登録日:2025/06/05 Thu 23:55:00
更新日:2025/10/19 Sun 15:01:07
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It's NERF or Nothin'!
『NERF(ナーフ)』とは米ハズブロ社が販売するトイガン(玩具銃)シリーズ。
【概要】
スポンジ製の弾である『ダーツ』と、それを発射する『ブラスター』からなる。
発射動力はバネ式のものが多いが、一部電動式のものなどもある。
現実の銃にそぐわないカラフルなボディも特徴。
これは実銃と区別するためのアメリカの法的規制によるもの。
「玩具銃は銃口をオレンジ色にする」という規定があるためオレンジのパーツを使う物が多く、ダーツも弾頭かスポンジ部にオレンジ色を使っている物が多い。
発射するものはダーツが多いが、それ以外のものを発射するブラスターも存在する。
例を挙げると、球体の弾を発射する「ライバル」シリーズ、ジェルボールを発射する「ジェルファイヤー」シリーズ、水を発射する「スーパーソーカー」シリーズなど。
コラボにもそれなりに積極的で、アニメや映画、ゲームに登場する武器やキャラクターをモデルにしたブラスターも販売している。
【歴史】
黎明期
1970年、パーカーブラザーズ社(当時はゼネラルミルズ社傘下)は「世界初の室内用スポンジボール」と称した『ナーフボール』を発売。
その柔らかさから「家具を壊したり人を傷つけることがない」と安全性を評価されヒットした。
その後、ナーフブランドはスポンジ製ミニカーやスポーツ玩具などを中心に展開していった。
玩具銃としてのブランド確立
1985年にパーカーブラザーズ社は同じくゼネラルミルズ社傘下のケナー社と統合され、1987年にトンカ社がケナー社を買収したのち、1991年にハズブロ社がトンカ社を買収。
2000年まではケナー社がナーフの展開を担当していた。
1989年にスポンジ製ボールを発射する『ブラスト・ア・ボール』を発売。「撃つ」ナーフの原型となった。
1992年には初のハンドガン型となるナーフ『シャープシューター』を発売。玩具銃としての歩みはここから始まったといえる。
その後も様々な商品・シリーズを展開し、「ナーフ=スポンジ弾を発射する玩具銃」という基礎を固めた。
2000年には親会社のハズブロ社がナーフの展開を引き継いだ。
さらなるシリーズ展開
2003年には『Nストライク』シリーズの発売を開始した。
このシリーズからマガジンなどのパーツをカスタマイズできるようになった。
このカスタマイズ性はのちのシリーズにも受け継がれていく。
日本での展開
2009年にトミー社はナーフの日本展開を開始。
タカラトミー社に統合後も2018年まで日本展開を続けた。
その後の日本展開はハズブロの日本法人が担当している。
【遊び方】
1.ブラスターにダーツを込める
2.コッキング(ブラスターによっては必要なし)
3.トリガーを引いてダーツを発射
【注意】
スポンジ製の弾とはいえ、それなりのスピードで発射されたダーツにあたると結構痛い。
そのため、人(特に顔や目)、動物、精密機器などに向けないこと。
目の保護のためにゴーグル等の着用を推奨。
【主なシリーズ】
Nストライク
日本で最初に発売されたシリーズ。
スコープ・マガジンなどのカスタマイズ性能に優れる。
シンプルなリボルバー式の「マーベリックREV-6」や、
ストック・バレル・サイト・ライトとカスタムパーツが豊富な「リーコンCS-6」あたりが有名だろうか。
据置式になると、弾帯を採用した「バルカンEBF-25」といった大型のブラスターも存在する。
後述するマイクロショットの前身ともいえる「ジョルトEX-1」もこのシリーズ。
イメージカラーは黄色とオレンジ。
ボルテックス
「XLRディスク」と呼ばれる小型のディスクを発射するのが特徴。
一般的なダーツより飛距離が長いがディスク状ゆえブラスターが大型になりがち。
主なブラスターはハンドガンタイプの「プロトン」、長めの銃身とマガジンを持った「ニトロン」など。
イメージカラーはライトグリーンとオレンジ。
Nストライク エリート
Nストライクを順当に進化させた感じのデザイン。
ダーツがエリートダーツに変更され、飛距離も伸びている。
マーベリックの後継機の「ストロングアーム」「ディスラプター」、リーコンの後継機の「リタリエーター」など、過去作のリブート品もみられる。
