理想のヒモ生活

登録日:2020/04/21 Tue 14:58:12
更新日:2024/01/11 Thu 06:00:06
所要時間:約 10 分で読めます





『理想のヒモ生活』とは、渡辺恒彦氏が小説家になろうにて掲載している小説作品。
書籍化に際してシナリオに改稿が加えられており、始まり方は同じではあるが、途中からはWeb版、小説版で別のシナリオ展開となっている。
書籍版のイラストは「狼と香辛料」等の文倉十氏。

2017年3月から日月ネコ氏による漫画版も『ヤングエース』(KADOKAWA)にて連載中。
2023年には長らく待たれていた15巻の発売とアニメ化企画が発表された。


あらすじ

異世界で巨乳の褐色女王とグータラ生活!??

月平均残業時間150時間オーバーの半ブラック企業に勤める山井善治郎は、気がつくと異世界に召喚されていた。
善治郎を召喚したのは、善治郎の好みストライクど真ん中な、褐色の爆乳美女。
「ようこそ、婿殿」と、いきなり結婚を申し込む異世界の女王様に善治郎の出した結論は……。
サラリーマンが異世界の王族となり、ぐーたらなヒモ生活を謳歌!?
(漫画版公式サイトより)


概要

あらすじにある通りの異世界召喚物だが、その実態は 王族社会の政治行政の問題を元サラリーマンがいかにうまくやり過ごすか である。
「ヒモ生活」を満喫していたのは1巻の結婚後少しの期間くらいで、それ以降はむしろ激務とも言える働きぶり。
妻である女王アウラのため、政治問題に巻き込まれあっちへ行ったりこっちへ行ったり、時には命がけの苦労をしている。
まぁ、戦争で王族がろくにいなくなった王国の女王と結婚して暇になるわけがないし、善治郎もそうなるだろう予想はしていた。*1
一方で善治郎自身も持ち込んだ道具と知識で色々問題を大きくしたりもしてるので自業自得の部分もある。

四苦八苦ぶりをして「理想のヒモ生活はどこ行った」とする読者の反応はお約束。
場合によっては「善治郎による理想の“ヒモ生活”ではなく、アウラにとって“理想のヒモ”善治郎の生活と表現されることも*2


舞台

文明レベルはいわゆるファンタジー物の定番、中世くらいのイメージ+魔法の世界。
その中でも主人公の召喚された「南大陸」は「血統魔法」という王国の血筋にのみ受け継がれる独自魔法を主軸に据えた国家群から成り立っている。
主人公の住む南大陸は気候は熱帯に近い年中高温の土地であり、冬のもっとも冷える時期が「活動期」と呼ばれ過ごしやすい時期とされる。
逆に夏のもっとも暑い時期「酷暑期」は気温が体温を上回り、日によっては夜にもその温度が続く程。この辺は熱帯というより日本に近い。
その為、そういった時期の昼は慣れたカープァ王国人ですら屋内で昼寝をして少しでも体力の消耗を避け、朝と夜の短い時間に活動するのが日常になっている。
軍事や農耕の力となっているのは哺乳類ではなく、陸を歩く爬虫類(竜種と呼ばれている)であり、羊や牛などの食用にもなる哺乳類は王国内には基本的にいない。

言霊

ほんの少しでも魔力がある人間には言霊が働き、相手が全く別の言語を話していても自身の理解する言語で話しているように聞こえる。
(善治郎の場合、周り皆が日本語を話しているように聞こえる。)
その為、別の言語をきちんと理解するには自身の魔力を抑え言霊が働かない状況で会話をする等、魔力の制御ができる一部の人間にしか行えず、専ら魔術師が言語学に対応している。
世の中には全く魔力を持たない人間も稀におり、そういった人間には言霊が働かず異国の言語はそのまま聞こえるのだが、そういった人間の為の補助魔術具も存在する。


血統魔法

南大陸において王族の血筋にのみ受け継がれる魔法。
血を薄めない為に、ある程度は王族の血が入った人間との結婚で魔法を受け継いでいる。
(当然、近親婚の問題もあるので、ある程度は離れた血族との結婚である)
その魔法は強力かつ、国の基盤ともなる物である為、血統魔法の素養がある子供を誘拐する等すると即戦争となってもおかしくない程に南大陸においては重要視されている。


