ウッドパルナ(DQⅦ)

登録日:2012/01/15 Sun 14:28:11
更新日:2024/07/30 Tue 19:55:49
所要時間:約 6 分で読めます




ウッドパルナとは、ドラゴンクエストⅦに登場する村の一つである。黄の石版。
主人公の冒険において、故郷のエスタード島・フィッシュベルを離れてから最初に訪れる村。次はエンゴウ

物語の導入部であるが、全体的に重く暗いストーリーにあまり救われない結末など、本作の方向性を象徴するエピソードとなっている。


ストーリー

好奇心に導かれ、エスタード島の謎の神殿にて石版を完成させた主人公(以下、デフォルトネームの『アルス』で表記)、キーファマリベル
完成した石版が光を放ち、アルスたちを包み込むと、先程まで神殿に居たはずの彼らは、いつの間にか見知らぬ薄暗い森の中に居た。

マリベルが機嫌を悪くし、フィッシュベルに帰ろうと歩きだした直後、エスタード島には生息しない筈の魔物と遭遇する。
なんとか魔物を撃退した3人は、「ここはエスタード島ではないかもしれない」という結論に至るも、元の世界に戻る方法が分からず途方に暮れることに。

3人は森の中でマチルダという女戦士と出会い、彼女の案内でウッドパルナという村にたどり着く。
しかし、村についてすぐ、マチルダは姿を消してしまう。
さらにウッドパルナでは、暗い空の下、疲弊した男たちが村を破壊する異様な光景が広がっていた…。


【ウッドパルナについて】

森に囲まれた小さな村で、この島にある唯一の村。
主人公が石版によって飛ばされた小高い丘とおぼしき場所を出ると、マップ上で北に数歩の距離に有る。

村の女達は魔物によってさらわれてしまっており、村には男しかいない。
「女達を返して欲しければ、自分達の手で村を壊せ」という魔物の命令に従い、男達は仕方なく村の建物を破壊している。

教会と道具屋、宿屋は運営しているので、村としての機能は最低限保たれている。
ただし教会は屋根が無くなっているため、最早野外。
道具屋は後述の事情により自分の本来の店での営業では無い。
棍棒や銅の剣などといったドラクエシリーズにおける最序盤の武器防具も道具屋で買える。

【主な登場人物】

■マチルダ
主人公達がエスタード島を離れてたどり着いた世界で初めて出会う人物であり、最初に出会う女性

主人公と出会う場面では、名もない墓に雑草を植えていた(島全体の空が常に暗く、花が咲かない為)。
しかし、マリベルが偶然持っていた花の種を貰い、そのお礼にと主人公たちをウッドパルナへ案内する。

女剣士らしく、剣の腕前はかなりのもの。
いなずま斬りやドラゴン斬りといったキーファが惚れ惚れする程の強力な剣技を使い、必要とあらばホイミやザオリクまで使える頼れる人。
ウッドパルナに着くまで一時的に仲間になってくれる。

ただし初期位置の森から村まではかなり近いため、普通に進むと魔物に会う間も無く村に着いてしまい、そこでマチルダはパーティから離脱する。
彼女の力が見たければ、あえて村に入らず、辺りをしばらくうろつこう。
開き直って彼女が居る間にレベルを上げるのも一つの手。
主人公らとは段違いの火力で敵を倒してくれるので、少しくらい強い敵と出会っても安心して任せられる。


■ハンク
村の剣士。
女達が奪われた後も魔物と戦っていたが重傷を負ってしまい、現在は寝たきり状態になっている。
自宅と道具屋の家を交換し、自分の居場所を魔物たちに隠しながら傷を癒していた(道中の武闘家のせいでバレバレだが)

病から立ち直った後はアルス達と共に戦う。
マチルダほどではないが、戦力としては十分優秀。
リメイク版ではやたら強力な会心の一撃を繰り出すことがあり、確率次第ではゴーレムも親方もハンクの会心で葬られる光景が見られる。


■パトリック
ハンクの息子。父親思いの少年で、ハンクの看病をしていた。
ハンクが重傷を負った際に助けてくれたマチルダを探している。
一度だけだが、ハンクを治してくれたアルス達の宿屋代を払ってくれる良い子。


【ダンジョン】

■カラーストーン採掘場
『カラーストーン』と呼ばれる宝石のような石が見つかる採掘場。
カラーストーンにはの4色があるが、傷を癒す力を持つ緑のカラーストーンは特に貴重。
『同じ色のカラーストーンをくっつけると砕ける』という特徴があり、奥に進むにはこの性質を使った謎解きをしなければならない。

地上より少し強い魔物も出現し、この時点で運良くサボテンボールから茨の鞭を手に入れる事が出来ればラッキー。


■東の塔
島の東にある5階建ての塔。
ウッドパルナの女たちをさらった魔物の根城。
門番のゴーレムを倒さなければ内部に入れない。







以下、物語のネタバレを含みます


ストーリー(ネタバレ)

村一番の戦士であるハンクが負傷し、途方にくれる村人たち。
息子のパトリック曰く、ハンクの傷を癒すには緑のカラーストーンが必要とのことで、アルス達はカラーストーン採掘場に向かう事に。

採掘場の最下層にて、アルスらはマチルダと再会し、彼女の協力により緑のカラーストーンを手に入れる。
また、マチルダはアルス達に拙い出来の『木の人形』を渡し、「要らなければ捨てても良い*1」と言い残してその場を去る。

