NERF(ナーフ)

登録日:2025/06/05 Thu 23:55:00
更新日:2025/10/19 Sun 15:01:07
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It's NERF or Nothin'!(やっぱ!!ナーフでしょ)

『NERF(ナーフ)』とは米ハズブロ社が販売するトイガン(玩具銃)シリーズ。


【概要】


スポンジ製の弾である『ダーツ』と、それを発射する『ブラスター』からなる。
発射動力はバネ式のものが多いが、一部電動式のものなどもある。
現実の銃にそぐわないカラフルなボディも特徴。
これは実銃と区別するためのアメリカの法的規制によるもの。
「玩具銃は銃口をオレンジ色にする」という規定があるためオレンジのパーツを使う物が多く、ダーツも弾頭かスポンジ部にオレンジ色を使っている物が多い。

発射するものはダーツが多いが、それ以外のものを発射するブラスターも存在する。
例を挙げると、球体の弾を発射する「ライバル」シリーズ、ジェルボール*1を発射する「ジェルファイヤー」シリーズ、水を発射する「スーパーソーカー」シリーズなど。

コラボにもそれなりに積極的で、アニメや映画、ゲームに登場する武器やキャラクターをモデルにしたブラスターも販売している。

【歴史】


【遊び方】

1.ブラスターにダーツを込める
2.コッキング(ブラスターによっては必要なし)
3.トリガーを引いてダーツを発射


【注意】

スポンジ製の弾とはいえ、それなりのスピードで発射されたダーツにあたると結構痛い。
そのため、人(特に顔や目)、動物、精密機器などに向けないこと
目の保護のためにゴーグル等の着用を推奨。


【主なシリーズ】


Nストライク

日本で最初に発売されたシリーズ。
スコープ・マガジンなどのカスタマイズ性能に優れる。
シンプルなリボルバー式の「マーベリックREV-6」や、ストック・バレル・サイト・ライトとカスタムパーツが豊富な「リーコンCS-6」あたりが有名だろうか。
据置式になると、弾帯を採用した「バルカンEBF-25」といった大型のブラスターも存在する。
後述するマイクロショットの前身ともいえる「ジョルトEX-1」もこのシリーズ。
イメージカラーは黄色とオレンジ。

ボルテックス

「XLRディスク」と呼ばれる小型のディスクを発射するのが特徴。
一般的なダーツより飛距離が長いがディスク状ゆえブラスターが大型になりがち。
主なブラスターはハンドガンタイプの「プロトン」、長めの銃身とマガジンを持った「ニトロン」など。
イメージカラーはライトグリーンとオレンジ。

Nストライク エリート

Nストライクを順当に進化させた感じのデザイン。
ダーツがエリートダーツに変更され、飛距離も伸びている。
マーベリックの後継機の「ストロングアーム」「ディスラプター」、リーコンの後継機の「リタリエーター」など、過去作のリブート品もみられる。
ドラムマガジンを2つ備えた据置式の「ライノファイア」、どう見てもミニガンな「タイタンCS-50」など派手なデザインのものもちらほら。
他には状ブラスターの「ストラトボウ」といった変わり種も。
イメージカラーは青とオレンジ。

メガ

メガダーツと呼ばれる大きめのダーツを使用するのが特徴。
ハンドガンでも大きめな「マグナス」「トライブレイク」や全長105cmの「センチュリオン」など、ブラスターも大型になっている。
Nストライク エリートに引き続き、弓状ブラスターの「ライトニングボウ」「サンダーボウ」も登場している。
イメージカラーは赤とオレンジ。

ゾンビストライク

「ゾンビとの戦い」をコンセプトにしたシリーズ。
「ハンドメイド感」もテーマにしており、木製ストックやそれに巻かれた布の意匠がみられる(もちろんプラスチックでそう見せてるだけ)。
中折れ式で3発同時発射可能な「スレッジファイア」やレバーアクション式の「スリングファイア」、どう見てもチェーンソーな「ブレインソー」などユニークなデザインのブラスターが多め。
イメージカラーはライトグリーンとオレンジ。

Nストライク モジュラス

オプションパーツが豊富で高いカスタマイズ性能が特徴。
そのカスタマイズ性はほぼすべてのブラスターでパーツを共有できるほど。
マガジンやスコープ、ストックなどのオプションパーツの単品販売も行っている。
イメージカラーは白とオレンジ。

ライバル

アキュボールと呼ばれる球体の弾を発射するのが特徴。
トリガーには安全装置が取り付けられている。
対人戦(撃ち合い)を想定しているためか、フェイスマスクやベストなどの装備品も販売されている。
初期はチーム戦を意識し、赤青2色で別れたカラーリングだったが、後期のイメージカラーはスカイブルーとライトイエロー。

ウルトラ

ウルトラダーツと呼ばれる硬めのダーツを使用するのが特徴で、飛距離も最大36mと長め。
25発のドラムマガジンを積んだ「ワン」や2つのマガジン切り替えが可能でフル電動の「セレクト」、秒間7連射可能な「スピード」などブラスターの性能も上がっている。
イメージカラーは白とオレンジ。