各国及び主要人物


【カープァ王国】

南大陸西部にある国で主人公が召喚された国。
南大陸の中でも大国でありインドを思わせる文化や亜熱帯の気候を持つ。
長い戦乱で王族が悉く戦死しており、無事戦争には勝ったものの王族直系の男性がおらずアウラが男性主体の世界でありながら女王の地位に就いた。


  • 血統魔法は「時空魔法」
世間的に知られてる能力は有名な物が「空間転移」であり、術者が一度訪れたことがある場所に人や物を送る事が出来る。(自分自身が飛ぶことも可能)
ただし飛ばす先の空間についてはしっかりとイメージをする必要がある為、基本的には慣れた場所にしか飛ばすことはできない。
他には術者の周囲の空間を遮断して攻撃を防御する「空間遮断結界」の他、世間的には秘密にされているが対象物の時間を遡らせて元に戻す魔法も存在する。
魔力のない(もしくは極小さい)物にしか使えない為、魔力のない物の修復や虫のような小さな生物の巻き戻しが限界で、人をよみがえらせたりする事は不可能。
他にも物語冒頭において主人公を召喚した、時空を超えた先の対象物を呼び寄せる魔法も存在するが、星の巡り合わせが良い時にしか使えない。
主人公を呼び寄せた際には運良く一月後も使えるタイミングだった為に一度送り返したが、そのタイミングを逃すと次は30年後にならないと不可能な程、星の巡りに左右される。
時空を扱うという関係上、作者は国のパワーバランスを壊さない呪文を考えるのが大変だと漏らしている。


  • ゼンジロウ・カープァ(旧姓:山井善治郎)
物語の主人公。
150年前に善治郎の世界に駆け落ちした王族の血を引いており、その血統を求めて召喚された。
呼び出したアウラが非常に好みだった事、元の世界に特に心残りもないので喜んで結婚を受けた。
一月の猶予を貰って一度元の世界に帰った後は後宮でひたすら遊ぶために電化製品を持ち込むべく奮闘した。
後腐れなくなるようにと車等の残った財産は親戚に譲ったものの、その際に久しぶりに親戚の家を訪れた際には少し後ろ髪を引かれていた。

サラリーマン時代の営業職で鍛えられたおかげで頭の回転が速く、状況把握能力と判断力に優れる。
政治的な駆け引き込みの会話等でもある程度は相手の意図を察せる程度にはコミュニケーション能力は高い。
ただし付け焼刃な部分もあるので、基本的には最終判断はアウラに任せてその場しのぎに徹している。
簡単には連絡が取れない世界なので、遠出中は結局善治郎の判断で動かざるをえなかったりするが…。

根がまじめで軽いワーカホリック気味な所があり、ダラダラしている事に罪悪感を感じるタイプ。
「王族としてやることがあるのにさぼっているのが気持ち悪い」という考えで消極的ながら王族の仕事をこなし続けている。
小市民的な気の弱さもあり、王族としての立ち居振る舞いを求められる際*3には心の中では相手に頭を下げている事が多い。
女性関係は嫁さん(アウラ)一筋。
手を付けてもいい侍女を何人も付けられているし、数少ない直系の王族の血筋なので側室作りも周りから求められているのだがそれだけは断っている。
まぁ、結果的には断っていたのが正解だったのが後々判明するのだが。
そんなわけで嫁さん(アウラ)と子供と一緒に平和に暮らす以外に望みがない為、周りからすると非常に交渉しづらい(金や権力で釣れない)人間。
ある人物からは発想が根本的に異なることから「化け物」と評された。
ただし全く贅沢をしていないわけではなく、サウナのような物で汗を流すか香水で匂いをごまかすカープァ王国で後宮に風呂を作っており、この点だけはかなりの贅沢をしている。
善治郎の為だけに大量の水を使って捨てるのは水がもったいなさ過ぎる為、王族の利用後は後宮の侍女達も汗を流すのに利用している。

