オヴ・シディア

登録日:2025/06/05 (木) 21:58:51
更新日:2025/06/06 Fri 19:20:17NEW!
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隻眼の王、オヴ・シディア。
自らの正義を信じ、それに反するものに制裁を加える。



「我こそは正義のマスター。汝の正義で照らせ。」

オヴ・シディアとは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。

概要


DMRP-02 「デュエル・マスターズ 新2弾 マジでB・A・Dなラビリンス!!」にて収録された、光文明初のマスターカード。
切札ジョーのライバル、輝ヒカルが最初に手にしたマスターカードでもあったが……。

光のマスターカードと聞いて、かの《聖霊王アルカディアス》と言ったヒロイックな切札を連想する人もいるかもしれないが、
その見た目はダイヤモンドカットされた黒曜石に、かつてデュエマとコラボした「バックベアード様」の如く赤い一つ目が付き、周囲には同じく一つ目の付いた拳が浮遊しているという、お世辞にも光の存在とは言い難い外見である。

メタリカという種族自体が光文明らしい「正義」と「傲慢」を色濃く反映している陣営ではあるが、このクリーチャーの外見にはそれが最も色濃く反映されていると言える。

性能


オヴ・シディア MAS 光文明 (8)
クリーチャー:メタリカ 13500
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーの数と同じ枚数、自分の山札の上からカードを表向きにしてもよい。その中から、コスト6以下のメタリカをすべてタップ状態でバトルゾーンに出し、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
マスター・ラビリンス:このクリーチャーが攻撃する時、自分のシールドまたはクリーチャーの数が相手より多ければ、自分の手札をすべて、それぞれ新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置いてもよい。

メタリカ陣営の本質を具現化したような禍々しいフォルムとは逆に、メタリカの普段の戦法とは逆の「劣勢時の切り返し」に向いたスペックである。

登場時に相手のクリーチャーの数だけ山札の上を確認し、その中の6マナ以下のメタリカを全て踏み倒すことができる。
相手依存ではあるものの一瞬で盤面の有利を覆すことができる強力な能力であり、デッキ内容を中・軽量メタリカで固めればその期待値も高くなる。
自分が有利な状況に置いても、やはり相手依存ではある物の更なる大量展開が望める為、攻防一体の能力と言える。
タップしておかれる点も、誘導能力と組み合わせることである程度カバー可能。

また、攻撃時に盾かクリーチャーの数が相手より多ければ専用能力であるマスター・ラビリンスが発動、任意で手札を全てシールドにすることができる。
置く枚数を調節できないために融通が利かない点はあるものの、盾を大幅に増やせるため、他のメタリカのラビリンスのサポートになる。
条件も自身の展開能力とかみ合っており、出した次のターンに数体クリーチャーを追加すれば、簡単に発動できるだろう。

1枚で場を制圧できるマスターに相応しいカードだが、全体的に相手依存な点とコストが重く出すまでが一苦労なのが難点。
また、もう片方の切り札である《大迷宮亀 ワンダー・タートル》とは役割が被るうえに、互いに踏み倒しあうことができず、微妙に噛み合わない。
どちらも《星の導き 翔天》や《ノヴァルティ・アメイズ》で踏み倒せるとはいえ、欲張って両方を詰め込むよりは片方をメインにして構築するほうが使いやすいだろう。


……とまあ、荘厳なイメージの割にイマイチ受け身な性能であり、同時に登場した《“罰怒”ブランド》と見比べるとややパッとしない性能。
それもその筈、その後のストーリーにおいては、言葉を選ばず言えば「踏み台」の如き扱いを受けており……。

派生カード



かつて隻眼の王と呼ばれた存在も、DGに取り込まれていった。

オヴ・シディアDG SR 無色 (8)
クリーチャー:メタリカ 12000+
T・ブレイカー
相手のターンのはじめに、自分のシールドを1つ手札に加え、その後、自分の山札の上から2枚を裏向きのまま新しいシールドとしてシールドゾーンに置く。(こうして手札に加えたシールドカードの「S・トリガー」を使ってもよい)
ラビリンス:自分のシールドの数が相手より多ければ、自分のメタリカのパワーを+5000する。
とうとう完成した《プランDG》に取り込まれてしまった姿。
姿もDGを反映してか、刺々しい水晶が体中から生え、本体には仮面が、両腕は蛇の尾のような触手を出す竜の頭部の形状となり、ますます禍々しくなった。
それでも文明は闇ではなく無色になっている。

性能の方は相手ターン開始時に暴発とシールド追加を行い、ラビリンスで自軍に+5000のパンプアップを行うというもの。
パワーアップ前から据え置きのコストを持つ為やや扱いづらいが、維持出来れば山札の続く限り無尽蔵にシールドを増やしつつSTを発動出来る動きが可能。
同時収録の《隻眼ノ裁キ》のと相性は抜群、「隻眼の王」の名に恥じぬ制圧力を発揮出来る。
構築済みデッキの収録とはいえ、レアリティがパワーアップ前から下がっているが……?

