登録日:2011/08/07(日) 20:12:39
更新日:2024/10/21 Mon 09:15:31
所要時間:約 8 分で読めます
神州の東には妖異が棲む。土蜘蛛、鬼神、まつろわぬ化外の国。
湖に塩は不要。それが混ざれば必然として戦が生じる。これは紛れもない生存競争。
天を知らぬ。地を知らぬ。死後の浄土も奈落も何も、
概念自体存在せぬからこの生にのみ総てを欲する。
他者への敬意や友情、愛などは、つまるところ素晴らしき我を彩る風流にすぎない。
その咒、大欲界天狗道——魂の消えた魔界の理。
誰もが己を神と崇め、ゆえに誰も神に成れない。
皇都に集う益荒男八名。無道の太極に神楽を舞う。
そして今、神州・秀真のみならず、この世に生ける総ての者にとって運命の年が幕を開けた。
これより、激動となる一年間の物語――
「――太・極――」
2011年9月30日に発売した
light最新作。
PARADISE LOST、Dies iraeに続く神座万象シリーズの一作にして、現状のゲーム作品として出た上では最終作。
体験版が二つ、PVが五つあり、気にいったなら購入をオススメする。
原画:Gユウスケ
シナリオ:
正田崇
音楽:与猶啓至
OP主題歌:我魂為君
ED主題歌:神代桜
見ての通り怒りの日ことDies Iraeと同じスタッフ陣。
怒りの日と同じ世界観でスタッフ曰く、「
マリィ√の未来で凄ぇ化け物が現れてDiesオールメンバーとガチバトルしたらDiesメンバーが全滅した世界」
とのこと。
正田卿曰く、新作なのでDiesファンならニヤリと出来る程度にとどめておくとの旨だったのだが…
今作では「純和風」の世界を舞台にしたADVで、作画が水墨画風な事に加え、外来語を全て使用禁止(システム方面も)、ニトロも取り入れた
縦書きフォーマット仕様とかなり細かい拘りがある。
シナリオは共通ルートを終了すると、それぞれ主人公とヒロインの異なる四つのシナリオに別れる
群像劇の形を取っている。
…とまあ、ここだけ見ると期待大の作品
だが、ライターがドSで有名なあの
正田崇なので、そうは行かない。
製作発表当時は好評で、
体験版時点でも十分な良作という事で大いに期待されたが、
PV3の内容が絶望的過ぎる事、更にPV4の内容が涙腺崩壊過ぎでますます誰が主人公なのか解らないという事でファンがお通夜の様な雰囲気になっている。一言で纏めるなら、勝っても負けても絶望しかない状況。
でもラブラブPV5のおかげで雰囲気はちょっと持ち直した様子。問題は全く解決してないけど。
更に言うと、上記に「Diesファンならニヤリとする」と書いたが、実際は「Diesファンなら絶望しか沸かない
ゲーム」だったりする。
つか、Diesをやったあとじゃないと何の話かわからないようなシーンが多い。
夜都賀波岐の心情や東征軍にいるある人物達との因果、随所に流れるセリフや音楽、画像など完全に本作を楽しむにはDiesをプレイ済みかつ設定の把握が必須と言えるレベルなので、事前にActa est FabulaまたはAmantes amentesをプレイしておくことを強くおすすめする。
一応、未プレイでも「ある程度」は楽しめる。
実際のところ、本当にニヤリとするのはパラロスのファンであると思われる。
後付けに近いところはあるものの、後に発売されたDies外伝であるイカベイをプレイするとなお一部キャラクターへの理解も深まると思われる。
2013年にPSvita移植版の『神咒神威神楽 曙之光』が発売された。
新規の方はエロがいらないのであれば追加描写がなされた完全版といえるこちらの方をお勧めする。
特にエピローグ相当のストーリーと本作前のエピソードの補完が成されているのは大きい。
ちなみに変更されたOPはあの五條真由美が歌っていたりする。EDのボーカルも担当されている。
また、神座の項目にも書いてある通り本作はあくまでも「if」であり、Diesの玲愛ルートになった未来こそが神座万象シリーズの正史となる。
キャラクター
◇東征軍
(CVはPC版/CS版)
▼神世創生篇
○
坂上覇吐
CV.堀川忍/宮下栄治
主人公その1。
どう見ても主人公なのだが、主人公らしくない扱いのパシリ。
まぁこれもある種の愛称みたいなもので、実際はライターも認める理想の主人公像ではある。
くたばれ覇吐。死ね覇吐。恥を知れ覇吐。面白いよ覇吐。すっこんでいてください覇吐様
多段変形する大剣で豪快に戦う快男児。そして性欲界紳士道の住人。
その出生は……?
