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空間転移車両 異次元列車(ウルトラQ)

登録日:2021/08/22 Sun 21:13:36
更新日:2026/03/06 Fri 22:02:28
所要時間:約 13 分で読めます





【概要】

「空間転移車両 異次元列車」とは、『ウルトラQ』の第28話「あけてくれ!」に登場したメカ。
同エピソードは放送順で言えば最終回にあたるが、特にそれを意識させる要素はない。詳細は後述。


出典:ウルトラQ/円谷プロ/第28話「あけてくれ!」/1967年12月14日放送

全長:78m(8両編成時)
重量:165t(8両編成時)
出身地:異次元

現実に疲れ、蒸発や現実逃避の願望を心に抱える人物を異次元にある別の世界へ連れていく列車。
乗車しているSF作家の友野健二曰く、「別の世界へのジャンプ台」のような存在で、エネルギー源や駆動原理は一切不明。

車内には車掌がいて検札を行っており、どうやらどこからか切符を入手して乗車する正式な方法があるようだが、実際には迷いこむ人間が多いらしく、そのような場合は友野が説明を行っている。
蒸発や現実逃避の願望を持たない人間にも見えたので、怒りや不満などのマイナス感情があれば乗れはしなくても見る事はできるようだ。
ちなみに、別世界に行く方法は異次元列車以外にも存在しており、友野はエレベーターに乗って別世界にたどり着いた。

同エピソードで沢村が乗り込んだのは小田急ロマンスカー(NSE)に酷似した列車で、他にも都電7500形(更新前)等いくつかのタイプが存在している。
内装も一般的な特急列車と同じだが、別次元を走行しているせいか空間が歪んで見える時もある。
夜にしか走っていないと思われがちだが昼間にも走っていて、音が聞こえる時がある。
停車していた電車が空に消える様子がフィルムに記録されており、別世界の住人が移動手段にするために奪っているらしい。

迷いこんだとしても自分の意思で降りる事はできるが、一度降りてしまうとどんなに現実に絶望したとしても二度と乗る事はできない。

異次元列車に乗って向かう別世界は、近未来風の建物が立ち並び、自動車が空を飛ぶなど現世よりも高い科学技術が存在している。
友野よりも前から多くの先住者が移り住んで生活しており、現世とは何らかの方法で郵便や電話などで交信を行う事はできるが、再び現世に戻れるかどうかは不明。

ウルトラ怪獣擬人化計画』ではKADOKAWA版で擬人化されている。怪獣じゃないけど。
原型というか列車らしさは全然なく、赤いボディに白いラインの入った新しいウルトラマンのような姿をしている。
同時期にJR山手線でウルトラマンスタンプラリーが開催されていたが、それに関係あるかは不明(会社違うし)。
原画展2の際に公開されたPVでも紹介されているが、鳴き声の代わりに沢村の「あけてくれ!」という叫びが再生され実にシュール。

商品展開としては、2004年にプラレールになって販売された。
ハイパーホビーの紙面限定販売で、万城目達三人のプラキッズが付属している。


【関連人物】

  • 沢村正吉
本エピソードの中心人物。
夜道で倒れていたところ、万城目達に保護されるものの、「電車から下ろしてくれ」と奇妙な事を言う。
一の谷博士の催眠療法で保護される前のこと、
泥酔していたところ異次元列車に迷い込み、電車からみた景色で自分を呼ぶ娘と妻を見つけ、そして「あけてくれ!」と電車から降りることを懇願したことを語った。

いざ戻った現実では既に周囲との関係は壊れに壊れきっており、夜の街の中、現実に絶望して「連れて行ってくれ!」と再びこの電車に乗ることを懇願する……。

  • 友野健二
SF作家。
列車について、乗客が「いつも行きたい」と言っていた、仕事や家庭、社会の悩み・しがらみから解放された世界に向かっていると説明する。
家政婦によれば、一年半前に行方不明になったが、原稿や連絡はどこからか来るという。

書き残した原稿によると友野自身、人付き合いに疲れ、スランプに苦んでいたが、ある日エレベーターに乗り、
「このエレベーターが途方もなく下降し、別世界に辿り着いたら」と夢想した結果、それが現実となり友野は新たな世界で小説を書いて送る悠々とした生活を手に入れたという。


  • 万城目たち
夜のドライブに出かけた結果、沢村を保護する。
沢村と同じ状況の女性を見つけたこと、路面列車が空に浮かんで消えていくという不可思議な現象が記録されたフィルムを見せられたことで、沢村の謎の電車が事実だと考え、友野健二を調べに出発する。
ちなみに一平はドライブに遅れて置いていかれてしまい、その際に空を飛ぶ異次元列車を目撃している。しかし調査にも連れて行ってもらえなかった。


【余談】

このメカが登場する第28話「あけてくれ!」は制作順では第4話にあたり、元々は第20話として放送が予定されていた。
しかし、怪奇路線から怪獣路線に舵を切った事や、話が難解という理由で見送りになってしまい、約一年半後の再放送でようやく日の目を見る事になった。
その再放送の時には第24話として放送されている。
現在、映像ソフトや再放送では第27話の後に収録され第28話(最終回)として扱われているが、こうした事情からウルトラシリーズのファンからはあまり「『ウルトラQ』の最終回」とは認識されていないエピソードという一面もある。
なお、放送される前に撮影が終わっていた『ウルトラQ』において、脚本制作上での最終回は『ガラモンの逆襲』、撮影上での最終回は『地底超特急西へ』とされる。

本放送がキャンセルされた影響で『ウルトラQ』は7月3日で終了、『ウルトラマン』の放送が一週間繰り上げられることになるが、第1話『ウルトラ作戦第一号』がまだ納品されていないという理由で7月10日に「ウルトラマン前夜祭」が放送された。

同人誌『NEO FERAS ウルトラQ特集』では「アンバランスゾーンから生還した男を迎えた現実こそが真のアンバランスゾーンであった」という解釈のもと、この話を『ウルトラQ』の最終話としている。

沢村正吉を演じているのは、別話「2020年の挑戦」で宇田川刑事を演じていた柳谷寛氏。どちらのエピソードでもベクトルは違えど酷い結末に遭うのは変わらず
友野健二を演じているのは、『仮面ライダー』の死神博士などでお馴染みの天本英世氏。

本作の脚本を担当したのは、後に『3年B組金八先生』で有名になる小山内美江子氏。
氏は、『恐怖劇場アンバランス』で二本、『帰ってきたウルトラマン』で『地球頂きます!』の脚本を提供しているが、『アンバランス』は番組自体が一時お蔵入りになってから放送されたため、円谷プロ作品でちゃんと延期されずに放送されたのは『帰ってきたウルトラマン』の時だけだった。不憫すぎる……。

放映当時の鉄道車両や鉄道会社の車庫の映像がいくつも映るため、鉄道ファンにとっては垂涎の回とも言える。


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最終更新:2026年03月06日 22:02