毛利小五郎

登録日:2009/10/28 Wed 21:01:34
更新日:2025/07/15 Tue 16:24:56
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何か、お困りのようですな、お嬢さん……。



出典:名探偵コナン、774話『消えたムンクの叫び』、
1996年1月8日から放送中。TMS、読売テレビ、
(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996


名探偵コナン』の登場人物。

CV:神谷明(初代)、小山力也(二代目)
演:陣内孝則


【人物】

「毛利探偵事務所」を経営する私立探偵で毛利蘭の父。
ちょび髭がトレードマーク。38歳。
名前の由来は江戸川乱歩が著した名探偵「明智小五郎」と(娘と同じく)作家「モーリス・ルブラン」。


帝丹高校出身で、大学は米花大学卒業。
学力に関しては詳しい言及はないが、アニメオリジナル回ではあるが妃と学生結婚した際は厳しい家計を支える為に家庭教師のアルバイトを行っていたので、平均以上に高かったと思われる。
学生時代は柔道部所属で、実力は部内トップだったが、試合では緊張して実力が全く発揮できなかったという。
元警視庁捜査一課強行犯係の刑事で目暮十三警部の部下だったが、時系列上は警察学校卒業後は警視庁火災係に配属してから強行犯へ異動。この頃はちょび髭がなく、若さも相俟ってなかなかの男前。
普段の素行は典型的なオヤジといった感じで、酒癖が悪く、ヘビースモーカー。銘柄はハイライト。
趣味は競馬・競輪などのギャンブルと麻雀で、ダジャレに富んでいる(意外にもこの特技が謎解きの役に立ったことがある)。
美人に目がなく、見かける度に鼻の下を伸ばす事もしばしば。ストライクゾーンは娘の蘭くらいの若い子からアラフォー、アラフィフまで幅広い。ちなみに脚フェチ。

アイドル・沖野ヨーコの熱狂的ファンであり、彼女が関わるものはドラマ、CDなど逃さずに押さえている。
旅行先や入院中でも必ず番組に出ていれば見ようとしているため、その隙を悪人に付け込まれたこともあった。
そのため、妻の妃英理には「グズで不潔で女たらしで飲んだくれでいーかげんな男」と評される。
しかし責任感の強い所もあり、アニオリ回の『毛利小五郎探偵廃業の日』で依頼人に頼まれた証拠が入手できず、結果依頼人が追い詰められて自殺してしまい、犯人だと思われる容疑者を追及したが冤罪で自殺に追い込んでしまった時は(実際には真犯人のトリック)、責任を取って探偵事務所の看板を下ろそうとしたこともある。
また、原作・アニメオリジナル共に事件が起きたと知った後の酒酔いから覚めるのが妙に早く、それまでべろんべろんに酔っぱらっていたはずなのにすぐさまキリッとした姿勢で捜査に励むという、割と凄いことをやってのけている(特にアニメオリジナル版ではその傾向が顕著である)。
ちなみにアイドルオタクの女性の家に行った際には、ヨーコ以外の芸能人の写真も見るなりすぐに名前を当てていたような芸能通であり、コナンからは「そんなに知ってるあんたもすげーよ」と呆れられていた。

私立探偵だが探偵小説は読まないようで、コナンが敬愛するシャーロック・ホームズを「紙の上の人間」とバカにしホームズファンから白い目で見られた他、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」をコナン・ドイルと勘違いした上にタイトルまで間違えていた。
ただし、南総里見八犬伝やオリエント急行殺人事件は好きなようで、特に後者に関しては探偵の名前にちなんで「毛利ポア郎」と上機嫌で自己紹介している。

アニメでは高所恐怖症で高いところが苦手であり、アニオリ回『名探偵に弱点あり』ではこの設定を据えたエピソードが描かれている*1
またアニメ版初期はいびきがうるさいという設定で、同じ部屋で寝ているコナンはよく彼のいびきに悩まされていた。


初登場時は依頼が全くなく、無精ひげを伸ばして酒浸りの毎日だった。
これをコナンプロデュースで名探偵に仕立て上げられ、いつしか「眠りの小五郎」の異名を取るようになる。
これは椅子に座ってうつむき、眠ったかのような姿で推理を披露するため付いた名前である。
また、小五郎をよく知る人物たちは普段は的外れなことを言うがそれは仮の姿で、奇妙な声と踊りを合図に態度が豹変し、何かに取り憑かれたかのようになって名推理を披露するのだと思われている。
コナンに麻酔銃で眠らされ、腹話術の人形役にさせられていることは読者の誰もが知る事実。
「奇妙な声と踊り」と言われる行動はコナンの放った麻酔針が刺さり、意識を失いかけてフラフラしているだけである。
ちなみに眠りの小五郎が浸透するまでは、「平成の明智小五郎」と呼ばれていた。

なお、当人は「眠りの小五郎」について現在「潜在的に自分の中に眠る真の自分で普段は実力を温存している。睡魔はそれによって脳細胞がフル回転する為。記憶が無いのは推理ショーで全精力を使い果たすから」というどこからつっこめばいいのかよくわからない認識になっている模様。
本人も刺さった瞬間「きたきたきたー!」「来ました!」「今日は尻なのね…」と言って眠ってしまうなど、当てにしているフシも見受けられる。
時々コナンが眠らせる前に小五郎の声を出すこともあるのだが、何の疑問もないのだろうか*2

近年では世良や安室など、推理力に優れた者が推理ショーをフォローするので小五郎になりすます必要が無くなった事もあり、アニメオリジナル回以外の話では滅多に眠らなくなった。
特に安室は時計型麻酔銃を打ち込もうとする瞬間を目撃し「眠りの小五郎」のトリックを見破られた事と、黒の組織のバーボンであることが分かった為、下手に行うと新一であることがばれる恐れがあるのではとコナンが警戒するほど。
その結果、原作では2014年の1年間は眠りの小五郎で推理を行ったエピソードがゼロという事態になり、更に眠りの小五郎の推理ショーが減った為、小五郎自体の出番も以前より少なくなっている。
アニメ版の原作回に限った場合でも、2018年に放送された『となりの江戸前推理ショー』の次に披露したのは2024年に放送された『千速と重悟の婚活パーティー』だった為、約6年間は原作回で眠りの小五郎が登場しなかった。
その為、現在は「眠りの小五郎が登場=アニメオリジナル回」である事がほとんどである。

