冒頭
「操縦不能 操縦不能」
KONAMIやKOJIMA PRODUCTIONSのロゴを背景に、航空機が墜落していく音声が流れる。
次に、銃が並ぶどこかの部屋が映される。
外からは銃声が響く。
洗面所に置いてあったカセットテープには「From the Man Who Sold the World」との題があり、再生される。
流れだす洋楽のBGM。
この時点でゲーム内では曲名は表示されないが、流れるのは往年のデヴィッド・ボウイの曲、「The Man Who Sold the World」。
続いてぼやけた視界が映しだされる。
だんだん焦点のあってくる視界。どうやら病室のようで、視点の主はベッドで横になり、周囲では看護師が作業をしている。
やがて看護師のひとりが、視点の主が起きていることに気付き、慌てて走り去る。
画面が暗転し、電話をかける音声。
V has come to.
V has come to.
METAL GEAR SORIDV
THE PHANTOM PAIN
TACTICAL ESPIONAGE OPERATIONS
幾重にも響く「V has come to.」の声の後、作品タイトルロゴが表示される。
ベッドの上
「聞こえてますね?」
「声が上手く出せませんか?
首は動かせますか?」
「聞こえていたら
頷いてください」
男性の医者が自分に、意識を取り戻した患者に話しかけてくる。
と同時に、カメラ操作のチュートリアル。
また医者に確認されるという流れで、プレイヤー名の入力がここで入る。
あなたにお話があります いいですか?
どうか 落ち着いて
あなたはずっと昏睡状態だった
ええ ええ わかってます どれくらいの長さか?
あなたが眠っていたのは……
9年です
告げられたのは9年という長い年月。
狼狽する患者。
その様子と心拍数の上昇に焦りだす医者達。
看護師に注射を打たれ、その日はそこまでで眠ることになった。
「さて これからあなたの状況を説明します
落ち着いて聴いてください」
再開される説明。
「あなたは9年前 重傷を負いました
大きな爆発で……」
「救出された時 あなたの身体には108個の破片が刺さった状態でした」
無数の白い物体が映ったレントゲンが見せられる。
「ほとんどは取り除かれました
ですが 一部の破片はまだ残っています」
頭部のレントゲン。とりわけ大きな白い箇所がある。
「頭部の破片は大脳皮質の奥にまで達していました」
「が これを無理に抜くと
脳内出血を起こし
おそらく死に至るでしょう」
「記憶障害や機能障害 それは遺ります
といっても このままでも生命に危険はありません」
「もうひとつ……
これが今のあなた あなたの姿です」
上半身のレントゲン。
腕が映っているのだが、片腕の先が不自然に黒くなっている。
「気持ちはわかります ですが自分の腕を……
自分の目で確かめてください」
腕を見る。右腕はしっかりある。
だが左腕は……
目の当たりにした惨状に、再び激しく狼狽する患者。
痛々しいうめき声をあげながら、注射をされまた眠りに落ちていった……。
「形成手術はまだ体力的に無理です」
「いや 彼が覚醒した事が漏れてしまった! 急がないと
患者が危険だ」
聞こえてくる看護師と医者の会話。
「死んだはずのあなたが生きている
それが外に漏れた
あなたは世界中から狙われる 今すぐ顔を変える必要があります」
「あなたを広い世界に出す前に
やらなければならないことがあります」
鏡で見せられる、顔の半分を包帯で覆われた今の自分の顔。
「あなたの顔を作り替えます そうするしかない」
ここで顔のアバターの作成に入る。
が、ここ以外で作成したアバターが反映されるのは相当先だったりする
今後はエイハブと名乗ってください
名前も過去も 全て忘れてください
医者は包帯を取り、説明を続けるのだが、ここで後ろで異変が。
部屋に入ってきた女が、看護師を襲いだす。
医者は何か起こっていることなど気付かず、プレイヤーは目撃するもそのことを伝えられない。
気に留めず、医者は写真を見せてくる。
ヘリを背景に映った男達。
包帯を取った状態でもう一度見せられる鏡。
これは……今日までのあなたです
明日には あなたの幽霊 ファントムとなる
女が医者の背後まで忍び寄り、手がかかる。
医者は鏡を取り落とし、銃を取り出すも、背後からワイヤーで首を抉られている状態では向けることはできない。
医者がもがく際に蹴られ、自分もベッドから落ちてしまう。
