沼川(カイジ)

登録日:2020/10/10 Sat 01:49:80
更新日:2025/03/22 Sat 13:35:54
所要時間:約 7 分で読めます




「フー……危ない危ない…! 班長の慎重癖にも困ったもんだ……!」

沼川とは、賭博破戒録カイジに登場する人物。

●目次

【概要】

カイジが地下強制労働施設にて配属させられていた「E班」を取り仕切る班長、大槻の側近の一人。
痩身でオールバックにマレットの髪型、口ひげが特徴的な男。

後にスピンオフ作品、『1日外出録ハンチョウ』にてメインキャラとして活躍するようになる。
こちらによれば、宮崎県出身で好物はチキン南蛮
故郷から上京しており、普段は標準語で話すが気の置ける同郷の友人と話す際には宮崎弁で会話する。弟の大生(たいせい)がいるが、親とは疎遠。
原作では苗字しか出てこなかったが『ハンチョウ』にて沼川拓也というフルネームが判明した。

CV:逢坂力(アニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』)/佐藤拓也(1日外出録ハンチョウ


賭博破戒録カイジ

原作では大槻の指示の下、もう一人の側近である石和と共に物販や地下チンチロの受付などを担当。
地下チンチロでは大槻の隣に座り、大槻のルールの解説での漏れを補足する等、気の利く右腕的ポジションとして付き添っている。
しかしその裏では、大槻、石和と共に地下チンチロでのイカサマ(大槻の項を参照)の主犯格として暗躍。本来運否天賦の博打であるチンチロを常勝チンチロにするイカサマ賽、四五六賽を回収し普通の賽にすり替える役割を担っている。

用心深く、疑り深い性格でイカサマの露見に繋がりかねない三好の『出目のメモ』を咎めたり(後にこの懸念は的中した)、大槻が初めて四五六賽を持ち出した際にも法則の穴や危険性、四五六賽の使用に伴い出てくるであろう違和感などに対し苦言を呈していた。

大槻もその疑り深さを信頼しており、実際に地下チンチロのルール設定も上記の彼の意見を取り入れており、カイジらとの最終決戦の際にも四五六賽を使う折、「疑り深い沼川もそう思うか…」と彼のGoサインを判断基準の一つにしていた程。
だがその一方で「四五六賽さえ使えば負けはない」「仮にバレていたとしてもオレが奴らより早く賽を攫えばいい」と目先の損得や勝ち負けを優先した詰めの甘さも見せてしまっている。

最終的にはカイジに四五六賽を攫われてしまい、その際には力尽くで引き剥がそうとした結果、顔面に思い切り肘を喰らってしまう等、因果応報的な手痛い目を受けていた。
大槻が大敗した後の動向は不明だが、少なくとも以前のような立ち位置では居られないだろう。

1日外出録ハンチョウでは】

こちらでは頭脳派の腰巾着的な描かれ方の多かった本編に比べ、大槻や石和の予想外かつ奇想天外な行動に振り回されたりする等、劇中におけるツッコミ役、基い常識人かつ苦労人として描かれることが多い。

1日外出を心から楽しんでいる分、その反動として一日外出の終わりには「地下になんか戻りたくない」と塞ぎ込んでしまう事もしばしば。機嫌を損ねた際には軽い自傷行為(俗に言うハンガーストライキや、ソースまみれのゴミをポケットに詰め込むなど)でせっかくの1日外出を台無しにしかけたこともある。
上述のハンガーストライキの原因となった『キャベツを味噌汁に漬けてから食す』行為や、今川焼きやチューペットの事を『蜂楽饅頭』『パンちゃん』と呼んでいた事などから、特に食生活関連で弄られやすい。

また、一度自己嫌悪に陥るととことん自分を卑下してしまう性格でもあり、「死ねオレ…!」や「殺しますよオレはこのくそバカ(大学時代の自分)を今日……!」等の陰鬱な言葉を用いてしまうなど、良くも悪くも感情の浮き沈みが激しい性格としても描かれている。

