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イリエワニ

登録日:2020/10/01 Thu 21:50:00
更新日:2026/08/11 Tue 05:54:05
所要時間:約 4 分で読めます





イリエワニとはワニ目クロコダイル科クロコダイル属に属するワニ
世界最大の爬虫類として数えられる爬虫類の一種でもある。
学名はCrocodylus porosus、英語ではsoltwater crocodile(ソルトウォータークロコダイル)といい、
別名として英語名を略したソルティーやその学名からポロサスとも呼ばれる。

【概要】

東南アジアからオセアニアにかけての熱帯地域各地に生息している大型のワニ。
全長は平均してオスは4m、メスは3mだが、これをはるかに上回る大きさに成長する個体もよく見られる。
公式記録ではフィリピンで捕獲された6m17cmもの巨体の個体(通称ロロン)が最大とされている。
さらに非公式ではあるが、なんと7mの個体も存在すると言われている。

爬虫類全体で見ても、全長ではオオアナコンダやアミメニシキヘビのなどの大蛇の方がより長くなるが、体重は大蛇より遥かに重くなり最大1tを超え、アフリカ大陸に生息するナイルワニや南アメリカに生息するオリノコワニと共に爬虫類最大級の種類であるとされる。

《生態》

英語名のとおり塩分に対する耐性が強い
川や湖などの淡水に生息し“でも見られることがある”他種のワニと違って、“海にも好んで生息”している。
また、遊泳力もワニの中で最も優れているため、外洋まで泳ぐことが可能。
遊泳速度は最高で時速29kmにもなる。(人間の泳ぐ速さは最高で時速8.6km程度)
そのため、本来の生息地から離れた国の海域や陸地で見つかることもたまにある。
食性は肉食で甲殻類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類と動物ならなんでも食べる。前述の通り、海にも進出するのでウミガメやジュゴン、ノコギリエイ等の海洋生物も捕食する。
頂点捕食者であり、スイギュウやトラ、サメを本種が捕食した記録もあり、我々人間も毎年、犠牲になっている。
このように獰猛な生物というイメージが強いが、多くのワニの仲間に共通して本種も仲間意識が非常に強い。
他の爬虫類のように卵は産みっぱなしにはせず、母ワニは我が子が孵化するまで守り、無事に孵化してからも暫くの間付きっ切りで守るのだ。
しかも、子ワニがSOSの鳴き声を出すと母ワニだけでなく、他のワニもゾロゾロと現れるので生息地では野生の子ワニを見つけても絶対に手を出してはいけないと言われている。

《武器》

巨体から想像できる通り噛む力も凄まじく、大きな個体になるとなんと2トンものパワーになる。
同じ大型ワニであるナイルワニと共に地球上の生物の中で噛む力が最も強い動物と言われている。
一方で、開ける力はかなり弱く、ちょっと重い石を上顎に乗せられるだけであっさり開かなくなってしまうほど。重い石どころかお年寄りの力でも抑えられるのは内緒
まあ、イリエワニに限らず、ワニの仲間に共通している特徴であるが、彼も例外ではない。
捕獲する際に、麻酔で眠らせた後で口にロープなどを巻き付けるという対応を取っているのをテレビなどで見たことがある人がいるかもしれない。

ただしイリエワニレベルの巨大ワニになるとそもそものパワーが強すぎるので口を抑えること自体が至難の業だったりするのだが…

しかし、武器はその大顎だけかと思ったら大間違い。
外洋まで遠泳できるほどの推進力の源である太く長いも武器であるのだ。
一振りで牛や馬の脚を叩き折り、オマケに尻尾のギザギザもナイフのように鋭いので、当たったら裂傷と打撲を同時に負いかねない。

《生息地》

主にベトナム~フィリピンなどの東南アジアやインドやバングラデシュといった南アジア、
オーストラリア北部やパプアニューギニアといったオセアニアに生息している。
日本でも発見例があり、西表島や八丈島、奄美大島などで発見された記録もある。