『美術館オーナー殺人事件』で新聞に、『テレビ局殺人事件』でテレビに出るなど、探偵なのに顔バレしまくっている*3
だが、初期の『ピアノソナタ「月光」殺人事件』では田舎の島であった為、名乗っても全く理解してもらえず毛利衛や毛利元就、明智小五郎に間違えられていた。
黒の組織からまで「あの有名な探偵だ」と言われ、それだけなら組織としても何ともないのだが、コナンのミスにより組織とは無関係なのに命を狙われたことすらある。

全国的に有名だが、各県警の刑事には妙な覚え方をされている場合がある。
北海道警では「行く先々で不幸を呼ぶ呪われた探偵」、神奈川県警の横溝重悟には「『煙の小五郎』とかいうケチな探偵」、千葉県警(アニオリ)では「沖野ヨーコの曲で踊りながら推理する『踊りの小五郎』」、沖縄県警では「食いっぷりのいい探偵*4」として覚えられている。
他にも天国へのカウントダウンでは被害者の男性から「居眠り小五郎」と間違えられたこともある。

高額な報酬につられて依頼を受けることが多く、金に弱いように見えるが、実は汚いお金の稼ぎ方については嫌っている。
事実、金のために犯罪に走った知人に対しては「そこまでして金が欲しいのか」と軽蔑した。
また、宝探しのような現実味のない話にも興味はないようで、『コナンと平次の鵺伝説』では徳川の埋蔵金発掘のためにやって来た平次の誘いを断っていた。

行く場所では必ず何かしらの事件が起こる為、目暮から「疫病神」「死神」とメタ的な呼び方をされることもある。
しかし目暮も最近では、小五郎が絡まない時でも事件に関わりまくっているコナンが真の死神ではないかという認識になっている模様。
冷静に見ると、ほぼ毎日様々な凶悪犯罪が発生していることになる米花町や住民の気質に何らかの問題がありそうだが

女性には手を挙げない主義であるが、守るべき明確な対象がいる場合は女性であっても容赦しない。
劇場版第9作『水平線上の陰謀』で黒幕の女性と対決した際には、相手も格闘技に精通していた所為もあって打ちのめされるが、それでも手を挙げなかった。しかし、守るべき者であるコナンが危険な現場に現れるや否や即座に手を出し、相手を一瞬で返り討ちにしてみせた。
更に後述の通りこの時はコナンの助け無しで一人で犯人に辿り着いたと言ってよく、日頃のヘボ探偵ぶりが嘘のような大活躍であった。
因みに、犯人は英理に似ていた。その為、無実を証明しようと捜査していたはずが結果的に追い詰めてしまったと語っている。

なお美人に弱いのは周知の事実だが、一応内面もちゃんと見ているようで、
美人でも性格や言動に難があるタイプに対してはあまり興味をそそられないらしく、一部にはかなり冷たく接することも*5
その割には、同じくアニオリ『黒いイカロスの翼』に登場した内面最悪の女優の美脚に鼻を延ばしている面もあるが。
性別を見抜いた訳ではないものの、女性に扮していた美人には特に反応しなかった辺り、本能的に見分けがついていたのかもしれない。

某推理漫画では主人公などの主要人物の知り合いが犯人や被害者になる事が多いが、未成年の人物が少ない『コナン』では元刑事で人生経験が豊富な役柄故か、小五郎の知人が犯人や被害者になる事が多い*6
特にアニメオリジナル版ではそれが顕著であるが、原作と同様に犯人であると分かればたとえ親しい人物であろうとも罪を償わせようと説得を試みており、正義感の強さがしっかりと強調されている。


【能力】

当初は“ヘボ探偵”と紹介され、どこか憎めないお笑いキャラだったが、ストーリーが進むにつれ優秀な一面を覗かせることもある。

元捜査一課の刑事という経歴があるのにも関わらず、ある程度の捜査が済んだら事故または自殺で片付けようとしたり、頓珍漢な推理を披露してコナン達探偵や目暮警部から呆れられることが多い。
コナンのヒントにも耳を傾けようとはしないため、大体が眠らされて推理の代弁をさせられることになる。

普段はそんな調子であまり優秀ではないが、昔の友人知人や家族などが絡んだ事件では本気の小五郎が見られ、推理においても(コナンが僅かにアシストをするものの)殆ど自力で犯人とトリックを暴いたりしている。
ちなみにその「家族」にはコナンもきちんと含まれているのが人としての器の大きさを感じられる。


基本的にコナンのようにひらめきで手掛かりを掴んで謎を解くタイプではなく、地道かつ徹底的に証拠を集めて真相を見抜くことに長けている。
だが、性格的に短気なので証拠集めを途中で投げ出すことが多く、結果的にミスリードにあっさりハマっている(皮肉なことに事件の真相が明かされるシーンでは眠っていることが多いので、罠にハマっていると学習する機会が無い)。
これが昔の友人知人の絡む事件になると、非常に冷静に現場を調べ回るため自力で真相に辿り着いている。
本気を出したときの実力はコナンに引けを取らないと言って良い。
ただ詰めの甘いところが少々見られ、犯人の決定的な証拠などを見つけずに推理してしまうケースもある*7
状況次第では人の少ないところで真相を語り、自首を勧めて穏やかに事件を解決させたこともある。
小五郎も目立ちたがりなところはあるものの、本気の推理を披露する場面ではコナンよりも冷静で淡々としている。

更に人生経験の差からコナンにはわからなかった事実を導き出したりもする。
特に結婚にまつわる話や女性の扱いに関しては、本気を出せばコナンよりも数枚上手である。
コナン(新一)が幼なじみの蘭と恋人同士になったばかりなのに対し、小五郎は幼なじみの英理と結婚までして娘をもうけているので、これは当然とも言える。
というか大人並みに女性慣れした高校生なんていたらそっちの方が問題だが、コナンの世界では小学生も大人の恋愛事情に詳しかったりする。
また、上記の通り小五郎の友人が犯人や被害者になる事もある為、犯人に対しての台詞が人生経験の浅いコナンや蘭とは違い、小五郎の場合はその重みも強いと感じるファンもいる。

総じて、彼の推理力は根気強く粘り強く調査した時に発揮される
逆に言うと、普段はものぐさで面倒くさがり、かつ短気な性質が邪魔をして、その「根気強い調査」がなかなかできない。現場にいくつか矛盾が生じていても、そこを追求しようとはせず、都合の悪いことは「偶然だ」などと言って片付けてしまうことも多い。
また生来人が良い為、他人に入り込んだ質問が出来ない。このため、コナンが容疑者に細かく追及することを咎めることも多い。ここは人間としては正しいかもしれないが、探偵としては致命的である。
そして、諦めずに真相を導き出した時は最後まで非常に冷静な判断力を見せる。
コナンからも「探偵のくせに足を使わない(普段地道な調査をしない)」と内心で言われたことがあるが、青年時代はこの部分に関してはむしろ逆で、火災係の刑事時代には、現場に乗り込んで放火の可能性を執拗に捜査していた為、消防関係者に疎ましがられてしまっていた*8
「羹に懲りて膾を吹く」例かもしれない。

