージを負ってしまう。
しかしアバレチェーンの特性を見切った《ダイナボルト》は次々に襲い来る鎖を全てかわし続ける。
勝負は拮抗しているように見えたが、最初に喰らった傷を庇った《ダイナボルト》の一瞬の隙を見逃さず、《ゴリオ・ブゴリ》は全アバレチェーンを乗せた必殺中の必殺の一撃を振り下ろした。勝負あったか。

しかしそこに漆黒の影が割って入った、《ゲンムエンペラー》だ。
漆黒の龍は「夢幻の無」を生み出し、暴挙王国のクリーチャーたちを次々に呑み込んだが、《ゴリオ・ブゴリ》はなんと己の筋肉のみでその場に踏みとどまった。
その様子を見た《ゲンムエンペラー》はそれ以上何かをしようとせず、興味を失ったように次なる戦場に向かっていった。

邪魔が入ったことと《ダイナボルト》の傷から《ゴリオ・ブゴリ》は仕切り直しを宣言。再びの死力を尽くした戦いを約束して去っていった。




最後の戦場は、《勝熱英雄 モモキング》率いるチーム切札《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》率いる鬼札王国
しかし鬼札王国のデモニオ、《「疾風」の鬼 フウジン天》《「迅雷」の鬼 ライジン天》は《ジャオウガ》の手を煩わせるまでもないと《モモキング》の討伐に乗り出す。

他のチームの救援に向かっていた《モモキング》たちだったが、そこにまず《フウジン天》が立ちはだかる。
その圧倒的な風圧に苦戦する《モモキング》だったが、救援に駆けつけた《キタカゼマン A》《バークアステカ A》の参戦により形勢は逆転した   かに思われた。
しかしその極限の状況により鬼タイムを超える鬼タイム、鬼エンドの発動を引き起こしてしまう。
その強大な力により《百鬼の邪王門》を呼び出した《フウジン天》、そこから轟く雷とともに 《ライジン天》が姿を現した。
《フウジン天》と《ライジン天》のコンビネーションは鬼札王国でも随一。その波状攻撃に《キタカゼマンA》と《バークアステカA》は太刀打ちできず、《モモキング》さえも風によって攻撃すらままならず、ついに雷の一撃によって刀を落としてしまう。
絶体絶命、もはやこれまでかと《モモキング》が敗北を覚悟したその時、世界は唐突に無限の闇に包まれた。
その闇がひび割れていき、中から一匹の漆黒龍が姿を現した。もはや言うまでもないだろう。《ゲンムエンペラー》だ。

無限の龍はまず《フウジン天》を一瞥した。その瞬間、背後に「夢幻の闇」が開いた。
風の鬼は断末魔すらあげることなく世界から永遠に姿を消した。

相棒を失った 《ライジン天》は激昂し、特大の雷を《ゲンムエンペラー》に向けて放った。しかし漆黒の躰に傷一つつくことはなかった。
次の瞬間《ゲンムエンペラー》は漆黒の翼を 《ライジン天》に見舞った。
雷の鬼もまた断末魔すらあげることなく消し飛んだ。

残った小型デモニオたちもまた、「夢幻の闇」に一瞬で呑まれて消えた。
全ての戦いが終わった後《ゲンムエンペラー》は《モモキング》を意味深に一瞥し、龍頭星雲の方角に飛び去っていった。


突然の助っ人に救われた《モモキング》は感謝の念と自分の無力さを感じ、自分を磨くためのトレーニングを決意するのだった。

そして《ジャオウガ》もまた疾風迅雷コンビの敗北を受けていよいよ本気になり、自らが戦場に立とうとしていた...!





覇王連合の軍勢を相手取り他のチームを助けているが、チーム零のメンバー達の言によると、これらの結果は全て「たまたま」だったらしい。

チーム銀河を救った? そんなわけねーだろ! ゲンムエンペラー様はただ己の敵を起き上がり際に倒しただけだっつーの! ― 戯具 ザンボロン

チームウェイブを助けた!? バカ言うなよ、我らがゲンムエンペラー様はただ目の前に落ちて来た美孔麗王国のキングマスターを受け止めただけだ! けん玉のようにな!! ―戯具 ドゥゲンダ

モモキングを助けた!? 笑わせるな! 我らがゲンムエンペラー様が鬼たちを倒した時に、たまたまモモキングが戦っていただけだ! 勝手に話を組み替えるな、ブロックじゃねーんだから!! ― 戯具 ザンブロク