ドラムマガジンを2つ備えた据置式の「ライノファイア」、どう見ても
ミニガンな「タイタンCS-50」など派手なデザインのものもちらほら。
他には
弓状ブラスターの「ストラトボウ」といった変わり種も。
イメージカラーは青とオレンジ。
メガ
メガダーツと呼ばれる大きめのダーツを使用するのが特徴。
ハンドガンでも大きめな「マグナス」「トライブレイク」や全長105cmの「センチュリオン」など、ブラスターも大型になっている。
Nストライク エリートに引き続き、弓状ブラスターの「ライトニングボウ」「サンダーボウ」も登場している。
イメージカラーは赤とオレンジ。
ゾンビストライク
「ゾンビとの戦い」をコンセプトにしたシリーズ。
「ハンドメイド感」もテーマにしており、木製ストックやそれに巻かれた布の意匠がみられる(もちろんプラスチックでそう見せてるだけ)。
中折れ式で3発同時発射可能な「スレッジファイア」やレバーアクション式の「スリングファイア」、どう見ても
チェーンソーな「ブレインソー」などユニークなデザインのブラスターが多め。
イメージカラーはライトグリーンとオレンジ。
Nストライク モジュラス
オプションパーツが豊富で高いカスタマイズ性能が特徴。
そのカスタマイズ性はほぼすべてのブラスターでパーツを共有できるほど。
マガジンやスコープ、ストックなどのオプションパーツの単品販売も行っている。
イメージカラーは白とオレンジ。
ライバル
アキュボールと呼ばれる球体の弾を発射するのが特徴。
トリガーには安全装置が取り付けられている。
対人戦(撃ち合い)を想定しているためか、フェイスマスクやベストなどの装備品も販売されている。
初期はチーム戦を意識し、赤青2色で別れたカラーリングだったが、後期のイメージカラーはスカイブルーとライトイエロー。
ウルトラ
ウルトラダーツと呼ばれる硬めのダーツを使用するのが特徴で、飛距離も最大36mと長め。
25発のドラムマガジンを積んだ「ワン」や2つのマガジン切り替えが可能でフル電動の「セレクト」、秒間7連射可能な「スピード」などブラスターの性能も上がっている。
イメージカラーは白とオレンジ。
エリート2.0
Nストライク エリートの後継品。
エリート2.0ダーツを使用し、飛距離もさらに伸びている。
「コマンダーRD-6」「エコーCS-10」などNストライク エリートで登場したブラスターの後継品が多め。
バレルが回転してさらなる連射が可能になる「フリップショット」もこのシリーズ。
操作の簡略化や持ちやすさの改善などを施し、対象年齢を下げた「エリートJR.」という派生シリーズも存在する。
イメージカラーはメタリックブルーとオレンジ。
ダイノスクワッド
恐竜のような見た目が特徴なブラスター
ティラノサウルスがモデルで電動式の「レックスランページ」、
トリケラトプスがモデルで中折れ式の「トリケラブラスト」、
ステゴサウルスがモデルで単発式の「ステゴスマッシュ」などモチーフ・デザインは多岐にわたる。
一方でデザインを優先したためか、カスタマイズ性能はあまりない。
Nシリーズ
N1ダーツと呼ばれるダーツを使用する。
他のナーフに比べて青・オレンジ・白を基調とした明るくポップなカラーリングが特徴。
マーベリックリスペクトな「アジリティ」や最大40発装填可能なマガジンを持つ「インフィニット」など、特徴的なブラスターも多い。
ロードアウト
N1ダーツを使用し、Nストライク モジュラスのようなカスタマイズ性を持たせたシリーズ。
ストック・バレル・スコープ・ダーツストレージなどといったパーツがそれぞれ交換可能。
同じパーツでもブラスターごとに形状が異なるため、自分に合ったカスタマイズができる。
スーパーソーカー
いわゆる
水鉄砲。
もとはララミ社の商品だったが2002年にハズブロ社に吸収合併され、その後ナーフブランドの一員となった。
発射方式は引き金式や空気圧式、電動式など様々。
フォートナイト
作中で登場する銃をモチーフにしたブラスターが販売されている。
「フレアガン」「コンパクトサブマシンガン」など再現度が高めのものもある一方、
どう見てもロケットランチャーな「RL」、どう見てもグレネードランチャーな「GL」など奇抜なデザインのブラスターも多い。
弓矢や
クロスボウをモチーフにしたものはもちろん、「心を奪うもの(剣)」や「ストームランダー(ハンマー)」のモデルもある(双方ともダーツ発射可能)。
