登録日:2021/04/24 Sat 16:29:50
更新日:2025/03/24 Mon 23:16:32
所要時間:約 4 分で読めます
CV:優希比呂(当時は「結城比呂」名義。)
【概要】
Yes!プリキュア5に登場する敵組織「
ナイトメア」の構成員の一人で、首領デスパライアの秘書を務める細身の男性。
組織内での地位は非常に高く、他のメンバーを監査する役割にある。
ファンからの愛称は「カワリーノさん」。
ナイトメアの重鎮ともいえる人物。
【外見】
七三分けの髪型が特徴で、青色の背広に紫のネクタイを着用しているTHE会社員といった外見。
常に柔和な笑顔を浮かべている。
【人物】
プリキュアシリーズ最恐候補のブラック上司。
一人称は「わたし」で口調こそ丁寧だが、所謂慇懃無礼な性格。
声を荒げたり直接暴力を振るったりはしない分、チクチクネチネチとした嫌味でじわじわと精神的ダメージを与えて来る。「部下への当たりが強い上司」であれば他作品でも珍しくないが、ナイトメアの場合は
「企業」という体を取っているだけに生々しさが半端ではない。
ブンビーさんと日曜朝から娘と一緒にプリキュアを見ている全国のお父さんの胃痛の原因はだいたいこの人で、部下達にはパワハラ三昧なブンビーさんも彼相手では形無しである。
「予算はあっても無駄な物には使いたくないものですねぇ…無駄な部署とか…無駄な人材とか…」
「む、無駄ってそんな、カワリーノさん…」
「いえいえ、ブンビーさんが無駄な人材だなんて言ってませんよ?…今はまだ」
「まだぁ!?」
普段は細目でニコニコしているだけあって、目が見開いた時がかなり怖い。
目ェデカっ!!
デスパライアに対する忠誠心は強く、彼女を侮辱する者はプリキュアは勿論部下に対しても怒りを見せるほど。
しかしその一方、
「仲間?そんなもの見たことも聞いたこともありませんねぇ」
部下に対しての仲間意識は皆無に等しく、彼らの事は目的を達成する為の捨て駒としか思っていない冷酷非道なエゴイスト。
しかし、汚名返上すべくやる気を出すアラクネアに作戦のアドバイスを送ったり、長らく本社に戻らなかったガマオに復帰のチャンスを与える等、稀に柔軟な対応をする事もある。本当に稀にだが。
部下達には最終勧告として「
海苔黒い紙」を渡すが、嫌がる
ハデーニャや
ブラッディには無理矢理被せるブラック上司。
ガマオの時に至っては
黒い紙の効果を説明した上で勿体ぶって渡さずに去ると見せかけてわざと黒い紙を落とし、何も知らずに拾った彼を最終形態へ変貌させるといったどす黒すぎるやり方に震撼した視聴者も少なくなかったとか…。
みんなの
トラウマでお馴染みの絶望の仮面もカワリーノさんが作ったものである。(後述)
?????「絶望の仮面ですか…私の怠け玉とどっちが凄いか気になりますねぇ♪」
間違っても
この人と意気投合してはならない。したらお茶の間が青ざめる。
ここまで書けば向かうところ敵無しのカワリーノさんだが、自身より遥かに強烈なキャラクターのハデーニャには苦手意識がある。
前述の通り滅多に表情を変えない彼が目を見開き冷や汗を流しながら彼女の放った投げキッスのハートを避けると言えば苦手度合いがよくわかるであろう。
一度投げキッスのハートが直撃したこともあるし。
当然ながら純粋にカワリーノさんを慕っている部下は皆無で、かつての上司ブラッディは、
「お前が来てからナイトメアはダメになった。」
「お前は自分の目的だけを優先して全体の事を何一つ考えない。今のナイトメアには何の結束力も無い」
と糾弾している。
とどのつまり、カワリーノの「目的至上主義」のせいで従業員達の結束力が皆無になり、ナイトメアは
ブラック企業化してしまったのである。
また、冷酷なNo.2である彼だがデスパライアへの忠義がいきすぎており、当のデスパライアが社員のことを気遣っていても自分は平気で部下を使い捨てにし、戦力となるものもやる必要もないのに切り捨てるなどいきすぎた行動や無駄も少なくなく、それで目的への過程に支障をもたらしている面も。