○久雅竜胆
CV.波奈束風景/中島沙樹
ヒロインその1。
覇吐に惚れられてる。我らが総大将。
この世界において物語当初は唯一「普通の人間の感性」を持っている。
男ではない。性別を間違えた人。同性に惚れられそうになった。
一見常人だが……?
ヌキヌキポン!
初体験も漢前。
▼楽土血染花篇
○
凶月刑士郎
CV.杉崎和哉/谷山紀章
主人公その2。
相変わらずのシスコンチンピラ。(誉め言葉)
見た目はまんまベイだが中身はちょいとやさぐれたあんちゃんレベル。
覇吐とも犬猿ながら端から見ればケンカ友達レベル。実は作品屈指の真人間。
前述の通りイカベイをプレイすると印象が更に変わること間違いなし。
○凶月咲耶
CV.有栖川みや美/高田初美
ヒロインその2。刑士郎の義妹。やっぱりブラコン。そしてちっぱい。ちっぱいなのだ。
見た目は可憐な美少女だが中身は作中一の危険人物。
現在
ヤンデレという名のスーパーヘルガ姉さんタイム
フラグ浮上。
担当声優さんの愛がめちゃくちゃ重いことで有名。
その重さは本作のある展開においてライターが「あまりこの件に関して言及すると殺される」と発言されたほど。
▼威烈綾乱篇
○
壬生宗次郎
CV.佐山森/松元惠
主人公その3。
見た目だけなら女性にすら見える優男で性格もまともに見えるが、強者なら誰だろうと切り捨てる危険人物。
色気に弱い。通称ムッツリ剣士。自分が一番。一番マトモに見えて色々と狂ってる。
彼らのストーリーは「求道」という生き方を変えられない人間が「変わらないままどう変わるか」を描いている。
○
玖錠紫織
CV.柚木かなめ/河原木志穂
ヒロインその3。
きょぬー。揉みしだかれても気にしない。
こいつの価値の八割は
おっぱいで出来ている!
実は炊事関係完璧の
完璧超人。東征に出た理由も――?
彼女も彼女でいろいろ求道の側面がよく分かる人物である。
▼哭皇百鬼夜行篇
○
摩多羅夜行
CV.春野風/羽多野渉
主人公その4。
史上最強と言われる陰陽師。
ショタコン疑惑。そしてDB。
ぶっちゃけ主人公と言うより
ラスボスである。
変態。変態。 ド 変 態 。
おまけのキャラ崩壊がドえらい事になっている。
TO☆N☆CHI☆JI
O☆I☆TAN
○
御門龍水
CV.美月/小林桂子
ヒロインその4。
ロリ娘。チンチクリン。
夜行様の許婚であり、夜行様超ラブ。
常識人に見えて実は作中一の変態。初体験でドン引きした人は数知れず。
この
ゲームが18禁になった最大の要因。歩く18禁。
特典ドラマCD(本作の特典ドラマの大半は本編の裏で本当にあったエピソードである)で分かるが実は腐女子でもある。
▼その他
○
御門龍明
CV.谷口ケイ/矢口アサミ
龍水の義母。最高にいい女。
過去の東征の事。そして
夜都賀波岐の事を知る数少ない人物。
○丁禮、爾子
CV.日椰たぬき/環有希(丁禮)、師らん/高梁碧(爾子)
夜行の式神(?)である童子と犬。
犬といっても身の丈が大の大人ほどある。そのくせ「ですの」でロリ声。
道中、物凄い変化をする。
○
天魔・悪路
CV.石川ゆうすけ/寺島拓篤
相変わらずな屑兄さん。
本来ならもっと理性的なのだが設定の関係上その理性的な冷静さは大分薄れている。
巨大な刀による剣術も脅威だがそれ以上に太極が危険。
彼と真っ向から対峙した瞬間、詰みである。
○
天魔・母禮
CV.
