ホクマー(Lobotomy Corporation)

登録日:2020/06/20 Sat 19:03:47
更新日:2025/05/02 Fri 22:39:00NEW!
所要時間:約 15 分で読めます





「お帰りなさい、A」


「やっとあなたに会えましたね」



ザザ……ザザザザ……



「そろそろこちらにいらっしゃる頃だと思っておりましたとも」

「先程の光景は私の歓迎の品とでも考えてくだされ」

「あなたが懐かしむのは、今の私ではない別の情景ではないかと思ったもので」



ホクマーとは、『Lobotomy Corporation』に登場するキャラにして、セフィラの一人である。





概要

ビナーから二人目にして、下層セフィラ最後の一人。

ビナーの項目でも分かるように、下層セフィラはとにかくネタバレ全開なので注意あれ。

さて、ホクマーの性格について解説すると……冷静沈着……を遥かに通り越して、最早人間性が感じられないレベル。

例を上げると、運営パート中にホクマーの部下を死亡させてしまった時の台詞が、

「死んだ○○の代わりはいくらでもいます。これの繰り返しなのです」

アブノーマリティ脱走時の台詞が

「○○が脱走したようですな。あなたが職員の死に悲しむことは期待しておりません」

……下手を打つと、あのアンジェラやビナーとどっこいどっこいか、それ以上じゃねえかこれ!?

ストーリーパートにおいてもそれは同じで、恐ろしい程に感情の起伏が感じられない。表情差分が表示される場面が普通に数えられるレベルで少ない。

また、もう一つ特徴があり、ビナー程ではないにせよ、喋り方に特徴があるという点。
A……Xと再び邂逅を果たした際の台詞が、

「灰色で白く塗り重ねられた天国はお気に召しましたかな?」

というものがあるが、……灰色を?白く塗り重ねる?どゆこと?
と、まあ。こんな感じで、似たようでいて矛盾している表現を繰り返し使う言葉をビナー語に並んで「ホクマー語」と呼ぶとかなんとか一部で有名になってる模様。

さて、ホクマーのシナリオを進めていくと、ホクマーは記録チームにまつわる、ある事実を提示する。


ホクマーが担当する役割が大体分かってきた……と、思いきや、アンジェラに関する事情にやたらと詳しかったり、またA自身に対する事情にもいやに詳しい。
それこそ、アンジェラが稼働し始める前の出来事を昨日のことのように覚えていたりしている。

……果たして、ホクマーは一体何者なのか?



研究・ミッション

ホクマーが出すミッションは、「職員のステータスを限界にまで鍛え上げること」
勇気・慎重・自制・正義のステータスを100以上にしたエージェントを一定数以上用意できればクリア。
もし管理パート開始時に条件を満たせてない場合でも、アブノーマリティに作業を行わせることによって指定された能力値を達成値にまで上げればカウントされる。

これは記憶チーム開放に至るまでにエージェントの育成をちまちまやってた管理人ならば、何もしなくても次々とミッションクリア、ということもあり得る。もし達成できてないミッションが来ても、作業による成長を頑張ってこなして突破しよう。
余裕があるなら、LOBポイントを多少使用して100に近づけることも可能。
但し、最後のミッション「正義が100以上のエージェントが10名以上でクリア」は、少し骨が折れると思うが、「白雪姫のりんご」「地中の天国」「次元屈折変異体」辺りを目星につけて管理業務させるのがいいかも。


報酬である研究は、どれも「○○の美徳の限界解除」というもので、対応するステータスの上限値が上がり、120まで上昇可能。
安定性を望むなら、「創造の美徳の限界解除」を選び、自制の上限値を上げ、作業事故を起こさないようにするとベター。



記録チーム

ホクマーが統括する部門。
オフィサー生存効果が、全職員の能力値上昇。
部門連勤効果が、全能力の能力値上昇。

会社で発生する出来事を全て記録する部門。彼らの記録と評価によって、職員の雇用や昇進が決まるのだとか。
……統括しているのが淡白なホクマーなので、粗品や賄賂などを贈っても多分無駄だろう

全情報は一旦はこちらに集まり、その中でアブノーマリティなどの管理業務に適した情報などが、イェソド率いる情報チームを通して通達される。




※以下はネタバレを多数含みます。



+ 正体
……このタブを開いた諸兄は、この項目から読み始めた方だろうか?

それとも、親項目から他の項目を辿って、ここまで読み進めた方だろうか?

もし前者なら、もう一度親項目を閲覧しに戻った方が得策かもしれない。

もし後者なら……









もう、知ってるんだろう?




