まったく最近の探偵ときたら

登録日:2022/08/04 (木) 01:39:16
更新日:2025/04/27 Sun 16:29:57
所要時間:約 8 分で読めます





失ったのはセンスではない――若ささ!!





概要

『まったく最近の探偵ときたら』とは『電撃マオウ』にて2016年6月号から連載している探偵ギャグ漫画。既刊15巻。
著者は『川柳少女』の五十嵐正邦。


タイトルの略称候補が『まっ探』『最偵』『きんきら』『くさいきんてき』等、幾つかあったが、最終的に『まっ探』が採用された。

本作は元々『殺し屋と女子高生』という企画からスタートしたのに、いつの間にか探偵ものに。

16~20年まで川柳少女と同時連載をしていたが、元々は川柳少女よりも前から連載開始した作品。
しかし川柳少女は週刊連載という事もあり、向こうの連載優先でまっ探の刊行ペースが遅くなったうえ、
アニメ化を先こされたりもしたが、川柳少女の連載が終了した20年から刊行ペースが安定した。

1話と3話をボイスコミック化したものをYouTubeで配信中。

アニメ化が決定し2025年7月から放送予定。

あらすじ

世間を騒がす名探偵・名雲桂一郎――だったのは今や昔。
高校生名探偵も10年以上の月日の中で冴えわたる推理力も加齢で衰え、今となってはボロボロのおじさんになっていた。

時代遅れになった名雲の元に真白という女子高生が助手になりにやって来た。
頭で考えるよりも先に暴に訴える女の子だったが、これが意外と役に立ち……。

そんな真白には名雲には言えない秘密があり、その秘密に関わっている大犯罪者ハーメルンの手が名雲に迫る――

登場人物

名雲探偵事務所

  • 名雲桂一郎
CV:諏訪部順一
本作の主人公で、『名雲探偵事務所』の所長。35歳。
かつては世間を騒がす高校生探偵として数々の難事件を解決していたが、
ハーメルンという犯罪者を捕まえた際に、何かしら問題(回想や美馬坂の反応的に爆弾が関与しているらしい)が起きて表舞台から忘れさられてしまった。
それでも暫くは名探偵の才を発揮できていたが、今ではその才能も使えず家賃すら滞納する有様……。
しかし才能が枯れたわけではない。特に推理力その物は今も健在であり、まともに推理できさえすればその的中率は非常に高い。
だが加齢と高校時代に無理したツケによって、そもそも才能を発揮できないのだ。
腰痛・知覚過敏・蓄膿・記憶力の欠如・老眼・加齢性難聴・幻聴並みの耳鳴り、肩こり……等々、
健康な部位がまったくないという、30代というよりもはや300代並みのポンコツボディとなっている。
でも性欲は全盛期を100点とするなら今は87点と、思ったより枯れていない。

慧眼は老眼になり、何気ない会話を聞き逃さなかった耳は難聴に、頭の回転力は低下、
犯人追跡のために障害物を乗り越えた体も段差一つ飛び越えられない……。これではまともな探偵業は難しい。
本来ならこの体でも出来る最新の探偵技術を習得するべきなのだろうが、今の名雲には最新の技術は覚えられないし、
昔ながらのやり方で頂点になった過去があるのでやり方を変える事ができない。

体のポンコツ化が原因で落ちぶれているので、アズハ製の治療薬で持病が治ったり、
生存本能が刺激されて体のリミッターが外れると全盛期の力を取り戻す(しかし一週間寝込むほどの反動が襲う)

  • 中西真白
CV:花澤香菜
本作のサルゴリラチンパンジーヒロインで、名雲の助手になりに来た女子高生。2年C組所属。
子供の頃から探偵を目指した結果、取り返しのつかない脳筋尋常じゃない強さと四次元ポケットさながらの収納術を会得した。
もはやおつむのヤバさ筋力と耐久力と生命力が桁外れであり、例を挙げるとトラックと正面衝突をしたらトラックの運転手の方が異世界に転生した。勿論真白は無事。
当初はオバケが苦手だったが、直接戦って以来平気になった。
一応今でも美少女だった名のごりはあるが、別の顔になっていることの方が多い。

名雲の事は要介護対象と認識しているが、惚れ薬の影響や名雲が全盛期に戻った時などはときめいていたりもする。
また名雲の加齢臭が染みついたコートの臭いの事を「嫌いじゃない」と称している。

旧名『朝倉真白』といい、今の名字である『中西』も名雲には伝えていない。
実はかつてハーメルンにさらわれた『光の子供達』の一人であり、当時高校生探偵だった名雲に助けられた事がある。
しかし名雲は赤子だった真白を助けたのと引き換えに表舞台から消えざるを得なくなったらしく、真白はその事を気にして本人に自分の本名を伝えられていない。
真白が探偵を目指しているのも、落ちぶれた名雲の元へ助手になりに来たのも、名雲への憧れと恩返しのため。