だが、自分より立場が上のデスパライアは引きこもっていること、自分より偉い奴がいないせいもあってそれらの欠点に自分で気づくこともなければ改善することもできなかった為、それが回りまわって自身の破滅へと繋がっていくことを知らなかったのであった…。
【能力】
ナイトメアトップクラスの実力者で、ブンビーさんは「本気をだすと本部が壊れる」と評している。
人間態のままでも超獣化したギリンマを
片手で抑え込むパワーを持つ。
真の姿は巨大な
カメレオンのような魔人で、二本の
尾で攻撃する。
更にただでさえ高い戦闘能力を
1枚でもリスクの高い黒い紙を大量に使用して巨大化・パワーアップするという無茶をしでかしている。
その上で倒されてもなお何とか生き延びているのだから流石である。
他にも、あらゆるものに変身できる能力を宿しており、パルミエ王国を侵攻した際にはピンキーに化けてナッツを騙し、王国の門を開けさせた他、後半ではココに化け、ピンキーが全て揃ったドリームコレットを奪い取ることにも成功している。
何気に演技力も高い方だと思われる。ココに化けた時は結構棒読みで胡散臭かったが、一同(特にミルク)が信じてくれたおかげで上手くいったとか言ってはいけない。
【絶望の仮面】
「のぞみなんていなきゃいいのに。そう思ったことない?」
「女優かプリキュア、あなた、どっちを選ぶ?ほーら、迷ってる。あなたは素敵な女優になれるわ。」
「本当は戻りたくないんでしょ?もう気を遣うのも嫌だなって思ってるでしょ?」
「本当に友達と呼べる人はいない。あなたはひとりぼっち。」
絶望し仮面を被せられた者は、辛い現実を忘れ、穏やかな世界へと浸ることとなる。そこからは二度と抜け出すことはできないという恐ろしい仮面。
絶望の仮面を被せられたルージュ、レモネード、ミント、アクアに取り押さえられ、カワリーノから仮面を被せられそうになったドリームは希望の力で一度は仮面を押し返すものの、
「お仲間はもういないんですよ…?」
と、動揺させたところに仮面を押し付け、意志をなくした5人を揃って奈落の底へ落とすという狡猾な仕事ぶりを見せた。
その後ココとドリームの説得により仮面が砕かれた事に勘づいたカワリーノは、まさかの事態に取り乱すも、
ブンビーに「デスパライア様がお怒りになる」と窘められる。その後、正気を取り戻した5人は超獣化したギリンマくんと再度戦うことになる。
そこでカワリーノが黙って見物している訳はなく、先程の悪夢を引き起こして直接精神攻撃に回る。
「あなたがそんな目に遭うのも、そのお友達のせいですよ?」
「仲間など見捨てて逃げれば良かったものを。もうあなたの夢は叶いませんよ?」
「また仲間のために損な役回りですか?」
「ひとりぼっちのあなたに何がわかると言うのですか?」
しかし希望を取り戻し、絶望の仮面さえも砕いたプリキュアはもう揺るがない。
「どんな目に遭ったっていい!あたしはのぞみと一緒にいたいのよ!!」
「私は絶対に仲間を見捨てないし、夢を諦めたりもしない!!」
「それがこまちの優しさよ!私が1番よくわかってるわ!!」
「かれんはひとりじゃない!私も皆もいるわ。ひとりになんか、絶対させない!!」
その後新たな力に目覚めたプリキュア5に轢かれた倒されたギリンマくんはナイトメア1人目の殉職者となり、カワリーノは悔しげに顔を歪ませながらその場を後にしたのだった。
しかし、ココによるドリームへの説得がなければ誰一人現実世界へ戻ることはなかったことから、カワリーノの魔力がいかに強いものであるかがうかがえる。
ちなみに、ナイトメア社にいる従業員(?)たちが付けているのもそれである。
+
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以下、ネタバレ |
実は彼らはパルミエ王国の住人たち。自分達の国を失ったことで希望が消え、未来を見失った絶望につけ込まれた彼らは、絶望の仮面によって意思すらも失ったのである。
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【終盤での活躍】
自分に意見したブンビーさんを容赦なく切り捨て「こんな終わり方嫌だぁぁー!!」、さらにブラッディを絶望の闇に沈めるといった暴挙に出る。
