阿笠博士の発明品

登録日:2012/04/24 Tue 21:56:39
更新日:2025/04/26 Sat 22:05:40
所要時間:約 23 分で読めます




この項目では『名探偵コナン』に登場する発明家・阿笠博士が開発した道具を紹介する。


概要

高校生から子供の姿にされ、犯人を暴いたり捕まえるのに苦労するようになった江戸川コナンのために開発した。

「自称」天才科学者として、物語開始直後はギャグキャラであった阿笠博士だが、玉石混淆でこそあるものの、目を見張る発明品を見る限りまぎれもなく天才。
コナンへ提供した発明品を元に玩具や日用品として作り直した物は幾つか商品化されており、彼の収入源の一つとなっている。

コナンが身につけてもあまり怪しまれないであろう品(一部微妙だが)に何らかの道具を仕込んだり、既存の器具を超小型化させたものが多いのが特徴。
また、博士の趣味として、実用性よりも遊び心を重視しているかのような節が見受けられる*1

変声機や麻酔銃などしょっちゅう使われるものがある一方、出オチの道具もけっこうある。
実はあのスケボーも原作コミックスでは数えるほどしか使われていない。

登場する品はあくまでもコナンの必要に迫られてというものが基本。
「発明品で何でもかんでもやってしまう作品」ではないので、悪人がこのような物を使って犯罪を犯すことはほぼないが、多少ならば実際に作れそうなものも多い。
しかしながら実際に製作・運用した時には問題どころか法令に反する、あるいは人命に関わる大事故に至る恐れが高い道具も目立つ。
そこらもネタとして、分かる範囲で一応記載。

ミステリものの慣例としては「反則」に近い機能を持ったものや(全エピソード共通となるものは佐木のビデオカメラくらいしかガジェットを使えない一ちゃんと比較するとわかりやすいか)、個別の説明のみならず記事タグにもあるように推理ものじゃなかったとしてもほぼひみつ道具レベルの謎技術なものもけっこうあるが、これはおそらく作者の青山先生が描きはじめた時は短期集中連載でサッサと話を畳む前提でプロットを作っていたため*2
良い意味でもそこまで深く考えずに「探偵とガジェットはセットだよね」で設定してしまい、長期連載・黒の組織との頭脳戦がちゃんとした縦軸に移行したことで博士の技術力が浮いてしまったのだろう。
マンガに関する都市伝説で当時定番だった「阿笠博士が黒の組織のボス」「博士と組織はつながりがある」も*3、博士のラボにこの超技術・謎技術の設定がほぼすべて残されているのもあったようだ。

発明品一覧


●原作初出

◆蝶ネクタイ型変声機

記念すべき発明品第1号。それだけに発明品の中では最も使用頻度が高い。
コナンが小さくなってから3日目にはもう完成していた。変声機は後に色々なタイプが登場し、企業がスポンサーについて一般流通された物もある辺り、前から研究していたのだろうか?
蝶ネクタイの裏側に変声機が取り付けられており、ダイヤルを調節することで(恐らくスピーカーを通して)様々な人物の声を出し、拡声器のように声のボリュームを上げることも可能。
主におっちゃんを眠らせて推理する時や「工藤新一」として連絡する時に活用する他、寝ている蘭をボリュームMAXで叫んで起こす、成人男性の声で犯人を威嚇・誘導するなど様々に活用できる。

しかも一度聞いた声なら勝手に登録されるという超高性能機能付きで、『江戸川コナン誘拐事件』では任務のため地球にやってきた宇宙探偵を名乗りつつ、たった今聴いたばかりの母親の声を出したことで、幼い少年から信頼を得たこともある。
なお、小五郎の声はダイヤルの「59」番。よく使うので印が付けられてるらしい。自動登録されていくのにどうやってダイヤルで対応させているのだろう?

話の中で隠れながら逆向きに話したりしても全く不審に思われない*4ため、音響面でも阿笠博士の謎技術が施されている可能性がある。
現状「変な所から小五郎の声が出ている」と疑われたのは、声を出すコナンと座っている小五郎の間に蘭が来ることになってしまっていた『天下一夜祭殺人事件』くらい*5

変声機を常時着用していることが判明しているにもかかわらず人前で使ってもバレないのご愛嬌。
『探偵事務所籠城事件』では、歩美に「コナン君また違う人の声出してる」と言われてたりもする。

アニメ版『弁護士妃英理の証言』では色違いの変声機も登場した。
原作で最初に博士に渡された物の色も実は緑(アニメでは赤)。オシャレに気を使って色々作ってくれてるのかも知れない。