とうとう医者も事切れてしまった。
どこかから響く爆発音。
「まだだ
隣の患者に顔を見られた
……わかった」
女がどこかに伝える。
床に銃が転がっているが、手を伸ばしても取れず、女の方が取り上げてしまう。
向けられる銃。万事休すか……と思った次の瞬間。
横から別の男が飛び出して組みついた。
格闘になる男と女。
男は振り払われ、手近にあったビンやらを投げるが、女が反撃に投げたナイフが肩に刺さる。
うずくまる男の横を歩いて女がこちらに近寄り、自分に首に手をかけ絞め始める。
遠のく視界。
と、何かの音の後、女の体が燃えだした。
どうやら先ほど投げつけられたビンはエタノールで、ライターか何かで火をつけられたようだ。
もがくところにさらにもう1本ビンを投げつけられ、火の勢いが増した女は、ついに窓から落ちていった。
転がって義手を伸ばすしかできないエイハブ。
命を救ってくれた男に対して、エイハブは「おまえは誰だ?」と問う。
俺はお前だ
9年 お前を見守った
イシュメールと呼んでくれ
2人で会話しているが、声が明らかに両者とも大塚明夫さんである
会話しているうちに、病院全体に揺れが走り、悲鳴が聞こえてきた。
「さあ 早く 此処はもうすぐ燃え落ちる」
だがエイハブはまともに立てない。
イシュメールが強心剤を注射したが、床にはいつくばってしまう。
「ほら ついてこい」
ここまでずっとエイハブの視点だったカメラが、ここでようやくプレイヤーを後ろから映す視点に変わる。
病院を脱出せよ
ここからカメラ操作のみでなく、移動操作が可能になる。
しかし、9年もの昏睡から目覚めて間もない身、ゆっくり這っていくのがやっとの状態。
イシュメールは先導してはくれるが肩を貸してはくれない。
這いながら必死に体を前に進め、外を目指してエレベーターへと向かう。
が、エレベーターを前に、ガスマスクをつけた子供がたたずんでいる。
その子供が宙に浮いて消えた……かと思った次の瞬間。
エレベーターの扉から炎が噴き出し、爆発が襲う。
吹き飛ばされる2人。赤く染まる視界。
すると、エレベーターがあった場所からは、炎の向こうに先ほどの子供とは別の男の姿が。
この男、なんと体が燃えているにも関わらず平然と歩いてくる。
しかしスプリンクラーが作動して視界が覆われた後、男の姿は忽然と消えていた。
エレベーターが使えなくなり、引き返す2人。
この辺りからエイハブは壁にもたれながらだが、立ち上がって歩けるようになる。
ちなみに壁にあるポスターはコジプロのものという小ネタが
ほどなく、壁に寄りかからず自立して歩けるように。
窓際の廊下まできた2人。
先ほどの爆発でエイハブの右腕がおかしくなっていたので、イシュメールが直す。
とはいえ脱臼していたのをただゴキッと戻すだけなので痛々しい。
と、外のヘリから、兵士達が降りてくる。
廊下の先から煙幕が焚かれ、ライトが迫ってくるので、右の部屋に隠れることに。
ここでぼやぼやしてると兵士に見つかり、あっさり死亡することになる。
リトライすれば直前の地点からやり直すことができるが、ここから先指示に従わないと死ぬ箇所が多数ある。
部屋に入ると匍匐移動のチュートリアル。
この部屋にも兵士の姿があり、部屋にいた患者は発見されると射殺された。
ベッドの下で、その様を眺めながらやりすごすしかない。
部屋を抜けた先、窓の外からヘリが機銃掃射を行い、また別の患者と看護婦が射殺された。
今度は壁で身を隠して見つからないようにするアクション。
その後、背後から銃撃が迫り、ダッシュのチュートリアルと続く。
このように、周囲の人間が次々と殺されていく中、見つからないように、捕まらないように進んでいくことになる。
進んでいくうち、死んだふりでやりすごそうとするも、前後から兵士に挟まれてしまう。
死体にも容赦なく発砲していく彼らの前で、なぜかまだ中ほどの途中で全員済んでないのにbのハンドサインをするギャグみたいなシーンもあるが
ついにエイハブに銃口が向けられたその時。
頭上をあの宙に浮かぶ子供が一瞬横切ったかと思うと、廊下の向こうから燃える男がまた現れた。
兵士が燃える男に向けて発砲する。どうやら兵士達とこの燃える男は味方同士ではないらしい。
銃弾もグレネードも燃える男には効かず、兵士は一掃されてしまう。外からヘリも攻撃するが、それすらも耐えて撃墜してしまう。
残った2人に迫る燃える男。ハンドガンを拾ったイシュメールだが、ただ撃つだけでは明らかに効果がない。
