魄啜繚乱弟切花魁

登録日:2021/09/13 (月) 03:45:11
更新日:2024/05/06 Mon 11:45:30
所要時間:約 4 分で読めます





狂い咲く絢爛の花。抱かれて煌めく夜の蝶──……。

世界で一番美しいのは誰かって? 面を上げて前を見な。



概要

魄啜繚乱弟切花魁(はくていりょうらんおとぎりおいらん)』とは『ダークギャザリング』に登場する幽霊。


3番目の卒業生で、現状唯一の紅一点。
口上は「煌めいて~」。狐のぬいぐるみに封印されている。
外見は絶世の美貌を持つ花魁だが美女の顔はいわばハリボテのようなもので、美女の顔の下の本性はドロドロに溶け爛れたような醜悪極まりない相貌。


元々は生前に使い後輩にあげた鏡に憑りついていた普通の憑依霊。
そのせいでその鏡は「持ち主を老化させる」という曰く付きとなり、フリーマーケットで100円で売られていた。
寶月夜宵「強くないけど被害者を出さないため」という理由で部屋の悪霊コレクションに加える。
しかし僅か一ヶ月で他の悪霊を喰い尽くし進化。手に負えない『卒業生』となる。
封印されているぬいぐるみは廃ラブホテルの秘密の部屋に隠されているが、弟切花魁の力で夜宵は辿り着けなくなっている。


性格

一人称は「あたし」
性格もプライドの高く高慢で狡猾な性悪女。
花魁は優秀な人にしかなれないため頭脳面も優秀なのだが、悪霊化の影響で老若男女誰であろうと問答無用でどつき回せるため気性も荒くかなり短気な気質。
安い女呼ばわりされた際はクリティカルに地雷を踏まれた事もあるが「誰に向かってモノ言ってやがるぅぅぅぅぅぅ!!!」と即ブチ切れていため煽り耐性も低め。

その高慢さ故に現在の状況を苦々しく思っており、隙あらば封印を抜け出して自由になろうと画策している。
夜宵への憎悪は強烈で、「血の一滴まで搾り尽くし一族郎党子孫末裔に至るまで一人残らず焼き尽くしてやる」と壮絶な恨み節を夜宵にぶつけている。

ちなみに本人曰く「早いオトコが好み」
虚言や擬態を用いて相手を誘惑することもできるが、安直な色仕掛けを用いたり、本性の姿を晒してもなお色仕掛けに頼ったりするまでに落ちぶれてしまったためか演技力には難あり。


過去

生前は天性の美貌を持って生まれた女性。当時は『弟切花魁』と呼ばれていた。
貧乏だった家族を救うために身売りをし、後輩の『紅(CV:金元寿子)』の面倒を見る等、本来は他者を想いやる優しい女性だった。

しかし弟切花魁の美貌を妬んだ紅に裏切られ、弟切花魁を身請けしようとした男性に毒を盛られてしまう。
弟切花魁が出した酒を飲んだ直後、それも身請けの代金を支払った直後に毒を盛られた男性は弟切花魁の仕業と勘違いし、弟切花魁の話を聞いてくれずボコボコに殴られる。

幸い処刑されず遊郭を追放されるだけで済んだが、彼女は前後して病に罹っていた。
この病を治して身請けしようとした男性との話し合いの場を儲けようと、薬代を稼ぎに夜の街に出ていた時、紅と再会する。
そして彼女から「毒を盛ったのは自分である事」「弟切花魁を身請けしようとした男は自分を身請けすることになった死にかけたのに懲りない奴」ことを伝えられ、
さらにかつて自分が紅にあげた鏡で、病(と薬として飲んでいた水銀)の影響で顔が醜くなった姿を見せられてしまう。

ブチ切れた弟切花魁は夜に遊郭に忍び込み紅に油をかけ、自分と一緒に全てを燃やし生涯を終えた――。

絶対に許さない……恨みの業火に焼き尽くされるといい……。

はははははははははははははははははははは!

あはははははははははは!!


美貌で家族を救った過去から「人命すら救う美貌」が彼女の誇りであり存在証明だったのに、このような経緯で台無しになってしまった。
そのため幽霊となった後は、自分の美貌のために際限なく他者の命を貪り食って殺しエネルギー源にするようになった。そこに情けも容赦もしない。


霊現象

能力は「他者の命を啜ることによる自己強化・自己回復」。
生者死者問わず周囲の者の命を啜ることで自身の呪いの強さ・種類が強化・拡張していくもの。
単純な手数だけでいえば卒業生の中でも現状最多クラスで、敵を倒すと逆に消耗せず回復してパワーアップしていく厄介なタイプ。
故に相手が強ければ強いほど、戦闘が長引けば長引くほど、戦闘が連続すればするほど力を増し強くなっていく。
また戦闘外では外見を別の女性に擬態させて他人を欺く能力も持つ。

ただし戦闘開始直後はそこまで強くはないスロースターター。
加えて肉体強度やフィジカル性能は低めであり、本領発揮の前に殺されてしまうような速攻は苦手としている。

基本戦術は下記の複数の呪いを掛けて徹底的に弱体化させてからの嬲り殺し。
狡猾な騙し討ちも辞さず、夜宵達を油断させて隙あらば即叛逆を狙ってくるため扱いにはかなり難があり、
敢えて花魁が封印されているぬいぐるみに敵の攻撃を当ててヘイト管理をしなければ、まともに戦力となってくれない。
ただし、夜宵のコレクション部屋に居た時から生き残るコツとして、「厄介な奴から袋叩き」を実践してきた強かさもあるため、
明確に格上な存在との戦闘に呼び出された場合は、ひとまず叛逆を後回しにして戦ってくれる。