ボイスコミックで演じた花澤氏は川柳少女で主人公の雪白七々子も担当している。

CV:堀井茶渡
ブサイクな飼い猫。名雲には懐いているが真白へのアタリはキツイ。
猫探しの依頼を受けた名雲たちが誤って確保してしまい、流れで飼う事になった。
最近ケルベロスに負けず劣らずなクソブサイクな彼女が出来た。

  • 根津太郎
CV:河西健吾
真白の舎弟のヤクザ。22歳。虫嫌い。
害虫駆除の仕事を引き受けた真白が何故か『極道組』を壊滅させたため、真白側に寝返った。
しかしこの事を極道組に知られ、命を狙われた事もある。
ギャンブルやエロイことが好きで、よく盗撮したりして真白に制裁を受けている。
稀にちょろっと有能な面を見せる場面もあるが、直後に無謀な金欲などで台無しにするまでがセットで役に立つことはあまりない。
他二人からは何故か事務所に居付いている人という認識。

アスナロ探偵事務所

  • 翌檜ユウ
CV : 山口智広
現在『名探偵アスナロ』として世間を騒がせている高校生探偵。18歳。
小学生時代に名雲に憧れて探偵を志しており、名雲に弟子入りにやって来たものの、既にいた真白と助手の座をかけて勝負をして敗北。
以後は頻繁に名雲に会いに来ては真白と張り合っている。
日常のあらゆることに知的好奇心が指摘され「妙だな……」と考え込んでしまう変人。
女性ファンが大勢おり、街中を歩けば女性ファン達の追い剥ぎにあい、その後ふんどし一丁でしばらく歩くと別の女性ファン達に服を着せられている。彼の私服はこの一連の流れで得た貰い物である。
こんなんでも推理力はピカイチであり、身体能力も真白と張り合えるほど高い。仕事が順調すぎてお金もある。

  • 風巻ハナ
CV : 平野綾
本作の真のヒロインで、アスナロの助手の美女。2×歳。「マキちゃん」と呼ばれている。
登場当初は仕事が出来るクールな美人だったが、少し時が経った頃にはとにかく可愛い人ポジで落ち着いた。
貧乳がコンプレックスで、体型を誤魔化せるポンチョを愛用している。

元々は普通のOLをしていたが、同じことを繰り返す退屈な毎日が嫌になり退職。
その後はチアガールやレースクイーン・ディーラー・銀行員等、職を転々とした後アスナロの助手になった。
仕事ぶりは有能の一言で、一度名雲の助手をしたときは有能すぎて「探偵のやる事がない」と言わしめた。

アスナロの事は「ユウ」もしくは「マスター」と呼んでおり、彼への態度はキツイ。
しかし危ない所を助けてもらったり、身近なところで彼のカッコいい所を見続けた結果、彼がいない場所ではデレる事も増えていった。
というか恋愛対象として意識し始めたようにも見える。未成年にのめり込む2×歳と書くとヤバいけど。

酒飲みだが悪酔いしやすく、飲み仲間の名雲には手を焼かせ、酒で大失敗したこともある。

最近は一人で名雲の事務所に遊びに来たり仕事を手伝うことが増えている。それ以外でも偶然遭遇することが多い。アスナロ「某は?」

なお彼女の年齢は不明ながらも、彼女がOL時代に作中で約10年ぶりに再会した名雲と美馬坂が一緒に仕事をしている事から、少なくとも20代後半。
ただ約10年ぶりの再会と言っている名雲たちの記憶力がアレなので、二人の記憶にどこまで信憑性があるかで変わる。


ヤベェおじさん四天王

  • 十字(クロス)胸毛おじさん
CV: 杉田智和
『ヤベェおじさん四天王』の一人。最年長。
年老いた男性であり、海パン一丁で頭にライトを付け、街を徘徊する。
胸毛が十字になっているのが特徴。
普段は狭くて暗いゴミ溜めを住処にしているが、意外と綺麗好きで銭湯通いが欠かせない。
そして銭湯帰りに地べたを這って小銭探しが日課。名雲「せめて風呂入る前にしろよ」

  • ロープ大好きおじさん
CV: 杉田智和
『ヤベェおじさん四天王』の一人。
頭部に真白にやられた手裏剣の跡が付いている。
海パン一丁でロープで亀甲縛りをして街中を徘徊しているおじさん。
体に大きなタトゥーが彫っており、その一部には『キリコ』という妄想の娘の名前が彫ってある。
でも妄想の娘の名前を体に入れたのは後悔しているらしく、夜一人で泣いているのが確認されている。

CV: 杉田智和
『ヤベェおじさん四天王』の一人。
海パン一丁でネクタイをした筋肉質の男性。
出会う人々に自分の乳首の試食を勧めてくるおじさん。
詳しくは個別で。

