空白の一年(名探偵コナン)

登録日:2022/05/29 (日) 15:38:12
更新日:2022/06/18 Sat 13:36:26
所要時間:約 11 分で読めます




『空白の一年』とは、かつて名探偵コナン江戸川コナンが解決した事件のひとつ。
原作には無いアニメオリジナルエピソードであり、アニメ第1030話・1031話として2021年12月11日と18日に放送された。
脚本は扇澤延男氏が担当した。


※以下、ネタバレに注意してください。


【あらすじ】
小五郎が甲練町を歩いていると、車にはねられそうになった江坂律雄を救出する。

江坂は記憶がなかった時期があったらしく、記憶を思い出す為に町を歩いていた時に何者かによって道路に押し出されて車にはねられそうになり、自分が人に恨まれるようなマネをしたのではないかと思い、それを知る為に小五郎に自分の記憶から消えた過去を見つけてほしいと依頼する。

調べていくと、金原卓三・妙夫妻、火田啓介、水谷統子、地村守の計5人が江坂の面倒を見ていた事が判明し、彼らは江坂が誰かに恨まれていたのでは言った時に恨まれるような事はないとみんなが否定。
その後、記憶喪失が治ったとしてお祝いをする事になり、終了後に自宅アパートに戻った江坂は、半年前に行方不明となった木杉彬の遺体が発見されたニュースを見て、今まで気にならなかった事がどうして今になって引っかかっているのを感じていたが…


【事件関係者】
  • 江坂律雄(えさか りつお)
CV:野島健児
記憶を失った男。28歳。
1週間前の夕方、駅の階段で足を踏み外して転げ落ちて頭を打って気を失い、その後に勤めていた会社に戻ると1年間姿を消していた事が判明。
当然だが会社はクビになり、アパートに帰ると別の人が住んでいた。
記憶喪失時に身元がわかるものを所持していなかった為、卓三によって「甲練太郎」という名前をつけていたが、江坂本人はその事を覚えていなかった。
お祝いの席で雷が鳴った事で何か気になる光景があったらしく、思い出せなかった。

  • 金原卓三(きんばら たくぞう)
CV:塩屋浩三
駐輪場整理員。71歳。
金原家に来たコナン達が江坂の事を説明すると、事情を知った後に火田達を金原家に呼んでいる。
火田曰く、町内の世話役だからと親身になって江坂を支えていた。
お祝いの席の途中、妙が薬を飲んだかの確認をするついでに雨が降りそうだった事もあり、江坂達の為に傘を持ってくると言って家に戻っている。
それを見た江坂は助けてくれた人達の事を思い出したいと言っていた。

  • 金原妙(きんばら たえ)
CV:竹口安芸子
卓三の妻。70歳。
体が弱く、寝たり起きたりの生活が続いており、お祝いの席には行っていない。

  • 火田啓介(ひだ けいすけ)
CV:木村雅史
建設会社「火田工業」の経営者。53歳。
記憶喪失の時の江坂は火田の建設会社で働いており、江坂は甲練町から都内のあちこちの現場で働いていた為、履歴には毎日甲練町駅から出かけて甲練町駅に戻っていた記録が残っていた。

  • 水谷統子(みずたに とうこ)
CV:平田真菜
銀行員。26歳。
江坂が無事だった事を喜んでおり、江坂が記憶喪失時には料理を作って差し入れをしていた。
また、妙の体が弱い事をコナン達に教えている。

  • 地村守(ちむら まもる)
CV:浅利遼太
予備校生。20歳。
父親はアパートを持っていた為、父親に頼んで江坂をアパートに住まわせ、江坂はそこから火田の建設会社で働いていた。

  • 木杉彬(きすぎ あきら)
詐欺常習犯。38歳。
半年前から行方不明だったが、コナン達が江坂と初めて会った3日前に若葉台の山中で半ば白骨化の状態の遺体で発見される。
小五郎の話によると、他殺なのは明らかだが、犯人捜しは難航しているとの事であり、その後のニュースで殺害されたのは半年前の6月10日と特定された。


【レギュラー陣】
ご存知主人公。
小五郎がショック療法で江坂の記憶喪失を治そうとし、さらには引っぱたくという手もあると言った為、本気でやりかねないと心の中で思っている。
なお、黒井が偽の警察官だった事を知った時、江坂の事を聞いても無駄だったと言っていた。

ご存知迷探偵。
ショック療法で江坂の記憶喪失を治そうとしていた。
お祝いの席では酔っぱらっており、雷が鳴った時に犬なんか雷喰らって黒焦げになれという願望があると江坂に言った時、水谷から「残酷ですね」と言われ、火田と地村からも水谷と同様に小五郎の事をジト目で見ていた。