ちなみに当時連載していた『でんぢゃらすじーさん邪』が『なんと!でんぢゃらすじーさん』に改題するにあたり、「邪」の最終巻と「なんと!」の1巻を購入して応募券を送付することでコラボ版の当カードが抽選で入手できる企画が行われていた…のだが、肝心のイラストはなんと顔面と両手がじーさんの顔になっているという衝撃的なものであった。

「どうも、DG(でんぢゃらすじーさん)です」

孫「さっさと墓地にいけ!!」

オヴ・シディア† SR 光文明 (10)
クリーチャー:メタリカ/サバキスト 15000
シンパシー:自分のシールドゾーンにある表向きのカード(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、自分のシールドゾーンにある表向きのカード1枚につき1少なくなる。ただしコストは0以下にならない)
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは破壊されない。
このクリーチャーが攻撃する時、自分のシールド1つに重ねた表向きのカードを好きな枚数、コストを支払わずに使ってもよい。
今度は《煌世主 サッヴァーク †》に仲間入りし、サバキストとなった姿。
文明は光に戻っている。

天海の精霊シリウス》に並ぶ超大型ブロッカーだが、自身の持つシンパシーによって自己軽減が可能になり、これまでの形態より取り回しは幾分かマシになっている。
自身に破壊耐性を付与するcipによって確実に攻撃時効果を発動でき、攻撃時に裁きの紋章などで重ねた表向きのシールド全てをコスト踏み倒しで使用することが出来る。
サバキデッキに特化した性能であり、ハマった時の強さは別格。

コヴ・シディア UC 光文明 (5)
クリーチャー:メタリカ 3500
ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに、表向きのまま、自分のシールド1つの上に置く。(そのシールドの束は1つと数える)
自分のターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体タップまたはアンタップしてもよい。
ライトハンド・ライトニング UC 光文明 (3)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
相手のクリーチャーを1体選び、タップする。
カードを1枚引く。
超天篇では拳単体でカード化。
ますますレアリティが下がったが…?

クリーチャー側は破壊された際に表向きでシールドの上に置かれる、裁きの紋章と同じ性質を持つ。
場に出していてもクリーチャーをタップまたはアンタップさせる事が出来る為、メタリカの戦術とも合致している。

呪文側は《ヴァルハラ・マジック》が1コスト増えた代わりにハンドサポートを受けられるようになった相互互換。
クリーチャー側の能力でほぼ任意のタイミングでシールド化出来る為、じわじわとアドバンテージを稼ぐ事が可能。
地味にこれまでに登場した派生形態全てと相性が良く仕上がっている。

オヴ・シディア <サザン.Star> R 光文明 (4)
スター進化クリーチャー:メタリカ/エンジェル・コマンド・ドラゴン/レクスターズ 6000
スター進化 :レクスターズまたは光のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
W・ブレイカー (このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
このクリーチャーが攻撃する時、自分のコスト4以下のクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。
十王篇ではサッヴァーク共々充電期間を経過したのち、レクスターズとして再登場。
アニメ「VSRF」でキラが小学3年生だった頃の切り札の1枚である《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》を継承しており、新旧切り札の競演と言えるかもしれない。

サザン特有の味方を参照した大量ドローは、攻撃時に自身含むコスト4以下の数だけドローする物として再現された。
元のサザン同様ウイニー系統のデッキと非常によく噛み合う性能。
ブランクのせいかレアリティが腕単体の頃から1つ分しか違わない


レク・シディア UC 光文明 (2)
クリーチャー:メタリカ/レクスターズ 3000
ブロッカー (このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
相手のクリーチャーは、出たターン攻撃できない。
王来MAXで登場した、現状最後の派生カード。
光2コストブロッカーとしては標準的なスペックに加え、相手のクリーチャーに出たターン攻撃出来なくなる効果を付与する。

単純ながらも速攻デッキやMFなどに対してメタとなる性能であり、環境でも攻撃出来ないデメリットこそ重かったものの意外と使われていた。
一番レアリティが低い時が一番採用率が高かったとはなんという皮肉…

背景ストーリーでの活躍


光文明に君臨する「隻眼の王」として登場。
光文明の上空に存在する天空城の迷宮の奥底に鎮座しており、それまでは全く姿を見せていなかった模様。
その姿は《青守銀 ヘイロー》を始めとする一部の物には神々しくも禍々しくも思われていた模様。
「世界をつなぐ柱」の中にある迷宮こそ、光文明の力の象徴であり、ラビリンス戦略の名の由来。
そして、迷宮から現れたオヴ・シディアは、さらに強力なラビリンス戦略を持っていた。
自らの先端から滴り落ちる雫からクリーチャーを生み出す事ができ、《正義の煌き シーディアス》はその中でも最強の存在らしい。

