来栖猛(龍が如く)

登録日:2022/07/10 Sun 02:43:10
更新日:2024/06/15 Sat 12:08:11
所要時間:約 9 分で読めます




来栖猛(くるす たける)とは、『龍が如く6 命の詩。』の登場人物。

広島県一帯を縄張りとする極道組織『陽銘連合会』の会長であり、裏社会では知らない者はいないとまで言われる生ける伝説。

陽銘連合会は本作が初登場の組織で、日本の裏社会では東城会近江連合に並ぶナンバー3の規模を誇る一大勢力。
来栖は戦後間もない頃にその陽銘連合会を立ち上げ、約70年に渡ってその頂点に君臨してきた人物であるため、極道としてのキャリアはシリーズでもトップクラス。まさに『大物』と呼ぶに相応しい男。

…なのだが、その有名さに反して、彼に関する情報は極めて少ない。
というのも、陽銘連合会は裏社会で常に中立を保ってきた組織であり、他の組織との交流はほとんどない。あの近江連合ですら抗争で一度も勝ったことがないという強さを持ちながら、広島以外にシマを広げようとしないシリーズでも異質な極道組織であるため、情報がほとんど得られないのである。
それどころか、伊達刑事によれば、警察の公式記録にも彼に関する情報は昭和50年代を最後に一切存在しない。桐生も名前は聞いたことはあるが、実際に会ったという話は聞いたことがないらしい。

そもそも本当に戦後間もない頃から活動しているなら、2010年代を描いた本編では100歳近い高齢のはずなので、彼が現役か、それどころか存命かも疑わしい。
現在の定説では『既に来栖は引退し、若頭の小清水寛治という男がその名を利用している』とされており、最早彼の存在は都市伝説に近い。


追記・修正は伝説になってからお願いします。
























陽銘連合会との盃交渉のため広島を訪れていた東城会幹部に会うため、広島県・尾道仁涯町の迎賓館にカチコミをかけた桐生。
そこで彼は陽銘連合会の首脳部と顔を合わせることになるのだが、その中に彼はいた。

来栖猛の名は渡世名であり、彼にはもう一つの名(本名)があった。
彼の本名は『巌見兵三』。広島の財界を牛耳る大会社にして陽銘連合会のフロント企業でもある『巌見グループ』の会長である。
家族には息子であり巌見造船社長の巌見恒雄がいる。

CVは津嘉山正種氏。


人物


極道として

長年大組織を纏めてきただけあって、非常に冷静かつ聡明な人物。
高齢なのは事実だが、陽銘連合会会長としては今なお現役。身体も達者で腰も曲がっておらず、制裁用とはいえ銃を発砲したことも。

その雰囲気はいかにも穏やかな老紳士といったところだがそこはヤクザ、時には静かながら有無を言わさぬ気迫で血気盛んな小清水を黙らせるなど、伝説の極道の名に恥じない凄まじい覇気を見せる。
胆力も器もあり、ある時は銃を向けられた上に発砲されても一切動じないどころか、逆にその相手を諭して自分の部下に迎え入れたこともある。

一方で、時には組織を守るために非情な決断を下すこともある、清濁併せ呑む人物である。だが自分の側近に過酷な任務を下した際は、敢えて自分が率先してその咎の一端を背負うことで覚悟を見せるなど、最低限の筋は通す。

彼が極道として常に中立の立場にいるのは、裏社会の均衡を保つため。陽銘連合会が他の組織と盃を交わせば裏社会の均衡が崩れ、最悪日本中を巻き込むほどの抗争が起きることを理解しているため、常に独立を保ち、他所にシマを広げることは決してしなかった。
本編でも、断られることを見越して桐生に盃の後見人を頼み、恒雄が勝手に進めた盃交渉をご破算にするなど、一貫して中立の立場を守っていた。

故郷の広島やそこに住む人々を想う気持ちは本物で、同時に自分の陽銘連合会が表と裏の両方で長きに渡って彼らを支えてきたという強い自負を持っている。

息子との関係

完璧超人のような来栖の唯一にして最大の欠点。
息子の恒雄には日の当たる道を歩かせたいという親心から恒雄を裏の稼業から遠ざけ、表の仕事である巌見造船を継がせたのだが、極道としての非凡な才能を自覚していた恒雄はやがて組織内で台頭して自分の派閥を持つに至った。
また、野心家の恒雄は他の組織と積極的に関係を築くなど来栖の意に沿わないことも行うため、流石の来栖も苦い顔をしていたという。

巌見親子の関係がここまで拗れてしまったのは、『世界でも指折りの造船会社の社長になれれば恒雄も文句は無いだろう』と一方的に決めつけ、進路を強引に押し付けて彼の気持ちを蔑ろにしてしまったためで、それに反発したために恒雄がヤクザに過剰に憧れることになった。

『尾道の秘密』

来栖が政界に非常に顔が利くのは組織内でも有名な話で、噂によれば戦後の日本を牛耳ってきた昭和のフィクサー・大道寺稔と関わりがあるのだという。
本作の舞台となる尾道仁涯町には『尾道の秘密』と呼ばれるある重大な謎が隠されており、これが大道寺から力を引き出すことができる切り札だという。この『尾道の秘密』がこの物語の鍵となる。