B「入社してからずっと、あなたが来る日をずっと待ってましたよ」

B「この海を覚えていますか?」

B「上流の河から流れてくる全てが、最後にたどり着き堆積していく場所だって、言ってましたね。」

B「それと同じように……」


ホクマー「下層は、あらゆるものが堆積していく……」


そう。ホクマーとは、11日目から管理人Xにコンタクトを取ってきたBである。

Bはイニシャルに過ぎない。本名はベンジャミン。
Aや、C=カルメンと共に、旧ロボトミー社で最初に理想を掲げた三人組のうちの一人。旧ロボトミー社初期メンバーの一人である。

ベンジャミンは、Aを慕って共に旧ロボトミー社を立ち上げた。そして衰退と、滅亡を経ても、Aの傍から離れることがなかった稀有な存在である。

A自身、自分の性格には少々難があることは自覚していたようだが、ベンジャミンは持ち前の広い心でAをいつだって受け入れた。
そして彼に従事し、彼を尊敬しながらも、彼の弟子のような立ち位置で彼を助けていった。

……割と軽く書いているが、Aも本来ならばとんでもない才能の持ち主であり、彼の考えることなす事に従属して、かつ彼の傍に居続けたということは、ベンジャミンも相当な才人であったことを意味する。

事実、後のあるイベントにで、アンジェラは「あなたは、手放しておくにはあまりにも惜しい人材です、ベンジャミン」と語っており、世界最高のAIですらその能力と人柄は見過ごすことができなかった。
(まあそれもその筈で、その世界最高のAIを作った作者のうちの一名はベンジャミンである。つまり、アンジェラにとっては生みの親の片割れのようなもの)

話を戻そう。Aと共に、多くの出会いと悲劇を体験し、その度に彼を支えていたのがベンジャミンである。
ハッキリ言うと、Aはベンジャミンの存在なくしてはここまでたどり着くことができなかった、といっても過言ではない。

彼はいつだって、Aの弟子であり、一番の友人であり、親愛なる理解者だった。


……それだけに。


「こんなことが彼女の意思を継ぐことになるんですか!?」

「これは……これは、あまりにも恐ろしい罪の災いでしかありませんよ!?」

「なんてことだ……あなたは私が思うより、遥かに悲嘆に暮れていたのですね」

「もう……ここで止めませんか?」


彼は、A自身でさえも酷く使い潰す、彼の案には賛同できなかった。


旧ロボトミーが滅んだ後……彼は、ガリオンから入手した情報を持って、次の計画を作り出した。
無論、今回もベンジャミンはAに従事するつもりだった。内容を聞くまでは。

その内容はあまりにも酷く、これまでAが犯してきた罪悪などは比べ物にならない程のものだった。

ベンジャミンは、いくらAが罪を被ろうともついていく所存だった。彼が命じれば泥を啜っただろう。彼がそうすれば、温厚なその性格で人殺しだって躊躇わない。

だがいくらなんでも、Aを残酷な目に合わせ続けることだけは、従事することはできない。彼を思うが故に。彼の理解者であるが故に。


……結論から述べると、ベンジャミンはAの元を去った。Aは、最後まで自分の意思を曲げることをしなかった。

無論、さしもの彼も一番心を許していた内の一人である相棒が自らの元を去った事実は堪えたようで、彼が建てた新生ロボトミー社が翼に成り上がることができても、彼の心には強い空虚が支配したままだった。

彼と合同で作った、名前も与えていないAIから仕事を受け取り、それをこなす一日。

彼の傍には、もう誰もいない。

ここまできて、始めてAは。

自分が失った人たちが必要になった。そう感じた。

彼らの遺体を回収し、希望の種を植えてAIとして稼働させた。

彼らは再び戻ってきたが。

Aは、誰からも忘れられ、消えてしまいたい空虚感が残ったままだった。




+ セフィラコア抑制
WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING
セフィラ崩壊によるクリファ顕現
セフィラコアの抑制が必要
WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING WARNING

クリフォト暴走ゲージ最高値達成&「エネルギー精製」
時間経過に異常を検知しました



ホクマーは、A……Xのことを誰よりも心配していた。だから、ハッキングを試みて真実を伝えようともした。

こうしてホクマーは永遠の刹那を生きることとなったが、見渡せば、Xを慕う者たちは皆ここにいる。
だから、もうやめて、ここで永遠に止まってしまおうと。ホクマーは提案した。

……Xは止まらない。

それでもホクマーは、彼にしては珍しく熱を帯びながら根気強く説得する。
Xは自分がいつ、どこで何をしているのかさえも分からなかった。無限のループに己を閉じ込めるなど正気の沙汰ではない。
もうこれ以上傷つく必要もない。自分がいつだって暖かく迎えてあげよう。だから……

……Xは止まらない。止まるわけには、いかない。

ここにきてホクマーの表情から、始めて感情の色を見せた。
「前」もそうだった。Xは選択を覆さない。ならば、己が、最後の番人として立ちはだかろうと。静かに、暴走を始めた。

暴走したホクマーは、記録部門のメインルームに鎮座している。
その外見は、床から生えている、幾多もの時計が成っている触手といった風体で、常に複数の時計をウネウネと動かしている。


我々は変化しなければならないのですかな

意味もなく時間を浪費しないでくだされ

我々にとっては、一つ一つの時間が大切なのですから

ホクマーが施設内に及ぼす悪影響は以下の通りである。

・開始時:ゲームの一時停止機能の使用を制限し、使用する度にホクマーから「沈黙には対価が求められるものです」と言われて画面が割れる演出が起きる。その度に、施設内のランダムなエージェントがX人死亡もしくはパニックに陥る(Xには、何回目の一時停止なのかが入る)。
また、ゲーム内速度が1倍速で固定され変更できなくなる。セフィラコア抑制に成功した全部門で再びクリフォト暴走が発生する。

・クリフォト暴走レベル7達成:ゲーム内速度が1.5倍に固定される

・クリフォト暴走レベル10達成:ゲーム内速度が2倍に固定される


あなたが愛した者たちは、みなどこへいったのです?