ただし、推理の伴わない一般的な探偵の仕事ではかなりしっかりと足を使ってやっている模様(たまに「靴底が〇ミリも擦り減っちまった」と自慢げに語ったりしている)。
この辺りの矛盾は長期連載ゆえだろうか。


また、元刑事だけあって犯人の取り押さえではよく活躍する。相手が襲ってきても得意の一本背負いで犯人を地面に転がしてしまう。
狭くて投げ技が難しい場所では大外刈りで犯人を転がしたこともある*9
娘の蘭が悪党をフルボッコにして戦闘不能に追い込むのに対し(ファンからよく過剰防衛扱いされている)、小五郎は基本的に取り押さえと身柄の確保を前提に手早く相手の無力化を図る。
蘭ほどのインパクトはないが、1対1であれば転がして押さえ込んだ方が効率は良い為、小五郎の方が犯人確保は上手いと言えるだろう。
なんだかんだで刑事だった頃の感覚や考え方は残っているのである。


柔道の名手でもあり、大学時代は柔道部に所属。段位は不明だが有段者であり、その部の中で一番の腕前だった(在学中に個人の全国大会で優勝した同級生が一度も勝てなかった程)らしく、当時は「米花の三四郎」と呼ばれていたらしい。
犯人を捕らえる時にその技の切れを見せることもあるが、大学在学中は試合になると気合が空回りして調子が狂ってしまい、公式戦では部内で唯一一勝もできなかった。
なお、漫画を見ると英理に背負い投げを教えていた事が解る。
また、蘭に「空手なんて習わすんじゃなかった」とボヤいているシーンがあるので、空手を勧めたのは小五郎の可能性がある。

ほか、劇場版第2作『14番目の標的』では射撃も得意である事が言及されていて、そもそも刑事を止める切っ掛けになった事件も高い腕前ありきの判断で犯人確保に繋がったのである。
拳銃の腕前は目暮曰く「警察内でも1、2を争う物だった」らしく、体術だけならず射撃にも才がある事が示されている。
その腕前は青山先生が「狙撃なら赤井だが、拳銃なら小五郎が作中トップ」と語るほど。コナンのパパといい勝負できるかもしれない。
最初期は「銃はあんまり」と本人が言っていたのは秘密だ*10
番外編である「警察学校編」では警察学校での訓練の際、初めての試射で20発全弾を的の中心に当て、満点を取ったと語られている*11
とはいえ現在は拳銃を所持できない身なので、この設定が役立つのはもっぱら劇場版のみというのが実にもったいない。そもそも警察がドンパチするシーンがほとんどない作風なのも合わせて「劇場版専用設定」と言われることもある。


意外にも演技力に長けているところがあり、原作ではCM出演した際に園子にその演技を評価されており、アニメオリジナルでも酔っぱらっているように装うことで犯人の油断を狙ったことがある。

なお刑事時代について、目暮からは「お前のおかげでほとんど迷宮入りだった」と評されている*12。アニメオリジナルでは刑事時代の先輩や探偵としての師匠に当たる名探偵からもその仕事ぶりを低く評価されている。
一方、阿笠からは「あれでも一応昔は敏腕刑事だった」と真逆の評価をされている。
矛盾がないものとすると、「現行犯の確保などには持ち前の身体能力と正義感で一定の功績を上げたが、コツコツ証拠を集める地道な捜査は苦手だった」ということだろうか。
メタ的に仕方ないとはいえ、基本的に素直なのでトリックには騙されやすく、そこから推論してしまいがちな面が強い。
それでもまだ現実的な推理をするという点では山村ミサオよりはマシ。
そもそも目暮からしてコナンの推理がなければ無実の容疑者を連行しかけたりいつまで経ってもトリックに気づけなかったりするので、迷宮入りの原因は彼にもあると言われている。


コナンが勝手に現場を捜索しているのを咎めている姿がよく見られるが、これも現場保存の重要性を認識しているからであり*13、コナンも気を遣っていることは多いのだがトリックや証拠捜索優先で本当に現場を荒らしている事も多い。
というか現場近くをうろちょろするだけでも荒らすことになりかねない(靴の汚れを床につけたり頭髪が落ちたりするだけで捜査に支障をきたしてしまう)わけで…*14
軽犯罪ならともかく、基本的に殺人事件なので気を遣い過ぎてやりすぎということはない。
そもそも殺人事件なんてきな臭いものに無関係の子供が関わろうとすることを止めようとすることは至って真っ当な行為だろう。
ただし、コナンを咎めた結果、話によっては解決が遅れるという事もあるが。

また、現場からコナンを追い出す時に頭をポカポカ殴ってるようなイメージもあるかもしれないが、それは初期だけ(それも原作では回数にして20回程度、連載期間を考えればかなり少ない)で大抵の場合は普通に怒鳴りつけたりつまみ出したりしているだけである。


上述の通り、知人が登場しては事件関係者になってしまうが、裏を返せばそれだけ交友関係が広いということでもある。
飾らない性格でなんだかんだ面倒見が良いことから、作中で初めて出会う相手も概ね友好的。
また、殺人事件ばかり起こるあの世界にいながらもズレていない感性を持っていて、阿笠博士の作った殺人事件のゲームのテストプレイを引き受けた時、「このゲーム立て続けに殺人事件が起こりすぎじゃない?」とツッコむ蘭に対して、


いいんじゃねーか?本当に人が死ぬわけじゃなし
そのつらい気持ちがプレイヤーに伝わればちったぁ意味もある
まあ殺人なんてゲームやドラマの中だけに留めて欲しいもんだ
本当に人を亡くした哀しみは、ゲームやドラマどころじゃねぇからな

となかなかに人として深い台詞を返した。
この言葉に恐らくこの少女が一番共感したであろうことは、想像に難くないと思われる。そしてこの深い台詞は蘭に「それより…」と無視されてしまった。

以上のようにたまにコナン以上の見せ場があり、コナンとは違う大人らしい活躍をする為、小五郎がたまにコナンを差し置いて活躍すると歓喜するファンも多い。
要するにやる時はやる人


