イース・オリジン

登録日:2020/04/03 (金曜日) 0:17:00
更新日:2024/09/12 Thu 21:14:17
所要時間:約 21 分で読めます




全ての運命は その《塔》に紡がれる────






イース・オリジン』(Ys ORIGIN)とは、日本ファルコムから発売されているARPG、『イース』シリーズの第7作目。

そのタイトルの通り、イースの起源・つまりイースI・Ⅱに繋がる、700年前のイースを舞台としたストーリーが展開する。
上記の通りⅠ・Ⅱの時代から700年前が舞台である為、イースシリーズでお馴染みの主人公・アドル=クリスティンはストーリーでは登場せず、
3人の主人公によるそれぞれ違ったストーリーが描かれている。

コンシューマ機向けにはまずは2017年2月にPS4、追って2017年5月にPSVita、2018年4月にXbox One、2020年10月にはNintendo Switchにも展開されている。

【ストーリー】



『黒真珠』による魔法と、魔力を増幅する魔法の金属『クレリア』。そしてそれをもたらした双子の女神の統治によって繁栄してきたイース王国。
突如そのイース王国を襲った『魔』の勢力に対し、人類は劣勢を窮め、女神の住まう『サルモン神殿』に追いつめられる。
とうとう女神と彼女らに仕える6神官達は、黒真珠の魔力を用いてサルモン神殿を周囲の大陸ごと天空に浮上させた。
しかし、『魔』の勢力はそれを追うように天高くそびえる《塔》を建立し、塔の上層から翼を持った魔物達がサルモン神殿を襲うようになる。

危機迫る中、ある日双子の女神がサルモン神殿から突然その姿を消すという事件が起こる。
人々の心の拠り処を失う訳には行かないと考えた6神官たちは、選抜隊を組織し地上へと女神達を探しに行かせる決定を下した。
選抜隊に選ばれた少女・少年の運命は。そして双子の女神達はなぜ突然姿を消したのか?
全ての運命は、天高くそびえ立つ禍々しい《塔》に集まっていく────

【システム】


システムは6(ナピシュテムの匣)、及び前作にあたる『フェルガナの誓い』を踏襲したクォータービュー(斜め上方からの視点)の3DARPG。
基本操作や、MPを使用して発動する3属性のスキルの存在などは前作とほぼ同様。
違うところと言えば、一時的な強化『ブースト』の効果時間中にもう一度ブースト発動ボタンを押下すると、
ブーストの終了と引き換えに強力な攻撃『バースト』を発動させることが出来る点くらいだろうか。
能動的に使える回復アイテムが無い点もフェルガナの誓いと同様である為、(ノーマルでもクリアまでに何回も死ぬ前作に比べれば幾分かは易しくなってはいるものの)敵の攻撃範囲や火力が上昇する高難易度では前作とほぼ変わらぬ難し目の難易度となる。
だが、雑魚敵は前作までに比べ属性耐性が細かく設定され*1、更にいやらしい行動を取る魔物が増えたので道中の難易度は前作までより高め。

【登場人物】


・ユニカ=トバ

主人公の1人であり、力の神官・トバ家の娘。Ⅰに登場したサラ・ジェバ・ゴーバンの祖先にあたる。
神官の家系でありながら生まれつき魔法が使えないという境遇にあるが、神殿騎士団の団長を務める父親譲りの腕力を以て斧を振り回して戦う神殿騎士見習いの少女。
鍋つかみのようなミトンを手袋代わりに、カントリー風なゆるふわ衣装(敵勢力の少女からは『野暮ったい』と揶揄されている)で斧を振り回し戦うその姿はギャップが有る。
双子の女神大好きっ娘であり、他の人物が女神を崇高たる存在として一歩引いて接する中、彼女だけは堂々と『年上の友達』のように接しており、女神達もそんな彼女を妹のように可愛がっている。
しかし、その一方で、女神が好きだからという理由だけで捜索隊に志願し、ほかのメンバーを呆れさせている。就職面接だったら変な奴認定されてお祈りされた可能性大。
めっちゃやり込むと制服姿が解禁される。
攻略本の設定資料集によると、初期設定では鉢巻をしたパンツスタイルだった模様。