ご存知捜査一課のメンバー。
後編からの登場。


【その他】
  • 黒井佳展(くろい よしのり)
CV:拝真之介
警察官。42歳。
小五郎が江坂の事を聞くが、「覚えがない」と言っている。
しかし、黒井の正体は警察官ではなく、指名手配されていた連続空き巣犯であり、その後にすぐ逮捕され、パトカーで連行されていた。
なお、指名手配ポスターには苗字が「黒田」となっていた。

  • 天野(あまの)
CV:鈴木咲
ペット犬「獅子丸」の飼い主であり、江坂に吠える獅子丸を叱っていたが、その時に江坂は犬の名前が獅子丸である事を思い出している。

  • 巡査
CV:渋谷茂
黒井が逮捕された後、小五郎に江坂の事を聞かれると、江坂の事を覚えていた。


【キーワード】
  • 甲練町
今回の事件の舞台。
名前の元ネタは推理作家のコーネル・ウールリッチ。


【以下、まさかの展開。さらなるネタバレに注意してください】


























  • 江坂の自殺
翌日、コナンと小五郎が江坂のアパートに向かうと、目暮達がおり、話を聞くと江坂が毒入りコーヒーを飲んで自殺したとの事だった。

部屋は施錠されており、大家から渡されていた2つの鍵は部屋の中にあり、部屋のパソコンには遺書らしき文章が残されており、テーブルの上には携帯電話があった。
履歴が2つ残っており、ひとつは火田工業、もうひとつは気象情報サービス会社にかけており、どちらも半年前の6月10日前後の若葉台に関しての事を聞いており、その日は木杉が殺害された日であった。

小五郎は江坂が前日の雷で木杉を殺害した事を思い出して自殺したと推理するが、コナンが高木に玄関のドアチェーンがかけられた事を聞くと、チェーンまでかけられておらず、2つの鍵は机の引き出しの奥と江坂か着ていたコートのポケットの中にあった。

目暮達が帰った後、コナンは江坂の気になる光景が若葉台で見かけたものであり、それが木杉と犯人が揉めてる場面なら、江坂が殺害されかけた事に説明がつくと小五郎に教える。
犯人にとっては不都合な目撃者である江坂の殺害に失敗続きだったが、毒入りコーヒーを飲んだ事はうまく実行できた事になる為、部屋に別の人物がいた事になる。
コナンは食器棚を見た時、コーヒーカップがひとつだけ置き方が違っていた為、カップを置いたのは犯人であり、口封じの為に江坂は殺害されたうえに犯人役にされ、真犯人は施錠に何らかのトリックを使ったと推理。

江坂か犯人を部屋に上げた事を考えると知り合いの可能性もある為、コナンと小五郎が聞き込みをしていると、江坂が犬に吠えられて電柱に登っていたのをたこ焼き屋の女性が目撃しており、その時に雷も発生しており、江坂は何かが通り過ぎたのを目撃していた。
小五郎が電柱に登って確認し、コナンが何かが通り過ぎた場所に向かうと、寺があるのを確認。
近くには木杉の自宅がある為、木杉と犯人が揉めながら通ったのを目撃し、それを見られた犯人は江坂の居場所を知らない為に江坂をすぐ殺害する事ができなかったが、3日後に江坂が犯人を訪ねた事で狙う事ができたと推理する。
犯人は木杉を恨んでいる甲練町の住民だと推理し、若葉台警察署に向かうが、刑事の話ではひとりもいないらしく、町の世話役である卓三なら情報を持っていると考えたコナンと小五郎は金原家に向かった。

卓三は江坂が亡くなった事に驚いていたが、木杉が甲練町にいたのを聞いた事がなかった。
火田、水谷、地村の3人も江坂が亡くなった事に驚いており、江坂について思い当たる事はなかったものの、江坂の為にコナン達の手伝いをしてくれる事になった。

そして、事件の真相がわかり、コナンは小五郎を眠らせて推理を始めた。


【以下、事件の真相。さらなるネタバレに注意】



























捕まるのが怖かった

捕まって罰せられるのじゃない

俺が怖かったのは…

  • 金原卓三
木杉と江坂を殺害した犯人。
詐欺の被害に合っていたのは、卓三の義弟(妙の弟)である土井垣克広であり、土井垣は木杉に貯金を全て騙し取られ、その心労が原因で亡くなっていた。
土井垣家の菩薩寺が木杉の住む若葉台にあったのは偶然であり、三回忌の時に木杉を目撃する。