火文明への宣戦布告、オヴ・シディアがマスター契約を果たした事でとうとう表立って火文明への攻撃を始めるも、それぞれのマスターが和解した事でジョーカーズと共同戦線を結んだ火文明のビートジョッキー達は反撃、余りに自由過ぎるジョーカーズに苦戦させられる。
そしてかつて倒した《“罰怒”ブランド》にリベンジを果され、その体に風穴を開けられてしまうも、ブランドの勝利と平行してDGが怪しく蠢き出す。

そしてオヴ・シディアはDGに取り込まれ、《オヴ・シディアDG》と化すのだった。
今度は自分がリベンジを果たす側になりつつも、ブランドとシディアの戦いは果てしなく続く─。

…その後の出番?
まあその、長々と書いておいてゴメン。
このクリーチャー、双極篇以降の出番が殆ど無いのである。

と言うのもサッヴァークが登場して以降、キラの相棒としての枠を殆どそちらに取られてしまった為、それを反映してか背景ストーリーでもサッヴァークが真のマスターであるという記述も寄せられているほど。

上記の通り思い出したように新規カードが出る分、まだマシとも言えなくも無いが…。
中途半端に出ている分どうしても歯がゆさも感じてしまう。

アニメでの活躍


2017』9話にてキラがボルツとの真のデュエルで初登場。
当初はキラが母から渡された黒いカードだったが、キラの母が与えた「クリーチャーを展開せずに攻撃を受け続ける」と言う試練を達成し、マスター契約を果たすと共にSSTの《ノヴァルティ・アメイズ》から踏み倒されて登場。
能力を最大限に活かしボルツの速攻デッキを封殺し逆転勝利した。

29話では《最終“罰怒”梵破》で強化された《“罰怒”ブランド》に破壊されてしまうも、DGの力を受け《オヴ・シディアDG》へとパワーアップ。
同時に出現した《隻眼ノ裁キ》と組み合わせてまたしてもボルツを倒した。

アニメでもここで出番が終了しており、最終的に真の切り札に取って代われるという不遇さはイマイチ否めない。


デュエル・マスターズ プレイスでは


オヴ・シディア MAS 光文明 (8)
クリーチャー:メタリカ 13500+
T・ブレイカー
バトルゾーンに出た時、自分の山札の上から6枚を表向きにする。その中からコスト6以下のメタリカを2枚までタップしてバトルゾーンに出す。残りをランダムな順番で山札の一番下に置く。
マスター・ラビリンス:攻撃する時、自分の、シールドまたはクリーチャーの数が相手より多ければ、自分の手札を好きな数シールド化する。そのターン、こうしてシールド化した手札1枚につき自分のメタリカすべてのパワーを+3000し、「パワード・ブレイカー」を与える。

DMPP-31「自由の弾丸 -HERE COMES NEW WORLD!!-」にて実装。
cipはデッキトップ6枚を確認した後、2体までを踏み出す疑似的なW・メクレイドへと変更。
マスター・ラビリンスは手札をシールド化する枚数を調整できるようになり、1枚シールド化する度に味方メタリカ全員に+3000のパンプアップとパワードブレイカーの付与を行うように。
尚、パワードブレイカーの付与は手札をシールド化した枚数と特に関係ない為、1枚もシールド化しなかったとしても一応付与は可能。
何らかの方法で他のクリーチャーをパンプアップさせておいた場合にも活かせるかもしれない。
全体的にデュエプレ特有の盤面制限に合わせた調整となっており、TCG版に比べると爆発力は落ちた物の、安定感は増している。

能力公開当初こそTCG版での低評価が祟ってか軽く見られていた物の、いざ新環境が始まるとジョーカーズビートジョッキーといったビート系デッキが流行した事もあり、メタクリーチャーや各種踏み倒し手段と共存した【光単メタリカ】が成立。
主に更なる展開札や高い打点を活かしたリバース・ブロッカーの的として活躍している。
登場当初の時点では、TCG版の冷遇が気にならない程の、同時に実装された他のMASよりも頭一つ抜け出た活躍ぶりである。

余談


名前の由来は黒曜石の英名、「オブシディアン(Obsidian)」だろうか。
黒々とした見た目が似ている他、「切れ味が鋭い」と言った性質から、光文明のクリーチャーとしての在り方が伺える。
また、オブシディアンの中には金色の光沢が見られる「ゴールデンオブシディアン」が存在しており、光文明のマスターのモチーフとして選ばれたのはこれが理由か?
その他にも虹色の光沢が見られる「レインボーオブシディアン」が存在するが、無色になったりしつつも黄色を維持していたこのクリーチャーにとっては皮肉でしかない

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最終更新:2025年06月06日 19:20