実は夜宵が以前行ったという神殺しの立役者でもある。
具体的には不死身の鬼軍曹を花魁のエネルギータンクにあてがうことで無限に自己強化を誘発させるコンボ技によって神殺しを成したという。


魄啜(はくてい)

第1の呪い。
炎の蝶を無数に飛ばし、それに触れた者の命を啜り老化・弱体化させる。
その啜った命が弟切花魁を癒し、呪いをより強固にする自己強化系能力。
その性質上物理耐久力では防げない厄介な性質も併せ持つ。

疫病(えきびょう)

第2の呪い。
『魄啜』で一定量のエネルギーが貯まることで発動。
弟切花魁の血肉等を吸収した相手に生前自身が罹患していた病状が現れる呪い。
全身に大小無数の瘤ができ、頭痛・発熱・嘔吐の症状が出て正常な思考が不可能になる。

封印中も似たような霊現象を発生させており、その際は相手の唇を噛み傷を負わせる事で病に罹患させていた。
ただし解放後のような強力な病気には罹患させることはできていなく、発疹程度に収まっていた。

炎上楼閣(えんじょうろうかく)

第3の呪い。
ある程度の命を啜った上で、元々弟切花魁が憑いていた鏡に「本人が醜くなった姿を映し見せる」ことで発動できる。

弟切花魁を中心とした半径数mに「炎の郭」を展開して相手を幽閉。限りなく脱出不可能に近い灼熱の牢獄の中で苦しみを味わわせる。
同時に遊郭の炎から発生した炎の蝶は止まった者の魂を啜り、それを糧に本人を含めた全てを燃やし尽くす怨念の炎となって燃え盛る。
魂はエネルギーが尽きるまで消えないため、結果敵対者の命が尽きるか花魁が封印されるまで炎は消えず燃え続けてしまう。
夜宵はこれらを纏めて「啜られた自分の魂によって焼かれ続ける永久機関の劫火の呪い」と総括している。
おまけにその永久機関の劫火で焼かれた魂を糧にした炎から発生する煙を吸うことで逆に弟切花魁は美貌も含めて回復する。
上記の第1・第2の呪いも重ね掛けされているため、相手は老化・病気・火傷の三重苦に苦しむ羽目になる。

このフェーズに至ると最早弟切花魁を封印若しくは成仏・消滅させる以外解呪は不可能。
例え炎の郭の外に居たとしても炎の蝶は郭を飛び出して外に居る者を襲うことができ、
花魁がパワーアップすればするほど蝶の数が爆発的に膨れ上がるため、絶対的な安全圏と言えるものは花魁の周囲には存在しない。
擬似永久機関のような危険度の極めて高い呪いでもあることから、夜宵ですら「危機的状況にのみ使えるヤバい呪い」とも語るまさに奥の手。

唯一の欠点は蝶の操作は花魁の目視によるものなので、花魁の視界を潰されてしまうと雑な攻撃しかできなくなる点である。
後に、強力な霊から極大のエネルギーを吸収する事により、鏡を使わずとも発動できる様に呪いが拡張。さらに後述の第4の呪いの発現に至った。

苦界(くがい)


堕ちろ

鬼軍曹と太歳星君のエネルギーを吸収し続けた事で発動した夜宵も知らぬ第4の呪い。
発動時には全身が漆黒に染まり、周囲を飛び交う炎の蝶が黒い重油状に変化する。

効果は、花魁の周囲に広く広がる重油状のエネルギーの液面で反射する自分の姿を見た者の意識を、黒い重油状の中に展開された廓の中に幽閉。
廓から脱出するまでの間、行動不能になった被呪者の肉体or霊体は自身の霊力が黒い重油状になって顔の穴という穴から排出され続け、そのエネルギーが花魁に吸収されていく。
廓内の意識だけの状態でも霊現象の類は行使可能だが、外の本体が吸われ続けているからか廓内にも吸収効果があるのか、繰り出した攻撃もほとんど間をおかず消されてしまう。
また廓からの脱出に時間が掛かれば掛かるほど廓の檻が増え続け、肉体も衰弱していくため脱出の難易度が増していき極めて厄介。
そしてエネルギーを吸い尽くされたら最後、廓に残された意識の側が超高温に発熱し燃え尽きてしまう。

ただし非常に強力ながら完全無欠の呪いではなく、衰弱と幽閉を力づくで打ち砕けるだけの圧倒的パワーの持ち主ならば強引に突破することも可能。

なお幽閉されている間は花魁の生前の記憶を垣間見ることになる。


余談

単行本での解説によると、生前彼女を身請けするため男が用意したお金は現代で換算すると2億5千万円相当。
そこからフリーマーケットで100円で売り捌かれるまでに零落したことから、安い女という罵倒が「(物理的に)安い女」という扱いにもなってしまった。

弟切花魁の初登場回である第27話は締め切りが短く作画コストが高かったため、未完成状態で雑誌に掲載された。
アニメでは21話『旧I水門-瑰麗』にて初登場したが、一般的なアニメの平均カット数が300~350枚なのに対し、この話は440枚だった
原作・アニメ共にまさしく「(作画コストが)高い女)」なのである。



追記・修正は美貌に執着のある方がお願いします。

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最終更新:2024年05月06日 11:45