【仕事】

作中で触れられることは少ないが、浮気調査・素行調査・ストーカー対策といった一般的な探偵業務も行っている描写がある為、普段でも全くグータラな人物という訳ではない。
本人曰く「標的をレンタカーで追跡して使い捨てカメラでコソコソ現場を撮影した」と述べており、追跡スキルや隠密スキルも並みの探偵くらいはあるようだ。

というかコナンや小五郎、優作のような民間の協力者抜きでは対処できないような難解な重大事件が頻繁に起きまくっているあの世界の方がどうかしている。
そもそもの前提として日本における刑事事件に探偵が関わる方がおかしいというツッコミに関しては尤もだが、それを否定すると作品が始まらないので仕方ないというか、そもそも小五郎より先に新一とかコナンとかの設定の方が明らかにおかしくなる。

『似た者プリンセス』ではお金持ちの奥様からの大口の依頼があり、この時の依頼内容は「旦那の命を狙っている家の中の人間を見つけ出すだけで一千万円を出す」というもので、小五郎自身は「自分の力を持ってすればあっという間に解決できる」と大きく出たが、捜査は上手くいかなかった様子でその前に3日間ドンチャン騒ぎをして300万円を使い込み、その分まで取り返そうとして更に借金をしてしまいショックのあまり泥酔。
その後余計な事を知らないようにソファに括り付けられ、トイレにも行くことができず失禁してしまった。

なお、アニメオリジナル回でも様々な依頼を受けているが、近年は依頼人が犯人だったというケースが多い

【小五郎が眠らず解いた事件(一部)】

  • 美術館オーナー殺人事件
初期の事件。コナンが「書けないペンのトリック」を実証するために真犯人に鎌をかけ、解くことが出来た。

  • 小五郎の同窓会殺人事件


わからねぇな
どんな理由があろうと…
殺人者の気持ちなんて…
わかりたくねーよ…

最初こそ自殺と判断してしまうものの、コナンの助言により他殺だと分かると、現場の状況から瞬時に同窓会に集まった自分の同級生の中に犯人がいると見抜く。
一度はコナンも麻酔銃を撃とうとしたのだが、自らの手で犯人を見つけ出すと激怒していた小五郎の意を汲んで麻酔銃の使用を控えた。
若干コナンのサポートがあったものの、抽象的な言い回しから瞬時にヒントを掴み取るなど、極めて高い推理力を発揮した。この事件にトリックに関しては警察学校で習った知識も活かされている。
さすがは元殺人課の刑事。

ちなみに、『名陶芸家殺人事件』にて小五郎ファンの陶芸家の家で宴会をやった際には「同窓会の話と美術館とマジシャンの事件くらいしか覚えてない」と言っている。
近年は安室などが近くにいて麻酔銃を使えない場面が増え、小五郎が起きたまま解決する事件も増えているので話のネタには困らないだろう。

  • スキューバダイビング殺人事件
伊豆の海での海難事故を装った殺人未遂事件。
事件の方はコナンが眠りの小五郎を行うことで解決したが、その後のシーンで英理が指輪をなくしていた事に気づき砂浜から見つけ出す。
コナンは英理が指輪をつけていなかった事を「小五郎の気をひく為に自分で外した」と考えて本当になくしたとは気づいていなかったが、
小五郎は「バスタオルを頭に被っていながら(=頭が濡れるような状態だった)で眼鏡をかけてるなんて不自然。おそらく何かなくし物をしてそれを探していた、海ならば財布かコンタクトか指輪が定番」と推理して無事探し出した。
小五郎の膝に砂がついていたのも(コナンや英理が想像していたような)女の尻をローアングルで眺めるためではなく、砂浜で地面を探し回っていたから。
なお、コナンのモノローグをまとめると、砂浜に出て膝をついた形跡のある小五郎を見て「もしかして(結婚指輪を探していたのでは)」と考えたが、小五郎の態度から「まさかねぇ」と考え直し、その後、指輪を探していたことが発覚すると「やっぱり気づいてたのか……そのキレがいつもあれば……」とある。英理が指輪をなくし、小五郎が探している可能性を一応は考えたが、破棄した模様。

  • 見えない容疑者
幼なじみの女優・雨城瑠璃と再会し、撮影現場で起きた殺人事件。
コナンはテレビ撮影の際に麻酔銃を使って眠りの小五郎推理ショーを披露してしまい、殺人事件の謎解きで小五郎を眠らせることが出来なかった。
しかし小五郎は既に事件を解いており、瑠璃を通じて真犯人である南雲暁の自首を勧めた。
コナンは蘭にセクハラ発言を行い、そこでの会話を聞かせることでさり気なくサポートしていた。

なお、コナンは真犯人の南雲が瑠璃の愛人だと思っていたが、小五郎は南雲が愛人でなく瑠璃の父親である事に気付いていた。
親子と悟られぬよう愛人であるかのように振る舞っていたが、一瞬だけ父親の顔を見せた場面があり、小五郎はそれを見逃さなかった。
更に瑠璃が南雲の犯行に気付き庇うに至った経緯について、コナンは何も気付いていなかったが小五郎はしっかり見抜いていた。

余談だが、『迷宮カクテル』にも似たような状況が発生していたが、依頼人とは知り合いではない為か、依頼人が被害者の父親である事には気づかなかった。

  • 疑惑の辛口カレー
いつものように麻酔銃で小五郎に探偵役をやらせようとしたものの、コナンが風邪で喉を傷めて喋れなくなってしまう。
おまけに手首を捻挫しまったため筆談も出来ないという絶望的状況だったが、どうにかジェスチャーで不自然な点を指摘し、それにより園子と共に事件の真相を導いた。

  • 物言わぬ航路
コナンのヒントで犯人が使ったアリバイトリックを見抜き、証拠となる凶器の在処まで誘き出す作戦を図った。
犯人が動機を語る場面では、犯人が騙されていたことに同情しながらも殺人を犯してはならなかったと厳しく叱責した。
眠らずに犯人を指摘する小五郎の魅力の1つだろう。

  • 柔よく謎を制す
英理の依頼人である女性柔道家の夫が殺害された事件。
直接推理を披露はしないが、犯人の使ったトリックが刑事時代に自分が使っていたそれに似ていた為、電話で事情を聞いて一瞬でトリックを見抜く。
そして昔使っていた録音テープをさり気なく聞かせて英理をサポートするが、誤ってテープの余計な部分まで流したために誤解を招く結果に。
帰宅後、コナンが小五郎の様子を見に行くと、小五郎が事務所の机で電話しながらメモを取り、内容を整理して即座にトリックを見抜いていた形跡が残っていた。