エリート2.0

Nストライク エリートの後継品。
エリート2.0ダーツを使用し、飛距離もさらに伸びている。
「コマンダーRD-6」「エコーCS-10」などNストライク エリートで登場したブラスターの後継品が多め。
バレルが回転してさらなる連射が可能になる「フリップショット」もこのシリーズ。
操作の簡略化や持ちやすさの改善などを施し、対象年齢を下げた「エリートJR.」という派生シリーズも存在する。
イメージカラーはメタリックブルーとオレンジ。

ダイノスクワッド

恐竜のような見た目が特徴なブラスター
ティラノサウルスがモデルで電動式の「レックスランページ」、トリケラトプスがモデルで中折れ式の「トリケラブラスト」、ステゴサウルスがモデルで単発式の「ステゴスマッシュ」などモチーフ・デザインは多岐にわたる。
一方でデザインを優先したためか、カスタマイズ性能はあまりない。

Nシリーズ

N1ダーツと呼ばれるダーツを使用する。
他のナーフに比べて青・オレンジ・白を基調とした明るくポップなカラーリングが特徴。
マーベリックリスペクトな「アジリティ」や最大40発装填可能なマガジンを持つ「インフィニット」など、特徴的なブラスターも多い。

ロードアウト

N1ダーツを使用し、Nストライク モジュラスのようなカスタマイズ性を持たせたシリーズ。
ストック・バレル・スコープ・ダーツストレージなどといったパーツがそれぞれ交換可能。
同じパーツでもブラスターごとに形状が異なるため、自分に合ったカスタマイズができる。

スーパーソーカー

いわゆる水鉄砲
もとはララミ社の商品だったが2002年にハズブロ社に吸収合併され、その後ナーフブランドの一員となった。
発射方式は引き金式や空気圧式、電動式など様々。

フォートナイト

作中で登場する銃をモチーフにしたブラスターが販売されている。
「フレアガン」「コンパクトサブマシンガン」など再現度が高めのものもある一方、
どう見てもロケットランチャーな「RL」、どう見てもグレネードランチャーな「GL」など奇抜なデザインのブラスターも多い。

マインクラフト

矢やクロスボウをモチーフにしたものはもちろん、「心を奪うもの(剣)」や「ストームランダー(ハンマー)」のモデルもある(双方ともダーツ発射可能)。
他にはエンダードラゴンなど敵キャラモデルのブラスターも登場している。


リミテッド

主に他シリーズとのコラボで生まれたブラスター。
スター・ウォーズやリーグ・オブ・レジェンド、スター・トレックに登場する武器を模したブラスターが存在する。

マイクロショット

小型で単発式のブラスター。
銃口からダーツを込め、グリップ下部のレバーを引き、トリガーを引くといった3ステップで発射できる。

【ダーツ】

こちらも様々な種類が存在する
一部を紹介
ブラスターごとにダーツの互換が異なるので、対応するダーツは確認しておきたい。

ストリームダーツ

先がプラスチックで覆われた標準的なダーツ。
的倒しに。
シリーズの移り変わりに伴い、エリートダーツやN1ダーツなどの後継品に移り変わっている。

マイクロダーツ

先に吸盤がついたダーツ。
壁あてや的あてに
Nストライク エリートでは後継品となるサクションダーツが登場した。

【余談】

  • 『ナーフ』という名前の由来は、オフロード車のパーツのひとつである「ナーフバー」*2に由来する。
    ここでいう「ナーフ」とは追い越し時に車体同士を意図的に接触させることを意味する。
    この接触時に衝撃を緩和する役割を持つのが「ナーフバー」である。

  • MMORPG「Ultima Online」において、ある武器がアップデートで弱体化したことに対し、「武器がナーフになってしまった」と揶揄した書き込みが話題になった。
    そこから他のゲームでも「アップデートによる弱体化」を『ナーフ』と呼ぶスラングができた。
    なお欧米のFPS人気・銃文化もあいまって誤解されがちだが、ここで弱体化されたのは銃ではなく剣である(ナーフは銃以外の武器シリーズも存在する)。

  • 海外を中心に「NERF war」なるアクティビティが存在する。
    要はナーフ版サバゲーである。

  • Magic:the Gatheringデュエルマスターズにはナーフを持ち出して射撃するカードが存在する。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの親会社がハズブロゆえにできたことであろう。
    ジョークカードの類であり、またカードを的にする点が問題となるため公式大会などでは使用禁止*3
    特にMtGの方は発射数がブラスター依存で標的がライブラリー、副次的にダメージまで発生と色々な意味で破壊的な代物に仕上がっている。



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最終更新:2025年10月19日 15:01

*1 吸水することでBB弾程度の大きさになるジェル状の弾

*2 「リアバンパーステー」「リアエンドバー」とも呼ばれる

*3 厳密に言うとMtG版は「初めから公式大会で使用できないカード」として作成されたのに対し、デュエマ版は「カードのプレイ自体は公式大会でも可能だがナーフが大会ルール上持ち込み禁止(なので特に意味のないカードになる)」といった違いがある。