蝶ネクタイ型マイクとしての機能だけならば現実でも製作可能。
しかしながら「一度聞いた声色を自動で判別・解析・登録し、あらゆる言葉・イントネーションに対応」となると明らかに厳しい。
加えて
  • 極めて近くに居る人にバレないほどの小声で話しても問題無い集音性
  • 集音性の割に呼吸や物音を拾わない(自動補正?)
  • ボリュームを大きくしても決して音が割れない拡声器機能
  • 全く声の質が違う他人が同様に使用しても同じ声色に変換できる
  • スピーカー部分は蝶ネクタイで隠れているのにどこから声が出ているのかバレない
というのは、現実では決して真似のできない技術である。
さらにサイズから考えると、これまた驚異の省エネあるいは電力容量の大きな充電式の電池を使っていることは間違いない。
第1号にして明らかにとんでもない代物だが、多分法令には反していない。

シールとして貼れる「ボタン型スピーカー」と併用する事で、離れたところからも眠りの小五郎or推理クイーン園子が可能。
これが初めて登場した『霧天狗伝説殺人事件』では、かなり遠くから推理を話したとはいえ、あろうことか小五郎の額に貼り付けていた。
流石にそれ以降は襟の裏などに付けている他、『黒の組織との再会』では相手をスピーカー側へと引き付ける撹乱にも使用された。だからそのトンデモな指向性はなんなのか。
『大岡紅葉の挑戦状』では紅葉によって和葉の服に小型のスピーカー兼盗聴器が取り付けられていたので、現時点のコナン世界でこの技術は阿笠博士抜きに一般化しているのかもしれない。
また、ボタン型スピーカー以降も、後述するイヤリング型携帯電話を始め、集音機*6イヤホンなど様々な物へ音声を飛ばしている。

なお、劇場版『世紀末の魔術師』では変声機を使って死人の声を出していたが、原作やアニオリでは基本的にこのような使用法をしていない。
この行為は推理ショーを完全に無意味にする反則技なのか、暗黙のルールとも言えなくもない。

某動画サイトでは市販の変声機を利用して実際に作った人もいた。ダイヤルは飾りらしい。

腕時計型麻酔銃

小型の麻酔針発射機構を腕時計に仕込んだもの。時計の上蓋が照準に、時刻合わせのネジ(リューズ)が発射ボタンになっている。
詳細や活躍などについては個別ページで。

いうまでもなく麻酔薬はれっきとした薬物であり、人に投与する場合は専門家の指導及び被験者の正確な身体情報が必須。
その上で投与するにしたって適切な部位の知識と適切な器具も求められる。
そんな中、まして「象でも眠る大型麻酔相当」なんてものを人体に打ち込んだら、麻酔に弱い地上最強の生物でもない限り半日どころか永眠確定である自殺しようとした犯人に対して使った時もあるが、これを考えればかえって逆効果のような気がしなくも……。

◆犯人追跡メガネ

コナンがかけている度無しのメガネ。
レーダー機能によって、半径20km以内にあるシール型発信機や探偵バッジ、スマホなどに付いているGPSの場所を知ることができる。
使用シーンが原作・特別編の表紙になったこともあり、まさしくコナンの象徴と呼ぶべきだろう。

劇場版ではレンズが防弾ガラス*7になったり、赤外線望遠鏡機能(!?)やサーモグラフィ表示機能、タイマー、録画機能、録画した映像を他のモニターに割り込ませることが可能なハッキング機能*8、さらに車種や色彩の判別が可能な認証システム機能*9が付いたりと色々強化される。

シール型発信機はいつも服のボタンなどに数枚重ねて貼り付け持ち歩いている。
キャンプの時でさえ持っているのだから本当に「常備」しているのだろう。

めったに使わないが、メガネのツル部分には盗聴器(右)と集音器(左)も内蔵しており*10、チューインガムでくるんで貼りつけることで音を拾う応用もできる。
『黒の組織との再会』では周波数を合わせることでメガネをかけた灰原と交信を行った。
最近ではシール式発信機にも集音機能が内蔵されていること、阿笠博士のメガネのツルも盗聴器になっていることが発覚した*11
しかし追跡中にバッテリーが切れたり、盗聴を気付かれて破壊されたりと、肝心な時に役に立たない場合もあるので、この辺は大長編補正みたいなものと割り切るべきだろう。

ちなみに現在使用しているメガネは2代目*12
予備も多数あるようで、灰原が使用したこともあった。

あれこれ電子機器が搭載されていると思われるが、コナンは正体バレを避けるために入浴時はもちろん海水浴の時でもメガネを着用しているので、どうやら完全防水のようである*13
一体どこまで高機能なんだ……。