  • 最悪な誕生日
静岡のホテルの一室で女性が殺害された事件。
丁度この日は英理の誕生日だったが、小五郎の態度に腹を立て、英理は自分の部屋に戻ってしまう。
その数時間後に英理の部屋で遺体が発見された事から英理が疑われる事に。

いつものように麻酔銃を使おうとするコナンだったが、大事なときに事件の手がかりさえ掴めていない事に苦悩する小五郎を見て、眠らさずヒントを与えて小五郎をサポートする。

コナンのヒントもあり無事事件を解決し、英理の誕生日を勘違いしていたというアクシデントもあったが、小五郎は無事プレゼントを渡す事にも成功した。
……かに見えたが、箱の中身を間違えた上に渡したのが数珠だった為、またも英理の機嫌を損ねる事になってしまった。

ほぼ完全に自力で犯人を突き止め、謎解きを行う。
唯一見抜けなかったのは自身が情報を得ていなかった部分のみ*15で、情報を得られなかった理由も事件捜査に当たっていたためであった。
コナンは変声機を使って小五郎の声で間違いを訂正した。

  • 謎の凶器殺人事件(アニメオリジナル)
コナンのヒントを元に犯行手段を特定し、証拠の確保にも成功している。
……その犯行手段があまりにもぶっ飛んだ内容なので気づけたのが凄いところ。
エピローグではコナンが真相に気づいてわざとヒントを提供したのではと勘ぐっていたが、そんな訳はないかという結論に至った。

  • 自動車爆発事件の真相(アニメオリジナル)
小五郎が大学時代、家庭教師のアルバイトで担当した元教え子が何者かに命を狙われそうになり、代わりに教え子の妹が殺された殺人事件。
教え子の夫が別の夫と交換殺人を行っていた事が明らかとなり、その2人は逮捕。
さらに教え子が夫の交換殺人を利用して自分の妹を殺害しようとしていた事も明かされた。
コナンからのヒントを受けた際、当初は教え子が犯人ではないと否定していたが、単独での捜査により真相が明らかになった。
教え子に「車に爆弾が仕掛けられている事を知り、妹をその車に乗せた場合、殺人罪と見做される」「罪を償ったら、人生の勉強を教えよう」と言うシーンは、この話の名場面である。

ちなみに家庭教師のアルバイトをしていた理由は、英理と学生結婚という形で結婚したばかりで、生活していく収入を得るためだった。

  • 毛利小五郎探偵廃業の日(アニメオリジナル)
一時期は無実の人物を追い詰めて自殺に追い込んでしまったショックで塞ぎ込んでしまうものの、病院内で得た情報から被害者の矛盾点に気づき、一連の流れが仕掛けられたものであることに気づく。
その後はコナンと共にトリックの証拠となるものを導き出し、犯人をおびき出すために酔っぱらって電話を掛けた演技を仕掛けた。
真相を見抜かれた犯人が自殺を図ろうとするが、それを必死に食い止めたりと、終始格好良い小五郎の活躍が見られる。

  • ドライブデートの別れ道(アニメオリジナル)
仕事先でたまたま出くわした事件で知り合った女性とのドライブに出かけた小五郎。彼女は半年前に起きたアパートの室内で女性が自殺した事件の関係者で、被害者とは隣の部屋に住む友人だった。当時は隣人の自殺に酷く落ち込んでいたが、今はだいぶ心の落ち着きを取り戻した模様。
美人とのドライブにウキウキな気分の小五郎だったが、彼女の供述に疑問を抱いたコナンが、いつものように麻酔銃で小五郎を探偵役にしようとする。
しかし、小五郎が眠ってしまうと運転する相手がいなくなってしまうために断念。コナンのヒントを元に事件の真相に辿り着く。
犯人の辛い過去を聞き、自らを警察のもとへ届けることを依頼した小五郎はこれを承諾。道中で励ましの言葉を贈った。

  • グランブルーファンタジー~謀略の歯車~
ソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』とのコラボイベント。コナン・蘭・安室と共に登場。阿笠と灰原、新一は顔見せ程度。
阿笠が開発中のVRゲームの監修を依頼され、コナン達と共にテストプレイに臨むがグラブル側の世界に飛ばされてしまう。
経緯が経緯なのでゲームの世界と思い込んでいるが、それを抜きにしても元軍人かつ身長215cmと種族柄体格に恵まれているバロワを一本背負いで投げる実力を見せ、館が崩落した際には館の入り口に固まっていた面々の避難誘導をバロワと共に率先して行うなど頼りになる一面を見せた。
またバロワとは平時はポンコツ探偵という共通点があり意気投合してしまい、バロワの助手であるサーヤと蘭が苦労話で意気投合する場面もあった。
小五郎にゲーム監修を任せて果たして大丈夫なのだろうかと思う人もいるだろうが、原作でもゲーム監修する話があったので多分問題ないはず

プレイアブルキャラクターとしては参戦していないものの、コナンの1アビ「眠りの小五郎」で呼び出されてコナンに麻酔銃で眠らされるという役回りも。
どんな相手だろうが呼び出されては眠らされて3ターンの間バフを撒き続ける光景はかなりシュールだが、
「発動出来るのは戦闘開始3ターン目以降」「発動中は攻撃行動が不可能」というデメリットを差し引いても配布キャラとしては破格のバフをばら撒く為、解禁されてからリキャスト毎に麻酔針が刺さりまくることが多い。
そして終了直後のイベントがGvGイベント「決戦!星の古戦場」でコナンの属性である光属性有利での開催だったため、早々に酷使される未来が確定して案の定酷使され、
その後に開催されたイベント「サウザウンド・バウンド」ではコナンの得意武器が銃/格闘である為、「得意武器が格闘のキャラのみ使用可能」という特殊連続バトル「スカイグランデファイト」で再度酷使される事になった。

【小五郎が推理以外で活躍した事件(一部)】

コナンに推理で先を越されつつも、犯人の取り押さえで圧倒的な活躍を見せており、人間としての器の大きさを見せることもある。

  • 服部平次との3日間
後半の『探偵甲子園』では、無関係の平次とコナン諸共友人の仇を無人島に閉じ込めて皆殺しを図っていた犯人から2人を救出。
平次が用心の為に移動に使った船に括りつけた帽子に助けられた部分もあるが、異常を悟ると即座に女優であるヨーコに協力を依頼して2人が誘き出されたテレビ企画が偽物である証拠を掴み、一本背負い5本という拷問に近い手段を使った*16ものの共犯の漁師から情報を引き出す等、犯人の想定を超えた迅速さで救出に成功した。
犯人の特定に貢献した訳では無いが、人命救助と言う観点からは大きな貢献をしている。

