登録日:2021/01/28 Thu 14:38:34
更新日:2025/01/21 Tue 14:57:55
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西暦2008年7月、人類は絶滅の危機に直面していた。
核兵器を遥かに超える超磁力兵器は世界の半分を一瞬にして消滅させてしまった。
地球は大地殻変動におそわれ、地軸はねじ曲がり、五つの大陸はことごとく引き裂かれ、海に沈んでしまった…
『未来少年コナン』とは1978年に制作されたテレビアニメ作品。
1978年4月4日~同年10月31日まで全26話が
NHK総合にて放映された。
アニメーション制作は日本アニメーション。
【概要】
映画以外にもテレビシリーズの再放送がなされており、NHK作品としては珍しく民放でも頻繁に再放送され、CMを入れられるよう再編集したバージョンが制作されている。
本放送から40年以上経った2020年にはNHKで当時の尺に近づけたデジタルリマスター版が放送。これは『
キングダム』第3シリーズの第5話以降の放送が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、その代替番組としての放送だった。
2024年5月には舞台版が上演される予定。
【ストーリー】
世界を破壊しつくし、地球の環境をも変化させてしまった最終戦争から約20年後。とある小さな孤島では少年コナンと育ての親おじいの二人だけが自給自足で静かに暮らしていた。
そんなある日、島に見知らぬ少女が島に流れ着く。その少女、ラナは衰弱していたがおじいの介抱で元気になり、コナンとも仲良くなった。
しかし次の日、ラナを追って武装した兵士たちが飛行艇に乗ってやってくる。兵士たちとのいざこざでおじいは命を落とし、ラナは拉致されてしまう。
コナンはおじいの教えに従い、ラナを助けるために旅に出るのであった。
【主な登場人物】
声:小原乃梨子
演:加藤清史郎
のこされ島で健やかに育った少年。純粋で優しい性格だが
昼寝はしない。
自然の中で自給自足をしながら育ったため、常人離れした身体能力を持っている…が
ギャグレベルで常人離れしすぎている。特に足の指の力は彼の一番の武器ともいえる。
銛の扱いが得意。
声:信沢三恵子
演:影山優佳
本作のヒロインで、コナンにとっての初めての友達。特定の人間とテレパシーで会話する、動物と意志疎通をするなどの超能力を持つ。
祖父のラオ博士の居場所をテレパシーで探させるためにインダストリアの者たちに拉致されたが脱走し、のこされ島に流れ着いた。
なお『空想科学読本』によると彼女の顎の力はコナンをどうこう言えないレベルで常人離れしているらしい。
声:青木和代
演:成河
プラスチップが採れる島の森で一人サバイバル生活を営んでいた野生児。
出会った当初はコナンと下らない争いをして対立していたが、なんだかんだで意気投合し、彼の最初の仲間となる。
身体能力はコナンと互角で、弓が得意。好物はカエル。
声:山内雅人
演:椎名桔平
コナンの育ての親。最終戦争による地球環境の大変動から逃れるため、宇宙への脱出を試みたが失敗。のこされ島に不時着し、9人の仲間と暮らしていた。
しかし大変動から20年の間に仲間は一人ずつ逝き、今ではコナンと二人暮らしとなった。
ラナを追ってきたモンスリーたちとのいざこざで重症を負い、コナンに新しい世界を探しに旅立つこと、仲間を見つけて仲間のために生きることを説き事切れる。
主要登場人物の中では珍しく原作に登場しない完全なオリジナルキャラ。
声:山内雅人
演:椎名桔平
ラナの祖父。太陽エネルギーの復活方法を唯一知っていることから、ギガント復活を企むレプカに追われていた。
現在は消息不明となっており、テレパシーを使えるラナでも行方を掴めていない。
声:永井一郎
演:宮尾俊太郎
バラクーダ号の船長。レプカの命令でハイハーバーからラナを拉致した張本人。
表向きはレプカやモンスリーに対して忠実だが、本人のいないところではボロクソに罵るなど内心は反抗的。
立場的にはコナンたちの敵だが、個人的な感情からインダストリアを裏切り、コナンたちの
味方となる。
声:吉田理保子
演:門脇麦
インダストリアの行政局員。若い女性でありながら行政局の次長を勤める腕利き。
最終戦争で家族を失い、瀕死の状態だったところをインダストリアの者たちに拾われた過去がある。
度々コナンと戦うライバル的存在で、コナンの能力を高く評価している。
バカね