『尾道の秘密』が暴かれることがあれば自分の身も組織の立場も危うくなる*1ため、秘密を守るためなら手段を選ばない。普段は人格者の彼が非情な面を見せるのは大抵この秘密絡みである。

陽銘連合会と長年関わりがある中国マフィアのボス・ロウ曰く『極道が長生きすると色々な物に縛られる』『尾道の秘密は来栖にとってもはや呪縛』とのことで、『秘密』のおかげで大きな権力を振るえる分、『秘密』のせいで苦しめられ続けてきたことがうかがえる。


来歴

最初からヤクザだったわけではなく、元々は裏社会とは何の関係もない巌見造船の社長だった。
戦時中、彼はある依頼を受注するのだが、これが彼の人生を大きく変えることになる。

当時は戦争中で人手が足りなかったので、中国マフィアの祭汪会に頼んで中国の戦争難民を集めてもらい、彼らの力を借りて完成目前にまで迫るも、終戦に伴って諸事情でその仕事のことは隠さなければならなくなった。
そしてこのとき作ったものが後に『尾道の秘密』となり、それを隠蔽し続けるための力を得るために来栖は裏社会に足を踏み入れ、ヤクザになった。
いわば陽銘連合会は『尾道の秘密』を隠すためだけに生まれた組織であり、陽銘連合会が広島に留まり勢力を拡大しなかったのは、来栖が野心を持ってヤクザになったわけではないからである。

この頃、後に自分の懐刀となる少年・広瀬徹と出会い、彼を部下に迎えている。

約40年前、大道寺からの命令で『尾道の秘密』の漏洩のリスクを減らすため、秘密を知る同胞の生き残りを皆殺しにすることになり、その刺客として何も知らない広瀬を指名した。
この時、自分の兄弟分すら殺すことになる広瀬のために、自ら生き残りの一人を広瀬の目の前で殺害してみせ、自分も共に罪を背負う覚悟を見せている。

約30年前、代替わりした祭汪会が先代から聞かされた『尾道の秘密』をちらつかせ、密入国ビジネスへの協力を要請してきたときは、仕方なくビジネスには協力したものの日本不可侵の盟約を取り付け、祭汪会側も『尾道の秘密』の正体までは知らないことが来栖にバレるのを恐れてそれを承諾した。

だが本編の少し前、恒雄が祭汪会を唆して神室町に進出させた上、ボスの息子ジミーを殺害するという事件が起きる。
祭汪会のボス・ロウが陽銘連合会への復讐のために『尾道の秘密』を暴露することを恐れた来栖は、ロウのもとに広瀬を遣わして祭汪会に日本撤退を迫る。
さすがに来栖もロウを殺す気まではなかったが、ミスと不運が重なった結果交渉材料を失ってしまったため、結局ロウを殺害する方針に切り替える羽目になる。

そして紆余曲折の末、ロウから『尾道の秘密』の手掛かりと息子の敵討ちを託された桐生が、遂に『尾道の秘密』の隠し場所にたどり着いてしまう。
最後の刺客・広瀬も桐生に破れ、遂に『尾道の秘密』の全貌が明らかになる…!


『尾道の秘密』を目の当たりにして絶句する桐生と仲間たちの前に来栖は姿を現し、秘密を暴いた桐生たちを抹殺するよう広瀬に命令するが…

広瀬は自分の子分を殺すことができず、初めて来栖に逆らった。
来栖は今更になって日和った広瀬に激怒し発砲、致命傷を与える。
虫の息の広瀬に、来栖は40年前の真実を告げた。

『尾道の秘密』を知る生き残りを殺させたのは、大道寺ではなかった。
当時、大道寺は来栖に『尾道の秘密』を破壊させようとしていた。
だが切り札である『尾道の秘密』を失うのを怖れた来栖は同胞を殺すことを自ら提案したのだ。

そして、自分はもう終わりだと悟りながら静かに造船所を後にしたのだった…。


そして陽銘連合会本家に帰った来栖は恒雄と対峙する。恒雄は伝説の極道・来栖猛の名を襲名し、『尾道の秘密』の番人としての地位と権力を我が者にしようとしていた。
恒雄の命を受けた小清水に銃を向けられるも、秘密に苦しめられ生きてきた来栖は『お前には無理だ』と恒雄に忠告するが一蹴され、最期は小清水の銃撃で激動の人生に幕を下ろした。

最後の瞬間まで来栖は命乞いも狼狽えもせず、ただ静かに死を受け入れるという、まさに伝説の極道に相応しい堂々とした姿のまま死んでいった。

そして物語は二代目来栖猛・巌見恒雄との最後の戦いへと収束していくことになる…。




追記・修正は秘密を守り抜いてからお願いします。

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最終更新:2024年06月15日 12:08

*1 ここで言う組織とは陽明連合会と厳見造船の双方。すなわち、引いては表社会裏社会問わず広島全土が大きな傷を負う事となる