  • 水中の鍵密室事件(アニメオリジナル)
この事件は蘭、小五郎、目暮がいる中にも拘らず、謎解きから犯人へトドメを刺す決定的な証拠を明かす場面まで、全てコナンが推理するという珍しい回。
直接推理には関与していなかったが、犯人が殺人を行った後も平然と開き直ったことに激昂し、罪の重さを分からせる説教をした。これには流石の犯人も応えたのか、反論はせずに意気消沈した。

  • レンタカー制御不能!(アニメオリジナル)
刑事時代のとある事件に纏わる逆恨みから自身を蘭やコナンもろとも爆殺しようとした犯人に対して、未遂に終わり誰も犠牲者が出なかったことから殺人犯にはならずに済んだことを『良かったな』と慰め、更正と反省を促した。

コナンが「眠りの小五郎」で犯人を突き止めるが、追い詰められた犯人は発狂して蘭を人質に取り、自分を逃がすように要求。
小五郎も推理の直後に速効で目を覚ましており、予想外の人物が犯人であった事や彼の豹変に動揺を隠せなかった。
コナンは危険を顧みずに勝手に拳銃を蘭の足目掛けて撃ち、ワザと彼女を歩けないようにさせ、犯人が蘭を解放せざるを得ない状況にした。
…と、謎解きから終始完全にコナンの一人勝ちかと思われる状況であった。
しかし犯人も諦めが悪く、歩けない蘭になおもナイフを突き付けるが、小五郎は娘を助けるために突撃。
今度は自らがナイフを突きつけられそうになったが、手早くナイフの手を払って一本背負いで投げ飛ばし、お互いが無傷のまま蘭を犯人から完全に引き離すことに成功した。
その後、海に転落しそうになった犯人の手を目暮と共に掴み、手を放して自分を死なすように要求する犯人に対して「てめぇに、自分の犯した罪の重さを分からせてやる!」と言い放った上で引き揚げたのだった。
映画ならではの尺の長さを存分に活用した演出で、クライマックス後半の見せ場は小五郎が全部持って行った

  • 妃弁護士SOS

英理の裸を見てもいいのは、この世で唯一……俺だけだ!

「妃英理被害者の会」を名乗る男たちに誘拐された英理。
監禁現場にたどり着いたとき、廃ビルの4階から助けを求める英理に犯人グループの1人が襲いかかった為、咄嗟に排水管をよじ登って4階の窓から部屋に入り、英理に手を出そうとする犯人を大外刈りと三角絞めで気絶させてことなきを得た。
1階の出入りはシャッターが閉まっており、犯人グループのメンバーは他にもビル内におり、なおかつ一刻を争う事態であったことから、小五郎の判断自体は非常に的確だったが、よじ登った後の排水管は一部が壁から外れかかっており、非常に危険な状況であった
多少の危険を冒しても確実に英理を救出しようとする姿は漢そのもの。あまりのカッコ良さに英理さんもときめいている
というか、上記のなんだかこっちが恥ずかしくなる決め台詞を言い放った時は、排水管しか足場のない窓の外から犯人の手を掴むという冷静に考えると無茶苦茶な事をしている……
ところでシャッター閉じてたって蘭ねーちゃんなら別に障害にならなくない?と思ったそこのあなた、その通りです*17

【探偵以外の仕事】

タレント活動も多く、有名人との対談依頼、講演会、ゲーム化、推理ドラマの前説としてのゲスト出演、お菓子のCM出演などもしており、一躍「時の人」となっている。
しかし、タレント活動をしている時に事件に巻き込まれる事がよくあり、その結果それらの仕事が無かった事になってしまう事も多い。
例として有名人との対談の場合は、画家との対談の時はそいつが殺人容疑で逮捕されたのでパーになり、野球選手との対談の時は相手が殺害されたのでやはりパーとなっている。

基本的には仕事の依頼が来ない時は事務所でテレビを見たり、競馬中継のラジオを聞いたりして過ごしている。
知名度が上がったからこそか、むしろ本業である探偵の依頼が来ない日が続く事もあり、コナンに「ヒマなんだなおっちゃん…」と突っ込まれることもあったりする。
実際に高校時代の同級生も知名度を理由に婚約者の浮気調査を別の探偵に依頼をしたことがある。

マイカーは所有しておらず、遠出の際にはいつもレンタカーを利用するのだが、大抵は何らかの損害に遭っている。
天国へのカウントダウン』では懸賞でフォード・マスタングを当て「これでレンタカー生活とおさらばできる」と大喜びだったが、終盤で少年探偵団の脱出に使われて水没して壊れてしまい「夢のマイカーが…」と落胆していた(どの道マスダングのある場所には爆弾が仕掛けられていたので助かる道はなかったが……)。
マイカーは持ってないものの、運転技術そのものは中々のものであり、『霧にむせぶ魔女』では三菱・ランサーエボリューションXを駆り、峠の走り屋と大立ち回りを演じたこともある。

『コナンドリル』の考察によれば、テナントの一階を喫茶店「ポアロ」に貸しているので、割と大きめの家賃収入があるのではないかと考察されている。
余程の無駄遣いをしない限り、食べていくだけの金銭に困ることはないはずだが…(ただしあくまで同書の記述で、作中では毛利家の家計は火の車と言われている)。

コナンの養育費として変装した有希子から1000万円預かっているため、少なくともこの点は家計の圧迫にはなっていない。
というか1年程度なら3人分の生活費でもお釣りがくる額だが、そこは大人として線引きしているのだろう。

このように「眠りの小五郎」として有名になってからはメディア媒体への出演も増え、さらに依頼も以前よりも増加しているようだが、それと比例して金遣いがかなり荒くなっており、蘭からお小遣いを厳しく管理されるのもやむなしである。


