ハイター(葬送のフリーレン)

登録日:2023/09/18 Mon 16:30:07
更新日:2024/12/30 Mon 15:27:34
所要時間:約 4 分で読めます





私達は世界を救った勇者パーティーですよ。

死後は天国で贅沢三昧に決まっています。



出典:葬送のフリーレン、12話『本物の勇者』、2023年9月29日~2024年3月22日まで放送。
「葬送のフリーレン」製作委員会、マッドハウス、
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会。


概要

『僧侶ハイター』とは『葬送のフリーレン』の登場人物。
本編の約80年前にドワーフの戦士アイゼン、エルフの魔法使いフリーレン、人間の勇者ヒンメルと共に魔王を討伐した人間の僧侶。


人間の僧侶。勇者パーティーにおけるヒーラー役。
一応聖職者のはずだが、「天国で贅沢をする為に魔王討伐に加わった」と公言し、酒をこよなく愛する破戒僧ギリギリの人物。
実際事あるごとに酒を煽り、そして週に1度は二日酔いを起こして役に立たなくなる
ひどい時には迷宮のボスと戦う時でさえ二日酔いで駄目だったことも。


人物

という生臭坊主な面が印象に残るが、人柄そのものは僧侶のパブリックイメージに違わない善人。
基本的に温厚で、酒に酔っている時を含めて常に笑顔を絶やさない……というより一種のポーカーフェイスであり、彼の本心がどこにあるのかを推し量るのは困難である。

勇者パーティに入った理由として「天国で贅沢をする為」と公言した先のエピソード、タブーとされる酒を日常的に飲んでいることのほか、
女神*1に仕える聖職者という立場でありながら112話現在まで彼の口から女神に関する話題が一度も出ていないなど、彼が女神のことをどう考えているかはイマイチ謎。
一応、生涯独身の戒律を貫き通す程度には真面目に僧侶をやっていた模様。

ヒンメルと同様に回想でもたびたび登場しており、「人間の弱さ」に寄り添うような独特の人生哲学には定評がある。
中でも、彼の「懸命に生きた人は報われる、私はそう信じていたい。だから、実在するかどうかに関係なく私は天国の存在を信じている」は、本作を象徴する名台詞である。

また、のほほんとした雰囲気に反してずる賢く人心掌握に長けている。
フェルンがフリーレンの弟子になったのも、彼女を口八丁で上手いこと丸め込んだからである。
フリーレンは後にアイゼンにも同じ手口で丸め込まれることになるのだが、それはまた別の話。


ヒンメルとは同郷の幼馴染同士。
当初はヒンメルに嫌味を言って煽るなどしており、腹黒い性格は元来のものらしい。
彼が本格的に勇者を志した切っ掛けもハイターの憎まれ口に端を発している。

50年後は目つき以外別人のようなハゲジジイになってしまったヒンメルとは対照的に、それ以上の歳を重ねても若い頃の雰囲気そのままで老けている。



戦闘能力

フリーレンと同じく魔法の使い手。
ただし分野は異なり、攻撃系魔法や物質に作用する魔法を中心に使うフリーレンとは異なり、回復や治癒に関する魔法を扱うヒーラー枠。
本作では、回復のような人体に作用する魔法の大部分は聖典に記された「女神の魔法」に分類されており、ハイターはそれを高いレベルで扱う回復・支援魔法のスペシャリストである。
翻って魔法使いは「女神の魔法以外の魔法を扱う者」、とも言えるか。

フリーレンも女神の魔法を全く使えない訳ではないが、いわく僧侶の才能がないため「病気を判別する魔法」など初歩的なものに限られる。
女神の魔法をより多く強く扱うための“資質”は具体的にどんなものが必要なのか、作中では明らかになっていない。女神の魔法と言うだけあって信仰心の有無が影響するのか、なども不明。
ハイターも魔法使い側の魔法のことを「僧侶なので勝手が分からない」とも言っており、一口に魔法と言っても分野としてはかなり離れている様子。
ただし両者の素質は完全に両立不可能なわけではないらしく、メトーデは魔法使いでありながら重傷人の治療が行える程度には女神の魔法を扱える、といった例も。
こういったこともあるためか「僧侶の魔法」と呼ぶこともあり、女神の魔法の素質を持つ者=聖職者とは現状言い切れない。


魔力量はフリーレンと出会った際の「(彼女の)魔力は私の1/5くらい」という発言からある程度推察可能。
フリーレンは対魔族のために普段から魔力を1/10以下に偽装しているため、おおよそフリーレンの半分かもうすこし低いくらい……といった魔力だろうか。
そしてフリーレンは断頭台のアウラから偽装している状態を見られて「修行に費やした月日はせいぜい100年程度」と評されているので、
旅立ち時点の10代の時点で熟練の老魔法使いの5倍=普通の人が約500年修行して手に入れる分の魔力量を持っていたという事になる
500年と言えば七崩賢、断頭台のアウラと同等という事である。