《天敵》

大型のワニであり、生態系の頂点に立つ動物なので天敵は少ない。
とはいえ、皆無ではなく、インドではトラに捕食されたこともある。
本種のみならずワニ類全般に言えることだが幼体は天敵が多く、成体にとっては捕食対象である肉食魚や水鳥、オオトカゲなどに捕食され、幼体がヌマワニやオーストラリアワニといった別の種類のワニに捕食されてしまうこともある。さらに共食いすることもある。
我々人間も、彼らにとっては捕食対象ではあると同時に天敵でもある。
国によっては、その皮を目的とする乱獲で数を減らしてしまったところも存在する。


【人間との関係】

上でも述べたが人間は天敵であると同時に獲物の一つでもある。
フィリピンやオーストラリアでは毎年生息地の川で泳いでいた人間が襲われて負傷したり、酷いと食い殺される事故が発生している。
太平洋戦争において、ビルマのジャングルに隠れていた日本兵がイギリス軍に炙り出された際に
逃げようと川を渡ろうとしてイリエワニに襲われて阿鼻叫喚の地獄絵図になったとされている。
恐ろしい話である…という話が有名だが記録の不確実性などから現在は疑問視されている。

しかし、現在では絶滅危惧種でもあるので、よほどのことがなければ駆除はされない。
生け捕りにされて保護区に移送されるか、動物園含めた飼育施設に送ると言った措置が取られることが多い。
ただし捕獲しようとして死んでしまったりすることもたまにある。
その際は剥製にされたり、解剖されたりして被害の状況などを調べたりすることもないわけではない。

一方、食用に養殖もされている模様。
タイやオーストラリア等ではこのイリエワニと近い種のシャムワニを交配させて成長速度を速めたワニの肉が食べられるとか。
味は意外にも臭みが少なく、鶏肉に近い食感で美味。


【飼育】

ワニの中までは勿論爬虫類の中でも特に巨大化する種類の為、動物園等でも飼育・展示がされている。

中でも有名だったのは静岡県の熱川バナナワニ園。
しかも、かつて飼育されていたイリエワニは、世界的にみても珍しい白変種であった。
熱川バナナワニ園と並び、ワニ飼育のメッカとも言われる大分県の鬼山地獄ことワニ地獄では繁殖にも力を入れており、子ワニも見られる。
上野動物園にいるフックと名付けられた個体は1966年に来園し、現在は60歳以上ととても長寿な個体である。
なお、我が国においては特定動物に該当する生物であり、許可がなければ飼えなかった。
だが、逆に言えばそうした動物を扱う資格さえあれば個人でも飼育できたのである。
しかし近年の法改正によって愛玩用としては飼えなくなった。
とはいえ、飼育下でも2mは軽く超えるし獰猛さも攻撃力も凄まじいので、禁止はある意味正解だったのかもしれない。
実際イリエワニを飼育しているある人は、餌代どころか設備に膨大な維持費がかかる上、
飼育者すらほぼ餌としか見ておらず、油断すれば食い殺されると言っていたという。
一方でワニ特有の知能の高さもあるようで、ケガをしたりするとその処置をするように催促する行動をとることもあるとのこと。


【余談】

ブラック・ウォーターという映画でワニが登場するが、舞台がオーストラリアであることから登場するワニも恐らくこの種類と思われる。

動物園経営ゲームPlanet Zooにも登場。
キャッシュで導入可能でありながら長寿、高アピール値、強気なので来園者からの視線管理不要、ハードシェルター不要、充実品の一部が研究なしで開放済み、
フェンスレベル低めで高さもいらない、肉食にしては食費安め等々の経営にありがたい面が揃っている。
インドクジャクあたりと並ぶ序盤の救世主動物。
水場が必要なので地形生成する必要がある、水中フェンス貫通バグで脱走する…といった問題がなくもないが「序盤に導入出来るならとりあえずワニ入れとけ」と言われるほどには優秀な動物である。


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最終更新:2026年08月11日 05:54