【対人関係】

妃英理

「蘭以上に付き合いが長い」というだけあって幼少期からの幼馴染にして妻。
大学時代に結婚・ 二十歳そこそこで蘭を出産 したが、10年前から別居中。たまに会ってもお互いに悪口を言い合っている。
だが、英理がなくした指輪を密かに見つけ出したり、ファンだった野球選手のサインボールを渡そうとするなど、お互いに心の奥では想い合っており、英理の些細な変化も見逃さず、彼女の仕草や行動から的確に心理状態まで見抜くという、常人離れした凄さも披露している。
しかしラストは基本的に小五郎の女好きが災いしたり、再び誤解を招いたりして英理が怒り、結局は振り出しに戻る展開となる。
なおダメ探偵の小五郎の問題は大きいものの、実際は英理もいじっぱりな性格だったりすることも影響しており、割とお互い様である。
何だこの面倒くさい夫婦……

劇場版第2作「14番目の標的」では、過去に取調べ中の容疑者に脱走され英理を人質に取られた際、得意のはずの射撃を英理の足に当ててしまった事が判明。
その責任を取る形で刑事を退職、英理とも別居したとされる。
しかし、この誤射は小五郎の配慮*18による意図的なものであり*19、英理もそれを理解していた。
本当の別居理由は「その夜、英理が怪我をおして作った(下手で不味い)料理をマズイと言って食べなかったから」というもの。
実は「怪我してるんだから安静にしていろ」という彼なりの気遣いでもあったのだが、その言い方が「バーロォ!こんなもん作るくらいならさっさと寝てろ!」と如何せん悪すぎたようで、小五郎がトイレに入っている間に出ていってしまった*20

瞳の中の暗殺者では蘭の記憶喪失もあってさすがに完全休戦し、彼女のフォローに当たっていた。

毛利蘭

普段は憮然とした態度で接することが多いが、家事全般を彼女に任せており、別居の原因が自分にあるためか普段は頭が上がらず小遣いも彼女に管理されている。
同時に父親としての愛情は非常に強く、蘭が窮地に陥った時には身を挺してまで助けようとしたり、蘭が恥ずかしい思いをした際には激怒したりする。
蘭の方も普段のがさつな様子に小言を言うことも多いが、ここぞという時は信頼しており親子仲は良好。
とりわけ劇場版やアニオリでは、蘭が窮地に立たされることも多いため、小五郎が絶叫したり号泣したりする場面も多い。
それはそれとしてその辺の犯人ってなんだよと言われても困るに蘭が遅れを取るはずがないとも認識しており、蘭を人質に取った犯人の身の安全をコナンと一緒に心配する事もあるけど。
ただ、アニオリでは他所の事情に首を突っ込む蘭のお節介を叱るなど父親らしく厳しい面も見せている。
蘭が新一に想いを寄せていることには薄々気付いているが、2人の仲については快く思っていない様子で*21記憶喪失になった蘭が帰宅した際に部屋に飾ってある写真を見た際には「こいつはお前のことを誑かそうとしているとんでもねえ野郎だ」と酷く扱き下ろしていた
ただし、何だかんだと娘の思いは見守るようにしているらしく、積極的な妨害は一切していない。

江戸川コナン

基本的に「小僧」や「ガキ」、また「坊主」と呼ぶことが多く、名前で呼ぶことは少ない。かつては他者にコナンを紹介する時に「居候のコナンです」と言い、コナンが心の声で「(居候って呼ぶなよ)」と愚痴るのが定番の流れだったが、時代の流れ故かこのような紹介はしなくなっている(アニメオリジナルでは2005年放送の「薩摩に酔う小五郎」にて「居候の」と紹介しようとして蘭に咎められるシーンを最後にこの流れが無くなっている)。
また前述しているが、「子供が捜査に加わるべきではない*22」というまともな感性の持ち主(※仕方ないことだが、本作の世界ではかなり少ない)で、たとえ事件の第一発見者であっても、コナンを目暮の許可も得ずに勝手に追い返すこともあった。

このように普段は「小生意気な小僧」と邪険にしている印象だが、何だかんだで保護者としての情はちゃんとあるようで、一緒にババ抜きや将棋をして楽しんだり、コナンが風邪を引いた際は食事を作ってあげたりと、不器用ながらも優しさを見せていることから、決して彼の事を嫌っているわけではない。
実際、 コナンが爆弾事件に巻き込まれて負傷した際には本気で心配しており、その際に犯人だけでなくコナンが事件に巻き込まれる原因になった(と思っていた)新一に対しても激怒していた。それ以外にもアニオリでコナンが危機に陥ったり、死んだと思われた時は激しくショックを受けている。

また、作中では度々コナン(新一)とは実の父である優作以上に似た者同士であるという様子が描かれている。
ざっと挙げただけでも、
  • 小五郎が英理にプロポーズした際の言葉と全く同じ台詞をコナンも蘭に告げている。
  • 上述の『水平線上の陰謀』において、無実を証明しようと捜査していたはずが結果的に追い詰めてしまうという流れは、コナンがかつて解決した「大阪“3つのK”事件」と全く同じ。
  • 「どんな理由があっても殺人者の気持ちなんて解りたくない」という共通の信念を持っている。
  • 7代目OP「Mysterious Eyes」の冒頭では寝ぼけたまま仲良く(?)歯を磨き、動きがシンクロする場面がある。
  • 自己主張が激しい。
  • 女優に片思いされている。
  • 偽者が登場した。
  • 同窓生(同級生)に「中道」と「ゆみ」という人物がいる。
  • 身内が極めて危険なピンチに陥ると激情して一度冷静さを失う。
  • 有名人になったことに天狗になっている時がある(コナンの場合は工藤新一の時、探偵として有名になっていたことに高笑いを浮かべていた)。
といった具合。何だかんだで相性の良い部分が描かれている。

ちなみに初期の頃には、何度かコナンの正体を怪しんだり、事件中眠くなる原因が彼にあると気づきかけた*23

コナン=新一からは『おっちゃん』と呼ばれているが、蘭がいる前では『おっちゃん』と呼ばれたことはない。これは新一がコナンになる前からそうであり、実際14番目の標的でコナンが新一の声で蘭と電話をしていた際には『小五郎さん』か『おじさん』と呼んでいた。その為、紺青の拳で蘭が新一に変装をしていた怪盗キッドが蘭がいる前で小五郎をおっちゃん呼びしていた事から、キッドの変装だと見破っている(キッドはコナンが小五郎をおっちゃん呼びしていた為、新一の時も蘭の前では小五郎をおっちゃんと呼んでいるのだと勘違いをしていた。なお、コナン/新一もこの時「そういえば蘭の前ではおっちゃんって呼んだことなかった」と気がついた)。
ただ、コナンも面と向かって『おっちゃん』と呼ぶことは殆どなく、基本は『おじさん』である。