盗聴・集音機能そのものは法令違反ではないと思われるが……クリーンとも言い難く、ちょっと判別が付けづらい。
ただし、少なくとも使い方については完全にアウトなので良い子の皆は真似しないように。

ターボエンジン付きスケートボード

表面のソーラーパネルから電力を得て走るスケボー。
詳細や活躍などについては個別ページで。

言うまでもないが、完全に道交法を無視した代物。そもそも単純に危険である。
良い子はこれを参考にスケボー改造してブンブン走らないように*14

「所詮フィクションだし揚げ足取らなくても」と思う方も多いと思われるが、実のところ≒の存在である原動機付きキックボードは市販されている上、規制緩和によって基準を満たしていれば日本でも公道を走れるようになった
流石に短時間の太陽光充電で走れるスケボーはまだ実現してないし、コナンのスケボー並みに速度が出せるとなるとぶっちぎりで違法なのでナンバーを取る必要がある&取れる見込みは薄い。
くれぐれも知識を身に着けて適切に運用しよう。

キック力増強シューズ

電気と磁力で足のツボを刺激し、筋力を極限まで高めるスニーカー。
詳細や活躍などについては個別ページで。

蘭や京極の空手、毛利夫妻の柔道、平次の剣道に和葉の合気道、赤井や世良の截拳道、安室のボクシング等々やたらと強い人が多い本作だが、この靴のおかげでコナンでもそれらに匹敵する威力のキックを繰り出すことができる。
しかし、当然反動は使用者にも返るし、そもそも靴自体は普通の強度なので、ヤカンなどの硬いものを蹴れば普通に自分の足を痛める。

アキレスの子供用スニーカー「瞬足」とのコラボにより、キャラクターグッズとして商品化された。もちろんキック力は増強されません。

◆少年探偵団バッジ(DBバッジ)

超小型トランシーバーが内蔵されたピンバッジ。
コナンだけでなく少年探偵団や阿笠も所持しており、言わば少年探偵団のシンボルとも言えるアイテム。
追跡メガネの発信器となるほか、集音機能も優秀なため、これ自体が実質盗聴器になる。
車に乗せてもらったりした後にわざと置いて出て行き、会話を盗み聞きしたり、作戦を持ちかけたりはよくあるパターン。
最近だと、ついに堂々と刑事に渡して盗聴までし始めた。コナンは盗聴用に複数持ちしてるのだろうか?

異次元の狙撃手』ではアンテナ先端にLEDライトが追加され、任意の相手のバッジを光らせることができるようになったが、発光中にモスキート音が鳴る不具合も加わってしまう。ただ、このモスキート音が思わぬ形で役に立ったこともあった。

変声機と同様、ボタン型スピーカーへ声を飛ばせるようで、安室が自分の声をバッジを通して風見に取り付けたスピーカーに飛ばし、怪盗キッドを出し抜いたことがある。
あと劇場版のスケボーと同じで最近よく壊されがち。

元がおもちゃなだけに認可を得ていると思われるので、意外にも(?)恐らく電波法などにはひっかからない。
そのため「探偵団同士の双方の合意に基づくやり取り」ならばOKだが、「盗聴」「標的の追跡」どちらも明らかに黒。というか認可得た時にスペック詐称したんじゃないだろうな。

伸縮サスペンダー

形状記憶素材を使い、ボタン一つで自在に伸び縮みするサスペンダー。
詳細や活躍などについては個別ページで。

◆どこでもボール射出ベルト

一見普通のベルトだが、ダイヤルを合わせてボタンを押すとバックルからサッカーボールが飛び出す。
ボールに注入するガスの量を調節することで、最大でアドバルーン大までボールの大きさを変えることができる。
これで物を探さずとも素早く犯人をぶっ飛ばせるようになった。

ボールに使用されているゴムの性質上、ベルトから離れると10秒程度しか形を保てないのが欠点。逆に言うと時間までは結構な……というより異常な強度を維持できる。
強化されたコナンのシュートに耐え、相手にぶつかっても形を保ち、相応の脚力で蹴れば石柱をもへし折る*15
描写的に破壊力は、かの『キャプテン翼』のそれよりも上である(そちらの作品では、コンクリにめり込む~ポストにぶつけたら破裂程度)。
しかもきっちり10秒という短時間で形を無くすのは逆に驚異というか……何か不気味ですらある。

他にも高所からの落下時にクッションにしたり、閉鎖空間で相手に追い詰められた際に膨らませて逆に相手を押さえ込んだりと活用の幅は広い。
何より問答無用で不意打ちをかませる点で非常に優秀、というか凶悪。
近年のエピソードでは前述の麻酔銃とこのボールで2人ぐらいなら無力化可能というのが前提になっている節もある。