魔法についてはアウラの妊娠時、いざという時に「治癒魔法」の使い手をすぐ呼べるようにと「空間転移」を必死で習得した。
おかげで出産は問題なく済んだが、一方で「他国にすぐ飛べる王族」というカープァ王国からしたら手放せない人材となってしまった。
後にウップサーラ王国へと100日近くかけて船で行く事になったのも、「空間転移」を習得したからである。




  • アウラ・カープァ
本作のヒロインでカープァ王国の女王。
褐色肌で長い赤髪、身長が高く非常にグラマラスな体系をした女豹のような女性。
軍人としてもある程度鍛えており、武芸もある程度習得している。そのせいで旦那がベッドに押し倒そうと飛びついたのに平気で受け止めてしまった。
先の戦乱で直系の王族が悉く戦死した為、男性優位社会の中、女の身でありながら女王へと就任した。*5
王族を増やすためには婿を取る必要があったのだが、候補の人間が政治的な理由からアウラとしては避けたい人間だった。
そのため「子供を作る以外何もしないでくれる夫」を欲して、今回異世界から善治郎を召喚する事となった。
それでも妊娠後はやはり動きを取りづらくなったため、結局は夫の善治郎に頼る事となってしまっている。

基本的に政治交渉は善治郎より圧倒的に強いが、一般市民目線の意識の話では善治郎に分がある場合もある。
一人の人間としては善治郎を気に入っているが、あまりにも自分に都合よく動いてくれるために妄想の産物ではないか等と思う事も…。
善治郎との意識の決定的な差は「国のためなら家族も交渉材料に出来る」点。…というか、王族としてはこちらが普通なのだが。
1巻の頃はアフリカ系の女戦士のような目つきの黒人のようなデザインだったが、巻が進むにつれ険が取れ肌の色もアジア系の褐色美人になっていった。
しかし5巻から表紙イラストであからさまに後述のフレア王女やルクレツィアなど、白人系のヒロインが採用されてしまうように…。


  • ファビオ・デウバジェ
アウラの筆頭秘書官。
相手が王族であっても気にせず意見を出せる秘書官としてアウラは重用している。
ただし裏の裏まで読んだ上でズケズケと厳しい事を言ってくる為、二人はいらないとも言われている。
善治郎からの評価も概ね同じで、優秀な点は皆評価している。

  • エスピリディオン
カープア王国の宮廷魔法使い。
70歳を超える高齢だが、南大陸でも高名な魔法使いにして博学な賢者。一般に大魔法の使い手は小規模な魔法を苦手とするが、大小多くの4系統魔法を苦も無く操る例外で、一人で工兵部隊に匹敵する働きができる。


  • プジョル・ギジェン
ギジェン家の当主であり王国騎士団の団長。そして、アウラの元旦那候補その1。
戦闘力はカープァ王国随一だが、野心家であり、常に上に上る事を考えている。
その点を危険視されてアウラからは却下されていた。
しかし国への忠誠心は確かで、(自身への利益も考えてではあるが)善治郎が他国の人間に馬鹿にされた際にはその点を激しく追及している。
ちなみに戦闘力に関しては「人間は竜種と取っ組み合えるようには出来ていない」と自分で言いながら竜を力尽くで仕留めるレベル。
当時の部下いわく「言ってることは正論だけど説得力がない」。
また超人的な武力を持ちながらも脳筋ではなく、戦況や戦略を見渡す分析力、前進と後退を見極められる判断力にも優れており、それが彼の政治センスにもつながっている。


  • ラファエロ・マルケス
マルケス伯爵家の息子で次期当主で、アウラの元旦那候補その2。
文官としては有能だが、父親の意向に逆らえず…というか実家の意向に逆らうつもりが根本的にない。
そのためアウラからは『操り人形』と称されて、婿候補から却下されていた。
一度王宮を離れた状態で善治郎と行動を共にした際に、善治郎の考え方が通常の王族とは余りにも違っている事に気付いた。
ある意味で最も善次郎のメンタルを読み取っている人物であり、彼曰く善次郎は『正体不明の怪物』と称している。
その為、どこに逆鱗があるかわからず下手に踏み込むのは危険と判断し、様子見を父に提案していた。


