ここの子どもはみんな不幸だ。自分が不幸だから、自分より不幸なものが必要なんだ。
実はルーシーの母親が、突然変異で「生まれた子が必ず生殖機能を持ったディクロニウスになる」体質を持っていた。このことから、初の生殖機能を持った個体として出生してしまった為に父親に雑木林に捨てられた。またルーシーのことを案じ探していた母親も研究所に捕獲され、角沢長官により無理強いされルーシーの異父弟を授かってしまい出産直後に自殺した。
天涯孤独となった後、養護施設で幼少期を過ごした。角のせいで他の子供達に虐められ、施設の職員からも内心気味悪がられていた。上記の台詞を呟いていたことから、この頃からこの世界に嫌気が差していた様子。それでも、夜中に施設を抜けては山奥で内緒で子犬を飼っていたことから、「唯一自分のことを受け入れてくれる存在」として心の拠り所となっていった。
だがある日、いじめっ子に目の前で子犬を施設に連れ込まれ、花瓶の殴打で惨殺されてしまった。更に不幸なことに、施設で唯一信用していた女の子がルーシーを「自分より不幸な存在が欲しかった」為に子犬の所在をいじめっ子に教えたことに気付いてしまったのだ・・・。
子犬を殺された悲しみ、人間達に対する怒りや絶望でディクロニウスの力に覚醒。ベクターを発動し、施設の人間達を惨殺して逃走した。
その後は、人を殺しては一夜の宿を得たりしながら彷徨っていた。この件で彼女の心にトラウマを負った為か、動物(特に犬)を傷つけていない。
みんなと少し違うだけで・・・何故こんな目に遭わなきゃならない・・・どうして・・・!?
子犬の墓石を立て供養し、角をもぎ取ろうとした所でコウタと出会った。初めは子犬の件で彼を拒絶していたが、自分の角に偏見を持たないどころか何故か「かわいい」ではなく「かっこいい」と評価し、雨の日に角を隠すために帽子をくれたことで徐々に心を開き、彼に好意を抱くまでになった。因みに動物園のデートの際に、子犬の件がフラッシュバックして「動物なんて興味無い」と言っていたが、象やキリンを見たときは普段の彼女とは思えない位にテンションが上がっていた。ルーシーマジチョロイン。
うっわー何これおっきーおっきー!おっきー!すっごく大きいよー!
うっわー首なっがー!首ながーい!ねーちょっと長いよ首!すごーいすごーい!
だが自身が一晩の宿を得ようと無関係の人間達を殺害してきたことで躊躇いを感じ始めた際、遂に自身のDNAの声を発現させてしまった。
動物園の帰りで夏祭でコウタと一緒にいても良いか尋ねたら、「男の子の従兄弟がいる」という理由で断られた。この時ルーシーは自身の立場やコウタの事情を考え受け入れた様子だった。だがDNAの声に唆され、反発するものの彼の首を絞めてしまった。また、同時にとあることをコウタに懇願した。
コウタ、お願いがあるの・・・。私がもし・・・他の誰かをたくさん殺すようになったら・・・。
翌日、コウタに自分の気持ちを伝える為に夏祭に来たのだが、ユカに抱きつかれているコウタの姿を見てしまい「自分を裏切った」と勘違いしてしまったのだ。
簡単なことだ・・・世界を、私のいるべき世界に変えれば良い・・・!それが出来るだけの力を私は持っているのだから__!
選べ・・・疎まれ、蔑まれ、このままのたれ死にするか__!それとも、自分の居場所を自分で作るか__!
コウタ・・・さよなら・・・本当に好きだった・・・。
ここで遂にDNAの声に従ってしまい、コウタから貰った帽子を取り、その場にいた無関係な人々を大量殺害してしまった。
更に帰りの電車に乗っていたコウタの前に現れ、人類との、そしてコウタとの未練を断ち切るために、コウタの目の前でカナエ(コウタの妹)と父親を惨殺してしまうのであった。
どうしてこんなことするの!!?僕達は友達じゃなかったの!!?
何言ってるんだ、友達だから殺さなかったんじゃないか。次は、あの女だな。
やめてくれ!!やめてよお!!やめてよ!!もうやめてよお!!!
コウタの叫びによって、ルーシーはコウタを悲しませてしまったことを知り、彼への想いや彼の家族を殺した自責の念を長く持ち続けてしまう。以降彼女は、「コウタに謝る」為だけに生きていくが、記憶を取り戻した後はより罪悪感を抱くようになってしまった・・・。
その後警察に追われている最中、とある倉庫で迷子になった少女の高田愛子と出会った。上記の経験もあり彼女と関わりを持とうとしなかった。だがベクターでぬいぐるみを手玉のように動かしたり、自分を「何でもできる魔法使い」と称したりして比較的早く打ち解けたこともあってか、その後の彼女と比べて明るい表情も多かった。だが蔵間達に発見され、彼の部下の銃弾によりルーシーを庇った愛子が負傷。負傷した愛子を助けることが出来ないことに嘆き慟哭した。
何が魔法使いだ・・・目の前の命1つ救えないことも・・・!
その後、愛子の命を条件に研究所に投降。しかし、手術の失敗で彼女が死んだことを恨み、涙を流しながら蔵間への復讐を宣言。数年間厳重に拘束された。
お前は殺さない・・・いつか必ず、お前も同じ目に遭わせてやる・・・!
お前に関係する者全て、皆殺しにしてやる、いつか必ず・・・!
だが、角沢教授の画策により移送中に逃亡。以降、本編へと繋がる。
DNAの声
もう分かっている筈だ__この世界は、私がいるべき世界ではない__!
CV.小林沙苗
ルーシーの別人格の1つで、彼女のディクロニウスとしての本能が人格形成された姿。内なる声として絶えずルーシーに囁き続け、人類を絶滅させようとした。
ルーシーの精神内では当初顔に包帯を巻いた姿で現れていたが、やがてルーシーと瓜二つの姿を現した。但し顔…特に目つきは完全に異なり、目の輝きが完全に失われていることもありルーシーっぽくない顔で描かれている。
要は8年前に夏祭での殺人事件とコウタの家族の死を引き起こした張本人であり、本作のラスボスである。
コウタとのデート中にルーシーの精神世界で顕現。彼女に「女の子の従兄弟にコウタを取られるくらいなら殺してしまえば良い」と囁き、彼の首を絞めさせた。更にコウタに裏切られたと勘違いしたルーシーの嫉妬心に漬け込み、彼女に殺人を犯させた。
その後もことあるごとにルーシーに自分に従うよう囁き続け、彼女に数多の殺人を起こさせていた。
ちなみにこの人格は彼女のみならず、殆どのディクロニウスの本能が人格形成されてしまう。人間に対する攻撃性は個体差もかなり大きく、マリコのようにすぐ殺人を抵抗無く行う個体も多いが、ナナのように情愛が勝ってむやみに殺人を行わない者もいる。