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未来少年コナン

登録日:2021/01/28 Thu 14:38:34
更新日:2026/05/30 Sat 00:59:20
所要時間:約 7 分で読めます




冒頭の語り部:伊武雅人(現:伊武雅刀)


「西暦2008年7月、人類は絶滅の危機に直面していた。」

「核兵器を遥かに超える超磁力兵器は、世界の半分を一瞬にして消滅させてしまった。」

「地球は、大地殻変動におそわれ、地軸はねじ曲がり、五つの大陸はことごとく引き裂かれ、海に沈んでしまった…。」



未来少年コナン




『未来少年コナン』とは1978年に制作されたテレビアニメ作品。
1978年4月4日~同年10月31日まで全26話がNHK総合にて放映された。
制作は日本アニメーション。


【概要】

アレグザンダー・ケイの小説『残された人びと』を原作としており(作風は大分異なるが)、宮崎駿の初監督作品である。
作品の特徴としては、地球の環境を変化させてしまう程の大戦争で崩壊した世界を舞台に、ボーイミーツガールを描いた冒険劇であり、本放送後にダイジェスト版の映画が2作公開された。

映画以外にもテレビシリーズの再放送がなされており、NHK作品としては珍しく民放でも頻繁に再放送され、CMを入れられるよう再編集したバージョンが制作されている。

本放送から40年以上経った2020年にはNHKで当時の尺に近づけたデジタルリマスター版が放送。これは『キングダム』第3シリーズの第5話以降の放送が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、その代替番組としての放送だった。

2024年5月には舞台版が上演される予定。

【ストーリー】

世界を破壊しつくし、地球の環境をも変化させてしまった最終戦争から約20年後。とある小さな孤島では少年コナンと育ての親おじいの二人だけが自給自足で静かに暮らしていた。
そんなある日、島に見知らぬ少女が島に流れ着く。その少女、ラナは衰弱していたがおじいの介抱で元気になり、コナンとも仲良くなった。

しかし次の日、ラナを追って武装した兵士たちが飛行艇に乗ってやってくる。兵士たちとのいざこざでおじいは命を落とし、ラナは拉致されてしまう。
コナンはおじいの教えに従い、ラナを助けるために旅に出るのであった。

【主な登場人物】

  • コナン
声:小原乃梨子
演:加藤清史郎
のこされ島で健やかに育った少年。純粋で優しい性格だが昼寝はしない。
自然の中で自給自足をしながら育ったため、常人離れした身体能力を持っている…がギャグレベルで常人離れしすぎている*1
頑丈さだけでなく腕力、脚力、心肺機能の全てが常人をはるかに上回り、特に足の指の力は彼の一番の武器ともいえる。
銛の扱いが得意。

  • ラナ
声:信沢三恵子
演:影山優佳
本作のヒロインで、コナンにとっての初めての友達。特定の人間とテレパシーで会話する、動物と意志疎通をするなどの超能力を持つ。
祖父のラオ博士の居場所をテレパシーで探させるためにインダストリアの者たちに拉致されたが脱走し、のこされ島に流れ着いた。
なお『空想科学読本』によると彼女の顎の力はコナンをどうこう言えないレベルで常人離れしているらしい。

  • ジムシィ
声:青木和代
演:成河
コナンが漂着したプラスチップ島の森で一人サバイバル生活を営んでいた野生児*2
出会った当初はコナンと下らない争いをして対立していたが、なんだかんだで意気投合し、彼の最初の仲間となる。
身体能力はコナンと互角で、弓が得意。好物はカエル。

  • おじい
声:山内雅人
演:椎名桔平
コナンの育ての親。おじいというのはコナンによる呼びかけであり、本名は不明。
かつての最終戦争の際、地球環境の大変動から逃れるため宇宙への脱出を試みた人々の最後の生き残り。
飛び立ったロケットは降り注ぐ隕石によって大破し、のこされ島に不時着。かろうじて生き延びた9人の仲間と暮らしていた。
しかし大変動から20年の間に仲間は一人ずつ逝き、今ではコナンと二人暮らしとなっていた。
ラナを追ってきたモンスリーたちとのいざこざで重症を負い、コナンに新しい世界を探しに旅立つこと、仲間を見つけて仲間のために生きることを説き事切れる。
主要登場人物の中では珍しく原作に登場しない完全なオリジナルキャラ*3