天空の難破船』では飛行船が直接橋にぶつからないよう緩衝材にしても割れないという異常な耐久力を見せ、『異次元の狙撃手』以降ではサッカーボールとは別に蹴り上げると花火のように光りながら爆発する「花火ボール」を射出できるようになった(詳しくは後述)。

ガス注入が化学反応によるものか気圧差を利用したものかは不明だが、どちらにしても事故に繋がる恐れが割と高い危ない道具に思える。
間違ってもこのような装置を身に着ける形式では作らないように。
あと、前者の方法の場合は熱を始めとする副作用がまず発生するので多分法令違反になる。

◆マスク型変声機

蝶ネクタイ型変声機のマスク版。『命がけの復活』で灰原がコナンに変装した時に使った。
その他にもマスクを含む変声機を仕込んだ変装用アイテムは度々登場し重要な役割を担う。

イヤリング型携帯電話

読んで字のごとく、イヤリングを模した小型の携帯電話。
詳細や活躍などについては個別ページで。

ベルモットの正体が明らかになる頃辺りまではよく使用されていたが、それ以降は普通の携帯電話が普及したためかめっきり見なくなってしまった。
特別編ではそこそこの頻度で登場しており、『名探偵コナン 推理ファイル 環境の謎』では全編に渡って活躍する。

どのような電波を利用しているのかや、どうやって電波を中継しているのかなどは不明(説明されても反応に困るけど)
東都大学工学部博士課程を卒業しているほどなので、多分何らかのツテがあったりなんだったりするのだろう。

◆弁当型携帯FAX

市販のFAXを弁当箱にくっつけただけのもの。ご飯の梅干しがスイッチになっている辺り無駄に凝っている。ちなみにおかずは本物。
スマホどころか携帯電話も少なかったかなり初期のエピソードである『プロサッカー選手脅迫事件』にだけ登場した超マイナーな道具だが、劇場版OPにはなぜかしっかり登場。だから電波はどうやって確保しているのさ。
そのインパクトから『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』でネタにされるなど知名度は高いほうである。

◆ボイスレコチェンジャー

声を録音し、それを他人の声に変換できるペン。
『月と星と太陽の秘密』では犯人撃退に一役買った。

「バンダイとの共同開発で製造・販売され、阿笠がその契約金で儲けた」という設定だが実際にバンダイより発売された。
余談だがこれ以外にもラジオを内蔵したものなど、ペンタイプの玩具がいくつかバンダイから発売されている。

アニメでは仮面ヤイバーが描かれた薄いカード型の「ヤイバーレコチェンジャー」に変更されている。

◆腕時計型ライト

灰原達少年探偵団メンバーに配布された。

◆トロピカルレインボー

爆発すると七色に輝く花火。
『本庁の刑事恋物語2』では杯戸町の美術館の解体の際に使用する予定だったが、中に閉じ込められた佐藤刑事と無実の罪を着せられた男性を救うべくコナンが爆破を邪魔したため延期となった。
のちに演出だけの装置と判明*16

◆自動ハムエッグ作り機

その名の通り自動でハムエッグを作る調理器具。
近所の人たちに無料で配ったが、不具合が多く苦情が殺到する結果に*17
コナンが言うには最初から微妙な代物であったらしい。

◆石川五右衛門型温泉ロボ

お湯につけると、温度や効能等を音声で教えてくれるロボット
五右衛門風呂ということで石川五右衛門が釜に入っているデザインとなっている。
箱根の温泉旅館*18の主人が大量に購入してくれたが、部品の磨耗による漏水に弱い。

◆血が噴き出る帽子

拳銃の空砲などに合わせて中に仕込まれた血糊が吹き出す帽子。ニット帽やハンチング帽などのバリエーションがある。
某FBI捜査官の死を偽装して敵組織を欺く際に使われた。
当初は安室透の推理中の台詞のみで実物が確認されていなかったが、後に明確に発明品として登場し、アンドレ・キャメルを救うのに重要な役割を担う。

そもそも実際の映像撮影でも「撃たれた」とかの場合はこういう遠隔操作で血糊が出る装置を使う場合があるため、本職の者が見ても疑わないほどリアルな出血表現ができるとなると非常に優れた発明。
ただ、作中の用途が用途だったので、機密上はたしてそういう真っ当に必要とするところに販売できているのかどうか…

◆鋏

切ると「チョッキン」と音がする。商品化された。
コナン曰く「くだらねー発明」だがそれなりに人気はあった様子。
確かにくだらないが、使って爽快感が味わえるという意味では悪くないアイデアにも思える。

◆聞こエンジェル

天使の羽根の意匠がついたワイヤレス補聴器。
相手の声や周囲の物音がその名の通り度々不具合を起こして聞こエン天使の囁きのように優しく聞こえる。
その不具合ぶりは灰原曰く「聞こエンジェルとは言いえて妙」。……哀ちゃん、ダジャレオヤジに毒されてない?