声:家弓家正
演:今井朋彦
インダストリアの行政局長。実質インダストリアを支配する独裁者であり、超兵器
ギガントによる世界征服を企む危険人物。
ギガントの稼働に必要な太陽エネルギーを求め、その復活方法を唯一知っているラオ博士を探すことに躍起になっている。
某大佐の子孫だという噂がある。
【用語】
コナンとおじいが二人で暮らす小さな孤島。島の一番高い丘の頂上にはロケットが逆さまに刺さっており、二人はこのロケットと隣に建てた小屋を家としている。
インダストリア所属のダイスが船長を勤める大型船。プラスチップを集めてリサイクルし、石油を確保することを目的としている。
三角塔と呼ばれる巨大な塔を中心とした都市。三角塔の地下には迷路のような防空壕が広がっており、多くの住人はそこで暮らしている。
本来ならば太陽エネルギーで各施設の電力を賄っているが、技術が失われているため代わりに原子炉で補っている。
しかしこの原子炉が限界にきており太陽エネルギー開発メンバーであり唯一の生き残りであるラオ博士の捜索が急務となっている。
そのため都市としての機能は麻痺し、一時期は労働者を外部から移住させていたが現在は飽和状態で不法移民は厳罰に処される。
ラオ博士によれば都市ではあるものの人口は1000人に満たないと分析している。
ラナの生まれ故郷で多くの人々が住む自然豊かな島。畑や工業地帯もあり、住人たちは人間らしい生活を取り戻しつつある。
ラオ博士が助けた人々によって作られ、太陽エネルギー普及以前の技術も伝授されており、インダストリアが地殻変動前の遺産頼みなのとは逆にバスや船など自分達で生み出す技術がある程度確立されている。
太陽の光と熱を変換して生み出されるエネルギー。文明崩壊前の一部のテクノロジーには必要不可欠だが現在では失われた技術であり、復活させる方法を知る者はラオ博士のみとなっている。
かつて人類を絶滅寸前まで追い込んだ超磁力兵器を搭載した巨大な航空機。
当時の科学の粋を結集して作られた兵器ということもあり超磁力兵器のみならず様々な火器を搭載し、静止衛星軌道に3機あれば地上はどこでも攻撃可能。
大気圏を離脱すれば太陽エネルギーで半永久的に飛行、乗員も3年間は無補給で活動可能である。
大半は地殻変動によって失われたが1機のみがインダストリアの地下で保管されていた。
【劇場作品】
1979年9月15日公開。内容はテレビシリーズをまとめたダイジェスト版だが、一部の展開が大きく変更されている。
特にラストについては大きな物議を醸し、病を患いながらも収録をした小原氏からは苦言を呈された。
さらに、宮崎駿がノータッチで編集されたことで製作陣と衝突し、自ら名前を取り下げた事もあってか、代表作にも挙げられていない。
ビデオやLDが発売されたもののその後ソフト化されることもなく半ば封印作品状態であったが、2012年にNHKで放映された際にデジタルリマスター化された。
1984年3月11日公開。上記の第一作では描かれなかったテレビシリーズ終盤のギガント編をまとめたダイジェスト版。
【余談】
- 『名探偵コナン』は本作と名前が被っており、当時の編集長もその事を指摘したという。
- 1980年代初頭に宮崎駿はNHKでのTVシリーズ作品として『未来少年コナン2』という位置付けの『海底世界一周』という企画を提出しており、これが映画『天空の城ラピュタ』、テレビ『ふしぎの海のナディア』、『七つの海のティコ』の元になった。
- 1999年に放送されたTVアニメ『未来少年コナン2 タイガアドベンチャー』は2と付いているが、世界観流用の名残であって本作との直接的関係はなく、放映当時後半は『~2』の表記は消えている。
追記・修正は最終戦争と大地殻変動を生き延びた方にお願いします。
- あの宮崎駿と富野由悠季が製作スタッフにいるというのが物凄いのだが、ラナの超感覚はニュータイプの概念に大きな影響を与えていたり、ザブングルのウォーカーマシンはロボノイドをモチーフとしていたり、宮崎監督のみならず富野監督にとっても切り離せない作品だったりする -- 名無しさん (2021-01-28 15:23:40)
- 作品自体の項目が建ってなかったのが意外。この前NHKの再放送で観たが不朽の作品だと思ったわ -- 名無しさん (2021-01-28 15:28:12)
- これの続編の企画から生まれたのがラピュタとナディアとティコ -- 名無しさん (2021-01-28 15:29:22)
- タイガアドベンチャーという黒歴史続編。 -- 名無しさん (2021-01-28 17:10:25)