  • ラオ博士
声:山内雅人
演:椎名桔平
ラナの祖父にあたる隻眼の老人。
ラナと同等かそれ以上の超能力者でもあり、テレパシー以外にも不可視の防壁を張るなどしていた。
かつて太陽エネルギーを開発した一人で、その復活方法を唯一知っていることから、ギガント復活を企むレプカに追われていた。
現在は消息不明となっており、テレパシーを使えるラナでも行方を掴めていない。

  • ダイス
声:永井一郎
演:宮尾俊太郎
バラクーダ号の船長。レプカの命令でハイハーバーからラナを拉致した張本人。
表向きはレプカやモンスリーに対して忠実だが、本人のいないところではボロクソに罵るなど内心は反抗的。
立場的にはコナンたちの敵だが、インダストリアへ護送したラナへの個人的な感情と、そのラナの身柄引き渡し後に開かれた行政局の査問会において人さらい呼ばわりし(建前で)自身を悉く委員会メンバーの前で非難したレプカへの恨みからインダストリアを裏切り、コナンたちの味方となる

コミカルな描写が多いものの、崩壊した世界で荒くれな船員たちを率いるだけのカリスマと実力の持ち主。
作中上位の身体能力だけでなく、ろくな工具のない状態でもロボノイドを含む各種機械を修理できるだけの技術を持っている希少な人物。

  • モンスリー
声:吉田理保子
演:門脇麦
インダストリアの行政局員。若い女性でありながら行政局の次長を勤める腕利き。
最終戦争で家族を失いった戦災孤児であり、海上で瀕死の状態だったところをインダストリアへ向かう途上の移住者たちに拾われ育てあげられた過去がある。
そのためか外部の老人を激しく憎んでいる。第1話でおじいに糾弾された際に戦争の当時子供だった身の上を明かして激しく反論し逆におじいを黙らせる場面と、第19話で詰所にした住宅の庭で犬に遭遇した際の柔らかな顔と幼少期の回想シーンは必見。
主人公コナンとはラナを巡って度々銃火を交えながら戦うライバル的存在で、コナンの能力と行動力を高く評価している。


  • レプカ
声:家弓家正
演:今井朋彦
インダストリアの行政局長。実質インダストリアを支配する独裁者であり、軍事格納庫で密かに保管している超兵器ギガントによる世界征服を企む。
ギガントの稼働に必要なエネルギーを求め、またインダストリア存続のため太陽エネルギーの復活方法を唯一知っているラオ博士を探すことに全精力を傾けるほど躍起になっている。
そのラオ博士の探索と孫娘であるラナを捕縛に努める傍らで、ラナを連行する前後までは三角塔の原子炉コントロールに必要な人員である最高委員会の科学者(である老人)達には下手に出ていた。しかし彼らは穏健派であるため委員会代表のモウ博士(声:雨森雅司)とは絶えず反目し合っており、物語の序盤でもモンスリーの隣で「太陽エネルギーを復活させたら用無しだ、奴らを砂漠に放り出してやるッ‼」と吐露するなど敵愾心を露わにしている。またインダストリアの下層住民を常に虫ケラ扱いし、ラオ博士の元助手であるルーケ(声:安原義人*4→田中秀幸)率いる反抗勢力には全員に額へ焼印して投獄するなど、劇中で熾烈な弾圧を度々行っている。
身内にも決して容赦しない。インダストリアに反抗しラナを強奪して洋上に逃亡したダイスに対しては穏健に済ませる様進言した委員会メンバーを無理矢理説得し、ガンボートで追撃した上でバラクーダ号と船員ごと拿捕した。終盤のコントロールルーム内においては反逆を疑ったモンスリーに対し、浮遊椅子でジリジリと迫り詰問しつつ彼女の顔をそのまま靴裏で踏みつけ足蹴にしている。
自分の意にそぐわない者は敵と見做し最終的にはブレーキ役の委員会メンバーの博士達をも実力行使で徹底的に排除した、作中一の危険人物。旧時代の科学力を背景に、常に世界と人々を屈伏させる野望に燃えている。