ゲーム内速度は完全に固定され、一時停止機能も使用が制限される。
ここまでゲームを攻略してきた管理人ならよくある話なのだが、なにかあるとつい癖で一時停止してしまうことがある。
そのため、まずは一時停止ボタンから手を遠さげるところから始めよう。うっかりエージェントを殺してしまったら笑えない。


ただ繰り返されるだけであって、失われるものはないのですよ

一時停止使用にペナルティが発生するというのは意外とキツく、リアルタイムで刻一刻と状況が変化する中、犠牲者がでないように正確に指示し立ち回るのは骨が折れる。
この影響下だと、深紅の黎明ですら凶悪な難易度の試練となりうる。最悪、対処しきれないものだと思って、クリフォトカウンターが1の収容室前には常にエージェント配置しておくのも手。


何故我々を残してゆこうとするのですかな

一時停止でエージェントが死ぬ……という事実が頭の中にあると、どうしても遠慮しがちになってしまう。
確かに、一時停止ペナルティを受けずにクリアすることも十分可能だが、どうしても対処しなくては施設が壊滅する、といった事態に直面した場合は虎の子の一時停止を思い切って使用することも視野に入れておこう。


皆はあなたと永遠を共にしたいと思っておりますとも

クリア条件的に、深夜の試練は必ずご対面となる。ティファレトのセフィラコア抑制戦と同じような戦法で試練を無視することも可能だが、こちらの方が逃げ切るまでに要する時間が長いため、難易度が高い。特に、一時停止が制限されている中制圧力が極めて強い紫の深夜や緑青の深夜がくるとキツイ。

最終的に試練を対処するか無視するかは管理人の判断となるが、緑青の深夜などは攻略法が分かっていれば一時停止制限下でもかなり簡単に突破可能。

ホクマーが下す試練を超えて、未来を作るのだ。必ず……



分かりませぬな。多くの犠牲を払ってまで、何を望むというのですかな?


変わりたくはありません。忘れたくもありません。ただ止まりたいのです


理解できません。認めたくもありませんな




あなたは、進むことができるのですね……



セフィラコア抑制を達成すると、ホクマーは管理人に以下の恒久的なアップグレードを与える。

  • エージェントの各種ステータス上限が130まで増加
  • 雇用時及び職員強化時、エージェントのステータスのランクを5を超えてEXに強化できる(エージェントランクは5が最大)
  • 記録部門に対するクリフォト暴走を免除



+ セフィラコア抑制後
セフィラコア抑制達成後、ホクマーはこう語る。

彼は、A……Xが、自らが仕組んだ苦難を乗り越えることができないだろうと思っていた。
そしてそれ以上に、彼が傷つき、苦しむ姿は見たくなかった。

であるが故に、彼はAの元を去った。

完全に逃げ切ることもできた。それで、全く別の人生を歩むことも。

でもホクマーは……ベンジャミンはそうしなかった。

実のところ、そうまでしてAが傷つくのは間違いだと思っていた。だから正そうとしたが、追手に見つかり、彼の時間は永遠になった。
また、Aが立てた計画を恐ろしい計画だと思っていながらも、ベンジャミンはこうも思っていた。

「この計画を遂行すれば、追い求めていたものが実現できる。できてしまう……」

だから止めた、と。だから止めようとした、と。

しかし結局の所、これらの理由は全て建前に過ぎず。

B「長々しく語りましたが、本当の理由は……」

ホクマー「あなたと、再び別れたくなかった……」



だが、Xはそれを望まない。彼は、犠牲にした人たちを踏み越えていってでも、未来を描く。


自由を求めるは誰しもが持つ本能です。

私があなたに前に進むよう送り出した理由を覚えてらっしゃいますか?

世界の外へ捨てられ、貧弱な翼だとしても、

あなた自身の力で羽ばたいて欲しいと思ってあなたを送り出しました。

もしも過去に我々が、もう少しだけ本心を言い合えたなら

状況はもっとマシだったかもしれません。

ですがご覧ください。過去は過ぎ去り、決して変えることは出来ません。

このように、我々は生まれた瞬間から、死ぬその時まで、絶えず葛藤し、後悔する存在なのです。

その過程を経ることで成長し、未来へと進んでいくのでしょう。



追記・修正は、過去を受け入れ、未来を作り出す瞳を持ってお願いします。









































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最終更新:2025年05月02日 22:39