  • 侍女の問題児三人組
善治郎に仕える後宮侍女でありながらフリーダムに振る舞いお説教の常連となっている侍女フェー、ドロレス、レテの三人。
元が庶民だけに堅苦しい雰囲気に慣れていない善治郎からすると普通は怒られるレベルの三人の雰囲気が心地よく、侍女として好かれている。
善治郎の私物を貸し与えられるなどカープァ王国内でもアウラに並んで現代技術の恩恵を最も受けている。
おかげで侍女長はこの三人の扱いについて日々頭を悩ませている。
書籍化に当たって特に描写が加えられており、毎巻ラストには番外編として侍女たちの話が書き下ろしで収録されている。
携帯ゲーム機を通した間接的な交流や、持ち込んだレシピを元にしたお菓子作りの様子等が描かれており、ある意味陰の主役とも言えるかもしれない。


  • イネス
ゼンジロウの侍女。後宮での清掃責任者に当たる。
戦場でアウラに同行していた経験があり、ゼンジロウが外出する際には護衛も兼ねて常に同行している。
また、冷静かつ聡明であることに加え貴族社会についても知識があるため、秘書的な役割もはたしている。
中年くらいの年齢のようだが漫画版ではやや若く描かれている。
戦闘能力についての詳しい描写はないが、明らかに常人を逸した卓越した運動能力を持つ。

  • ナタリオ・マクドナルド
ゼンジロウの護衛を務める騎士。
イネスが秘書兼副官ポンジョンを務めていることもありやや影は薄い。
貴族としてはほぼ最下級なのだが、現状唯一の直属の家臣であることに加え、妹が後宮勤ということもあり出番は多い。
家族ともども急速に出世しており舵取に苦労しているようだ。


【シャロワ・ジルベール双王国】

南大陸中央部砂漠に位置する大国で、シャロワ王家とジルベール法王家の二つの王家が並び立って存在している。

  • シャロワ王家の血統魔法は「付与魔法」
物に魔法の効果を付与する事ができる能力。
光の魔法を封じた明かりや風の魔法を封じた腕輪等、魔力さえあれば簡単に色々な効果を発揮できるアイテムの製造が可能。
その為、王宮には魔法を使った電化製品ともいえるアイテムが多数存在する。
この世界の魔法は持続時間に乏しい物が多いのだが、魔道具化するとその欠点も改善される。
そのため、水作成や真水化等の魔道具は高額だが砂漠という事情から国内では飛ぶように売れている。
物質への魔法の付与には時間がかかるのが基本として認識されている。
しかし公表はされていないが、魔法付与のしやすさは対象の形状にも影響されやすく、透明かつ真球の物が一番付与しやすく短時間で付与が可能。
その為、善治郎の持ち込んだビー玉とガラスの製法が大きく関わってくることになる。


  • ジルベール法王家の血統魔法は「治癒魔法」
自然治癒能力を高める程度の魔法から、回復が難しいような怪我や病気の回復まで可能。
現代科学を凌駕する効果を誇る血統魔法であり、上級魔法であれば四肢の再生さえこなしてしまう。
その癒しの力はどの王家にとっても喉から手が出るほど欲しいものであり、依頼に応じ魔道具で武装した兵士に護衛された上で他国に派遣されている。


  • フランチェスコ王子
シャロワ王家第一王子の長男。
非常に優秀な「付与魔法」の使い手でもあるが、王族とは思えない能天気な物言いから跡目争いからは外れている。
が、本当の理由は両王家の血が入った混血だからであり、二つの王家の血統魔法の素養が出た人間は禍根を残さない為に子供を作らない決まりとなっている。
王族らしからぬ言動はそれを理解した上での行動だが、どちらかと言えばそちらが素の性格。
カープァ王国に長期滞在しており、ガラス玉製造のサポート*6とそれを元にした付与魔法の研究に取り組んでいる。