  • 厚着挙動不審おじさん
CV: 諏訪部順一
『ヤベェおじさん四天王』の一人。
年中厚着で街中を徘徊しており、やたら挙動不審。
……実はこのおじさんこそ、名雲桂一郎その人。
挙動不審なのは探偵なので怪しい行動をしているから。


その他

  • 美馬坂総也
CV: 加瀬康之
元高校生探偵で現在は警部。35歳。
名雲とは友達だったが、本編で名雲が下着ドロ容疑で捕まるまでの約10年間会っていなかった。
名雲ほどではないが機械音痴なうえ、記憶力の低下によって過去の事を詳細に思い出せない。
名雲の過去の事は知っており、真白の正体もいち早く見抜いた。
反抗期の娘に手を焼いており、興味を引こうと娘が懸想している乳首試食おじさんの真似事をしたこともある。

  • 美馬坂風
CV: 和多田美咲
美馬坂総也警部の娘で、タイトルを作中で言ったキャラでもある。
年齢は不明ながら、名雲が存在を知らなかった事から10歳以下と思われる。
父親の怪盗との闘いの日々を聞いて過ごすうちに、探偵ではなく怪盗に憧れてしまった。
『怪盗ビーバー』と名乗り、名雲たちを相手に怪盗になるための練習をしている。
何故か乳首試食おじさんにベタ惚れ。

  • 星野アズハ
CV : ファイルーズあい
名雲探偵事務所があるビルの4階に住んでいる女子大生。19歳。
常識や倫理観が相当に怪しく、発言や所有物がかなりずれている。
一応大学生だがろくに通わずに部屋に籠り、スーパーのレジ打ち、草野球の代打等をしながら発明をしている。
とんでもない発明品を作ってはトラブルの引き金になっており、某漫画アイテムを参考にした探偵グッズを提供したりもしているが、
上手く現実に落とし込む事が出来なかったり、斜め上のアレンジが施されていたりでまともなグッズは殆ど無い。
ちなみに巨乳は祖父からの遺伝であり、父は豊胸薬を使った事があるという……。

  • 星野カグヤ
アズハの母。夫とは離婚しているが、詳細は不明。名雲とは対照的に若い頃と全く容姿が変わらない。
ハーメルンによる連続児童誘拐事件が発生していた頃に名雲の下に依頼人として押しかけそのまま助手として居座っていた。
名雲が好意を抱いていた数少ない女性であり、彼女も名雲のことが気になっていると語り現在でも名雲にちょっかいをかけたり監視したりしているが、名雲は全く本気にしていないため関係は進展していない。
普段は無表情な反面、名雲絡みだとよく笑顔を見せる。名雲も彼女を相手にしているときはテンションが少し違う。

  • ハーメルン
名雲が高校生だった時に逮捕した大犯罪者。
有能な人材を親子ごと洗脳して日本社会を転覆させようとしていたらしい。
本作では珍しく、これはギャグ描写が一切ない犯罪*1になっている。
かつてはムショの中にいたが、コーシュの手引きによって脱獄してしまった。
なお、ムショ生活では警察から一切の情報遮断をされた結果、現在は名雲桂一郎ばりのジェネレーションギャップキャラになってしまった。
なお名雲との再会時にそれらしい会話をしようとした辺り、それっぽい雰囲気を作るのが好きらしい。

用語

  • コーシュ
大犯罪者ハーメルンが作った組織。『合唱団の燃え残り』という意味。
ハーメルンが逮捕されたために解散したと思われたが、ハーメルンを脱獄させるために活発になってきている。
組織の一員は首にコーシュのエンブレムを、脱退するものは左足に『fine』の文字のタトゥーを入れる。
この組織による犯罪は規模・下準備・質の悪さなどのレベルが相当高いが、この漫画なのでやはり構成員は日ごろボケ倒している。

  • 光の子供達(レジェロ)
ハーメルンはさらった子供達の事を『光の子供達(レジェロ)』と呼んでいた。
ハーメルンは有能な人材をさらうと洗脳を施し、その有能な人自ら我が子を誘拐するように仕向けたらしい。
彼らは名雲の手によって救われたが、未だにハーメルンとコーシュに狙われているようで、
コーシュに抵抗するために成長した子供たちは自ら『光の子供達』と名乗る様になる。
というのも彼らは幼い頃両親によって誘拐された過去があり、なおかつ本編中にデスゲームに参加させられたため、周りの大人たちを信用出来ないから。
ちなみに真白も光の子供達の一員。でも再結集している事をまだ知らない。

  • ヤベェおじさん四天王
名雲がいる街を騒がす変態四天王。略してYO四天王とも呼ばれる。


追記・修正は真白に腕相撲で勝ってからお願いします

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  • 2016年
  • アニメ化
  • KADOKAWA
  • アニメ
  • 25年夏アニメ
最終更新:2025年04月27日 16:29

*1 本作ではシャレにならない犯罪描写がむしろ数多いが、それでもどこかで多数のギャグが挟まる