・ユーゴ=ファクト

主人公の1人であり、心の神官・ファクト家の息子。『ファクト』の名から分かる通り、Ⅰにおけるラスボス・ダルク=ファクトの祖先にあたる。
魔道具『ファクトの眼』を操る『魔導の若き天才』として名を馳せつつあり、既に神官ファクトの後継者に内定している。
魔法の腕は確かであり冷静な性格だが、歯に衣着せぬ物言いをする為、しばしば他の捜索隊メンバーと対立してしまう事も。しかし、そのわけはゲームをプレイすると少しずつ分かっていく。
ファクト家の理念である終わりなき力の追求や、父親からの密命の内容に苦悩する様が描かれる。その苦悩の中、ダレスの甘い誘いに乗ってしまって…。
ミュシャという幼馴染が居るが、彼女そっちのけで何故か敵勢力の女性達に引っ張りだこという若干のハーレム気質が有る。
鉤爪の男編では2回中ボスとして立ちはだかる。


・鉤爪の男

ユニカ編とユーゴ編に登場する、敵対勢力に与する謎の男。
その正体はかつての神殿騎士団副団長にして、サルモン神殿浮上までの時間稼ぎの為にユニカの父と共に地上に残った後、行方不明になっていたユーゴの兄・トール=ファクト。
そして3人目の主人公でもあり、他2人のストーリーをクリアすると彼のストーリーが選択できるようになる。
神殿騎士であった彼が何故剣を捨て、闇の勢力に協力しているのか?ユーゴ編最終盤で彼に語った『見出した道』とは?
その真実は彼のストーリーをプレイすれば判明するだろう。
初期設定では顔に布を巻いた怪しい外見だった。



・フィーナ

双子の女神の一人。イース1では彼女がヒロインであったが、今作はその座をレアに譲り気味。
鉤爪の男編のストーリーでは、ダレス達の正体を少ない発言から察してみせた。


・レア

双子の女神の一人。今作では彼女が正ヒロインと言えるかもしれない。
イース1の時代、何故彼女の愛用していたハーモニカがあんな廃坑などに安置してあったのかがラストにて判明する。


・ガレオン

神殿騎士団副長の1人にして、隊長ともう1人の副長であるトールが行方不明になった現在は隊長代理を務めている男。
真面目で実直であり、部下にも優しさと厳しさ両方をもって接する優秀な人物。
鉤爪の男編序盤ではボスとして対陣する。


・セシリア

現在の神殿騎士団の副長補佐。黒髪ロングの凛としたお姉さんで、部下であり見習い騎士であるユニカにも厳しい態度で接する。
女神フィーナとレアに対して忠誠心が非常に高く、2人に無礼な発言をしたユーゴに激昂し、ガレオンに止められるシーンもあるほど。
ぶっちゃけ見せ場が全く無いのは内緒


・ラモナ

神殿騎士団の女性。
セシリアに比べ軽装であり、性格もフランク。セシリアが鞭担当なら彼女が飴担当。


・ロイ

神殿騎士団員であり、ユニカの1つ歳上の幼馴染の男子。
幼馴染という事はつまりそういう事である。
だがユニカ編のストーリーでは彼は……


・カデナ

捜索隊の魔導士部隊を率いるリーダー的存在の女性。
魔導に関しての知識は随一。
味方側のエロエロお姉さん枠


・ミュシャ

魔導士部隊の1人であり、ユーゴの幼馴染の女子。
ロイと同じく、幼馴染という事はつまりそういう事である……と言いたいところだが、後述するエポナの存在によりそっち方面ではけっこうな空気。
ユニカ編・ユーゴ編では中盤に魔物に襲われている彼女を助けるイベントがある。

・リコ=ジェンマ

魔導士部隊の1人。名前的には女性っぽいがメガネ男子である。
こちらもユーゴの幼馴染であり、ユーゴのやや面倒な性格をよく理解している友人でもある。
ユニカ編、ユーゴ編では彼に拾ったクレリア鉱を渡すことで武器を強化して貰える為、ある意味捜索部隊の中で一番お世話になるし印象に残る人物。
名前から分かる通り、イース1、2に登場したルタ=ジェンマの祖先である。


・シオン

サルモン神殿祭司長を務める柔和な雰囲気の若い男性であり、捜索隊の実質まとめ役。
歳下にも敵にすらも敬語で話しかける丁寧な人物だが、清浄な魔力を駆使した魔法の実力は6神官に次ぐほど優秀。
鉤爪の男編中盤ではボスとして登場。その実力を見せつけてくる。
NGワード:ノーコン、安全地帯


・エオリア

サルモン神殿祭司の1人の若い女性。知的な雰囲気を含んだ微笑みが素敵。
ユニカ編、ユーゴ編では彼女と連絡が取れるアイテム・リラの貝殻をくれ、使用すると彼女と連絡が取れる。1つくれ


