きのう何食べた?(漫画)

登録日:2020/12/02 (水曜日) 11:45:00
更新日:2020/12/30 Wed 15:25:38
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きのう何食べた?はよしながふみによる漫画である。

概要



モーニングに2007年から連載されている。ジャンルとしては日常漫画+料理漫画というところに入る感じ。
ちょっと変わっているのは、主人公が中年のゲイカップルのシロさんとケンジである、ということぐらいだろうか。
基本的にシロさんとケンジの他愛のない日常が描かれ、家に帰って今日の食事を作る、というのが基本的な流れ。主役がシロさんとケンジ以外の回もあり、それぞれの家庭の状況に合わせて様々なレシピが登場する。
作中で登場人物が年老いていく姿も描かれており、主人公たちの終活や高齢の親の世話など重いテーマも描かれる。

登場するレシピは基本的にスーパーの安売り食材やめんつゆ、顆粒だしなどで簡単にできるものが多く、非常に実用性の高いものになっている。
とにかく手間暇のかからない料理が多く、またシロさんや佳代子さんの料理の仕方は、限られた時間の中でマルチタスク的にどう主菜と副菜複数品を作っていくか非常に参考になる。料理本として手元に置いておくのをオススメしたいぐらいだ。実際、テレビのマンガ飯特集などでも絶賛されており、レシピ本も発売されている。
また、豚汁とご飯だけ、肉まんを蒸すだけなど手抜きと思えるようなメニューも登場するが、基本的に何でもとにかく美味しそうに描かれているので、読んでいるともれなくお腹がすいてくる。料理の魅力は手間暇だけではないのだ。

作品としては派手な展開があるわけではなく、登場人物はみな働いて家に帰ってご飯を作って食べ、淡々と年老いていくだけだが、何とも優しく趣のある作品に仕上がっている。
2019年にはテレビ東京のドラマ24枠でドラマ化。よしなが作品としては『西洋骨董洋菓子店』(ドラマ・アニメ・韓流映画)・『大奥』(ドラマ・映画)に次いで3作目の他メディア化作品になる。
実写ドラマ版では、『透明なゆりかご』など原作物のドラマのアレンジに定評ある安達奈緒子さんが脚本を努めており、細かなアレンジがかなり秀逸で、さらに俳優陣の熱演もあって原作を尊重しながらも別の味わいのある秀逸な出来栄えとなっている。


登場人物 ()はテレビドラマ版
  • (かけい)史朗(しろう)(西島秀俊)
主人公。愛称シロさん。ケンジと同棲中。上町法律事務所に所属する弁護士で、仕事はできるが定時には必ず業務終了し帰宅する。ドライな合理主義者にみえて、なんだかんだで情に流され面倒な案件を引き受けてしまうことも多い。後に出世して上町(息子)とともに所長に就任した。
年齢は42歳だったが*1、若々しい容姿をしている。しかし作中のキャラからは「芸能人でもないのにあの若さは逆に気持ち悪い」などと不評。

ゲイゆえに子供も作れないからと老後のために倹約しており、食費を月25000円に抑えていたが、近所の激安スーパー・ニュータカラヤの廃業などもあり30000円に変わった。住んでいるのは家賃10万円ファミリータイプのマンション(過去に寝室で殺人があったため格安)。

レシピはめんつゆや顆粒だし、安売りの食材を使ったものが多い。クレープやバナナケーキなどのスイーツも作るが、バナナケーキをアルミホイルにくるんで人にプレゼントするなどセンスがおばさん臭い。また、思い切りが足りないためか揚げ物が苦手。

職業柄や、かつて親バレした時の両親の反応からか、ゲイであることは隠している。
若かりし頃は女性アイドルの追っかけをしていたこともあり、特に現在では名女優となった「三谷まみ」は今でも大ファン。
あまりゲイらしくない好みに「実はバイなのでは?」と指摘されたことも。

割と了見の狭い神経質な性格をしており、美容院の客にベッド内でのことまでバラしたケンジを若干ヒステリックに叱りつけたり、女性研修生の取り扱いに困って空回ったあげく失言をしてセクハラ扱いされている。
しかし、話が進むにつれてある程度の割り切りを覚えたもよう。

ケンジとは新宿二丁目で出会い、後にたまたまケンジの勤める美容院に来店。しばらくしてマンションが浸水し困っていたケンジを家に迎えいれた。
ケンジは恋人としてものすごく好みのタイプではないが、家事に協力的で素直なケンジとの生活にそれなりの幸せを感じており、老いていく自分たちの将来を真剣に見据えている。

両親からは同性愛者=トランスジェンダーあるいは女装家という風に誤解されており、両親との関係は微妙にこじれぎみだが、両親の終活に奔走する。主に思い込みの激しい母の暴走に度々振り回されている。

  • 矢吹(やぶき) 賢二(けんじ)(内野聖陽)
史朗と同棲している恋人。シロさんより2歳年下。美容師。
ヒゲ面だが中身は「ふんわり乙女」。
学生時代の同期の三宅が経営する美容院に雇われており、三宅からはなかなか独立して出て行ってくれないと微妙に疎まれているが、人当たりの良さから客の人気は高い。
後に三宅が客と不倫したあげく妻に三行半を突きつけられ気分転換に行ったベトナムに出店を決意し店をケンジに押し付けベトナムへ行ってしまったので、なし崩しに店長に就任。

陽気でオープンな性格だが、「宵越しの金は持たない」などやや経済観念に欠ける面がある。嫉妬深く、何度かシロさんの浮気を疑って詰め寄ることも。実写では往年の少女漫画のごとくハンカチを噛んで嫉妬に狂っている。桃が好き。