会話は基本受け側で、年場の離れた大槻や木村、牧田の息子とも世代の壁を感じさせること無く気兼ねなく接する事が出来る。同郷の友人ながら『会話のタイプ』が同じである黒木とは当初中々話が噛み合わずにどこかぎこちない雰囲気となっていたが、彼が競馬に関して熱弁、つまり『話す側』になれば直ぐに打ち解けていた。そういった特徴からか、劇中ではイジられ役としての一面も目立っている。
一方のツッコミ役としては、一時期京都から地下に送られてきた本場気質のモブキャラに立場を食われそうになり、その時に自分のツッコミに関する語彙力の低さを反省している。

趣味嗜好に関しては「一度のめり込むと、とことんのめり込むタイプ」であり、地下という圧倒的娯楽不足の環境で『漬物づくり』や「筋トレ」など新たな趣味に目覚めることも多い。
特に『漬物づくり』に関しては料理の鉄人黒服の柳内や帝愛幹部の黒崎ですら絶賛する程であり、今までの人生で無かった「本から何かを学ぶ」経験も重ね、人間的にも成長した。
他にも中高ではバスケ部に所属しており、そのハンドリングテクは大槻ですら「ハンドリングうめーな」と素で絶賛する程。他にも初めての釣りで中々の釣果を見せるなど多才な一面を持つ。上京後、府中駅近くの牛丼チェーン店「やま屋」でバイトをしていた事がある。

ブルボンドラフト会議では、全く人気所ではないものばかりを指名する大槻や自分の食いたい物をひたすら欲しがる石和と比べ、鉄板どころを抑えようとひたすら必死に大槻を説得していた。

地下生活で九州出身者を集めた飲み会では、多くの出身者が福岡という巨頭の次の地位を狙っていたのに対し、宮崎出身の沼川は佐賀県出身者とどちらが九州最底辺かを押しつけあっていた。


【1日個室録ヌマカワ】

スピンオフスピンオフとでも言うべき読み切りで、まさかの主役抜擢。
話の内容としては地下就労者からも忘れかけられていた1日個室にて沼川が理想と現実の狭間で一喜一憂する1日を描く…といった内容。

浴衣を着て、旅館の和室のような落ち着いた雰囲気の部屋や三本までは無料のビール、エアコンとバスルーム完備、果ては饅頭等のお茶菓子付きといった、帝愛とは思えぬ居たれり尽くせりな環境に浮かれていたものの、
景色を見ようと窓を開ければそこは当然地下の地層と岩盤、TVは帝愛Chという兵藤を追ったドキュメンタリー一択、娯楽らしい娯楽は木製パズルだけと圧倒的な手持ち無沙汰に追い込まれていく沼川。
(正直なところこれを選ぶメリットは快適な部屋で風呂と布団とビール3本付きで1日休めるだけのものであり、「それならもう少し頑張ってペリカを貯めて外出しよう」となって忘れられているのも当然である)

が、そこで本棚にあった帝愛関連の本に混じっていた無料のルームサービスを発見。その殆どがサービスとは名ばかりの子供だまし(マッサージ=百均で売っているようなマッサージ器具を渡されるだけ、ヨガ体験=ヨガマットを置かれるだけなど)の中、唯一カラオケだけは設備も本格的で収録曲も豊富とまともだった。そこで沼川は思い切り大熱唱してヒトカラを堪能。
だが、地下故に部屋自体の立地が近かったためかあるいは安材工の突貫工事だったのか防音性は皆無で、その歌声は大槻らが働く作業現場にまでまる聞こえであり、しばらく沼川は大熱唱していた『さくらんぼ』を中心に誂われ続けるのだった…。

ちなみにこの時大熱唱していたさくらんぼは後のカラオケ回で沼川の持ち歌として再登場しており、その頃には彼も吹っ切れたのか、「あれ聞きたいなぁ」という大槻のリクエストに対し、「しょうがないっすね~!」とノリノリで歌っていた。


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最終更新:2025年03月22日 13:35