そこで卓三は妙に寺の茶屋で待つようにと言って、木杉のところに向かい、詫びてもらおうとしたが、その時に揉み合いとなってしまって木杉を殺害してしまった場面を江坂が目撃してしまう。
目撃者だった江坂が半年後に突然甲練町から姿を消した為、ほっとしたはずだったが、姿を消した3日後に江坂を町で目撃する。

木杉の死に関して江坂が問いただしに来たと思い、江坂を道路に押し出して殺害しようとするも失敗。
その後にコナン達と一緒に金原家に来た時、1年間の記憶を失っている事を知っても、気になる光景がある事と火田から妙な問い合わせがあった事を知り、慌ててしまう。
そこで、江坂を木杉殺害の犯人に仕立てる為、アパートに行って江坂を自殺に見せかけて毒殺し、合鍵で施錠した。

コナンが卓三が犯人だと確信したのは、お祝いの席の途中で、妙が薬を飲んだかの確認をするついでに雨が降りそうだった事もあり、江坂達の為に傘を持ってくると言って家に戻っていったが、その時に江坂のコートのポケットに手を入れていた。
それは合鍵を作る為であり、コナンが町で調査している時に合鍵を作ったホームセンターで確認していた。
また、木杉の遺体の指には、木杉とは別人の毛髪が1本絡んでおり、それは卓三のものだった。

殺害した動機は、体の弱い妻の妙をひとりにする事ができなかった為であり、その事を小五郎(コナン)に言われた卓三は涙を流していた。

木杉を誤って殺害した後に自首をすれば情状酌量の可能性もあったが、その遺体を埋めてしまったうえ、目撃者の江坂も殺害してしまい、結果的に罪を増やしてしまうという最悪の形となってしまった。

  • 江坂律雄
木杉を殺害する卓三を目撃してしまった結果、記憶が戻る前に殺害されるという悲劇に巻き込まれてしまう。
江坂自身はその件で脅迫するような事は一切していない為、今回の悲しい結末に拍車をかけている。

  • 木杉彬
今回の事件における全ての元凶。
土井垣に詐欺を働いてなければ、土井垣が心労で亡くなる事はなく、または卓三と会った時に謝罪をしていれば自身が卓三に殺害される事もなく、江坂が卓三に殺害される事は一切なかっただろう。
恐らく、詐欺事件の犯人として被疑者死亡のまま書類送検されたものと思われる。

  • 火田啓介
  • 水谷統子
  • 地村守
卓三が連行される時、火田が卓三が戻ってくるまで妙の事をお世話をすると卓三に言い、卓三は3人にお辞儀をした後に目暮達によってパトカーで連行されて行った。

  • 毛利小五郎
目を覚ました後、いつから記憶がないんだと考えており、その様子を見ていたコナンは気にすんなと心の中で言っていた。


【余談】
江坂と黒井以外の人物の苗字の最初の文字には惑星の名前がついており、
  • 金原卓三&妙→金星
  • 火田啓介→火星
  • 水谷統子→水星
  • 地村守→地球
  • 木杉彬→木星
  • 土井垣克広→土星
  • 天野→天王星
  • 海野*1→海王星
のようについている。
なお、黒井の名前の元ネタはコーネル・ウールリッチの小説「黒いカーテン」である。

近年の番組表でのキャスト欄のゲストキャラの順番は、基本的に「被害者→事件関係者→犯人」の順番になっている事が多く、アニオリ回にも関わらず番組表で犯人が分かるという事態が多く発生している*2
今回のように前編と後編で順番が異なる事で犯人分かるというパターンもあり、前編でのキャスト欄の順番は「江坂→卓三→妙→火田→水谷→地村」の順番だったが、後編では「江坂→妙→火田→水谷→地村→卓三」の順番になっている為、後編放送前の時点で犯人が卓三だとわかった視聴者もいた*3
また、夫婦役のゲストキャラの場合は順番が並んでいる事が多いが、離れている場合は今回のようにどちらかが犯人だとわかるエピソードが多いのが特徴である。


追記・修正は、記憶が戻った時にお願いします。

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最終更新:2022年06月18日 13:36

*1 卓三と同じ駐輪場整理員であり、土井垣と同じく名前だけの登場。

*2 今回のように被害者と事件関係者の間に事件関係者以外の人物が入る回もある。

*3 一部の原作エピソードでも同様の事がある為、原作未読の人でも犯人がわかってしまう場合がある。