料理は基本シロさんまかせだが、健康に気を遣うシロさんのいぬ間にバターを大量に使ったサッポロ一番やオムライスなどのかなりジャンキーな食べ物を作る。サッポロ一番の回は実写でも屈指の飯テロ回であり、放送直後には店頭から一気にサッポロ一番が消えた。
作中で卵焼きなど徐々にレパートリーが増え、家計管理も覚えていく。

シロさんとは逆にゲイであることはカミングアウトしており、若干おネエの入った口調なのだが、実写版では中の人の渾身の乙女演技が加わり、とんでもない破壊力のある萌えキャラと化した。
クランクアップ後にはシロさん役の西島が「賢二ロス」になりかけたという。

姉二人と美容師の母親(と行方不明に近い状況のろくでなしの父親、後に死亡が発覚)がおり、三兄弟で一番女性的な性格。


  • 小日向(こひなた)大策(だいさく)(山本耕史)
シロさんとケンジの友人。同性愛者。芸能プロダクションでマネージャーリーダーをしていて、かつては三谷まみのマネージャーをしていたことも。体格がよく筋肉質なイケメン。
恋人の航を溺愛しており、彼を竹宮恵子の少女漫画『風と木の詩』のジルベールに例えている。(航本人はヒゲのアラサーなのに)。
ややMっ気があるのか、航にいびられ家を追い出されるなどしてもシロさんにやや自慢げに語るので呆れられている。幼少期から裕福だったらしく、現在も高収入のため口がおごっており、作る料理は本作には珍しく高級食材をつかったものが多い。

なお、全体的に原作のビジュアルを意識した実写版では珍しく、原作とはかなり雰囲気の違う山本氏がキャスティングされていたが、蓋を開けてみると原作以上に過剰なドMっぷりを披露、その怪演っぷりで視聴者の腹筋を崩壊させた。

  • 井上(いのうえ)(わたる)(磯村勇斗)
小日向の恋人。デイトレーダーだが稼ぎは少なく、小日向の家に居候している。
わがままな性格で何かあると居候の身の上で小日向を家から締め出す。
実家は裕福だが、性的指向の問題か性格の問題か、勘当されているもよう。
小日向の贅沢な手料理で生活しているものの、実はシロさんの料理が好物であり、シロさんの家に行くと散々料理をディスりつつ完食する。
料理はあまり作らないが、かなりファンシーな手作り弁当を作っていたところをみると実力は高いもよう。実写では最も原作のビジュアル、キャラともに再現度が高い。

  • 富永(とみなが) 佳代子(かよこ)(田中美佐子)
シロさんの家の近所に住む中年の主婦。
シロさんとは激安スーパーニュータカラヤの前で、お互いスイカをまるごと購入するのに躊躇していたところを遭遇し意気投合。
スイカを切り分けるため自宅に招いたがその後妄想を膨らませた挙句、シロさんを近所に出没していた強姦魔と勘違いし通報しかけた。
この際に焦ったシロさんが「僕はゲイです!」と叫んだことで彼のセクシャルを知る。誤解が解けた後はシロさんとはお値打ち食材を分け合う仲に。
夫が客を呼ぶのが好きなため、家庭料理からパーティメニューまでお役立ちレシピが豊富な知恵袋的な存在。特に小日向家の冷蔵庫が壊れて急遽食材の消費を迫られた時、救援に駆けつけ中の食材をあっという間に豪華なパーティーメニューに仕立てあげてしまった手腕はまさに神。
娘が一人おり、作中で孫が生まれる。いつもシロさんにケンジの愚痴を聞かされている割に、作中ではなかなかケンジ本人と遭遇しなかった。

  • 上町(うえまち)美江(よしえ)(高泉淳子)
シロさんの所属する弁護士事務所の所長で「大先生」と呼ばれる熟年の女性弁護士。途中から第一線を退くため、シロさんと息子に引き継ぎを始める。夫を亡くし息子の修の妻と不仲なこともあって別居しており、一人暮らし。
料理はあまりしないが大福や肉まんなどを美味しそうに食べる。シロさんに顧客からのいただきものを(修の嫁に渡せないからと)融通してくれる。

  • 上町(うえまち)(おさむ)(チャンカワイ)
大先生の息子で母親の弁護士事務所に勤務する、シロさんの同僚。
ぽっちゃり体型と人のよさそうな笑顔のまさにお坊ちゃま*2
この漫画のタイトルである「きのう何食べた?」は1話での彼の台詞。

  • 片岡(かたおか)志乃(しの)
上町弁護士事務所の事務員。レストランのオーナーの娘だが、経営危機により実家が上町弁護士事務所に世話になり、そのまま事務員として就職。その後実家の従業員と結婚する。
共働きで夫が職業柄肥満気味のため、家ではヘルシーかつ手軽な料理を作る。元は史朗のアドバイスだが、2品は油を使わない料理を作るなどの肥満防止ルールは参考になります。


  • 山田(やまだ)瑞希(みずき)
上町弁護士事務所の事務員。ドジだが頭もカンも良く、シロさんの私生活にも唯一気づいている模様。共働きで子供が二人おり、本人も偏食気味だったりで日々のレシピには苦労しているもよう。
豚汁やドライカレーなど、若干手抜き気味の一品メニューが多いが、それもまた良し。たまには料理に手を抜いて気を休めることも必要かも。



追記、修正はごんべんのつゆの素の底値を把握した上で素通りし低脂肪乳を買ってからでお願いします。

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最終更新:2020年12月30日 15:25