- 2008年も今や過去 -- 名無しさん (2021-01-28 18:22:27)
- 初期のドラゴンボールもどことなくこれの影響受けてるよね。鳥山明氏も「ああいう作品をかきたい」と言ってた。じっちゃんと暮らす身体能力高い少年とか少女がきっかけで旅立つとかヤジロベーもどことなくジムシィ感あるとか影響が多い気がする。 -- 名無しさん (2021-01-28 19:31:19)
- 名探偵の方と間違えるのは誰もが通る道 -- 名無しさん (2021-01-28 19:32:28)
- 名探偵コナンの連載始める頃はコナンといえばこれだったんだよね。当初は編集長から「これのイメージがあるからドイルにしろ」と言われたとか。今ではコナンと言えば名探偵だから時の流れはすごいものだ。 -- 名無しさん (2021-01-28 20:47:02)
- あのアニメの人工呼吸のシーンが名探偵の方のコナンの映画でオマージュされてた -- 名無しさん (2021-01-28 21:16:01)
- >タイガアドベンチャー あのなんちゃって続編ってどういう意図で作られたんだろうね? -- 名無しさん (2021-01-28 21:43:56)
- ↑3 コナンといえばこれだったんだせいで某作品の「メイトリクスモチーフのキャラが剣と魔法の世界に来たらコナン・ザ・グレートモチーフのキャラになる」というネタがわからなかった思い出 -- 名無しさん (2021-01-28 22:50:11)
- 実は始めて見たのが劇場版のほうだったから、しばらくした後でTVシリーズを鑑賞して知った.....ラナ救出とレプカ & ギガントとの闘いもそうだけど、立ち寄ってた島での騒動も凄かったな...。そして、モンスリーが遭遇したギガントの恐怖も怖い....あのことは絶対に実現化しないでほしい...。 -- 名無しさん (2021-01-28 23:22:16)
- OPが物語終了後の二人の暮らしなのが最終回でわかるのもいい -- 名無しさん (2021-01-29 09:07:46)
- 冨野監督が1stガンダム制作にあたってライバル視していたのがこのコナン。コナンには勝てなかったと話していたけれど… -- 名無しさん (2021-01-29 17:15:52)
- ギガントの方が先に記事が出来ていたという…最終戦争の二十年後だから本編の世界は2028年か、現実の世界はどうなってるんだろうな -- 名無しさん (2021-01-29 21:38:17)
- ダイス船長がよく乗ってるあのロボットみたいな乗り物、マジでロマン -- 名無しさん (2021-01-29 22:31:06)
- 一話の目覚めたラナのカットにハヤオがブチ切れたのは割と知られた話になりつつある にしても大人気ないというか こだわりが強すぎたというか -- 名無しさん (2021-01-30 09:22:41)
- 原作「The Incredible Tide」の英語版wikipediaのページにまで「宮崎駿の日本アニメ未来少年コナンの原作」ということがまず書かれているという -- 名無しさん (2021-01-30 09:54:34)
- 駿氏はカリオストロの城のルパンも担当、そのルパンは後に名探偵と共演 -- 名無しさん (2021-01-30 09:55:04)
- 類似したタイトルに宇宙少年ソランも -- 名無しさん (2021-01-30 20:16:06)
- 原作となった『残された人びと』、復刊ドットコムの新装版が10月に9年ぶりの増刷されるそうで -- 名無しさん (2021-09-07 13:38:07)
- のちにガンダムXの大本になったのだろうか。 -- 名無しさん (2023-10-12 12:03:25)
- ↑ボーイミーツガールかつでロードムービーって長編アニメは多分コナンが初めてだったんじゃないかなぁ。初めてでなかった場合でも、NHKで放映ってのもあり、全国的な知名度があるからなぁ -- 名無しさん (2023-10-12 12:38:37)
- 絶滅戦争やらかしちゃったからテクノロジーなしで生きていこうってのだけは∀ガンダム見た後だとちょっと納得いかなかった -- 名無しさん (2024-03-10 21:15:01)
- 2028年まであと3年となりました -- 名無しさん (2025-01-21 14:57:55)
最終更新:2025年01月21日 14:57