そこで天井のスプリンクラーを撃って水を噴出させると、燃える男の動きは止まり、姿を消した。
なお、先ほどの燃える男の攻撃の流れ弾をエイハブが受けたが、これは止まって『治療』することで重傷を治すチュートリアルとなっている。
階段を降りた後の廊下で兵士を倒し、ここでエイハブもハンドガンを手渡され、射撃が可能になる。
玄関ホールにたどり着くも、兵士がいるため、イシュメールとエイハブはいったん別れる。
ここでは従来シリーズと同じように、銃を使って倒すこともできるが、不用意に見つかると撃たれるので隠れながら進むというエリアになる。
なんとか出口まであと少しのところまで来るが、またガスマスクの子供が現れる。
外への入り口を瓦礫を動かして塞いでしまう。
兵士と、また現れた燃える男が交戦。
銃撃される燃える男だが、身をかがめながら受けた銃弾が体の表面で止まったかと思うと、
炎と共に一斉に放たれた銃弾が兵士達に襲いかかり、返される形となった。
過去作で見覚えのある攻撃方法
兵士達が片付いたところで操作可能になり、外に出ようとすると、その間際に緊急回避というボタン表示が。
出口の瓦礫が吹っ飛び、また兵士が入ってきた。
今度の兵士は燃える男の前に浮かぶ子供に銃を撃つが、瓦礫だったはずのヘリのローターが突如として回転しだし、哀れスライスに。
次々に殺されていく兵士も可哀想だが、向こうも病院の人々を皆殺しにしてるので因果応報である
と、今度は装甲車が入ってくる。
燃える男は砲にも耐え、また炎と銃弾で攻撃するが、装甲車の側も食らいながら耐える。
装甲車が燃える男に向かって突貫。
そんなドンパチを傍目に、今度こそエイハブは逃げ出す。
だが外に出た瞬間、装甲車は耐えきれず爆発。
地面に叩きつけられるエイハブ。近づいてくる燃える男。
そばにあったサブマシンガンを撃ちつくしても止まらない。
そこに、横合いから救急車が燃える男に激突し、壁に押し付ける。
「乗れっ 早く!」
イシュメールだった。
エイハブも救急車に乗り、いよいよ病院から走り去る。
だが後ろからは追撃が迫る。
ちょうど到着した消防車が倒され、炎に包まれながら飛来してくる始末。
それを避けたかと思ったら、今度は前方にヘリ。銃撃を受け運転手のイシュメールが気絶してしまう。
エイハブが助手席からなんとかハンドルを切り、トンネルに逃げ込んでヘリをやり過ごす。
だがトンネルを抜けた先に車両検問があり、衝突して運転していた救急車は横転。
エイハブも意識を失う。
目を覚ますエイハブ。
気が付くと、運転席のイシュメールはいなくなっていた。
救急車の外に出ると、上空からヘリが迫ってきていた。
そこに、また現れたガスマスクの子供。
彼がヘリに手をかざすと、炎に包まれた鯨が飛んできて、飲み込んだ。
今度は燃え盛る馬に乗りながら、燃える男が空を飛んできていた。
慌てて駆けだすエイハブだが、目の前にもう一頭の馬が。
馬上の男に手を差し伸べられ、困惑しつつも、迫ってくる燃える男を前に跨るエイハブ。
ショットガンを渡され、追ってくる燃える男を馬上から撃つことになる。
何気に揺れる馬上でかつ片手が義手なのに器用にリロードなんて離れ業をやってのけている
炎に巻かれながらも、いつしか雨が降ってきて炎は消えた。
だがすぐそばに落雷があり、道から転落してしまう。
とはいえ馬は無事、エイハブも息絶え絶えだがなんとか動ける。
ここでいったん、ミッションスコアの結果が出る。
倒れた状態のエイハブのそばで、また現れ見下ろすガスマスクの子供。
その視線の先には、崖の上にいる燃える男の姿が。
が、目の前を馬でかけつけた男が横切ると、その姿は消えていた。
アフガニスタンへ
ここまで何一つ素性が分からなかったエイハブが、BIGBOSSと呼ばれていたこと
目の前にいる男がオセロットという名で、BIGBOSSとかねてから面識があることが分かる。
シリーズ既プレイであれば、風貌などからなんとなく察することはできていたが、
ここでやっと知った名前が出てきて確信に至る瞬間である。
オセロットが来たのは、9年前のBIGBOSSの相棒、カズヒラ・ミラーという男からの依頼で、
またミラーを助けにいかねばならないという。
「あんたはミラーを救い
これからまたあんたらの部隊を創る
それしか生き残る道はない」
ミラーはアフガニスタンでソ連軍に捕まっている。
アフガニスタンまでは、向かっている道の先の港にある船で行く。
雨の降りしきる中、2人はキプロスを後にした―――。
というところで、この「序章」は終了する。