◆ゲームソフト

発明品ではないが、阿笠が作っているゲーム
少年探偵団を主なモニターとして開発にいそしんでいる様子。
RPG、レース、アドベンチャーなどジャンルも幅広い。

ベイカー街の亡霊』ではゲーム業界を左右する新世代ゲーム機の最終チェックを任せられていたため、阿笠自身ゲーム業界でも一目置かれている存在であると言える。
もしかして収入源だったりして。

●特別編初出

◆ノート型電子マップ

特別編第1巻FILE.2『誘拐』及びそれを原作としたアニメ版第86話『誘拐現場特定事件』に登場。

算数ノートに見せかけた電子地図。早い話がタブレットである。何年時代を先取りしているんだろうかこのオヤジ。
しかもこのディスプレイ、外装と継ぎ目を見るに柔軟性のある超技術の可能性が高い(一応リアルでも後に実現)。
機能自体は現代だと大したことはないかもしれないが、技術に関しては今見ても夢が広がる道具である。

◆なんでもあけーる

特別編第6巻FILE.8『奇妙な誘拐』に登場。
100円ライターのような形状のアイテムで、出てきた針金を差し込んで鍵を開ける。
作中では誘拐犯の車のドアをこじ開けて中を調べるために使用。どこかで見たような演出とあまりにも安直な名前からコナンに「ドラえもんか」とつっこまれた。

最早言うまでもないだろうが犯罪です

●劇場版初出

◆薬品

迷宮の十字路』に登場。灰原と共同で開発したもの。
病欠したい時などに使う「風邪と同じ症状を出す薬」、下戸の人が飲み会をやり過ごす用の「酒を飲むとすぐ顔が赤くなる薬」、「腹が鳴るのを抑える薬」などがある。
コナンが一時的に新一に戻るために服用した*19。そこ、ご都合主義とか言わない。

子供向けの『名探偵コナン 謎解きパズルランド』では、なんと透明人間になる薬という全世界の野郎共が渇望する夢の薬まで開発していた。
しかしこの薬、お約束通り服は透明にならないうえ、すぐに効果が切れるため使い物にならない。
これを服用した強盗団が犯罪を行おうとするもコナンの機転で捕まり、最後はお約束通りのオチになった。

腕時計型麻酔銃の件もそうだが、工学部なのに阿笠はなぜ薬品にも詳しかったり特別な薬を用意できたりするのだろうか?
APTX4869用の薬は仕方ないとしても、それ以外に認可されているのか怪しい薬が平然と混ざっているのは問題では……。

◆リュックサック式パラグライダー

銀翼の奇術師』に登場。
一見リュックサックに見えるが、両方のショルダーハーネスに付いている角カンを同時に引っ張ることでリュックサックの中からパラグライダーが飛び出し、空を滑空することができる。
滑空中では角カンの引っ張り具合で降下の調整が可能だが、使えるのは1回のみ。

汐留ビュータワーからハンググライダーを使い逃走する怪盗キッドを追跡するのに使用*20ゆりかもめの車両の上で切り離して着地するが、同じく切り離したキッドのベルトとハンググライダーには巻上式のワイヤーが繋がっていたため、あと一歩のところで逃げられてしまう。
期間限定で公開されていた3Dシアター『コナンVSキッド SHARK&JEWEL』でも登場した。

◆盗聴器付きカフスボタン型スピーカー

水平線上の陰謀』に登場。
機能性ではコナンが眠りの小五郎や推理クイーン園子の時に使うボタン型スピーカーと同じだが、他にも盗聴器と発信機が仕込まれており犯人追跡メガネとリンクしている。前半で阿笠に見せてもらった際に小五郎に取り上げられてしまったが捜査会議や後半の推理で結果的に役立った。

現実にもこうしたボタンに偽装した盗聴器や隠しカメラは存在している。
説明するまでもないが、良い子の皆はこういうものを使用しないように。

◆小型酸素ボンベ

紺碧の棺』に登場。名前そのままの小型の酸素ボンベ。
黒鉄の魚影』でも新しいデザインで再登場。

◆高性能スノーボード

沈黙の15分』に登場した、ターボエンジン付きスケートボードの雪道バージョン。
ターボエンジン搭載で斜面じゃなくても自立走行が可能で、さらに夜間に使っていたことから充電もできる。しかも前後を押し込むことで通常のスケボーと同じ大きさに縮めて持ち込むことが可能。