  • ルクレツィア・ブロイ
善治郎の側室候補その2。
王族の血筋ではあるが、血統魔法の素養が無かった為に王族から外された過去を持ち、王族に返り咲くために善治郎の側室という立場を狙っている。
やや打算的で自分可愛さアピールに余念がない。
最初は露骨な売り込みで善治郎から疎んじられるところもあったがアウラやフレアのアドバイスや共に行動する期間が長ったことも幸いして距離が近づき、政情の変化で側室への道も近付きつつある。
本人も強引に側室として割り込もうとした原因があるのだが、
善治郎からは「他の王女だと迷惑がかかるから」アウラからはボナ王女のほうが(魔力を持っているので)旨みがあると言われたり送り込んだジャロワ王家からは(役者不足なようなら)他にも側室を送る計画を立てられたりと、可哀想な評価を受けている。

  • ボナ王女
ジャロワ家の王女でフランチェスコ王子のお目付け役。もともとは下級貴族であったが先祖帰りで「付与魔法」に目覚めたため王族に迎えられたという経歴の持ち主。
そのため突然王族として振る舞わなくてはならなくなったという事情や遠慮がちな性格もあり善治郎と気が合う。
気が弱くまじめな性格で勘違いされがちだが実は技術馬鹿なところがある。


【北大陸】

南大陸からは船で100日はかかる程の遠く北にある大陸。
南大陸とは逆に非常に寒い地域であり、冬には港が凍る場所もある。
北大陸は製鉄技術や造船技術が発展しており、逆に魔法技術は南大陸ほどには研究が進んでいない。
暖房の為にも造船の為にも木材資源を使う為、近年は木材が急速に枯渇しつつある。


【ウップサーラ王国】

北大陸に存在する王国。
北大陸共通で非常に寒い国だが、海流の関係上港は凍る事はない。
大陸の中では中小クラスの規模ながら一段上を行く技術や勇猛な戦士によって国力を保っている。
何よりも勇敢である事を誉れとしており、戦士が幅を利かせる国。
その為、少しでも逃げるような行動は恥とされ、勇敢である人間はたとえ敵であっても敬意を持たれる。
元が海賊の国だったこともあり、ヤクザやヤンキーの集団と言ってもそう間違ってはいない。
大柄かつ色素の薄い我々の世界における北欧人を思わせるスヴェーア人によって構成されている。
おそらくモデルはヴァイキング、スヴェーデンだと思われる。


  • フレア・ウップサーラ
元・善治郎の側室候補その1であり、後に正式に側室となった。
白い肌に銀髪、青い瞳とアウラとは対照的な見た目。
朗らかつ丁寧な言葉遣いの王女らしい第一印象とは裏腹に、後述のようにお転婆かつ気の強い一面を持っている。
王族でありながら女だてらに大型帆船の船長として北大陸から南大陸へと長距離航海を果たし、嵐に巻き込まれたことでカープァ王国へと流れ着いた。
目的は北大陸と南大陸での大陸間貿易であり、それを目的にカープァ王国と交渉を始める。
その際に出会った善治郎の知識や女性だからと低く見ない言動を気に入り、カープァ王国の歓迎会で(実質的に)善治郎へ結婚を申し込んだ。
ちなみにどちらの大陸でも女性から結婚を申し込むのははしたない行為であり、後に善治郎がウップサーラ王国へ訪れた際に「お前の国の非常識な王女を引き取ってやる」と言ってたとしても許されるレベル。
なので後で家族にめっちゃ怒られた。
紆余曲折あった結果、善治郎と共に船に乗って北大陸へと帰還する事となり、帰還後には大陸間貿易と善治郎との結婚を無事成立させた。


  • スカジ
フレア王女の護衛。本名はヴィクトリア・クロンクヴィスト。誰もその名前で呼ばないけどな。
スカジという名前は戦士としての称号*7であり、それだけの称号を付けられている相応に強く、女性でありながら国でも有数の戦士。
カープァ王国での群竜狩りの際にも大活躍し、個人としては本作中でもトップクラスの強さを持っている。
この世界の魔法は結構な集中を要するので戦場で発動するのは遠距離以外では難しいのだが、彼女は近距離戦闘での魔法発動を可能とする類稀な度胸を持っている。
が、フレア王女が結婚を申し込んだ際、「アウラ女王のように背が高くて凛々しい女性が好きなら彼女も付けますよ(意訳)」とおまけのように言われた際は慌てていた。