他には
エンダードラゴンなど敵キャラモデルのブラスターも登場している。
リミテッド
マイクロショット
小型で単発式のブラスター。
銃口からダーツを込め、グリップ下部のレバーを引き、トリガーを引くといった3ステップで発射できる。
【ダーツ】
こちらも様々な種類が存在する
一部を紹介
ブラスターごとにダーツの互換が異なるので、対応するダーツは確認しておきたい。
ストリームダーツ
先がプラスチックで覆われた標準的なダーツ。
的倒しに。
シリーズの移り変わりに伴い、エリートダーツやN1ダーツなどの後継品に移り変わっている。
マイクロダーツ
先に吸盤がついたダーツ。
壁あてや的あてに
Nストライク エリートでは後継品となるサクションダーツが登場した。
【余談】
- 『ナーフ』という名前の由来は、オフロード車のパーツのひとつである「ナーフバー」に由来する。
ここでいう「ナーフ」とは追い越し時に車体同士を意図的に接触させることを意味する。
この接触時に衝撃を緩和する役割を持つのが「ナーフバー」である。
- MMORPG「Ultima Online」において、ある武器がアップデートで弱体化したことに対し、「武器がナーフになってしまった」と揶揄した書き込みが話題になった。
そこから他のゲームでも「アップデートによる弱体化」を『ナーフ』と呼ぶスラングができた。
なお欧米のFPS人気・銃文化もあいまって誤解されがちだが、ここで弱体化されたのは銃ではなく剣である(ナーフは銃以外の武器シリーズも存在する)。
- 海外を中心に「NERF war」なるアクティビティが存在する。
要はナーフ版サバゲーである。
- Magic:the Gatheringとデュエルマスターズにはナーフを持ち出して射撃するカードが存在する。ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの親会社がハズブロゆえにできたことであろう。
ジョークカードの類であり、またカードを的にする点が問題となるため公式大会などでは使用禁止。
特にMtGの方は発射数がブラスター依存で標的がライブラリー、副次的にダメージまで発生と色々な意味で破壊的な代物に仕上がっている。
Nerf War (3)(青)(赤)
ソーサリー
ライブラリー1つを対象とする。
最低2メートル離れたところからそのライブラリーに向けて、ナーフ(Nerf)®ブラスターを空になるまで発射する。
この方法でライブラリーから弾き飛ばされたカード1枚につき、それをそのオーナーの墓地に置き、Nerf Warはそのプレイヤーに1/2点のダメージを与える。
(スポンジ弾のみを扱う。)
相手のライブラリーに向けてナーフを撃つというトンデモカード。上記の通りジョークカード。
ダーツが当たれば当たるほどに
デッキ破壊とダメージが可能になる。
ライブラリー自体をターゲットに取るので呪禁などで回避しづらく、空になるまで撃てば結構バカに出来ない状況が発生する。
ちなみにダーツはスポンジ弾に限定されているが、ブラスターの制限はないので、大型のマガジンで弾数を増やしたりバレルを追加して命中精度を上げたりといったテクニックも可能。
余談だが、MtGの長い歴史においては過去に距離を指定するカードもあったが、
メートル法での測定が指定された初のカードとなる。
イラストではゴブリンがダーツの弾幕にやられている。
| インビンシブル・ナーフ P 火文明 (13) |
| 呪文 |
| 5メートル以上離れた場所から、相手のシールドをナーフガンで5回射つ。ダーツが当たるたび、そのシールドを持ち主の墓地に置く。 |
いわゆる
インビンシブル呪文の一種で、こちらはシールドを打ち抜く。
ただし自分のシールドにダーツが当たるとそれも墓地へ置かれてしまう。
確実にシールドを3枚墓地へ送れる《インビンシブル・フォートレス》もあるのも向かい風。
こちらもブラスター側の制限はないのでカスタマイズすれば成功確率は上がるかもしれない。
イラスト欄には「Nストライク エリート サージファイヤー」の写真が載っている。
追記・修正お願いします。
- コメント1発目で余談の方の話題になって申し訳ないが、スラング方面で知名度上がったのってシャドバ辺りの影響かね -- 名無しさん (2025-06-06 00:19:01)
- 洋ゲーとか海外コミュニティだと昔から聞いたけど国内で広まったのはいつ頃だろうか -- 名無しさん (2025-06-06 00:42:48)
