混沌より溢れよ怒りの日(Dies irae)

登録日:2012/01/17 (火) 21:58:59
更新日:2022/11/27 Sun 21:41:41
所要時間:約 8 分で読めます


タグ一覧
Dies irae Du-sollst――Dies irae Gladsheimr―Gullinkambi fünfte Weltall キリスト グラズヘイムは今日も地獄です グラズヘイム・グランカムビ・フュンフト・ヴェルトール ドゥゾルスト・ディエスイレ マルコ福音書 メメント・モリ ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ ラインハルト・ハイドリヒ ロンギヌス ロンギヌスの槍 ロンギヌスランゼ・テスタメント ヴァルハラ 不老不死 創造 創造位階 地獄 太極 正田崇 死を想え 死者蘇生 流出 流出位階 混沌より溢れよ怒りの日 渇望 獣殿 神座万象シリーズ 第四神座 聖槍十三騎士団 聖約・運命の神槍 聖遺物 至高天・黄金冠す第五宇宙 覇道型 黄金 黄金の獣 黒円卓



回れ契約の壷中聖櫃―――我が総軍を流れ出させろ



Dies Irae -Acta est Fabula-に登場する異能
ラインハルト・ハイドリヒの持つ渇望の流出位階に当たる。


ここでは流出だけでなく聖遺物と創造位階についても説明する。



※ネタバレ含む


◆聖遺物

聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)
ラインハルトの所持する聖遺物



キリストを貫いたとされる伝説の神槍。つか、まんま「ロンギヌスの槍」

神気を纏う神殺しの槍。常人ならば穂先を向けられただけで蒸発し、槍の"形成"を目撃するだけで見る者の魂を焼き尽くす聖性と力を持つ、究極にして最高位の聖遺物。
内に渦巻き猛り狂う魂の質と総量は、もはや一つの世界であり、槍の形に凝縮された宇宙。

作中最高の格を持つ聖遺物で、生まれながら流出の才を持つヒロインのマリィに匹敵する。
常人ならば使用どころか見ただけで魂が消え去るというとんでもない代物で、扱えるのは当代最高の覇道適性を持つ者、即ちラインハルトのみ。
全ての聖遺物を扱えると言われた藤井蓮でさえ唯一扱えない。

能力は「槍の一撃を受けると聖痕が刻まれ、戦奴となる」「聖痕を刻まれた者に殺害された人間も戦奴となる」
つまり、聖痕が刻まれた団員とその団員が殺した人間の力を持つため、総合的な魂の容量が桁違いな上に団員の能力も使えるという事。

更に純粋な攻撃力も高く、力を貯めて黄金の破壊光を放つことができる。
マリィルートのタワー戦では、戯れの一閃で街(諏訪原市)の五分の一を消滅させている。これでも全盛には程遠くラインハルトの神威が示す一端でしかない。
螢ルートの魔城戦によると、聖槍は本来何者よりも速く、絶対的を逃さず、当たれば一撃必殺である。第八のスワスチカが開いていれば神でも躱せない。

防御力も高く、ラインハルト本体はヴァレリア・トリファの聖遺物「黄金聖餐杯(ハイリヒ・エオロー)」であるため、数百万の魂を内包してる上に対物理・対魔術・対時間・対偶然とあらゆる防壁が施されている無敵の鎧。


神咒神威神楽でも登場。使用者は既に消滅しているものの、役割通りその代最高の覇道の持ち主の手に渡り黄金の覇道を引き継がせた。




◆創造位階

至高天・黄金冠す第五宇宙(グラズヘイム・グランカムビ・フュンフト・ヴェルトール)



獣殿特有の「メメント・モリ(死を想え)」の精神と「全力を出す機会が欲しい」という渇望を具現化した覇道型の創造

能力は「獣殿が全力を出せる『場』である“城”を召還する」というもの。
ラインハルトの創造は何者であれ崩せず、匹夫が数億集まろうと揺らぐことはない。

更に、“城”に存在する死者を操作出来る」という能力も持ち、
団員の創造を使用したり、生前の軍隊を召還して一斉射撃したり、大量の戦奴を操り敵を束縛する等応用も効き非常に厄介。
戦奴はラインハルトが存在する限り不滅・不死身であり、たとえ死んでも何度でも蘇ることができる。
ラインハルトとは彼個人と“城”に取り込まれた魂の集合であるため、彼と対峙するという事はレギオンすべてを相手取るに等しい。
殺せば殺すほど強くなるというエイヴィヒカイトの性質を突き詰めたような能力である。