だが、彼の主人たるキングの名前を鑑みる限り本当に偶然だったのだろうか...。




そして強者の《ジャオウガ》と戦うべく、単身で鬼札王国に乗り込む《ゲンムエンペラー》。
その御前に近寄らせまいと《アンヤク夜叉》が立ち塞がり、《ゲンムエンペラー》の操る「夢幻の無」を鬼エンドの力で立ち所に無効化してその程度と嘲った。
だが、無効化された「夢幻の無」はあくまでおとり。本命の「夢幻の無」を自身の目の前に展開すると中に《ゲンムエンペラー》はその中に飛び込むと、《アンヤク夜叉》の無防備な背後に移動して強烈な一撃を加え、再起不能の状態に追い込んでみせた。

いよいよ本丸へ辿り着いた《ゲンムエンペラー》は、玉座に腰を下ろす《ジャオウガ》に向けて動く隙も与えずに漆黒の翼の一撃を食らわせる!
しかし、その一撃はなんと座ったままの《ジャオウガ》に足の金棒で難なく受け止められていた
それでも《ゲンムエンペラー》は構うこと無く最大級の「夢幻の無」を上空と地面に展開すると、二つの「夢幻の無」の間を往復し続けて身体を最大限に加速し、その勢いのまま《ジャオウガ》に強烈な体当たりを食らわせた。
これぞ必殺「虚数転生」

が…渾身の必殺技すら倒すには至らず、本気に火を付けた《ジャオウガ》はついに玉座から腰を上げた。
そして……その衝撃は、世界を激変させた。


凄まじい衝撃波により翼に傷を負った《ゲンムエンペラー》は「虚数転生」を封じられてしまい、やむを得ず「夢幻の無」を利用した死角からの攻撃を与えようとするが、未来視を操る《ジャオウガ》にはまるで通じず、トドメのかかと落としが放たれようとした…まさにその時!
修行を終えた《モモキング》が《勝熱英雄 モモキングReVo》となって《ゲンムエンペラー》のピンチに駆け付けたのだ!
新たに身に付けた能力・キリフダReVoは時間という概念を打ち破り、未来視を超越した一撃によりついに《ジャオウガ》は倒れた。

しかし、どこからともなく現われた赤い槍によって貫かれた《ジャオウガ》は鬼ヶ王魔(おにがおうま) エンド・ジャオウガ》として強化復活し、《モモキングReVo》と《ゲンムエンペラー》をまとめて相手にして優勢というとてつもない強さを発揮し始める。
モモダチの助太刀を受けて流石に後退するも、本拠地である獄鬼夜城で決着を付ける事を予告して撤退していった。




最終決戦の舞台である獄鬼夜城にて、チーム同士で手を取り合う事を近い集ったのは勝熱英雄 モモキングReVo爆龍皇ダイナボルトキング・マニフェスト「正義帝」、そして∞龍 ゲンムエンペラーだ。
ジャオウガは封印から解き放たれた鬼札覇王連合における最強のドラゴン《世界獣龍 テライグニス・アクアエル》を従えており、その強さは単純な戦闘力ならエンド・ジャオウガをも上回るという怪物だった。
そのような圧倒的強敵が放つ攻撃から《「新時代の福音」》を庇うと、ゲンムエンペラーは無言ながらも「オレがテライグニス・アクアエルを倒すから、お前はエンド・ジャオウガを倒せ」とモモキングに伝え、単身で世界獣龍に立ち向かっていく。

「夢幻の無」で世界獣龍を飲み込もうとするゲンムエンペラーに対し、テライグニス・アクアエルはその「夢幻の無」ごと食らって対抗する。
圧倒的暴食で全てを食らい飲み込む世界獣龍と「夢幻の無」を生み出し続ける∞龍、終わりが無いかに見えた戦いはアクアエルの許容量オーバーという形で終わりを迎え、「夢幻の無」によって虚無の彼方に追いやられてしまった
そして後にはゴリオ・ブゴリだけが残った。

奇跡が起きて桃天守閣が出現した際には九王の一人としてモモキングに助力し、何者にも頼らない孤高の存在として「無の力」を授けてエンド・ジャオウガ打倒に貢献。
結果的にジャオウガは大ダメージを受けて超獣世界より撤退する事になった。





と、長くなったがこれがゲンムエンペラーの十王篇における活躍である。
見ればわかると思うが、十王篇第三弾はまさしくゲンムエンペラー無双といっても過言ではないくらいの暴れっぷりを見せている。
第四弾ではラスボスのジャオウガに惜しくも敗北してしまうが、それでも単純な戦闘力ならジャオウガ以上と言われるテライグニス・アクアエルを相手に勝利を納めるなど挽回の機会にも恵まれており、一貫して非常に強力なクリーチャーとして描かれている。