・ディーノ

サルモン神殿祭司の若い男性。ストーリーでは殆ど目立たないが、転移時に妨害を受け散り散りになった仲間を集めたのは彼の尽力のたまもの。


<敵勢力>

・ダレス

今作の敵勢力のリーダーにして、【闇】の一族を率いる首領の若い男。
イースⅡにて登場したあのダレスと同一の存在であり、この頃から石化大好き野郎。
一方でユーゴには甘い誘いをする一面も。
今作の時点で主人公達によって討たれるが、何故ザバ共々Ⅱの時代で蘇ったのかもストーリーの中で判明する。


・ザバ

妖艶な女魔導士。ヘソ出し巨乳のお姉さん。敵のエロエロお姉さん枠
Ⅱも敵勢力の幹部として登場したあのザバと同一人物。
性格は高飛車で残虐という、解りやすい悪の女魔導士といったところ。
召喚術師でもあり、本作の敵の魔物の多くは彼女が召喚しているようだ。
NGワード:年増、痛そうな女


・エポナ

【闇】の一族きっての女戦士。炎を纏った槍を用いて戦う。
作戦を説明されても細かいところは忘れる、一度に2つ程質問されると分からなくなる等、割と脳筋気質。
曰く『魔導士は理屈っぽくて根暗で嫌い』らしいが、ユーゴ編ではそんな魔導士であるユーゴとなんやかんや色々あって実質正ヒロイン。
ユーゴ編の後半、ダレスの甘い誘いに乗ったユーゴの目を覚まさせようとするが…。


・キシュガル

歴戦の雰囲気を漂わせる屈強な男であり、エポナの兄である【闇】の一族の戦士。
バトルジャンキー気質だが、そのイメージにそぐわぬ氷の属性を用いた戦術を得意としている。
サルモン神殿浮上の際地上に残ったユニカの父を激戦の末討ち取った、ユニカにとっては父の仇。
ちなみに前々作ナピシュテムの匣のラストダンジョンとして、彼と同じ名を冠した『廃都キシュガル』という場所が有る(綴りも同じ『Kishgal』)。
登場したのが割と発売時期の近い前々作なだけに、何か関係が有るのだろうか……と思わせといて、特に何も関係無い模様。


<その他の人物>



・サウル=トバ

ユニカの父親であり、元神殿騎士団長。
サルモン神殿浮上の為の時間稼ぎの為に部下のトールと共に地上に残り、数多の魔物を屠りつつも激戦の末にキシュガルに討たれてしまう。
優秀で人望も厚く、彼を殺害したキシュガルでさえ『大剣と魔法を巧みに操る恐るべき男』と評価している。
死後、愛用していた紅蓮の大剣に憑くような形で亡霊となり、3人の主人公にそれぞれ違ったアドバイスを贈る。


・ザレム

レアが愛用しているクレリア製のハーモニカを造った人物。トールの回想の中のレアのセリフの中に1度だけ名前が登場。
名前から察するに、Ⅱのラミアの村にて登場した武具店員のお姉さん・ザレムの祖先と思われる。


・カイン=ファクト

6神官の一人であり、【心】を司る神官ファクトの当代。
ユーゴとトールの父親であり、非常に威厳のある厳格な人物で、カデナは質問する事すら恐れ多くて出来ないと怯えるほど。

名前から推測出来る通り、今作の最大の裏切り者であり全ての黒幕。
【闇】の一族が効率良く地上を侵攻出来たのも女神の腹心の部下であるこいつが内情を漏らしたせい。
力を求める事に妄執しており、息子2人も親愛の情など皆無で『どれだけ強くさせられるか』の実験台としか思っていなかった。
Ⅱにて登場したファクト家の魔法『シールド』を披露し、その鉄壁ぶりを見せつける。
全ての企みを明かした後、ダレスから取り上げた黒真珠と融合した姿こそが……

ルー

瘴気で魔物となってしまった聖獣。道中6体に出会い、いずれもお腹をすかせている。
好物のロダの実をあげると、いいことをしてくれる。











Continued in
Ancient Ys Vanished: Omen……


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最終更新:2024年09月12日 21:14
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*1 6なら『とりあえずブリランテのフレイムでゴリ押し』、フェルガナなら『とりあえず風霊でゴリ押し』が通用したが、本作はくっついて配置されている敵ですら属性耐性がバラけており、適宜属性の切り替えを強いられる

*2 出典:Ys ORIGIN PLAYING MANUAL 44ページより(2006年・日本ファルコム株式会社より発売)