その渇望ゆえに“城”に取り込まれた魂はラインハルトの一部となり同化することを意味し、“城”の全ての魂の経験値を自らのものとして共有している。
つまり戦闘という観点において数百万の総和、地上に並ぶ者なき最高峰の経験値を有していることになる。そのため、未来予知としか言えないレベルの予測を可能とする。
更に、単騎で自身の総軍を凌駕する王でもある。
指揮官でありながら、万分の一秒以下で五十を超える斬撃を繰り出す序曲時の藤井蓮との白兵戦を互角以上に渡り合い、圧倒できたのはそうした理由も一部にある。

本来、創造で創られた空間は時間経過で解除されるが、イザークのバックアップで半永久的に展開出来る、流出の一歩手前の究極の創造。
尚、条件を満たせばイザークも使用出来る。

第八のスワスチカ解放後は城は弾け飛び解れ、拡散して天を覆う方陣と化し、拡大していき、遠からずこの星を呑み込む修羅道(グラズヘイム)。
彼が存在する限り、その総和は膨れ上がり続ける。百万が千万へ、億を超えた先にまで。地獄の王である彼にとって、全人類は己に傅く定めを負った戦奴に過ぎない。
初期段階では覇道の領域は諏訪原市全域を覆い尽くし外界から完全に隔離する。そしてその異常に気づく部外者は一人もいない。
方陣が広がった場所の魂は残らず総て城に吸い上げられる。

戦闘時にはヴェヴェルスブルグ城から山をも超える巨大黄金骸骨に変形、移動は二足歩行ではなく這うように移動する。
移動速度は速く、当時の如何なる手段も凌駕する高速の移動で、その巨体が移動し続けたことで生じたエネルギーの総量は歴史的な大地震にも匹敵する。
口からは黄金の光線を吐き出す。これは核を凌駕する超絶の熱量で、国を一つ灰燼と化すに足るものである。
ただしラインハルトにとっては小手調べ以下であり、総体は微塵も減じたりはしない、例えそれが跳ね返されて直撃しようとも。
聖槍からは、破壊の神威たる黄金の光線を放つ。その威力は城のそれとは比べ物にならず、那由他の闇(地球総ての闇)に守られているメトシェラが纏っていた神秘を一撃で消し飛ばし蒸発させ、ただの自然現象へと戻している。




◆詠唱

元ネタは「マルコ福音書」


その男は墓に住み あらゆる者も あらゆる鎖も
Dieser Mann wohnte in den Gruften, und niemand konnte ihm keine mehr,

あらゆる総てを持ってしても繋ぎ止めることが出来ない
nicht sogar mit einer Kette,binden.

彼は縛鎖を千切り 枷を壊し 狂い泣き叫ぶ墓の主
Er ris die Katten auseinander und brach die Eisen auf seinen Fusen.

この世のありとあらゆるモノ総て 彼を抑える力を持たない
Niemand war stark genug, um ihn zu unterwerfen.

ゆえ 神は問われた 貴様は何者か

Dann fragte ihn Jesus. Was ist Ihr Name?

愚問なり 無知蒙昧 知らぬならば答えよう
Es ist eine dumme Frage. Ich antworte.

我が名はレギオン
Mein Name ist Legion―


創 造
Briah―

至高天 黄金冠す第五宇宙
Gladsheimr―Gullinkambi fünfte Weltall



◆流出

混沌より溢れよ怒りの日(ドゥゾルスト・ディエスイレ)
タイトルにもなった「怒りの日」
能力は「『城』の法――総ての死者を自らの戦奴に変える理を全宇宙に流れ出させ、世界法則を塗り替える」

『城』の法則が溢れ出し、全宇宙の生命が不死身の戦奴として永劫殺し合う――つまり、修羅道を具現化した恐ろしい世界。

神咒神威神楽の黄昏防衛戦によると、流出位階の獣殿は全力を出せない状態でも、宇宙を消滅できるだけの熱量(たましい)をその身に然と有している。


また、基本的に創造同様に死者を操作して攻撃出来るが、獣殿のバックアップにより術者と同じ流出位階まで威力を底上げし神格相手でも有効な攻撃手段にできる。(例、ベイの薔薇騎士が惑星単位でニートの魂を奪い取り)


尚、流出発動時は獣殿に付いて行く大量の骸骨が背景と結構おぞましいシーンだが、先輩ルートでの「絶好調」時は全団員がスタンドの様に獣殿の後ろに並んでいる。


本来なら、ニートと対決した場合、イザークのバックアップがあっても瞬殺される。
これは純粋に魂の量が桁違いな為(獣殿が数百万なのに対して、ニートは無限の平行宇宙の無限の魂)
しかし、獣殿はニートの「自滅因子」(要は癌細胞)なため、ニートの力を奪い続け、最終的には相討ちになる。
ただ、全団員の攻撃も決して無駄ではなく良い「時間稼ぎ」になった。