王来篇

十王大戦の後、各チームのキングマスターはそれぞれの文明におけるリーダーも兼ねる事になり、ゲンムエンペラーは闇文明の代表者となっていた。
と言っても普段は「夢幻の無」に潜んでいるのだが…。

そんな折、超獣世界に歴史の破壊者として英雄を合成したディスペクターなる怪物が襲来する。
ディスペクターに対抗するべく、各文明の代表者が世界の記憶に触れて英雄の力を借りるレクスターズの力に目覚める中で、「夢幻の無」で瞑想していたゲンムエンペラーの元にも世界の記憶の断片として胸に巨大な瞳の付いた悪魔龍…魔の革命 デス・ザ・ロストが訪れる。
「力を得る代わりに貴様の一番大事なモノを差し出すがよい」と問われたゲンムエンペラーは無言を貫き、その結果無を差し出すと判断された事で無事レクスターズとして覚醒。
何らかの強者の気配を察知し、「夢幻の無」を出て超獣世界へと向かうのだった。

闇文明で破壊の限りを尽くすディスペクターの一体《神連結 バラデスメタル》と対峙するのは《虚∞龍 ゲンムエンペラー》
神の力と無の力の激突は闇文明その物が脅かされる程の激しい様相を呈するが、最後はゲンムエンペラーの無の力が連結部分を無かった事にされ、バラデスメタルの身体が崩壊。
超獣王来烈伝」に連なる王の一人「破壊王」を逆に破壊する事で勝利を納めた。



続いては《禁時混成王 ドキンダンテXXII》が目覚めようとする最中の一戦。
ゲンムエンペラーは全ての行動が罠とされる《偽電融 ネードシヴァ》に挑んでいた。

迂闊な攻撃を仕掛けようものなら敗北に直結するという敵を相手に、ゲンムエンペラーは真っ正面からの突撃を選択。
ニヤリとほくそ笑んだかに見えたゾルネードシヴァの発動する罠は…なんと全て「夢幻の無」に潰されてしまった。目には目を、罠には無を。
連続して放たれた翼の強烈な一撃で両断された挙げ句、ディスペクター特有の再生能力を発動する暇も無くゲンムエンペラーに身体を細切れにされてしまい、強敵・ゾルネードシヴァはここに打ち破られた。



最後の舞台は歴史的英雄歴史的戦犯が接続させられたディスペクター《戦国接続 ギャラクテスト・シデンシーザー》との決戦。
テ・ラ・スザークとの共闘で挑むも、超銀河剣 THE FINAL超銀河弾 HELLによって発生する次元の裂け目には「夢幻の無」すらも打ち消されてしまう

圧倒的パワーの超銀河兵器に太刀打ち出来ない二人に超銀河弾の一撃が迫る中、なんとテ・ラ・スザークがゲンムエンペラーに「夢幻の無」を展開するように提案。
いつもなら無視していたはずの提案だが、何か思うところがあったゲンムエンペラーは指示通り「夢幻の無」を展開させ、それをテ・ラ・スザークが「無月の門」で威力を倍増させる事で秘奥義「夢想封月」が完成した!
「夢想封月」によって超銀河弾の着弾を無力化すると、その勢いのままに「無月の門」を利用して超加速し、すれ違いざまの一閃でシデン・シーザーの身体を粉々に砕いて勝負を決めた。


王来MAX

予告通り超獣世界に舞い戻った《鬼ヶ覇王 ジャオウガ》改め《終来王鬼 ジャオウガ》の手で最強の鬼レクスターズである《神ナル機カイ「亜堕無」》《EVENOMIKOTO》が放たれ、ブランド、Code:1059、バラギアラと共にゲンムエンペラーも立ち向かう。
しかし創聖と蒼世の力によって作り出した停滞と退廃のエデンに閉じ込められてしまい、攻撃しようという思考にすら辿り着けず四人とも静かに朽ち果てようとしていた。

そこで立ち上がったのは鬼の侵攻を察知した超獣世界。
絆の力で世界その物が危ぶまれている事を知った超獣世界によって各文明の歴史が刻まれたタマシードが次々と産み出され、それぞれのタマシード達が共鳴する事でゲンムエンペラー達にも絆を紡いてゆき、その文明で生きた数々の生命戦いの歴史護られてきた平和が味方した事で、新たな力・S-MAX進化に目覚めたのだ!
ゲンムエンペラーもまた《ゲンム-MAX》として新生し、超獣世界の歴史という無限のエネルギーで停滞の世界を内側から爆発させると、四人それぞれが各文明の絆を込めた一撃を放ち、「亜堕無」とEVENOMIKOTOを討つのだった。