かわしまりの/瑞沢渓
悪路とは恋人であり、兄妹。瞬間湯沸かし機。
どっちかというと妹の方が強く出ているのでいろいろ残念なひと。
○
天魔・紅葉
CV.彩世ゆう/羽吹梨里
龍明、夜行、龍水など御門の者に因縁があるらしい。
基本母性溢れる女性だが敵に対しては鬼女の面を見せる。
○天魔・奴奈比売
CV.
木村あやか/いのくちゆか
読み方は「ぬまひめ」。
言わずも解るが、我らが前作真ヒロインである。かわいい。
○天魔・常世
CV.雛見風香/生天目仁美
先輩。可愛らしい外見だが、
本性はとんでもなくおぞましいとのこと。……あれ、本編と大して変わら(ry
ある意味真の勝ち組。
○
天魔・宿儺
CV.ルネッサンス山田/前田剛
今回もやっぱり練炭大好き
彼が太極を使う時、歪み者や天魔は彼には決して勝てない。
そしてインポ。
「アイツの意志は俺の意志だ」
○
天魔・大獄
CV.左高蹴/安元洋貴
前世が前世なだけに本作でも掛け値無しの危険性を持つ。
彼と夜行の対戦はある意味必見。
「凄く……一撃必殺です」
○淡海の天魔
海坊主。不遇。
加工された唸り声もといボイスがいろいろと涙を誘う。
その他
○
六条さん
身分はかなり上がったが相変わらずの小物ぶり。
「さん」を付けましょう。
ちなみに裏話として元々登場予定はなかったのが絵師がそういう絵を仕上げてきたことから設定が出来たらしい。
○
第六天波旬
ラスボス。
恐らく一番怒りを買うクズでゲス野郎にして
最強の萌えキャラ。異論は認める。
やっぱり
ラスボスなので引き籠もり
ニート。
座の主は
ニートにしかなれんのか。
皆からは
ウンコまんと呼ばれている。
ぶっちゃけ、この
ゲームが有名になったのはコイツのおかげ。
(∴)
用語
○
大欲界天狗道
第六天波洵の流出の理にして本作の世界を統べる法則。
この理があるので現実の日本の昔と比べてもどこか歪で歪んでいる。
実は作中の法則は真の法則ではなく……?
○汚染等級
歪みの汚染度を十段階で数値化したもの。
○太極
陰にも陽にも属さない枠外にある法。
前作で言う「流出」に相当する。
○随神相(カムナガラ/ずいじんそう)
太極を発現した覇道神に現れる使用者の本性の像。両方の呼び方がされるがどちらかというと前者の呼び方が多い。
作中では
夜都賀波岐のみが発現させ、総じて山より巨大な怪物のような存在。
所謂スタンドのようなモノで、当然コレ自体も攻撃してくる。
デカイ程、強力で、特に夜刀の物は穢土を覆い尽くすデカさである。
実は前作で既にコレにあたる存在が出ていたりする。
ちなみに本来なら求道の渇望では出てこないが、夜都賀波岐は主神である夜刀が覇道神かつその眷属であるため例外的に発現している。
前作と繋がりのある人物一覧
要するに声優が同じであれば基本的には繋がりがあると考えてくれてよろしい。
○練炭=夜刀
○クズ兄さん=悪路
○ルサルカ=奴奈比売
○螢+ベアトリス=母禮
○玲愛+イザーク=常世
○司狼+恵梨依=宿儺
○マッキー=大獄
○ベイ=刑士郎
○ヘルガ=咲耶
○リザ=紅葉
○エレオノーレ=龍明
○シュライバー=丁禮&爾子
○シュピーネさん=六条さん
○神父=淡海の天魔
間違えてはいけないことだが、Diesメンバー(一部を除く)は主人公勢の敵側に転生している……というよりも回収されている。。
彼らの言語は旧世界の言語の為、西側の人間には理解出来ない。そして、プレイヤーにも理解出来ない(一部解読した強者も居る)。
最後までプレイすると音声が解禁し懐かしの詠唱やら裏話。ある人達の愛情を垣間見れる仕様。
現在発売かうんとだうんにともない『発売秒読語り』が公開された。
刑士郎→咲耶→宗次郎→紫織→夜行→龍水→覇吐→竜胆
追記・修正お願いします
最終更新:2024年10月21日 09:15