夜間に勝手にスノーモービルを持ち出した挙句、転倒により壊してしまい遭難した探偵団との合流に使った後、ある人物に狙われた探偵団を助けるため灰原とタンデムで走行。
終盤では犯人から逃げる時に使ったり、爆破されたダムから流れ出る洪水を止めるのに使用したりと大活躍する。
それもあってか劇場版限定の発明品だが、メインビジュアルにも登場している。

◆水陸両用のソーラーボード

ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』の冒頭に登場した、ターボエンジン付きスケートボードの新モデル。
なんと車輪を収納することで水上を走行することが可能になり、夜間用の太陽光充電エンジン、暗い道でも走行できるヘッドライトをも備えた優れ物と化した。

月島に現れ、逃走する怪盗キッドの追跡に使用したが、まさかの乱入者により真っ二つに切断され取り逃がしてしまい、さらに翌日阿笠に見てもらった結果修理不能と判断されて御役御免。以降は通常のスケボーを使う。
ちなみに「水陸両用のソーラーボード」と名前が出たのは、阿部ゆたか・丸伝次郎によるコミカライズのみ。

◆花火ボール射出ベルト

異次元の狙撃手』にて初登場。
どこでもボール射出ベルトの派生。従来のサッカーボールはもちろん、文字通りベルトから爆発する花火ボールを射出できる
初登場以降は『業火の向日葵』、『純黒の悪夢』、『ゼロの執行人』、『緋色の弾丸』、『ハロウィンの花嫁』、『黒鉄の魚影』『100万ドルの五稜星』と劇場版限定のレギュラー武器として登場しており、蹴り上げる度になかなか重要な役割を果たしている。つまり、櫻井脚本では定番化。
『業火の向日葵』と『黒鉄の魚影』では水中で爆発させていた。

しかしアクション要素が強くて何かと爆発する劇場版のみでの使用とはいえ、いくらなんでも花火(というか爆弾)は過剰戦力にも程がある。
存在も使い方も真っ黒な上にうっかり事故ったら明らかに大惨事に繋がる驚きの黒さなので、良い子の皆は決して作ったり使い方を真似しないように。
『異次元の狙撃手』序盤での初使用時は花火として打ち上げたら近所の明かりが一斉に点灯、近所から激しいクレームを受けた。

◆スイカを好きな形にカットできる機械

まんま。正式名称不明。
『業火の向日葵』に登場。スイカをこの機械にセットしてしばらく待つと仮面ヤイバーの形にカットされる。
元太は「うな重が出てくるのかな」「うな重より凄いもんって特盛かな」と呟いていた。

一発ネタ道具の割には子供が喜ぶアイテムとして優秀で、阿笠には厳しい灰原ですら称賛するほど。

◆高性能ドローン

『ゼロの執行人』に登場。30km先の範囲まで飛ばせる上、高度1万メートル先まで上昇可能という優れ物*21である。
日本においては、ドローンを無許可で地上や海面から150m以上の高さへ飛行させることは航空法で禁止されているのだが……*22
歩美はこれを使って、埼玉県に住んでいる伯母の家まで荷物を届けたらしい。また、終盤においては公安警察の任務にも活用される。

方向・速度・カメラという3つの要素を同時に操作しなければならないため、1人で操縦するのは困難なのが惜しい所。
阿笠は劇中でコントローラーを3つに分けることで元太、歩美、光彦が遊びやすいようにした。

◆新どこでもボール射出ベルト

『ハロウィンの花嫁』に登場した、どこでもボール射出ベルトの改良版。
超巨大なサッカーボールを発射できるように改良していたが失敗続きで、冒頭では大きい音と共に阿笠邸の庭に穴が開いた。それでお隣さんたちは迷惑になってないのだろうか?
しかしクライマックス、渋谷に仕掛けられた爆弾を止めるため活用されることに……。

ちなみに、このベルトで使うサッカーボールは通常使っている「タンゴ」ではなく「テルスター18」である。

◆水中スクーターと海中ヘッドセット

いずれも『黒鉄の魚影』に登場。
水中スクーターは市販のものとは違って自動運転機能が搭載されていて、30m以上潜れる。
また、水中スクーターのヘッドは着せ替えが可能*23。動力はバッテリー式。

海中ヘッドセットは、『紺碧の棺』でも登場した減圧症になりにくい小型エアタンクと無線と一つにしたイヤホンが伸びて耳の穴にぴったりと収まるゴーグルがセットになっている。