《CRYMAX ジャオウガ》の大咆哮によって「世界をつなぐ柱」が倒壊し、超獣世界その物が鬼化によって変質しクリーチャー達も思うように身動きの取れない中、ただ一人ジャオウガを強者と見定めて動き出した者がいた。
そう…ゲンムエンペラーだ。

S-MAX進化を発動して再度ゲンム-MAXとなり、無限の質量の夢幻の無をジャオウガにぶつけようとする。
だがジャオウガの持つ鬼の巻物によって無限の概念自体をタマシードとして封じられてしまい、更には技の反動で身動きが取れない所を「歴史を背負う資格のない雑魚が!」と罵られながら蹴り飛ばされて一撃で昏倒
気を失った状態で龍頭星雲の彼方へと吹っ飛ばされてしまうのだった…。


無の象徴、ゲンムエンペラー。彼の目的は最後までわからなかった。


ちなみに最近は超獣世界の監視者のお気に入りらしく、彼女の記した超獣世界の記録である「ミスティ・レポート」にも若干テンション高めの個人的感想が記載されている。


∞余談∞


  • パワー、コスト∞などの常識破りのステータスは、ネットに情報がもたらされた当初はコラが疑われた。

  • 口の描かれ方については各媒体で異なっており、アニメでは『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシを想起させる人間のような小さめの口になっており正直キモい、漫画ではまさにモンスターとでも評すべき牙を生やしたおどろおどろしい形状、カードイラストでは黒々とした表皮がそのまま牙となって開いている様子が《ゲンム-MAX》と《∞大龍 ゲンムエンペラー》で確認できる。

  • 零龍との関係は上述した通りどうあってもあちらはこちらに勝てない天敵と言える関係だが、同時に共通点も多く見受けられる。
    ・パワー∞ ≒ 全てのバトルに勝つ
    ・クリーチャーの能力を無効化する ≒ クリーチャーのパワーを0にする
    ・∞ブレイカー ≒ ワールドブレイカー
    シークレット版のイラストの構図が零龍の構図に何処となく似ていると言う指摘もあり、両者が深い関係にあることは間違いなさそうである。

  • ゲンムエンペラーは名前に「ゲンム」を冠している。
    これはかつてのドラゴン・コードに冠されていた名前であり、その意味は革命時代の英雄たちの記憶と記録から作られたドラゴンのデータを意味する。
    つまりゲンムエンペラーもまた何かのドラゴンの記憶と記録から作られた存在であると推測できる。
    まさか...

  • 途方もない数のゼロが積み重なった存在がゼロ・ドラゴンであり、同様にゼロが無限に積み重なった先に誕生したのがゲンムエンペラーであるとのこと。
    ゼロ・ドラゴンは零龍の「世界をゼロにする遺志」を受け継ぎ生まれた存在とも語られているため、その最上位種と思しきゲンムエンペラーもまた零龍を起源とする存在と言えそうだが果たして...

  • ジョー編最後の拡張パック「マスター・ファイナル・メモリアル・パック」にて再録された際には、呪文の無効化に関するテキストで「呪文の能力を無視する。」と記載されており、裁定変更で効果範囲が広がったのでは?と発売前に話題になった。
    しかし実際には誤植だったようで、無効化の効力も変わらずとなった。残念。


  • アビス・レボリューションの時期に発売された、歴代のドラゴン達を人気イラストレーターのさいとうなおき氏が懲りずに美少女擬人化してカード化するという企画商品「神アート ドラゴン娘の青春☆パラダイス」では、《斬隠蒼頭龍バイケン》《超竜バジュラズテラ》《龍仙ロマネスク》《龍世界 ドラゴ大王》らそうそうたる面々と共に選出。
    無口なゲーマー女子「帝王坂(ていおうざか) (ムム)」として転生した。その読み方は無謀だしやっぱり意識してませんか
    なおこちらではチーム零ではなく、バイケン改め蒼斬しのぶが通訳を担当している。



追記、修正は夢幻の闇から脱出してから、もしくはなんかの代償に"無"を支払ってからお願いします。

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最終更新:2024年10月19日 16:40

*1 《ゲンムエンペラー》が生きている限りスピードアタッカーは消えてなくなるが、除去された場合スピードアタッカーとして手札から投げられる。除去されなかった場合はそのままブロッカー等も消し去る《ゲンムエンペラー》がダイレクトアタックに殴りかかることになる。

*2 《落城の計》は「カード一枚を選ぶ」ため、下に置いてある《ゲンムエンペラー》を残さず《デスマーチ》だけバウンスすることが可能なのだ。詳しくは【青黒退化】で検索