その後、一度はプリキュア達に敗北したが、
最終回にてデスパライアと和解しようとした
のぞみに激昂して
復活。
だが、当のデスパライアが世界を絶望で覆い尽くしても空しいだけであることに気づき、プリキュア達の話を聞きたいと言い出した為激しく動揺し自分がやってきたことが無駄になったことをたたきつけられることとなり絶望に染まる。
そして…
なんと自分が始末した筈のブラッディ(影のようなものしか見えないが、これまで黒い紙を使わされたもの達同様超獣化している)が絶望の闇から出現し、巨大な手で捕らえられてしまう。
そのままカワリーノは絶望の闇に引きずり込まれていった。
主君の名を叫びながら…
これまで散々尽くしてきたデスパライアの変心に絶望する姿は一見可哀想に見えるが、そもそもブラッディを絶望の闇に落としたのは他ならぬカワリーノ自身であり、他のメンバーを捨て駒扱いして切り捨てた因果応報の末路でもある。
『GOGO!』の最終話ではブンビーさんの会社「ブンビーカンパニー」に、カワリーノさんそっくりの男性が入社している。
仕事をすっぽかした上で雑誌を読みながら上司であるブンビーさんに「部下の尻拭いが上司の仕事でしょう?」と悪びれもせず言い放ち、それでもめげずに「コイツを立派な社員へと育成する」事を第一目標として後始末に向かうブンビーさんを適当に見送る等、口調や性格まで瓜二つであった。
ちなみに、エンディングのキャストクレジットでは「社員」表記となっているがご丁寧に中の人もカワリーノと同じである。キャストクレジットの表示される順番も他の悪役同様3番目となっている。
カワリーノさんにあれこれ言われる前に、追記・修正お願いします。
- 最終回の彼はカワリーノさん本人とも思えなくはないが、デスパライア絶対主義の彼が彼女に拒絶された絶望から立ち直れるかは正直疑問 -- 名無しさん (2021-04-24 22:01:28)
- ↑そっくりさんじゃね? -- 名無しさん (2021-04-25 02:47:16)
- 当時娘と一緒にプリキュアを見ていたであろうお父さん達を、日曜の朝から絶望させた張本人。初登場時の背後から肩トンとか、部署異動→課長から平扱いに降格とか大人になってから見ると怖すぎる -- 名無しさん (2021-04-27 19:28:18)
- そしてこの最終回に出てきたそっくりさん、オールスターで一瞬だけ出てきたりする。 -- 名無しさん (2021-04-29 17:53:58)
- プリキュアと和解した上で幕を降ろしたデスパライア様よりもラスボスじみてたような人 -- 名無しさん (2021-10-24 21:18:02)
- 部下への当たりが強い上司なら他シリーズにも居るけど、なまじナイトメアが「企業」って体だから生々しさが半端じゃないんだよね。しかも声を荒げたりせずネチネチチクチクイビって来るが本当にもう -- 名無しさん (2023-03-27 19:24:20)
- デスパライア様を筆頭にナイトメア側にも話せばわかりそうな人が多かっただけに、本当に大体こいつのせい -- 名無しさん (2023-05-09 03:08:55)
- 個人的にカワリーノは「ミルクのアンチテーゼもしくはIFキャラ、後のアナコンディみたいに似て非になるキャラ 」「好意を忠義で示し伝えようとした 」じゃないかな?と思っている...「ここにいる社員たちはパルミア王国の住人さ!」...絶望させるつもりが希望を与えるとは...。 -- 名無しさん (2024-10-10 20:35:54)
- 10/10に項目内容を編集していた方へ、編集巻き込みでコメントが一件消えていたので次からは気をつけてください。 -- 名無しさん (2024-10-10 23:06:30)
- さすがにブンビーさんとこの社員はカワリーノの記憶を持った本人だとは思えないというか思いたくない…性格はそのままでもナイトメア社での記憶を失った状態で復活したか、カワリーノが闇に引き込まれたと入れ違いにパラレルワールドでの同存在がやってきたか… -- 名無しさん (2025-01-23 19:21:19)
最終更新:2025年03月24日 23:16