中盤、潜水艦内にいる灰原を助ける際に追手のソナー*24を欺く囮として使用し、終盤では潜水艦近くの海中に花火ボールを射出するためにコナンが1台使い*25、直後に海中のコナンの安否を心配した灰原がもう1台使った。

◆気球

『100万ドルの五稜星』に登場。
宝の在処を突き止めるカギが気球に関係しているためコナンの指示を受けて用意した物。
動力源は火による熱で、灰原のスマホによる操作で4本のワイヤーを伸ばしているウインチを制御可能。
カゴの床はガラス張りになっていて側面には窓がある。
また、気球のカゴの中には高出力レーザーポインターやコナンのスケボー、元太用のお菓子などが収納されている。

◆キック力増強シューズ(スノーブーツver.)

『隻眼の残像』に登場。
舞台が長野県の雪山の為、それに合わせて阿笠が用意したと思われる。用途は通常のキック力増強シューズと同じだと思われる。

アニメオリジナルエピソード初出

◆個人用移動ロケット

アニメ版『ジェットコースター殺人事件』及び、それをリメイクした『エピソードONE ~小さくなった名探偵~』に登場。
交通渋滞を解消するため開発している途中だそうだが、外壁に穴が空くほどの爆発を起こすなど失敗続き。
コナンになる前の新一に「ミサイルみたいな物じゃねーのか?」と指摘されるが阿笠は「安全第一」だと反論した直後に誤作動により阿笠は空の彼方へと飛んで行った。

◆開けて、開けて、だ・メカ(仮称)

『コンピューター殺人事件』に登場。
車のドアに取り付けると、取っ手部分をガチャガチャやって防犯装置を誤作動させる。それだけ。
コナンが容疑者の気を引くために使っていたが、阿笠をモチーフにしたメカなので、阿笠を知っている人が見たら犯人はバレバレである。

◆画像補正ソフト

『スクープ写真殺人事件』に登場したPC用ソフト。
あるカメラマンが撮影し、雑誌に掲載された火災現場のスクープ写真の隅を拡大して何が写っているのかを調べられないかとコナンが相談した際に使用。
いくら拡大しても解像度は固定のため、ぼやけて何も分からなかった雑誌の写真をスキャナーで取り込みデータ化。
さらに当時の天候や火事による熱の影響などのデータを入力する(!?)ことで補正・解析・判別し、超高解像度の画像を作り出すというとんでもないソフト。
これにより、雑誌の写真の隅に写っていた鏡に映りこんだキッチンの様子を鮮明に映し出した。

2D画像の3Dデータ化+画像内の物品の識別+材質の解析をこなしていることになる(高解像度化による目視での推理、のみなら『科捜研の女』にほぼ同一の目的で登場しているケースがある*26が、これも現実世界でそれ系のソフトが進歩してきた時期のシーズンから)。
2020年代も後半になって、似たようなことはAIの発達に伴い自動でできるようになってきたが、これは「常識的に考えればこうなるはずだ」と学習による経験則で補っている(言わば高精度の妄想)ので、データ入力が必要とはいえ、このソフトの方が信頼性は別次元で上だと思われる。
ちなみにこの回ではPCのOSやマウスパッドも自作らしき描写がある。

●ゲーム版初出

◆携帯用サッカーボール

PS用ソフト『名探偵コナン』「孤島の宝物事件編」に登場。
一見ゴムの塊だが、ボタン操作で空気が入りサッカーボールとして使用できる。空気を抜けばただのゴムに戻せて携帯可能。
どこでもボール射出ベルト登場前の発明であり、空気の時間制限がなさげなことがベルトとの差別点だろうか?

◆特殊全身スキャンシステム&VRゲーム用コントローラー/テストプレイ用の格闘ゲームと探索ゲーム

グランブルーファンタジー』でのコラボイベントに登場。上記した『ベイカー街の亡霊』におけるエピソードを踏襲したものだろうか?