流石にここまでの魔力量とは考えづらく、作中の描写でも「熟練の老魔法使い」偽装の時よりも魔力が細めに描写されていることからも実際の魔力は2~400年分程度といったところだろうか
また、フリーレンの魔力偽装をゼーリエの弟子であり初の一級魔法使いであるレルネンは初見で見抜き、魔法使いとして未踏の高みに辿りつける才覚を秘めたフェルンはより巧妙なゼーリエの偽装を初見で見抜いた。
一方でハイターは初見ではそれを認識出来ず、偽装そのものを察知したのではなく旅の過程で観察の末に気づいた形であった。
魔力量は多くとも人間の魔法使いとしての才覚は前述の二人には及んでいない可能性がある。
それでも全然普通に間違いなく100%リアルチート判定なトンデモ魔力であることは間違いはない。
また、魔力の量だけでなく、女神の魔法の使い手としても破格の一言である。
魔力偽装に気づけなかったのも、専攻する分野の違いというものだろう。


前述の通り重度の酒好きのせいで時折動けなくなるものの、魔力は極めて高く、無補給無酸素状態でも生存できる魔法をパーティ全員にかけて「2ヶ月は持つでしょう」と平然と言い放つなど、
実力自体は極めて優秀であり、パーティの他三名もそれを認めている。勇者パーティにはバケモノしかいないのか。
しかもその場面、こともなげにいつの間やら全員に掛けていたという様子であり、フリーレンも魔力の行使に気づいていなかった。
彼の実力が色々と規格外なことが窺える。

また、呪いから身を守る“女神の加護”を持つ。
これは僧侶職であれば女神から与えられるパッシブスキルのようなものなのだが、彼のものは七崩賢である奇跡のグラオザームの魔法すらも防ぐほど強力なもの
グラオザーム曰く自分の魔法を防ぐほどの僧侶に出会ったのは初めてらしい。
参考までに同時に魔法を受けたヒンメルとフリーレンは何も抵抗できずにグラオザームの支配下になった。
さらには大魔族のソリテールのサポートを受けたグラオザームから身動きできず全く戦えない状態のヒンメルとフリーレンを守り*2、ヒンメルが戦闘可能になるまでの時間を稼いでいる。

生涯

魔王討伐の旅の後は聖都で司教を務め、ヒンメルの死後に引退。
戦災孤児であるフェルンを拾い、郊外の森で共に暮らしていた。
ヒンメルの死から20年後、住処を訪れたフリーレンと再会し、フェルンを弟子として旅に同行させるよう頼み込む。
しかしこれは断られたため、代わりに不死・死者蘇生の魔法が記されている可能性のある魔導書の解読を依頼。
解読の片手間にフェルンの指導をしてもらえるよう頼み、了解を得る。

それから数年の月日が経ち、ついに魔導書の解読が完了。
不死や死者蘇生の魔法が書かれたものではなかったという結果を伝えられるが、あっさりと受け入れる。
「あったら書いた本人が使っているはずです」と言い放ち、魔導書の解読はフェルンが一人前の魔法使いになるまで*3フリーレンを足止めするための方便だったと暴露する。
この時には体調を崩して余命幾許もない状態となっていたが、フェルンが一人前の魔法使いとなったことを聞かされて安堵し、改めてフリーレンの旅への同行を依頼。
自分が死ぬ前にフェルンを連れて出発するよう願うが、今すべきはフェルンと一つでも多くの思い出を作ることだとフリーレンに諭される。
人生最期の時をフェルンと共に過ごし、心優しき僧侶は勇者のもとへと旅立っていった。


■余談

  • 名前の由来はドイツ語で「明朗」を意味する"Heiter"。決して洗剤ではない。と言うかそちらも命名の由来は同じである。

  • なお、ヒンメル16歳の時に旅を始め、10年かけて魔王を倒し、50年後ヒンメルが死亡し、ハイターが死んだのはさらにその25年後であるため、
    ハイターがヒンメルと同い年と仮定した場合、享年は約101歳という計算になる。おまけに死の少し前に倒れて寝たきりになるまでは出歩けるくらいの体力もあり、なんなら褌一丁で水浴びしてる*4くらい元気であった。
    魔法が寿命に作用していたのだろうか?あるいは酒は本当に百薬の長なのか

  • 某国民的RPGがリメイクされた際、勇者ヒンメルのパーティを再現しようとするプレイヤーも多かったのだが、「ヒンメル」「アイゼン」「フリーレン」は問題なく入力できるにも関わらず、何故か「ハイター」だけキャラ名に設定できないという謎の仕様が存在する。これを回避するために「ハイタァ」「よっぱらい」「なまぐさぼうず」と入力したり、僧侶枠のみ「フェルン」にするなどの苦肉の策を取った者もいる。ちなみにリメイク前であれば問題なく入力できるが、今度は名前が4文字以内なのでフリーレンの名前が入らない



追記・修正は酒を片手にお願いします。

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最終更新:2024年12月30日 15:27
添付ファイル

*1 この世界における唯一神的な存在

*2 ハイターは傷ついていたがこの二人は無傷だった

*3 フリーレンは「見習いを旅に連れて行くのは(本人にとって)危険が大きすぎるから」という理由で断ったため。

*4 描写はヒンメル死後20年~倒れる直前のダイジェストなので数年は前かもしれないが、それにしてもであろう。