某大佐の子孫だという噂がある。


【用語】

  • のこされ島
コナンとおじいが二人で暮らす小さな孤島。
島の一番高い丘の頂上にはロケットが逆さまに刺さっており、二人はこのロケットと隣に建てた小屋を家としている。
周辺の海底にはかつての都市の残骸が沈んでおり、島の海岸には巨大な戦艦が座礁している。

  • バラクーダ号
インダストリア所属のダイスが船長を勤める内燃機関搭載の大型機帆船。
外見は古めかしい帆船だが、内部はかなり高度な技術によって構成されている。とはいえ輸送船なので装甲はほぼないも同然。
エンジンは木炭ガスで稼働し、プラスチップを集めてインダストリアへ輸送することを主な目的としている。
数十名の船員のほか、採掘・運搬作業用の一人乗り人型ロボットであるロボノイドを複数搭載している。

  • インダストリア
三角塔と呼ばれる巨大な塔を中心とした都市。三角塔の地下には迷路のような地下街と居住ブロックが広がっており、多くの住人はそこで暮らしている。さらに中心部の最下層にはかつて住宅区を兼ねた巨大防空壕のコアブロック*5と呼ばれる廃墟が存在する。

本来ならば太陽エネルギーで各施設の稼働に必要なエネルギー生産を賄うのだが、先の大戦と大地殻変動で技術が失われている。代わりに原子炉で代用し補い、収集したプラスチップを原材料にし食糧や物資も生産している。
しかしこの原子炉は前文明の遺物で、更改も出来ない上に燃え尽きる寸前にまで老朽化した代物。三角塔全体の需給を全くカバー出来ておらず、ひとたび戦艦ガンボートの出動にエネルギー配分を優先した場合は衣料品など工場生産を数ヶ月単位で後回しにしなければならなかった。それほどにインダストリアの生存事情は逼迫しており、太陽エネルギー開発メンバーであり唯一の生き残りであるラオ博士の捜索が急務となっている。
このため人類の叡智を結集したハイテク科学都市としての機能は大部分が麻痺しており、一時期は労働者を外部から移住させていたが現在は飽和状態で不法移民および外部からの無断移送を固く禁じている。
ラオ博士によれば都市ではあるものの人口は1000人に満たないと分析している。

+ 物語の終盤では
ラオ博士と4人の科学者たちによりエネルギー衛星が発見され、太陽エネルギーが復活したことで本来の姿を取り戻す。
あらゆる設備が輝きを取り戻し、食料を始めとした膨大な物資を生みだす様は圧巻の一言。
しかしその輝きも僅かの間。密かに動き続けていたレプカによりギガントが復活し、その攻撃で大破させられてしまった。
(

  • サルベージ船
インダストリア郊外に拡がる砂漠の彼方に停留している縦長の中型船。
その名のとおり、先の戦争や大地殻変動で海に沈んだ資材や資源・船舶を人力とクレーンでサルベージするドッグ船で、知識と技術がとびっきりに優れた壮年の男リーダー“パッチ”と、やたら饒舌で人遣いが荒いサブリーダーのテリットを筆頭にインダストリアの中〜下級市民が働いている。皆々は陸にある簡素な宿舎を寝床にし、桟橋を渡して行き来しながら作業に従事している。
コナンとラナの2人が砂漠を抜け命からがら逃げ込んできたのだが、この時を境に宿舎と砂漠と海にある異変が…

  • ハイハーバー
ラナの生まれ故郷で多くの人々が住み、美しい海に囲まれ、内陸は森や湖、島全体を囲むようにそびえる山や崖・岩山などで自然豊かな島。大地殻変動の際、奇跡的に旧時代の町並みがそのまま取り残された事で畑や工業地帯が現存しており、一部には高速道路の遺構や放棄した旅客バスなども残っている。住人たちは幾多の苦難を経て大変動以前の人間らしい生活を取り戻しつつある。
ラオ博士が助けた人々によって村が作られ、村人達には太陽エネルギー普及以前の製鉄・縫製・漁業・農業・畜産などの技術も世代間で伝授されている。また、これらを活用した島内の部落同士の交易も盛んである。コナン・ジムシィ・ダイス含むバラクーダ号のクルーが帰郷したラナと共に滞在し、人間社会で生きる上でのルールを学んだり、コナンとジムシィは他人に頼らない自活を模索するなど物語中盤以降の再出発の起点となった。
インダストリアが地殻変動前の科学技術にあらゆる物事が頼り切りなのに対し、ハイハーバーはその真逆で自然と共存し住人皆が働き自給自足を行っている。