ゲーム自体はとあるゲーム会社と共同開発で、阿笠が担当したのがこの部分。
その名の通り全身をスキャンすることで仮想空間にプレイヤーと寸分違わないアバターを作り、ベルトで装着する手足のセンサーと足元の重心コントローラーで操作してアバターを動かすもの。映像についてはVRゴーグルを着用する*27
これだけだとそれなりに普通だが、なんと圧力や電気信号で触覚や痛覚を刺激し現実にとても近い感覚で体を動かせるらしい。
創作物でよく見られるフルダイブ型VRゲームとゲームセンターによくある乗り込み型の大型筐体の合いの子みたいな感じだろうか。
また、スキャンシステムで取り込んだものは機械類でも現実通りの働きをするようで、阿笠の発明品クラスの代物でさえゲーム内でも問題なく使用可能という恐ろしい精度を誇る。

謎解きゲーム用であるらしく、痛覚の軽減などは行われない。
テストプレイ用の格闘ゲームも「格闘技経験者でなければ痛くて戦うどころではない」とのこと(蘭には「本当に誰かと戦ってるみたい」と好評だった)。

なお、阿笠が手掛けたものではないが、身体を動かして戦うタイプの格闘ゲームなら原作でも『バトルゲームの罠』に登場している。
始めてそのゲームをプレイした蘭は普段の空手と同様の動きをしてしまったが、実際の攻撃動作は小刻みに動く程度で十分で、傍目にはそれで格闘(ゲーム)をしているようには見えない。
また、ダメージを受ければそれに対応した衝撃が与えられるが、携帯電話のバイブレーション程度の強さとのこと。そうした要素が殺人のトリックに利用されていた。



追記・修正は博士の発明品のPC・スマホを使いながらお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 22:05

*1 例として、弁当箱型携帯FAXには本物の料理を入れていた。

*2 参考までに、『コナン』の直前に描いていたのはリアル系野球漫画の『4番サード』(少年サンデー増刊)とチャンバラ漫画の『YAIBA』(同サンデー本誌)。特に後者はファンタジー性強めの章・エピソードもまあまあ存在した

*3 青山先生は「そもそも阿笠博士のガジェットが出てくる時期には「あのお方」の正体の設定そのものを考えていなかった(大意)」と説明しているため、少なくとも博士の主観では組織とは無関係のつもりだったと思われる。

*4 というか麻酔で眠ってる人の口が都合よく動くわけがないので多少観察力のある人物が見たら一発でバレかねない。……まぁ、それを言われると話が進まないので仕方ないだろう。

*5 幸いその場に共に居合わせていた横溝刑事は、描写的にそちらの面では不自然さを感じなかった様子。

*6 『追いつめられた名探偵!連続二大殺人事件』で登場。

*7世紀末の魔術師』のみ。

*8ハロウィンの花嫁』のみ。

*9 アニメ版『風の女神・萩原千速』にて。

*10絶海の探偵』と『ゼロの執行人』では左のレンズに盗聴の音声波形などが表示され、左のツルのボタン操作でレーダー機能に切り替えることが可能。

*11 『風の女神・萩原千速』にて。

*1211人目のストライカー』や『純黒の悪夢』で大破・紛失しているので劇場版を含めると4代目であるが、『黒鉄の魚影』のコナン曰く「1号機」とのこと。いくつか持ってるんだけどね。

*13 なお『黒鉄の魚影』では、水中での使用により故障した。

*14 ナンバーを取れればいけるかもしれないが、取れる見込みは絶無だろう。仮に認められたとしても原付扱いになると思われるので免許が必要になるし、ついでに軽自動車税まで取られる。

*15 『怪盗キッドvs京極真』より。狙ってやったことではなく、怪盗キッドに放ったものが避けられた結果なのだが、そんな球を人に当てる気だったのか……?

*16 『緊急事態252』より。

*17 『魚が消える一角岩』より。

*18 『湯煙密室のシナリオ』より。

*19 「風邪と同じ症状を出す薬」を服用し、そのまま白乾児を飲んだことで一時的に元に戻ったが、風邪と同じ症状を出しているので体はフラフラ。灰原にも「命の保証はできない」と言われるほどの有様だった。

*20 持ち込み先がオペラ劇場だったので元太から色々と突っ込まれていた。

*21 一応、この高さまで飛べるドローン自体は実在しているが単独で製作してしまった人間は未だ(公には)存在せず、市販のメーカー品はこの10分の1以下の高度までしか飛行できない。

*22 コナンも「色々法に触れそうだな」と内心ツッコんでいた

*23 着せ替えパーツはサメ、イルカ、カメの3種類ある。

*24 超音波の反射や、周囲の音を拾うことによって敵の位置を特定するシステム。

*25 このとき潜水艦が動き出し、スクリューに巻き込まれ破損した。

*26 こちらではそもそも正規の捜査許可を取れる京都府警のスタッフであるため、「防犯カメラの映像をソフトに入れて、細部まで証拠映像にできるような解像度に上げる」「Hシステムのような、当該区間を通った自動車を撮影するものの映像データを入れて、ナンバーだけではなくドライバーの顔を改められるようにする」といった使い方をする

*27 こちらはおそらく阿笠の開発ではないが、安室によると良い出来らしい。