アルスらは村に戻り、カラーストーンの力でハンクの傷を治す。

その夜、アルスは奇妙な夢を見る。
知らない女の子と、魔物との戦いへと赴く彼女の兄のやり取り。
その夢の中で、兄は一人残される妹の為にと、自作した『木の人形』を手渡す。

そして翌日、魔物との決着を付ける為、アルス達はハンクと共に村の東にある塔へと向かう。
塔内部の魔物達を倒し、ついに敵の親玉と対峙するが、そこに現れたのはマチルダであった。


【ウッドパルナの由来】

かつて、村が魔物に襲われた際、勇気ある青年『パルナ』が先陣をきって魔物たちに戦いを挑んだ。
他の村人達も後から助けに向かうと約束し、パルナは妹を村に残して一人戦いへと赴く。

しかし、村人達は恐怖心から誰もパルナの助けに向かわず、パルナは魔物との戦いで命を落としてしまう。
パルナとの約束を反故にし、見殺しにする結果となってしまった村人達はその事を悔やみ、パルナを英雄として讃え、彼の名にちなんで村の名前をウッドパルナにすることにした。

しかし……。


【パルナとマチルダ】

マチルダはパルナの妹であり、村人達が兄を助けに行かない中、一人で兄の元へ向かった。
しかし、パルナは魔物の手で既に死亡しており、マチルダも魔物に連れ去られてしまう。

その後、兄を失った悲しみと、兄を助けなかった村人への怒りにとらわれたマチルダは、「あの方」により復讐心を植え付けられ、その身を醜い魔物の姿に変え、村人達に復讐を誓ったのだった……。

そうしてマチルダの命令で魔物達が村の女をさらい、男たちに村の破壊を命じてほどなく、アルスたちが村を訪れ、ストーリー本編へと繋がる。


【マチルダとの決着】

マチルダの過去を知ったハンクと主人公達。
出来れば彼女を殺したくないと願うハンクだが、マチルダは自身の命が絶たれなければ村の女達は解放されないと言う。
ハンクは覚悟を決め、マチルダとの戦いが始まる。

いざ戦闘が始まると、彼女はアルスらと戦う意思がないのか、一切攻撃してこない。(ひたすら防御を繰り返す)

PS版では、マチルダ戦の最中に仲間に話しかけた場合、
マリベル「……どういうこと? なんなのよ これは……。」
キーファ「…アルス! い…いいのか!? 本当に マチルダさんと 戦うのか!?」
とそれぞれ葛藤している旨の台詞が聞ける。

この戦闘ではボス戦では珍しく、戦闘終了にいくつかのパターンが存在する。
  • 普通に攻撃して倒す
  • 戦闘から逃げる
  • 『木の人形』をどうぐとして使う(3DS版)

普通に倒した or 戦闘から逃げた場合、直後のイベントシーンでハンクの不意の一撃によりマチルダが負傷する。

その後、動けないマチルダにトドメを刺そうとするハンクに対し、
  • 主人公がハンクを止める → マチルダが自害する
  • 主人公がハンクを止めない → ハンクがマチルダを殺害する
という形で展開が分岐する。

木の人形を使った場合は、特殊会話が発生し戦闘が終了したあと、マリベルらの静止を振り切ってマチルダが自害する。

上記の通り、イベントシーンの内容がいくつか変化するが、いずれにせよマチルダの死亡は避けられない。

死の間際、マチルダはマリベルに貰った花の種について改めて感謝を伝え、アルスらに「最初に出会った森」へと向かうよう言い残す。

【決着、その後】

苦悩の末マチルダを倒し、村の女達と明るい空を取り戻したアルス達だったが、その心は暗いままだった。

アルス達はマチルダの最期の言葉に従い、彼女と初めて出会った森へと向かう。
マチルダが種を埋めた名もない墓の周りには、色とりどりの花が咲いていた。

この場面にはパトリックもついてきており、彼に話しかけるとマチルダから貰った『木の人形』を彼に渡す事になる。
この時、有無を言わさず渡すので、手元に取っておきたい人は注意。

森の奥には旅の扉があり、主人公達は元の世界へと戻る事になる。


【エスタード島への帰還】

アルスらがエスタード島に戻ると、島内は『新しい島』発見の報告で沸いていた。
なぜ今まで見つからなかったのかと不思議に思うほど、新しい島はエスタード島のすぐ近くにあり、エスタード王はただちに調査隊の派遣を決定する。

調査隊に入れなかったキーファは、アルスと共に前々から準備していた小舟で新しい島へ向かおうと画策するが、出港直前に案の定マリベルに見つかり、結局3人で海へ出ることに。

島に上陸した一行は、たどり着いた村がウッドパルナであると分かり、ハンクやパトリックを探してみるが…。


【現代のウッドパルナ】

村はアルス達が訪れた時から長い時が経っており、建物も復興し、非常に明るい雰囲気になっている。
また、村の中心には過去の世界には無かった『ハンクの塔』と呼ばれる建物があらたに建造されている。
村の名前の由来である英雄パルナのことは、長い年月のうちに忘れ去られた模様。

また、東の塔はなくなったものの、カラーストーン採掘場は健在であり、アルス達はそこで新たな石版を見付ける事になる。





木の人形をパトリックに渡した方も、そうでない方も追記修正よろしくお願いします。

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最終更新:2024年07月30日 19:55

*1 木の人形はウッドパルナのストーリーにおけるキーアイテムだが、システム上、本当に捨てられる。店で売ることも可能で、売値は1G。