- ナーフって気無しに使ってたけど、ルーツは君だったのか -- 名無しさん (2025-06-06 02:07:39)
- 原点ultimaの「これじゃナーフガンじゃねぇか」的な揶揄なのは確かなんだが、広まりのルーツを辿るのはもう無理かもしれんな -- 名無しさん (2025-06-06 05:36:03)
- マジックザギャザリングのジョークカードにコイツを使う事前提のカードが有る、ご丁寧にテキスト内のnerfには向こうの著作権マーク付き -- 名無しさん (2025-06-06 07:44:40)
- 弟分のデュエマにもある…大会会場でやるには中々辛い -- 名無しさん (2025-06-06 08:01:40)
- すっごい乱暴に言うと、スポーツチャンバラの銃バージョンのイメージ -- 名無しさん (2025-06-06 10:09:56)
- 並行輸入でHALOのクソルトライフルのやつ買ったけど、色以外はかなり再現度高いし電動発射ギミックも楽しくて中々いい買い物だった -- 名無しさん (2025-06-06 10:33:24)
- もうちょっと内容を充実させることは出来ないかな…それぞれの内容の紹介が2行程度は流石に薄い。 -- 名無しさん (2025-06-06 14:15:14)
- ナーフって言葉自体はいいんだが英語圏だと対義語がバフになってるらしいんだよな。いくらスラングとはいえ滅茶苦茶すぎんかと。 -- 名無しさん (2025-06-06 18:36:47)
- youtubeでNERF使ったFPSごっこ動画見た結果、買い始めたけど、日本じゃ売ってない電動系がそこいらの電動ガンやガスガン並みに高いんだが・・・ -- 名無しさん (2025-06-06 19:57:13)
- ↑7 高額カード使える環境なら唱えただけで相手が投了しそう -- 名無しさん (2025-06-06 20:47:08)
- 遊んでみると結構楽しいぞ -- 名無しさん (2025-06-06 22:02:13)
- ナーフって、こっちが語源なのか -- 名無しさん (2025-06-06 23:19:18)
- エアガンとはまた違った良さがあるね。小型のやつとかつい手に持ってガションガションしちゃう -- 名無しさん (2025-06-07 02:45:12)
- Nストライクエリートの小さい奴しか持ってないが、適度なリコイルがあってプリンキングが楽しいよね -- 名無しさん (2025-06-07 07:57:40)
- ウィザーズ・アンド・コーストじゃなくてウィザーズ・オブ・ザ・コーストですね -- 名無しさん (2025-06-07 15:25:25)
- ↑D&Dに引きずられておかしな表記してました。修正してくださった方にも感謝 -- 名無しさん (2025-06-07 16:34:42)
- これ元ネタの時に弱くなったの銃じゃなかったのか…ずっと銃が玩具の銃になった的なニュアンスだと解釈していたから、何らかの銃が弱体化を食らったものだと -- 名無しさん (2025-06-07 16:43:33)
- やってるゲームで下方修正される度にナーフナーフ言ってる人がいたけどそういう意味かww なんの省略にもなってなくて意味不明だったけど長年の謎が解けたわww -- 名無しさん (2025-06-08 13:05:07)
- ハースストーンからシャドバに輸入されて日本に普及したイメージがある -- 名無しさん (2025-06-08 14:05:41)
- このおもちゃ自体は知っていたけど、まさかソシャゲのナーフの元ネタだったとはね。驚いたよ。 -- 名無しさん (2025-06-09 22:24:20)
- カッコいい銃玩具 -- 名無しさん (2025-08-29 21:52:13)
- 大人でもいじってて楽しい玩具なのにネガティブな意味合いに使われて相当もやる -- 名無しさん (2025-09-28 19:23:55)
- ナーフは対人戦であまりにも大暴れした要素を弱体化して環境を改善するのが本来の運営の役目ではあるが資金や経験値や素材稼ぎなど下準備やそもそも対戦ゲーでもないのに運営が仕様を改悪してくる事は大荒れする原因になりやすい色んな意味で間違ったナーフ -- 名無しさん (2025-10-19 15:01:07)
最終更新:2025年10月19日 15:01