メタルナイト(ワンパンマン)

登録日:2021/03/10 Wed 18:32:13
更新日:2025/08/09 Sat 13:57:32
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「ヒーローは本名じゃなくヒーロー名で呼べ。常識だ」

漫画『ワンパンマン』の登場人物。


●目次

【概要】

ヒーロー協会に所属するヒーローの一人。
最高戦力であるS級ヒーローの1人で、ヒーローランクはS級6位。

光沢のある金属アーマーを着込んだ巨漢といった風な見た目だが、これは遠隔操縦しているロボット
本体は出っ歯で禿げた頭が特徴の陰気な顔つきの老人。

「メタルナイト」というのはヒーロー協会から付けられたヒーロー名で、本名は「ボフォイ」
通称「ボフォイ博士」と呼ばれている。

天才的な科学者であり、人智を超えた技術力の持ち主。
「平和のため」と称して、日々自分の作り上げたロボットの武力増強に力を入れている。

同じくS級ヒーローの一人であるS級5位の童帝は元助手で、童帝とは師匠と弟子のような関係。
またS級9位の駆動騎士とは、何らかの因縁があるらしく、真偽や意図はいまなお明らかになっていないが、駆動騎士はジェノスに「メタルナイトはお前の敵だ」と忠告している。

【人物】

自分の研究が第一で、他のヒーローとは全く協力体制を取らず、実験が行える状況でなければ現れもしない。
ヒーロー協会の本部の要塞化、警備ロボットの配置、崩壊した市のあまりにも早い復旧など、協会に対する技術提供の貢献度は凄まじい。
ただしあまりに協調性がなく人道に反した合理的作戦ばかりに傾倒する為、S級ヒーロー内ではあてにする者もおらずランクも助手以下となっている。

本人は、常に「敵」が人類を襲い掛かることを想定して動いている様子。
S級ヒーローに甘えた一部のヒーロー協会幹部や自分の力を過信するものが多いS級ヒーローとは対照的に、最悪を見据えているからこそ冷徹な行動をとっているといえる。
元助手の童帝に対しても非協力的だが、「怪人協会だけが人類の敵ではない」「裏切り者・盗聴の危険を忘れるな」と(盗聴者に悟られないためか)婉曲に言って突き放しており、あまりそれを理解していない童帝には頭の良さこそ認められているが好かれていない。
(言い方や挙動があまりに偏屈なため、怒りを買ったり警戒されるのも無理はないのだが)

その頭脳からか、サイタマの存在を明確に知った際にも他のヒーローのように安易な雑魚扱いはせず即座に「S級ヒーロー並みかそれ以上の戦力」として警戒・監視対象に入れるなど油断から程遠く、
言い換えると周囲が辟易するほど病的なまでに警戒心の強い精神性の持ち主。

私利私欲にまみれたヒーロー協会上層部には愛想を尽かしているが、ゆえに行動が分かりやすく利用しやすいため、今の処は放置している。
もっとも、番外編「戦隊」ではあまりに腐敗した協会幹部を裏から手を回して追放処分にしているなど、内心ではヒーロー協会の腐敗を苦々しく思っている模様。
ガイド本『ヒーロー大全』によると趣味は「ヒーロー映画」で、本名で呼んだジェノスにヒーローはヒーローネームで呼ぶのが常識と説いた場面もある。

【戦闘能力】

戦闘ではメイン機体である「メタルナイト」を始めとする遠隔操作式のロボットを使って戦う。
他にも身の丈程もある大剣を振るう「メタルキング」、空中を飛行し全身から砲撃を行う「メタルクィーン」と「メタルビショップ」、片腕が巨大なレーザー砲になった「メタルルーク」などのチェスの駒にちなんだバリエーションが存在し、全てひっくるめて「メタルシリーズ」と呼称される。
当人は直接戦わないものの、操るロボットの火力はジェノスのような他の兵器搭載型ヒーローと比べても桁違いに高い。