黒円卓の半数は死者蘇生を目的に獣殿の復活計画、即ち黄金練成に協力しているが、先述の通りその実態は、不死・死者蘇生の法則を持つラインハルトの城を現世に流れ出させることである。
確かに死者は蘇るが、城の法に囚われて永劫戦い続ける地獄であるため、とても常識的な幸福など期待できない

だがラインハルトにしてみればむしろ人々の死への不安に対しての救済を示した法でもあり、彼なりの真実の愛と善意を形にしたものである。
ただ、彼の愛とは破壊であるために、常識的な価値観からすれば地獄になってしまうだけである。本当に迷惑極まりない




◆詠唱

元ネタはレクイエムの「怒りの日」「奇しきラッパの響き」「涙の日」を複合したもの。


怒りの日 終末の時 天地万物は灰燼と化し
Dies irae, dies illa, solvet saeclum in favilla.

ダビデとシビラの予言のごとくに砕け散る
Teste David cum Sybilla.

たとえどれほどの戦慄が待ち構えていようとも 審判者が来たり
Quantus tremor est futurus, Quando judex est venturus,

厳しく糾され 一つ余さず燃え去り消える
Cuncta stricte discussurus.

我が総軍に響き渡れ 妙なる調べ 開戦の号砲よ
Tube, mirum spargens sonum Per sepulcra regionum,

皆すべからく 玉座の下に集うべし
Coget omnes ante thronum.

彼の日 涙と罪の裁きを 卿ら 灰より 蘇らん
Lacrimosa dies illa, Qua resurget ex favilla

されば天主よ その時彼らを許したまえ
Judicandus homo reus Huic ergo parce, Deus.

慈悲深き者よ 今永遠の死を与える エィメン
Pie Jesu Domine, dona eis requiem. Amen.

流 出
Atziluth――

混沌より溢れよ怒りの日
Du-sollst――Dies irae




因みに、エィメンの台詞に異様に力が入っていることと、「妙なる」が「みょうなる」と読まれることは、よくネタにされる。
しかし後者はAmantes Amentesで修正されてしまった。








…さて、ここからが本番だが、

ここだけ見ると、獣殿の流出は「世界を地獄に変える」という恐ろしい能力に見えてしまう。


だが、
「何をしても死なない」とは言い換えれば「どんな激しいツッコミをしても生き延びる」という意味にも取れる。

つまり、ギャグ漫画のような世界になる
もっと解り易く言うとAngel Beats!の様な世界

無論、あくまで推測の域にしか出ないが、ドラマCDやTwitterでの正田氏の発言から可能性は無い訳ではない。


しかし、考えて見て欲しい。
もし、本編の様なシリアス全開な世界でなく、番外編の様な暴走しまくりの世界で、
ツッコミに大砲を使って団員をアフロヘアーにさせるエレ姐さん皆に弄られまくりのシュピーネさんキャラ崩壊しまくりのマッキーやら

もし実現したら凄まじくシュールな世界になるだろう


……アレ?この世界かなりアレなので、実は獣殿が流出したら普通に世界が平和になるんじゃね?

また後に神座世界の過去を描いたウェブ作品『黒白のアヴェスター』・『事象地平戦線アーディティヤ』にて、神座以前の世界は老化してもボロボロになっても再生も出来ず苦しみ続ける不死者だらけの地獄だったと判明。
それに比べたらまだ傷がちゃんと治る分有情な法則と言える…かも知れない。







追記・修正は獣殿の愛の賛同者にお願いします


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • Dies irae
  • ロンギヌス
  • キリスト
  • ヴァルハラ
  • 太極
  • 流出
  • 創造
  • 覇道型
  • 死者蘇生
  • 不老不死
  • 黄金
  • 混沌より溢れよ怒りの日
  • マルコ福音書
  • 地獄
  • グラズヘイムは今日も地獄です
  • 神座万象シリーズ
  • 正田崇
  • ラインハルト・ハイドリヒ
  • 創造位階
  • 流出位階
  • 渇望
  • 第四神座
  • 聖約・運命の神槍
  • ロンギヌスランゼ・テスタメント
  • 聖遺物
  • ロンギヌスの槍
  • 至高天・黄金冠す第五宇宙
  • グラズヘイム・グランカムビ・フュンフト・ヴェルトール
  • Gladsheimr―Gullinkambi fünfte Weltall
  • ドゥゾルスト・ディエスイレ
  • Du-sollst――Dies irae
  • 黄金
  • 黄金の獣
  • ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ
  • 聖槍十三騎士団
  • 黒円卓
  • 獣殿
  • 死を想え
  • メメント・モリ
  • 第四神座

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年11月27日 21:41