なお、アニメ版では何かあるとすぐコナンに麻酔で眠らせられる事を繰り返してきたため、体質的に麻酔への耐性が出来てしまった為に手術の麻酔すら効果が薄まり、『ハロウィンの花嫁』では術後に苦痛で喘いでいた*24
最悪この2人がいれば話は成立するからか、アニオリでは蘭が部活か何かで不在になる時が多く*25、小五郎がコナンを食事に連れて行ってそこから事件に巻き込まれるという流れがそれなりに見られる為、原作よりも麻酔を撃たれている。

麻酔針の流れ弾や現場におっちゃんが居ない時に腹話術をやらせられてきた園子も最近似たようなことになってきたとか…

工藤有希子

新一(コナン)の母親にして英理共々高校時代の同級生。今でもお互い名前で「君」「ちゃん」付けで呼び合えるほどの仲。
英理vs有希子となったミスコンでは小五郎の票が行方不明になったために同数となり引き分けたが、小五郎は英理に投票していたことを知るとトホホな感じで涙を流していた。
なお夫の優作に対しては現役刑事時代からあまりいい印象を持っていない様子。


警察関係者や学生時代の同級生など

男女を問わず友人関係も豊富で、作中では学生時代または警察官時代の関係者と事件現場に鉢合わせることも多い。
基本的には良好な関係であり、とりわけアニオリや劇場版では、大学時代に家庭教師をしていた教え子やゼミの後輩とも個人的な交友を続けるなど、教師や先輩として慕われている様子が散見される。

ただ、目暮をはじめとする警察官時代の上司達には「警部殿」と呼ぶなど低姿勢で接するのに対し、目下・年下に対しては階級無しで呼び捨てにして高圧的に接する場合があり、加えて度重なる的外れな推理で捜査を混乱させることが多いためか、一部の警察関係者には、半ば厄介者扱いされる形で鬱陶しがられたり、推理しても聞き流されたりしている*26
特に小五郎を信用していない横溝重悟と大和敢助は明確に毛嫌いしており、大和には眠りの小五郎を牛耳っているのはコナンだと看破されている。
しかし西村京兵みたいに、当初は毛嫌いしていたが小五郎によって事件が解決した(事にされた)後で、小五郎に対する対応が軟化するパターンもある。

そんな警察関係者も「眠りの小五郎」の推理ショーが始まると徐々に推理をちゃんと聞くようになり、最後に小五郎の突き止めた犯人を逮捕するのはお約束。


追記・修正は麻酔銃を撃たれてからお願いします。

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最終更新:2025年07月15日 16:24
添付ファイル

*1 エピソードによってはこの設定がない場合がある。

*2 仮に迷推理後の場合でもなんとかなってる場合が多く、案外答えさえ知れば整理はできるのかもしれない。

*3 これは主人公であるコナン(新一)にも言えることだが。

*4 本来平次と「名探偵推理対決」の名目で収録するはずだった番組が企画倒れになり、急遽大食い対決なる番組になったため。

*5 アニオリ『夢みる乙女の迷推理』のフナチなど。

*6 小五郎以外だと、大和敢助千葉和伸の知人が事件に巻き込まれた事が何度かある。

*7 メタ的な話を言えば、主役であるコナンをある程度活躍させるためともいえる。

*8 無論、日本では放火は殺人以上の重罪なので、丹念にその可能性を洗う事自体は正しい職務遂行姿勢と言えるが、警察の執拗な捜査を消防や修理・再建を早く行いたい家主が迷惑がる一面も事実である。

*9 なお、大外刈りの後に三角締めで相手を気絶させた。

*10 射撃が得意という設定が後付けだから…と言えばそれまでなのだが、射撃に関しては色々あったので誤魔化したのかもしれない。また、発言した状況がインタビューなので、単純に謙遜だった可能性もある。

*11 余談だが、初代小五郎役の神谷明は『シティーハンター』の主人公である冴羽リョウを演じており、こちらも射撃能力はトップクラスである。

*12 このせいか不明だが、小五郎が探偵として名を上げるようになってからも、目暮からは信頼の目で見られるような様子が無く、(本当に偶然なのだが)行く先々で事件に関わる小五郎にキレているシーンまである。

*13 本来なら小五郎自身もあまり口出し出来る立場ではないが。

*14 アニメオリジナルではコナンがうかつにも素手で証拠品を触っている場面も多い。

*15 もう一人の犯人を逮捕したあとで判明したことなので(コナン達はおろか、もう一人の犯人すら知らなかった)知らないのはやむを得ないが。

*16 ただし「すぐに答えりゃ5本も投げられなくて済んだ」とも言っている事から共犯が強情に情報の自供を拒んだ、と言うのも大きいと思われる。

*17 小五郎の突入と同時に蘭もシャッターを蹴破って他の犯人グループを制圧してコナンも「圧勝だな…」とぼやいており、英理の身の安全の確保という一点以外は制圧に問題はなかった事がわかる。また、小五郎と蘭が別々に突入した事で犯人グループの合流も阻止できている。

*18 「犯人を撃つと逆上した犯人が人質にさらなる危害を加えかねないが、怪我をした人質が文字通り足手まといになれば、解放して犯人だけが逃走する」というもの。実際は突然の出来事に犯人が驚き、その一瞬の隙を突いた小五郎は犯人の左肩を撃った。

*19 実は白鳥も当初は「銃の腕に自信を持っていた彼が人質に構わず発砲した」と認識していたが、これは先輩刑事から概要だけを聞いていたからであり、物語の終盤では認識を改めた。

*20 セリフを読めば分かるように小五郎はマズイとは言っておらず、あくまで「こんなもん」としか言っていない。自分を気遣ってくれたことには英理も気づいていた可能性もあるが、プライドの高さから素直になれなかったのかもしれない。

*21 新一が子供でありながら優秀な探偵ということに嫉妬してるのもあるだろうが

*22 精神年齢が17歳だから勘違いされがちだがコナンは小学1年生という設定で、そんな幼い子供に殺人事件の捜査をさせるのは普通に考えておかしい。寧ろ彼の意見を欲している高木刑事らが異常というべきである

*23 特に2巻の「割のいい尾行」では「お前どこかで見たような、蘭が小学校の頃……」まで出かかっており、新一だと気づく寸前までいっていた。

*24 おそらく、ギャグ的な意味合いだと思われる。

*25 初期の頃はコナン、蘭、小五郎の3人セットが定番だった。

*26 実は警察関係者の中で小五郎を信奉しているのは、山村ミサオ横溝参悟ぐらいである。