怪人協会編までの劇中での戦闘は、ボフォイが愛用する無人機「メタルナイト」による偵察&実験のみだが、
  • 「ヒーロー協会に貸与したただの警備ロボット(●●●●●●)1体が、災害レベル鬼の怪人2体相手に勝利できるなど、S級ヒーロー並みの強さ
  • 「その警備ロボットを破壊したサイタマに驚きこそすれ動揺しない余裕を見せる」
  • 「普通なら数十年かかる街の復興工事を、圧倒的な質と量の土木ロボット達を用いて瓦礫撤去から新本部&ハイウェイ再建まで7日間で終わらせる」
など、保有する総戦力は未知数
先の復興工事からするに、最低でもジェノス駆動騎士といったS級ヒーロークラスの戦闘用ロボットや兵器を数百体以上は保有しているものと思われる。

怪人協会編では、サイコスがS級2位の戦慄のタツマキと正面から相対した状況にもかかわらず彼とS級1位のブラストが参加しなかったことを指して「飛車角落ち」と評するほど。
圧倒的なまでの耐久力と再生力に加えて巨躯による大規模な攻撃範囲を持つ竜クラスの怪人の中で屈指の能力を持つムカデ長老を撃破しうるS級ヒーローとして、キング、タツマキ、ブラストという最高戦力と並んでサイコスは彼の名をあげている

このように、劇中ではやられても損害がないロボットということやお気に入りのロボ1体のみでの戦闘のため劇中の怪人協会編までは活躍が少なかったが、タツマキやブラストに引けを取らない戦果を挙げてきた様子。
ヒーロー、怪人問わずランクの高低と戦闘力が必ずしも比例しない「ワンパンマン」ならではの評価と言える。

【来歴】

◆巨大隕石落下事件編

巨大隕石落下事件で初登場。
巨大隕石の落下予測地点でジェノスと遭遇。
本名の「ボフォイ」で呼ばれたため

「ヒーローは本名じゃなくヒーロー名で呼べ。常識だ」

と注意した。
大量の兵器を用いて隕石を破壊しようとするも、隕石の破壊には失敗した。

◆暗黒盗賊団ダークマター編

暗黒盗賊団ダークマターの侵攻の際は、ヒーロー協会からの徴集に応じずS級ヒーロー会議には欠席していたため不参加。
ダークマターを撃退した後に現れダークマターの母船を回収した。
その後、ヒーロー協会からの依頼で本部ビルの強化工事を一手に担い瓦礫だらけの跡地を10日間で整備した。

怪人協会

怪人協会の構成員達が宣戦布告代わりに街で暴れていた際には、災害レベル「竜」のムカデ長老と交戦。
ムカデ長老が撤退した際にムカデ長老の体に取り付き怪人協会のアジトに侵入するも、怪人王オロチにメタルナイトの機体を自爆装置を起動する間もなく破壊され、機体の情報を奪われた。

ヒーロー協会から人質の奪還と怪人協会壊滅作戦に参加を要請された際は、怪人協会との戦いでヒーロー側の戦力が消耗するのを危惧し不参加。
童帝に対して「怪人協会だけが人類の敵ではない」「裏切り者・情報流出の危険を忘れるな」と警告した。

◆ネオヒーローズ編

協会側の依頼でヒーロー協会本部に新たな防衛設備を敷くが、黒い精子と育ちすぎたポチを連れたサイタマにS級ヒーロークラスの警備ロボットを破壊され、サイタマの存在を認識することになる。
この時破壊した責任を追求されるのにビビったサイタマに「…なんかよくわかんないけど爆発した」と言い訳され、
キングもサイタマを庇い職員に信じさせたことで「不良品のロボを協会に渡した」とボフォイからすればマジで謂れのない濡れ衣を着せられた形になった。

一方、何があっても表舞台に出ることはなく、ひたすらに秘密の研究所内で協会・ネオヒーローズ双方、そして最近発生し始めた改造怪人の情報を調査し続けていた。

更には童帝の質問や実質的な救援依頼すら「お前と俺はもう無関係だ」「部外者からの依頼など断る」と徹底拒否し、対話にすら応じない姿勢を見せている。
そんな状況下で、ネオヒーローズや改造怪人が使用しているテクノロジーがボフォイのものに類似している上に、メタルナイトに似た自律ロボット軍団と機械怪人「機神シリーズ」による各地への襲撃という大事件まで発生。
誰がどう見ても、どっからどう見ても、ただひたすらにボフォイが怪しすぎる状況に我慢ならなくなった童帝は、彼の研究所を特定し強襲。全ての糸を引く黒幕ではないかという疑惑を突きつける。