  • グスタフ・ウップサーラ
現ウップサーラ国王であり、フレアの父親。
ウップサーラ王国の人間ではあるが、武勇を優先しすぎる国の風潮には危機感も持っている。
血気盛んな息子を矢面に立たせて本来は自分が言いたい事を言わせたりと国王らしく強かな面も持っている。
国としての利益から大陸間貿易に繋がる娘の結婚自体は最初から賛成している。
とはいえ娘の幸せも願っており、国内で結婚式が行われそれに参加出来た*8事には感謝していた。


  • エリク・ウップサーラ
ウップサーラ王国第一王子でフレアの兄。
どう見ても戦士ではなく勇敢さが微塵も感じられない善治郎との結婚には大反対。
ウップサーラ王国の人間を代表するかのような血の気の早さで、善治郎の罠に嵌められてカープァ王国へ行かされる事になった際には意趣返しすら考えたほど。
それでも王族としてどちらの国も損するだけの事はやめろと父に諭されれば抑えられる程度には理性がある。
カープァ王国到着後はプジョル将軍と手合わせをし、その強さには尊敬の念を抱いている。
(陸を走る爬虫類ではあるが)竜に乗れると聞いて大喜びしたり、良くも悪くもガキ大将のような人間。
カープァ王国到着後、アウラから結婚に至る経緯*9を聞かされる。
古い考え方故に善治郎との結婚には反対していたが、古い考え方故にフレアのありえない行動には内心頭を抱えた。
それで諦めたのもあるが、善治郎がウップサーラ王国の出した条件をクリアした事もあり、最終的には善治郎の事もそれなりに認めるようになった。


  • ユングヴィ・ウップサーラ
ウップサーラ王国第二王子でフレアの双子の兄弟(どちらも兄・姉と自称している)。
ウップサーラ王国の人間としては珍しく、損得勘定や知略に優れたタイプ。
だが「国を富ませたい」と言う野心が非常に強く、外交の慣例などを軽視しがちである。
初見で相手がどういう人間か見極めるのが得意で、今までその感性は外したことがない。
善治郎についてもおおよそどういう考え方をする人間か正しく理解していた。
国の利益と結婚相手の善治郎の誠実さから善治郎との結婚には賛成していた。
ただしフレアから結婚を申し込んだ件が発覚した際には流石に大声で突っ込んだ。


書籍版とWEB版の違い

最大の違いは 第2ヒロインであるフレア姫がWEB版には登場しない 点である。
というか先に存在したWEB版からすると、「あの時フレア姫が来ていたら」というifルートが書籍版である。
(一部、フレアとは無関係に異なる行動を取った大物もいる。序盤の大物「巨大群竜」も然り)
その為、WEB版で善治郎が対応した事がフレア姫が来た事で対応できなくなり、事件が大きくなったりしている。
今となっては漫画版含め書籍版が本筋のような扱いを受けているが、WEB版も独自展開で執筆が再開されている。



追記編集は異世界に持ち込んだPCからお願いします。

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  • 理想のヒモ生活←そんな物はなかった
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  • ヒーロー文庫
  • 誤:理想の“ヒモ生活”、正:“理想のヒモ”生活
  • 女王「理想の婿が来た」婿「ヒモ生活かと思ってたら共同経営副社長(板挟み)だった」

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最終更新:2024年01月11日 06:00

*1 アウラに「約束が守られるとは思ってなかった」なんて言ったのでものすごい顔をさせた。

*2 実際劇中でもアウラが、冗談交じりとはいえ「この夫、私に都合良すぎておかしくないか?(意訳)」とまで言っている。

*3 例えば、王族がヘタに頭を下げると交渉相手に軽く見られる等。

*4 いざという時に人が来づらい山奥なので、素人でも出来る範囲でメンテできるようにしたいと断って録画した。

*5 一応過去にも女王自体は存在した。

*6 付与魔法に適しているかどうか。

*7 ウップサーラ王国では過去実在した英雄の名を称号として用いている。

*8 通常は相手方の国で行われる為に国を離れづらい国王は参加が難しい。

*9 女王の御前でかつ周りにウップサーラの人間(スカジ)までいる状況でフレアから結婚を申し込んだ事。