一見平和で豊かに見えるこの島も問題を抱えており、島の一部を牛耳るある勢力により存続の危機を迎えてしまう…

  • 太陽エネルギー
地球を周回している人工衛星を介し、取り込んだ太陽の光と熱を変換して莫大なエネルギーを生み出す。文明崩壊前の一部のテクノロジーには必要不可欠だが現在では失われた技術であり、エネルギー誘導に必要な人工衛星の座標合わせなど復元の方法を知る者はラオ博士のみ、他の科学者は全て死に絶えた。彼の孫娘であるラナをインダストリアの最高委員会とレプカが血眼になってあらゆる手を使い探索し捕らえるのに躍起になっているのは、太陽エネルギーを復元出来る彼と互いにテレパシーで所在の確認や意思疎通が出来るから。しかし…

かつて人類を絶滅寸前まで追い込んだ超磁力兵器を搭載した巨大な航空機。
当時の科学の粋を結集して作られた兵器ということもあり超磁力兵器のみならず様々な火器を搭載し、静止衛星軌道に3機あれば地上はどこでも攻撃可能。
大気圏を離脱すれば太陽エネルギーで半永久的に飛行、乗員も3年間は無補給で活動可能である。
大半は地殻変動によって失われたが1機のみがインダストリアの地下で保管されていた。


【劇場作品】

  • 「未来少年コナン」
1979年9月15日公開。内容はテレビシリーズをまとめたダイジェスト版。封切前にはニッポン放送で前夜祭特別番組も放送され、森山周一郎のナレーションによる本作キャスト出演のラジオドラマを収録したレコードも発売された。
この作品の特徴は、一部の展開が大きく変更されていること。特に映画ラストの展開と改変については大きな物議を醸し、病を患いながらも収録をした小原氏からは苦言を呈された。
さらに、宮崎駿がノータッチで編集されたことで製作陣と衝突し、「ダイジェストでなくテレビ版エピソードに準じ全26話分一挙上映するか、完全新作の製作でないと容認出来ない」と詰め寄った。結局上映は強行され、これを受け自らスタッフロールから名前を取り下げた事もあり代表作に挙げられていない。
ビデオやLDが発売されたもののその後ソフト化されることもなく半ば封印作品状態であったが、2012年にNHKで放映された際にデジタルリマスター化された。


  • 「未来少年コナン 巨大機ギガントの復活」
1984年3月11日公開。上記の第一作では描かれなかったテレビシリーズ終盤のギガント編をまとめたダイジェスト版。


【余談】

  • 名探偵コナン』は本作と名前が被っており、当時の編集長もその事を指摘したという。
  • 1980年代初頭に宮崎駿はNHKでのTVシリーズ作品として『未来少年コナン2』という位置付けの『海底世界一周』という企画を提出しており、これが映画『天空の城ラピュタ』、テレビ『ふしぎの海のナディア』、『七つの海のティコ』の元になった。
  • 1999年に放送されたTVアニメ『未来少年コナン2 タイガアドベンチャー』は2と付いているが、世界観流用の名残であって本作との直接的関係はなく、放映当時後半は『~2』の表記は消えている。





追記・修正は最終戦争と大地殻変動を生き延びた方にお願いします。

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最終更新:2026年05月30日 00:59

*1 生身のまま水圧を物ともせずに深海まで素潜り、数十メートルの高さから飛び降りても脚が痺れるだけ、ラナを抱えた状態で不安定な足場から助走無しに十メートルほどジャンプするetc… なお、原作小説でも「やせてはいても筋肉が波のように盛り上がっている」という記述があり、パワフルな少年。

*2 島には他にも人がいるが、一人の方が気楽ということで森で暮らしている。

*3 原作は戦後数年程度が舞台で、コナンは戦争末期の避難時に遭難して孤島に一人流れ着いている。コナンの家族は全員インダストリアの元になった「平和同盟」という勢力の軍に戦中に殺され本編未登場。

*4 初登場回のみ

*5 ラオ博士曰く「今のインダストリアの住民は先の大戦でここへ逃げ込み生き延びた人達の末裔」、と孫娘のラナに語っている