が、そこは童帝のヒーローとして、同時に科学者としての師匠。
彼の質問はいつもどおり冷たく切り捨て、それどころか彼の様々な策すらも事前に看破して無力化。キレた童帝による殺意全開の攻撃すらも事前に身に着けたパワードスーツで耐え抜く。
その上で童帝を麻酔弾で無力化し、抵抗を諦めるように諭す。
もはや人の情すら無さそうなその言動から、童帝は「かつて共同研究していた人間の脳を電脳化する改造」を自らに施し、感情を喪失した機械人間に成り果てたのではないかと問いただすが……?

+ 偏屈で怪しい研究者の本性
童帝の秘策たる超巨大ロボット「スーパーブレイブジャイアント」と、ボフォイのヒーローとしての肉体とも言える遠隔制御ロボ「メタルシリーズ」とのぶつかりあい。
自分のメタルシリーズを倒せれば質問に答えてやると言いつつも、童帝の最強兵器すらメタルシリーズの連携によって易々と破壊していくボフォイ。
ふと童帝を見れば、涙をこらえて震えていた。何故師匠は何も言わないのか、何故師匠は自分よりいつも先を行くのか、少年のプライドはとっくにボロボロ。
流石にいたたまれなくなったのか、ようやくボフォイは今まで黙っていた本心をかつての弟子に教える事にした。

彼は確かに冷徹で、偏屈で、頑固で、猜疑心が強く、あからさまに怪しい老人だった。
だが、彼の本心など誰も知らないし、本人も話そうとは思わない。
何故ならば……



「では何故ヒーロー協会と関わっているのか?技術を提供するのか?」

「それは オレが守ってやらないと すぐ潰れてしまうからだ。」



誰よりも優れた頭脳と比類なき技術力を持ち、生半可なヒーローよりも遥かに強いロボットを量産し、それをボタン一つで自在に操る。
依頼を受ければ人を守るためのシステムをすぐに作り、被害が発生すればロボットを率いて即時復興に向かう。
その怪しい振る舞いで疑われても、心無い文句を言われても、冷たい視線を向けられても、どこ吹く風で次なる人助けを行う。

彼のスタンス、それは「濡れ衣や汚名を被ったとて、それを弁解する時間すら惜しいからとにかく人助けを優先する」というものだった。
ヒーロー協会に所属し黙って様々な技術を提供するのも、「オレよりも頭が悪いし弱い人間たちが、それでも自発的に集って人助けをしたいと頑張っている」からで、疑われても彼らや人類そのものが存続するならそれくらいは些細なものとして見ている。
つまりは「誰かが困ってるから、それを助けたいだけ」という、無償で他人を助け続ける存在。言ってしまえばサイタマの同類
どこまでも誠実で、どこまでも不器用な、あまりにもヒーローらしい男だったのだ。

もちろん、電脳化にも手を出していない。そんなことをすれば自分の持つ独創性や努力するという気持ちも失ってしまう。
何故なら独創性や努力するという気持ちこそがAIより人間の脳が優れているという結論に至っているからであり、実際にサイタマも他のS級ヒーローも大体そうである。
だからこそ彼は件の電脳化計画の延長として「人間のように苦悩し、経験し、壁を乗り越えて進化していくAI」を開発していたという。
すでにそれも完成し、「彼」と呼ばれたAIはどこかで稼働していることを示唆する。

そしてボフォイは自分の技術が何者かによって盗み出され、自分に罪を被せるためにそっくりで解析しやすい作りにしている事に、とうの昔に気づいていた。
だから自分のミスは自分で潰す。この一連事件の黒幕を見つけ出すために彼は怪しい存在全てを泳がせ、情報を集めていたということ。
その結果、ボフォイは昔から敵対していた「自分の頭脳を狙うあの男」が黒幕であると看破し、それが誰であるかを童帝に話そうとするが……?


「お前を排除する。」





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最終更新:2025年08月09日 13:57